樹木は葉を広げて光合成を行うが、春に一斉に開葉する樹種、春から秋にかけ少しずつ開葉する樹種など、その開葉パターンは様々である。また、葉の落とし方にも様々なパターンがある。各樹種の開葉・落葉パターンと生活形態(先駆樹種、遷移後期樹種、ギャップ樹種、河畔林を形成する樹種)やシュートの構造との間には密接な関係が見られる。本論文では北海道に生育する41樹種の高木類の葉量の季節変化を調べることにより、これらの関係について議論する。
今回取り上げる論文はCanada、Quebec州北西部で1923年に発生した大規模森林火災後の68年間の林分動態を調査したものである。 近年、森林動態の分野で重要性が論じられているの長期間の大規模調査地における研究である。 主なテーマはWhite spruceとBalsam firという北アメリカを代表する2種の大規模撹乱地への侵入様式の違いと、 母樹からの距離、サイトの環境条件(土壌)、2種の種子散布距離や耐陰性などの生態的特性との関連性を評価する ことがメインである。
筆者はこの研究の結果から、将来的に北米における大規模火災後の再生パタンをモデル構築を意図している。