学生と若手農業者による農業・農家の魅力を伝える方法を考えるワークショップを実施しました。

「農業・農家の衝撃的な魅力を伝える方法を考えよう」

去年に引き続き、農学部の学生たちが十勝の青年農業者へホームステイをして、農業の現場を知る企画「とかち農村ホームステイ」が10月に行われました。その事後学習として、ホームステイを受け入れていただいたみなさんに今度は札幌に来ていただいて、一緒に「農業・農家の衝撃的な魅力を伝える方法を考えよう」と題したワークショップを行いました。

   

目的

「とかち農村ホームステイ」に参加した農学部学生と受け入れた青年農業者によるワークショップを実施しました。「とかち農村ホームステイ」に参加した学生の多くが感じたという「衝撃」、それはイメージしていた「農業」、「農家」と実際の違いから生まれます。このワークショップでは多くの人がもつイメージと現実のギャップを埋め、消費者と生産者のよりよい関係を目指したいと思います。

開催日時・場所

12月8日(金)17:00~19:00
北海道大学農学部5階 中講堂

内容

このワークショップでは多くの人がもつイメージと現実のギャップを埋め、消費者と生産者のよりよい関係を目指すために、どのような取り組みをすればよいだろうかという企画を考えてもらいました。またこのワークショップを通じて学生と農業者の交流もさらに深まりました。

 

〇スケジュール

・アイスブレイク、グループ分けは、学生と実習先の農業者のグループ。20分

学生の認識、衝撃を受けたこと。たくさん、出しておいてもらう。

・共有する  10分

各グループ毎に一つずつしてもらって、共有する。

・そのギャップを埋めるための企画づくり   45分

似たようなテーマ毎にグループをわけて、具体的な企画を考えてもらう

・企画の発表 15分

ワークショップで考えられた企画

〇「みんな知ってほしい!!カボチャの収穫」

カボチャの収穫作業が手作業で大変なことを実際に体験してほしい。子供・学生向けには種まきから収穫までの農作業体験をしてもらうことで、農作業への興味・楽しさを知ってもらう。また、食べるまでの過程を知ってもらう。大人向けにも基本的には同様に農作業体験をしてもらって大変さを知ってもらう。大人向けにはメリットやきっかけが必要。

〇「十勝のビートからおかしをつくろう!」

砂糖の原料としての認知度を向上させたい。また野菜と違い生産者の顔がわかりにくい。そこで収穫から加工まで体験してもらうことでビートとその生産者のことを知ってもらう。
体験はツアーの形で実施し、圃場での収穫体験、製糖工場の見学、製菓会社での加工体験をしてもらう。収穫時期にあたる10月下旬から11月上旬に実施したい。

〇「酪農の新3K」

酪農のイメージとしてある「キツイ・キタナイ・クサイ」という3Kのイメージを実際の「カンタン・キレイ・カワイイ」の新3Kに変えていきたい。酪農を知らない北大生に出前授業や動画、作業体験などをしてもらうことで実際に知ってもらい、さらにSNSなどで情報発信をしてもらう。

〇「なりたい職業は農家に!」

農業の楽しさを高校生や大学生、地元の若者に知ってもらうことで、農業を職業とする人を少しでも増やしたい。また職業としないまでも、農業に興味を持ち応援してくれる消費者を育てたい。そのために実際の農業を体験してもらう。体験してもらう以外にも情報発信をしたい。

〇「食事がなぜ『いただきます』から… ―食と農に謝々―」

中国の若者は食・農業・農家に対する尊敬が足りないが、それは食べ物がどういう風に作られたから知らないから。中国版のLINEであるWechatで発信することで、食と農に対する感謝の気持ちを持ってもらいたい。特に「いただきます」という日本の挨拶の由来を紹介することで、そのきっかけとしたい。

〇「国産にんにく消費少なすぎ問題」

中国産との価格差、臭いというイメージもあり、にんにくがメインとなるレシピも知られていないことから国産にんにくの消費が少ないと思われる。そこで主役となるレシピを伝え、また匂いが残りにくいことを伝えたい。主婦向けには実際に食べてもらうためにマルシェなどのイベントで丸ごとにんにくを使うような料理の試食をしてもらう。また飲食店向けにも季節に応じたにんにくの使い方を伝えたい。

〇「給食を通じて伝えたいこと」

地元の食材を給食で使ってもらうことで、地元の魅力を知ってもらい、子供の好き嫌いや食べ残しをなくしたい。作物の成長や農家の仕事、地元でどのような農業がおこなわれているか知ってもらう。

〇「親子でまるごと食農ツアー」

農作業を体験してもらうことで、食と農の大切さを伝えたい。それをきっかけとして、食を通じた絆を感じてもらったり、農業を職業の選択肢の1つとしてもらったりしたい。地元向けには、生産者の顔が見える形で食べてもらうために、給食で使ってもらったり、独自のレシピを作ったりする。それをSNSなどで発信してもらう。また、道外など遠方の人向けには農村ツアーとして来てもらい、農家や地元の人と交流してほしい。