『相談-応答-対話-リスクコミュニケーション ~現場で活かすリスコミ~』を開催しました

開催概要

9月29日に(公社)全国消費生活相談員協会 北海道支部の主催、当プロジェクトが共催として
「平成30年度 企業・行政・消費者団体と会員との交流会
『相談-応答-対話-リスクコミュニケーション ~現場で活かすリスコミ~』」
を開催しました。

この交流会の企画として、協会の会員と賛助会員の企業等のみなさんに
リスクコミュニケーションについての講義を聞いてもらい、
模擬的なリスクコミュニケーションの体験をしてもらいました。

当日の参加者は約40名で、道外から参加された方もいらっしゃいました。

スケジュール

10:30~10:45 受付
10:45~10:50 事務局長挨拶
10:50~11:00 開催趣旨と進行の解説

11:00~11:20 講義① 「リスクの捉え方の多様性とコミュニケーションの難しさ」
11:20~11:40 講義② 「エゾシカの問題」

11:40~12:55 ランチミーティング

13:05~14:05 グループ討論
14:05~15:25 シェア報告会

15:25~15:30 閉会挨拶

講義内容

・講義①

北大プロジェクトでのこれまでの取組を紹介しながらリスクやリスクコミュニケーションについて
の解説を行いました。ここでは、「リスク」がさまざまな学問分野でどのように扱われているか、
また現在の日本において食品に関するリスクについて行政がどのような枠組みで対処しているか、
そのなかでリスクコミュニケーションがどのように位置づけられているのかについて、解説をしました。
またリスクコミュニケーションにはその目的・目標に応じた方法がとられ、結果として多様な形でのコミュニケーション
が行われていることもお話ししました。

・講義②

エゾシカをめぐる問題について、大きく3つの視点から、
解説をして、のちのグループ討論への話題提供を行いました。
1つは、環境や生態系への影響で、エゾシカが増加することで、
天然林の被害や特定の植物のみが増えている状況があることなどをお話ししました。
2つ目は食べ方の問題で、ジビエなどが話題になることで、注目されることは増えてはいるものの、
依然としてなじみの薄い食材であり、また、感染症などのリスクもあることについてお話ししました。
3点目は、食材としての供給体制の点で、食肉として美味しく利用するための狩猟方法には制限が
多く、技術も求められること、また経済的にも存立が難しいことなどをお話ししました。

グループ討論

模擬的なリスクコミュニケーションとして、あるリスクについて、問題解決に向けた提案を
参加者の外に向けておこなう、という状況を想定してグループ討論を行ってもらいました。
ここではエゾシカの問題を題材に、参加者の関心を基に5~6名でグループをつくってもらい、
エゾシカで困っている人に対して解決策の提案できるような助言をまとめてもらいました。
グループは講義②で提示した3つの視点を出発点に、何を考えるべきか課題を絞って、助言の
内容について考えていってもらいました。

・各グループからの提案

新しい食べ方を消費者へ広く提案していくことや、なじみのあるお店で販売すること、
学校給食でも取り入れること、基礎となるシカの生態調査をよりすすめていくこと、
ブランディングをすすめること、など参加者のみなさんのこれまでの経験や知識をもと
にした、様々な切り口からの提案をしていただきました。