発色剤無添加食肉製品の色調に亜鉛プロトポルフィリンIXが寄与する!
イタリアのパルマハムは、発色剤(硝酸塩や亜硝酸塩)の使用が禁止されているにもかかわらず、鮮やかな赤色をしています。発色剤は、食肉製品の色調改善だけでなく、食中毒菌の増殖抑制や、特有な風味の醸成、不快臭の発生抑制、酸化防止など、多彩な機能を有しており、古くから食肉製品では利用されてきました。しかし、亜硝酸塩はある種の条件下で発がん性物質を生成することから、発色剤を使用しない食肉製品を望む声もあります。
パルマハムには、食肉の一般的な色素であるヘム色素の他に、ヘム内の鉄が亜鉛に置き換わった亜鉛プロトポルフィリンIX(ZnPP)が多量に含まれて、製品の色調に寄与していることを、我々は明らかにしました。ZnPPは光や熱に対して、安定な色鮮やかな色素であることから、食肉製品の色調改善技術への応用が期待されます。
食肉を食べた後の体熱産生が畜種によって異なる!?
唐辛子やショウガのように、羊肉や鶏肉、狗肉などを食べると体が温まると古くから言い伝えられてきました。しかしながら、科学的にはほとんど明らかにされていませんでした。
我々は、鶏肉や羊肉が他の食肉と比べて、食後の体熱産生能が高く、脂身ではなく、タンパク質画分が関与していることを明らかにしました。さらに、甲状腺の機能を促進している可能性を示し、食肉の新たな機能性が期待されます。