福士江里氏日本農芸化学奨励賞受賞

福士江里氏が「天然有機化合物の構造解析のためのNMR法の開発研究とその応用」で2004(平成16)年度日本農芸化学奨励賞を受賞し、平成16年3月28日に広島国際会議場にて授賞式と受賞講演が行われました。

授賞式

業績の概要は以下の通りです。

たて福士江里氏は14年にわたり天然有機化合物の構造解析上重要な大型分析機器であるNMRに関する高い専門知識を生かして、新しい測定手法の開発研究や構造解析研究をおこなってきました。NMR法は複数パルスのソフトウエア制御(パルスシーケンス)によってさまざまな情報を得ることができるため無数の手法が存在するといえますが、氏はこれら多くのNMR測定法に精通し、自らも新しい測定法を開発し、また論文等で発表される新たな手法を取り入れた構造解析を行っています。それらを応用してこれまでに、ペプチド、オリゴ糖、植物色素、テルペン、抗生物質などいろいろな天然有機化合物の構造解析を通して、食品の生理作用の研究・天然物の生合成研究・酵素反応機構の解析などの農芸化学領域の研究に寄与してきました。その成果は日本農芸化学会大会および支部会、天然有機化合物討論会、NMR討論会等の口頭発表やBiosci. Biotechnol. Biochem., Tetrahedron Letters, Magn. Reson. Chem. 等の学術雑誌において発表され高い評価を得ているほか、「化学と生物」誌においてもこれら構造解析法について紹介してきました。

業績の詳細は日本農芸化学会2004(平成16)年度大会講演要旨集p.350、日本農芸化学会誌,78(19),950 (2004)、Biosci. Biotechnol. Biochem.,70(8), 1803 (2006) に掲載されました。


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