2. 農地土壌の保全整備

持続的で、自然の豊かな恵みをもたらす農地土壌を保全整備する方法について研究します。特に、作物生育、品質と土壌物理性、物質循環、水循環の視点から、農地での丹念な測定を積み重ねて技術的対策を明らかにします。また、そのために、関連する基礎研究の理論的・実験的な成果を適用します。

  1. 低インプット・持続的な北方圏における水稲栽培
    人類社会の発展のためにも、持続的な農業生産は急務な課題です。無肥料・無農薬での水稲栽培(多数回中耕除草)下における水田土壌内の養分動態を探求します。
  2. 環境再生型農業による作物栽培と土壌内物質動態
    慣行農業により農業の生産性が高まっていった一方で、農業自体が環境負荷の原因となっています。近年、不耕起栽培や被覆作物を活用した環境再生型農業が注目されています。環境再生型農業による土壌内物質動態について検討します。
  3. 畑地の排水改良
    畑地においては、土壌の保水性や排水性といった物理性が作物生育を支配しています。湿潤で冷涼な北海道においては、特に土壌からの排水を促すことが特に重要です。気候変化に左右されない畑地土壌のあり方について探求します。
  4. 土壌侵食抑制と化学肥料
    化学肥料が土壌構造におよぼす影響を解明し、土壌侵食抑制対策を検討します。
  5. ワイン醸造用ブドウ栽培における圃場整備や土壌管理
    近年、醸造用ブドウの栽培が北海道各地において拡がってきています。北海道における主要なブドウ園において、栽培に適した排水改良技術や根系発達に適した土壌の理化学性について探求します。