2017年夏季試行カリキュラム

2017年度「食と農に関するリスクコミュニケーション」カリキュラム

※試行開講となるため、単位認定はありません。

対象者

大学院生・社会人  計20名程度
※ リスコミの経験がない人を対象として想定おります

開催日程

7月15・16日(土・日)8月5・6日(土・日)の4日間
9:30~17:30

場所

北海道大学 高等教育推進機構 S 棟2 階  S8 講義室

参加申し込み方法

受講をご希望の方は、下記連絡先に名前・所属を明記の上、
下記メールアドレス宛にお申し込みください。
risk-com◎cen.agr.hokudai.ac.jp (◎を@に変換してください)
(担当:堀)
参加登録締切:6 月30 日( 金) 16:00

授業目標

・食、農分野のリスクコミュニケーションに関わる素養を備えた人材を育成する。

1) 職業ではなく職能として (直接的なリスクコミュニケーター育成ではなく)
2) 専門性の文脈の中での媒介的行為 (各自の専門性を尊重する)
3) 聴く耳を持つ媒介者 (リスク問題に携わる者に必要な特質1)
4) リスク問題を多様な視点から検討できる (リスク問題に携わる者に必要な特質2)

授業内容

授業は各分野を担当する講師による講義と、リスクコミュニケーションの場を実際に企画し運営する実習を組み合わせて行われます。また、それぞれの開催日には講師やほかの受講生とのディスカッションの時間も設けます。
講義の内容は以下の通りです。

・食と農の分野におけるリスク問題 (担当:小林国之 北海道大学大学院農学研究院 准教授)

食や農に関するリスクにはどのようなものがあり、どのような特徴を持つか?

・リスクと社会 ―社会学からのアプローチ―(担当:三上直之 北海道大学高等教育推進機構 准教授)

「リスク」という概念をわたしたちの社会はどうとらえているのか、どうとらえてきたのか?

・リスクコミュニケーションとは何か? ―目的/リスク問題の性質と多様性―(担当:吉田省子 北海道大学大学院農学研究院 客員准教授)

リスクコミュニケーションとは何か?なぜ行われるのか?どう行われるのか?

・リスクコミュニケーションにおける専門家の役割 (担当:川西稔展 札幌市役所)

リスクコミュニケーションの現場で、「専門家」と呼ばれる人たちは何をするのか?

・情報を伝えるということ&受け止めるということ ―倫理学・哲学の視点― (担当:増渕隆史 北海道大学大学院文学研究科 准教授)

「コミュニケーション」が持つ双方向性について、倫理学・哲学の視点から考えます。

・伝える技術 ―情報提供のありよう― (担当:山本堅一 北海道大学高等教育推進機構 特任准教授)

リスク問題という難しい内容をよりよく伝える技術について、演習を交えながら学びます。

・場の企画の仕方 (担当:吉田省子 北海道大学大学院農学研究院 客員准教授)

リスクコミュニケーションの場を目的に合わせて企画する際に気を付けるポイント

・ステークホルダーが向き合うとき ―専門家として現場にどう踏み込むか― (担当:濱田武士 北海学園大学経済学部 教授)

生産者・流通・行政・消費者などが集まってリスク問題について話し合う場で、そこに参加した専門家はどうしたのか?

・ファシリテーター論 ―食と農の分野ー(担当:明田川知美 武蔵女子短期大学 専任講師、ゲストスピーカー:有坂美紀 Co.DESIGN 代表)

参加者間の対話を促進させる役割をもつファシリテーターはどうふるまうべきか?

実習内容

1.企画コンペ

受講生を5人ずつ4つのグループに分け、リスクコミュニケーションの企画を考えてもらいます。
扱うリスク問題をリストから選んでもらい、企画の目的・目標から受講生に考えてもらいます。
4つのグループで建てた企画の中から実際に実習として行う企画を2つ選びます。

2.情報提供等の準備

コンペの際のグループをもとに10人ずつ2つのグループに分かれて、企画を実行するための準備を進めます。
リスクコミュニケーションでは、リスク問題について科学的な指標だけでなく社会的な側面も含めて様々な角度からの情報を、参加者に提供することになりますので、その資料づくりも行います。

3.場の準備

参加者が発言をしやすくなる雰囲気をつくるために、会場のセッティングにも工夫をしてもらいます。

4.リスクコミュニケーション

リスクコミュニケーションには受講生以外に20名の方も参加してもらいます。企画をした10名の受講生は、残りの受講生10名とその参加者20名の計30名をリスクコミュニケーションの参加者として、リスクコミュニケーションの場を実際に運営します。