木質生命化学研究室

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担当科目

木質生命化学

森林は地球温暖化に寄与する空気中の二酸化炭素を固定し、生活に必須な様々な有機資源を産みだす地上最大のバイオマス資源として注目されている。

天然に存在する有機化合物の中で最も豊富に存在し、樹木の強さを生むセルロースは、紙の主要な原料として重要である。木材のはセルロースの中にもアルカリで抽出されてくるヘミセルロースが含まれる。樹木を樹木たらしめているリグニンは天然のプラスティックともいえる堅い疎水性の性質を示す。

本講義では、森林を構成する樹木の構成成分、それらの化学的な性質を学び森林科学者に課せられた責務を化学的知見から遂行できる素養を養う。新しく展開されつつある木質資源化学関連の研究についても紹介します。

有機化学I

この講義では、有機分子の構造と結合・構造と反応性・アルカン・シクロアルカン・立体異性体・求核置換反応・脱離反応等の必須事項を重点的に学んだ後、アルコール・エーテル・アルケン・アルキンおよび非局在化したπ電子系に商店をあてて、有機化学の華とも云える複雑な化合物の合成戦略や反応機構の基礎を学ぶ。

有機合成は分子の建築とも云われ、極めて緻密なロジックの上になりたっている。分子を自由に取扱い目的の物質を得るための知識を身につけることは大変な記憶力を必要とする、とてつもないことのように思えるかもしれないが、反応機構を理解することにより、それはずっと簡単なことになる。膨大なとも思える有機化学の知識は、繰り返し出てくる比較的少数の理論により説明できることを理解する。

パルプ・製紙学

紙は文化・科学・技術の継承・伝達・保存手段として人類の知的活動を支えてきたのみならず、産業資材や生活資源として我々の生活の隅々にまで浸透している。

地球温暖化防止に効果のある森林から産み出されるパルプは紙となる。紙は回収・再生可能な資源であり、可燃性かつ生分解性がある優れた特性を有している。

現代の製紙産業は持続的発展が可能な典型的循環型産業であり、21世紀に求められる産業のあり方を体現している点から見てもきわめて重要である。

これらを理解し、他のバイオマス産業の構築にも応用が効くパルプおよび紙の製造技術に関して学ぶ。

木質資源化学実験

木材の主要成分であるセルロースおよびリグニンの化学的特徴を基礎的な有機化学の実験を通じて理解する。

  • 木材主要成分の分析・定量
  • 木材から紙の製造
  • 製造した紙の性能を測るための紙力試験
  • 取り出したリグニンを原料に、ポリウレタン等の高分子の合成を行いリグニンの利用法を学ぶ

院生募集

農学研究院 応用生命科学部門 生命有機化学分野 木質生命化学研究室

木質生命化学分野では、有機合成化学並びに細胞生物学の知識と技術を主に用いています。
キノコや微生物あるいは樹木の生産する生物活性物質に興味を持つ大学院生を募集しています。

受験科目

有機化学(推奨科目)、木質生命化学(推奨科目)の2科目かいずれかの科目と他の試験科目を加えた2科目、さらに英語を加えた3科目とします。

問い合わせ先

教授 生方 信
TEL・FAX:011-706-3843  
E-mail:m-ub(アットマーク)for.agr.hokudai.ac.jp