今週は1本立です。
Tree population reponses to hurricane disturbance:
syndromes in a south-eastern USA old-growth forest
ハリケーンによる撹乱に対する樹木個体群の応答
−合衆国南東部の老齢林で見られたsyndromeを例として
Jounal of Ecology,2003,197-212
1.本論文はフロリダの成熟広葉樹林でハリケーンによる撹乱後の応答を見たものである。1985年にフロリダを襲ったHurricane Kateは調査地の上層木の41%に被害を与え、7%は枯死した。BAは8%減少し、gapは31%→62%に増加した。
2.調査地は4.5haで、DBH2cm以上の主要10種について撹乱前後7年間の更新、成長、 枯死の変化に着目した。
3.撹乱後DBH2cm以上に達した更新個体は6倍になり、実生や下層木の成長率や生残率が増加したのに対し、上層木は減少した。
4.樹木個体群は撹乱後の応答(枯死、生残、成長)から既存の分類に従って以下の4つのsyndoromeに分類された。
また樹種ごとに以下のsyndoromeを示した。
5. 短期的に見ると大きな変化が見られた個体群はなかったが、長期的に見るとResistantを示した個体群はハリケーンによる撹乱とは無関係であり、ResilentやUsurperを示した個体群はハリケーンによる偶発的撹乱に依存しているようであった。またSuceptibleを示した個体群は頻発する撹乱によって損失を受けている可能性があった。