書字方向を指定する(CSS)
direction: ltr; unicode-bidi: embed;
 direction および unicode-bidi は、全ての要素に適用できます。

 direction は基本書字方向を、unicode-bidi は Unicode の双方向の書字方向を制御するプロパティです(アラビア語ヘブライ語などの場合は、右から左へ記述します)。

 div { direction: rtl; unicode-bidi: normal; }
 directionプロパティ
 ブロックレベル要素の基本書字方向を指定します。
プロパティ名説  明
direction ltr左から右へ(初期値)
rtl右から左へ
※ この設定内容をインライン要素に適用させる場合は、次の unicode-bidi プロパティで embed または bidi-override を指定します。
 unicode-bidiプロパティ
 Unicode の双方向の書字方向を制御します。(書字方向の組み込み、または上書きを指定できます)
プロパティ名説  明
unicode-bidi normal制御しない(初期値)
embeddirectionプロパティの指定内容を組み込む
bidi-overridedirectionプロパティの指定内容で上書きする
normal : Unicode の双方向の基本書字方向がそのまま適用されます。
embed : 指定した要素がインライン要素の場合は、direction プロパティの指定内容を新たに組み込みます。(文字の並び方は変わりません)
bidi-override : 指定した要素がインライン要素、またはインライン要素のみを含むブロックレベル要素の場合は、direction プロパティの指定内容で上書きします。(文字の並び方も上書きします)

 ★ 使用例とブラウザでの表示 (c5-1)スタイルシートの書き方(基本)は、こちら です。
設定例 : .c5-1 { direction: rtl; }   #c5-1embed { unicode-bidi: embed; color: purple; }
#c5-1over { unicode-bidi: bidi-override; color: blue; }
使 用 例   ブラウザの表示
<div class=c5-1>テキストの「書字方向。」、右→左。</div>
テキストの「書字方向。」、右→左。
<div class=c5-1>テキストの<span id=c5-1embed>
「書字方向。」、</span>右→左。</div>
テキストの「書字方向。」、右→左。
<div class=c5-1 id=c5-1over>テキストの「書字方向。」、
右→左。</div>
テキストの「書字方向。」、右→左。
<div class=c5-1>テキストの<span id=c5-1over>
「書字方向。」、</span>右→左。</div>
テキストの「書字方向。」、右→左。
unicode-bidi: embed; を指定すると、句点の表示位置のみが変わります。
一方、unicode-bidi: bidi-override; は、指定した箇所全体の「書字方向」が変わります。

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HTML タグページ 文字の表示方向:言語の指定、文字の表示方向

縦書きを指定する(CSS)
writing-mode: tb-rl;
 writing-mode は、全てのタグ(要素)に適用できます。

 writing-mode は書字方向(縦横)を指定するプロパティです。このプロパティの値に tb-rl を指定すると、文字(テキスト)を縦書きで表示できます。

 div { writing-mode: tb-rl; }
プロパティ名説  明
writing-mode lr-tb横書きにする
tb-rl縦書きにする
このプロパティは、Internet Exp.の独自拡張機能です。CSS 2 では定義されていません。

 ★ 使用例とブラウザでの表示 (c5-2)スタイルシートの書き方(基本)は、こちら です。
設定例 : .c5-2lr { writing-mode: lr-tb; border: 1px blue solid;
padding: 6px; margin: 0px; }
.c5-2rl { writing-mode: tb-rl; border: 1px purple solid;
padding: 6px; margin: 0px; }
使 用 例   ブラウザの表示
<div class=c5-2rl>なつくさや<br>
つわもの共の<br>ゆめのあと<br>
      松尾 芭蕉<br>
<p class=c5-2lr>やせがえる<br>
まけるな一茶<br>ここにあり<br>
      小林 一茶</p>
A rolling stone gathers no moss. </div>
なつくさや
つわもの共の
ゆめのあと
      松尾 芭蕉

やせがえる
まけるな一茶
ここにあり
      小林 一茶

A rolling stone
gathers no moss.
このプロパティは、Internet Exp.の独自拡張機能です。
border: 1px blue(or purple) solid; は、縦書き(or 横書き)の設定範囲を枠で囲う働きをしています。 padding:6px; margin:0px; は、余白の設定です。

要素の前後に内容(コンテンツ)を挿入する(CSS)
content: ***;
 content は、:before疑似要素、:after疑似要素に適用できます。

 content は、要素の前後に内容(文字列や画像等)を挿入するプロパティです。このプロパティは、疑似要素の :before または :after と組み合わせて使用します。

 span:before { content: "【注意】"; }   span:after { content: url(notice.gif); }
 q:after { content: attr(cite); }
プロパティ名説  明
content "文字列" 指定した文字列を挿入する(文字列は引用符で囲む)
url(URI)指定した画像等を挿入する
attr(属性名) 指定した属性の値を表示する
 :before と :after について
:before … 要素の直前に文字列や画像等を挿入する指定
:after … 要素の直後に文字列や画像等を挿入する指定
Internet Exp.は表示モードが「標準モード」の場合のみ機能するようです(Internet Exp.7 以前は未対応)。

 ★ 使用例とブラウザでの表示 (c5-3)スタイルシートの書き方(基本)は、こちら です。
設定例 : .c5-3ins:before { content: "注:"; color:red; font-weight:bold; }
.c5-3ins:after { content: url(notice.gif); }
.c5-3att:after { content: "(" attr(title) ")"; color:blue; }
使 用 例   ブラウザの表示
◆前後に文字と画像を挿入
<span class=c5-3ins>文字と画像を挿入</span>
文字と画像を挿入
◆属性の値を挿入
<span title="World Wide Web" class=c5-3att>
WWW</span>
WWW
Internet Exp.7 以前は、content:before:after に未対応です。

引用符を設定する(CSS)
content: ***; quotes: ***;
 content は、:before疑似要素、:after疑似要素に適用できます。quotes は、全てのタグ(要素)に適用できます。

 content は内容(文字列や画像等)の挿入を、quotes は引用符の種類を設定するプロパティです。この2つのプロパティを組み合わせて使用すると、要素の前後に引用符を挿入できます。

 q { quotes: "「" "」"; }  q:before { content: open-quote; }  q:after { content: close-quote; }
 【quotesプロパティ(引用符の指定)
プロパティ名説  明
quotes "開始" "終了" 開始引用符と終了引用符をペアで指定
(文字列は引用符で囲む)
none引用符を表示しない
* 開始引用符と終了引用符は、半角スペースで区切って記述します。
 ■引用符の入れ子
 引用の入れ子の深さに応じて、引用符のペアを複数設定できます。(引用符のペアを半角スペースで区切って記述していきます)
q { quotes: "「" "」" "『" "』"; } … 一段目を "「 」" で括り、二段目を "『 』" で括ります。
例) 教科書には「クラーク博士が『少年よ大志を抱け』と言った」と書いてある。
 ■二重引用符( " )の指定
 二重引用符( " )の中で二重引用符自体を指定する場合はエンサイン( \ )と組み合わせて指定します。または、一重引用符( ' )で囲みます。
q { quotes: "\"" "\"" "'" "'"; } または q { quotes: '"' '"' "'" "'"; }
例) 教科書には"クラーク博士が'少年よ大志を抱け'と言った"と書いてある。
quotes は、Internet Exp.では表示モードが「標準モード」の場合のみ機能するようです(Internet Exp.7 以前は未対応)。
 【contentプロパティ(引用符の挿入)
プロパティ名説  明
content open-quote開始引用符を挿入する 入れ子の深さに応じた
引用符が使用される
close-quote 終了引用符を挿入する
* このプロパティは、疑似要素の :before または :after と組み合わせて使用します。
 ■要素の前後に引用符を挿入する
 次のように、:before で要素の直前に開始引用符を指定し、:after で要素の直後に終了引用符を指定します。
q:before { content: open-quote; } … 要素の直前に開始引用符を挿入
q:after { content: close-quote; } … 要素の直後に終了引用符を挿入
content :before :after は、Internet Exp.では表示モードが「標準モード」の場合のみ機能するようです(Internet Exp.7 以前は未対応)。

 ★ 使用例とブラウザでの表示 (c5-4)スタイルシートの書き方(基本)は、こちら です。
設定例 : q { quotes: "「" "」" "『" "』"; }
q:before { content: open-quote; }   q:after { content: close-quote; }
使 用 例   友達から、<q>山田君は<q>CSSを勉強中</q>と言っていた</q>とメールが来た。
ブラウザの表示 友達から、山田君はCSSを勉強中と言っていたとメールが来た。
Internet Exp.7 以前は、quotescontent:before:after に未対応です。

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