耐陰性の種間差を明らかにするために、耐陰性に関わると考えられる植物の特性とその種間差が検討されてきた。しかしそれらの研究間の結果はしばしば矛盾するものであった。それは、耐陰性の捉え方とそれにともなう注目すべき点が変遷してきたことと関係している。以前は耐陰性は、暗い環境でも多くの炭素を獲得することができる能力であるとされてきたが、近年では炭素を失わない、すなわちできるだけ炭素を保持する能力であると解釈されるようになってきている。また、RGRというアヤしげな割り算値が様々な問題を含んでいることも指摘されてきている。本論文では、耐陰性に関する特性の種間差が研究間で異なる要因として、個体サイズの重要性を改めて強調する。