機能性食品摂取における腸内環境への影響解析
【図1】
近年、ヨーグルトなどの「プロバイオティクス」やフラクトオリゴ糖などの「プレバイオティクス」といった食品が注目されています。これらは腸内にいる微生物のバランスを改善し、人々の健康を促進する効果を持っています。本研究室では、「DFA III」や「Cellobiose」などのオリゴ糖や「玉葱カレー」をラットやヒトが食べた時の効果を調べています。腸内の変化を知るため、糞便等を用いて微生物学的(培養およびDGGEによる腸内細菌叢の解析)・化学的(pHや腸内発酵産物である短鎖脂肪酸量の測定など)分析を行っています(図1)。
【図2】
「DFA III」は、フルクトース2分子から成る難消化性オリゴ糖です(図2)。このオリゴ糖をラットやヒトが食べると、腸内の微生物の働きによって有機酸が作られて腸内のpHが低下し、大腸がんの誘導物質と言われる2次胆汁酸の生成が阻害されることがわかりました。これらのことからDFA IIIはカルシウム吸収を促進するほか、大腸がんを予防する可能性をもつ新たなプレバイオティクス素材として期待されています。
【図3】
「玉葱カレー」は、オニオンスープを作る際に出る玉葱の搾り粕を利用して作ったもので、玉葱に含まれる有用な食物繊維がたっぷり入ったカレーです(図3)。このカレーを便秘の人に食べてもらった所、お通じが良くなることがわかりました。