世界の環境計画と食糧計画への貢献を目指して
生物環境情報学専門分野(リモートセンシング研究グループ)は、北海道大学大学院農学院でリモートセンシング関連の教育研究を専門に行っています。現代は、宇宙開発の進展・新技術の開発に伴って人工衛星や航空機で観測した多種多様なデータの使用が可能になり、新しい視点から地表や大気の環境を調べられるようになりました。本グループは、これらに対応できるような教育・研究環境を整え、農林業の現状把握や各地で起こる環境変化についてリモートセンシング技術を活用し、世界の食糧計画や環境計画への貢献を目指して活動しています。
関連する設備
リモートセンシング研究が始められた初期にGMSのデータやNOAA-AVHRRのデータを使用したこともあり、独自の受信装置の必要性が生じ、1998年からGMS(現MTSAT)とNOAAの受信設備が設置され運用されています(TeraScanシステム)。
受信したMTSATデータは、誰でも任意の時期・地理範囲を指定し切り出してダウンロードが可能となっており、このWebサイトから利用できます。→北大ひまわりサーバ
また、函館キャンパスにある大学院水産科学院で受信しているMODISのデータの提供も受けられます。フィールドにおいて分光反射特性を計測するために分光放射計FieldSpec3を所有しています。
解析に用いるソフトウェアとしては、リモートセンシングデータ解析用にERDAS IMAGINE、ENVI、TeraScan、地理情報システムではArcGISのライセンスを所有しています。
歴史
北海道大学の農学系でリモートセンシング関連の研究が開始されたのは1980年代前半からであり、当時の農学部農業工学科農業物理学講座においてでした。同講座の主要な研究領域の一つであった農業気象学の応用研究として、気象衛星ひまわりのデータ利用による地上気温の推定から始まり、種々の衛星を利用して農業や環境に関わる広範な研究が続けられました。その後、何度かの改組により分離や名称変更を経ましたが、現在の研究グループによって引き継がれてきました。