食品の機能ってなんでしょう?
体をつくる「栄養素」、生きるための「エネルギー源」、これが第一の機能です。
食事の楽しさを担う「味、香り、食感」などが第二の機能です。
さらに、食品には第三の機能として「体の機能を調節する働き」があります。
肌荒れのときは野菜や果物を食べると改善する、毎朝のヨーグルトでお腹の調子が整う、カラダを鍛えるときは肉や大豆などの良質なタンパク源を食べると効果的、など日常の中で食事が体に与える影響に気づくことはないでしょうか?また生活習慣病である肥満、糖尿病、高血圧、動脈硬化などの原因の一つは、食生活であると聞いたことはないでしょうか?食品は健康と密接に関わっており、いい面でも悪い面でも体の機能を調節する働きがあります。これが食品の第三の機能です。
お茶が健康に効く、リンゴが体に良い、XX食品で毎日を健康に、などの広告を誰でも一度くらいは目にしたことがあるかと思います。ですがそのような広告は何を根拠にして宣伝しているのでしょうか?また実際のところ効果があるのでしょうか?このような疑問を解決するには、食品の「どのような成分」が「どのような機能」を持っているのかを明確にすることが大事です。食品の成分は多種多様な分子を含むため、「どのような成分」か解析するためには「化学」が必要です。さらに体の中でも食品成分は、体の中のタンパク質などの分子と相互作用することで機能を発揮しています。この分子同士の作用を解析するためにも、「化学」が必要です。つまり食品機能化学は、分子を扱う「化学」の目線から食品のもつ「機能性」を明らかしていく学問です。
食物は私たちの体を維持するために絶対欠かすことのできないものです。以前は食物を主に栄養素の含有量やその比率だけで評価しました。しかし、食物と健康との関係が明らかになるにつれ、食物をその構成成分の機能的側面から評価する新しい動きが出てきました。
このような時代の要請に応えて、1992年4月の農学部改組の際に農芸化学科を継承した生物機能化学科に新たな講座として食品機能化学講座が誕生しました。初代のスタッフは仁木良哉(教授・酪農科学、92.4-96.3)、川端 潤(助教授・農薬化学)、園山 慶(助手・食品栄養学)でした。それぞれの出身講座(カッコ内)からわかるようにバラエティに富んだ陣容で、それぞれの特性を生かして広い視野をもった食品機能化学教育・研究がスタートしました。その後、教授は青山頼孝(96.4-97.3)、葛西隆則(97.4-02.6)、川端潤(02.8-18.3)、園山慶(18.10-)と変わりました。現在は園山、加藤、逢坂の三名が研究室の教員として努めています。
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