The Bartlem Lab
Research Faculty of Agriculture, Hokkaido University
植物ーネコブセンチュウ相互作用

ネコブセンチュウは,「イモムシ状」の小動物であり,ニンジンやゴボウ,トマト等の様々な植物の根に感染する。このようなネコブセンチュウの感染は,植物根の形成異常,病原体感受性の亢進,生産性の顕著な低下等を引き起こす。そのため,ネコブセンチュウによる作物被害は,全世界の農業生産物の約5%に相当すると推測されている。現在までのところ,唯一有効な防御手段とされているのが,毒性の高い化学物質(殺センチュウ剤)の散布のみという状況である。

上記有毒殺センチュウ剤の代替手法の開発は愁眉の懸案である。しかし,ネコブセンチュウ感染過程に関する生物学的理解が不足していることから,その開発は停滞気味である。ネコブセンチュウはその生活環の大部分を植物根の中で過ごし,複雑かつ微妙なバランスの上に植物との寄生-寄生者相互関係が成立している。ネコブセンチュウは植物根内に定着性の栄養摂取部位を形成させる。これには、摂食 (feeding)細胞と呼ばれる特殊化した巨大細胞群が含まれる。しかし,ネコブセンチュウがどのようにして宿主内に栄養摂取のための巨大細胞を誘導しているのかという点は未だに不明である。

感染過程の詳細を理解することで,ネコブセンチュウ抵抗性植物作出に向けた育種標的の同定や新たな手法の開発が期待できる。現在、私たちは巨大細胞誘導の分子機構に関する研究を進めています。

もし興味ありましたら、是非、いつでも、研究室に遊びにきてください!

バートレム デレック
北海道大学・農学部
メール: derek@res.agr.hokudai.ac.jp
(2013年11月に名字はゴトウからバートレムに変更しました)
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図1:植物寄生性ネコブセンチュウ感染過程の概略


新聞・雑誌・ニューズレター
  • 2011年3月:2011年3月:Australian Academy of Technological Sciences and Engineeringのニューズレター     日豪若手研究者交流促進事業の報告(英語) [PDF file - 0.2Mb]
  • 2010年11月:毎日新聞 [PDF file - 2Mb]
  • 2010年10月:「知のフロンティア:北海道大学の研究者は、いま」 [PDF file - 0.9Mb]
  • 2009年5月:日本線虫学会ニューズ [PDF file - 0.4Mb]
  • 2008年11月:オーストラリア・マードック大学の「In Touch」雑誌(英語) [PDF file - 0.3Mb]