明るい環境で成長がよい種は暗い環境でも成長がよいのか?
この、単純かつ重要な問いに答えるべく、古くから多くの研究が行われてきた。しかし、その答えはYesの場合もあり、Noの場合もあり、一定の傾向が見られない。今回は、研究間で見られる傾向が異なる原因の検討を目的とし、様々な光環境で複数種の成長と生理・形態・器官量配分特性を調べた論文を複数解析した。その結果、光環境間での成長速度の種間関係は逆転する場合としない場合があった。その原因は、主に材料とする植物種と、その生育期間であった。種子サイズが大きく異なる植物を比較した場合、あるいは比較的長い期間調査が行われた場合は、光環境間での成長速度の種間関係は逆転しやすい傾向にあった。この原因として、小さい種子の植物は、発芽直後は個体重における葉重の占める割合が大きく、葉が非常に薄いために、成長速度は大きくなりやすいことが挙げられる。また、形態的な種間差はある期間生育すると小さくなるため、生育期間が長いほど、光環境間での成長速度の種間関係は逆転しやすくなる。光環境間での成長速度の種間関係を検討する際、手法上の問題点を理解して行う必要があるだろう。
当日はこの内容に沿って発表します。よほど暇な方はこちらを見て予習してくるのもよいでしょう。
この論文ですが、間違って2部コピーしたので、欲しい方はどうぞ^^;)
今回のゼミはPCによるプレゼンテーションとします。
ゼミ後談: RGRのところは致命的な間違いでした。ごめんなさい。直しました。