2013年4月に開設された寄附講座です。
気候変動による集中豪雨や度重なる台風の襲来、活火山や活断層の状況など近年高まる大規模災害対策の必要性から、実社会に直結した実践的な研究と国土保全を担う人材の育成を目指します。
2013/04/01~2019/03/31
国土の7割が山地・丘陵地で占められる我が国においては、台風や梅雨前線等による豪雨や積雪あるいは火山活動、地震によって過去から土砂災害に見舞われてきた。2011年1月から噴火活動が活発化している霧島山新燃岳、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震や、9月の台風12号による紀伊半島の深層崩壊などのように、近年、地震・火山活動・集中豪雨によって大規模な土砂災害が頻発している。
これらの土砂災害を防ぐためには、国土を監視する技術と危機管理体制の整備が不可欠である。そのため土石流シミュレーション技術を生かした火山地域のハザード設定や火山地域を含む中山間地における避難体制のあり方、土砂災害防止のための土砂移動動態の把握等の土砂災害防止に関する研究開発等が必要となってくる。
北海道には、有珠山や十勝岳など活発な活火山をはじめ、研究対象となるフィールド(火山、山岳域の中山間地、原始河川)が豊富であることから、研究室では国土の監視技術や地域の構造を踏まえた地域防災の進展をはじめ、我が国の抱える種々の土砂災害問題解消への貢献と、必要な技術を持った人材育成を図ってゆく。
2000年有珠山。
噴火にともなって山腹に堆積した大量の火山噴出物は、その後の降雨で侵食され泥流となって下流に被害を及ぼす。(写真提供:北海道)
2012年国道239号霧立峠。
地すべり発生にともない道路構造物が被災する事例が多い。中山間地などで迂回路の確保が困難な場合、地域交通に多大な影響を及ぼす。(写真提供:国土交通省北海道開発局)