アーバスキュラー菌根とは?
アーバスキュラー菌根とは?
アーバスキュラー菌根菌(あるいはVA菌根菌)と呼ばれる糸状菌の一群 は、土壌中に普遍的に存在し、およそ80%の陸上植物と共生することができる。この菌は植物からエネルギー源(主にブドウ糖)の供給を受ける代わりに、土壌中の希薄なリン酸を集め、宿主植物に供給する。
この菌が感染すると、宿主植物の根の中に特徴 的な構造ー樹枝状体 (arbuscule)ーが形成される。
この樹枝状体を通じて菌は植物にリン酸を供給している。
いくつかの属ではのう状体と呼ばれる油脂を貯蔵する器官を形成する種類も存在する。
この菌はおよそ4億年前(デボン紀)の原始的なシダ類の根の化石中にも発見されていることから(Taylor et al. 1995, 下図)、
根の貧弱であった水棲植物が陸上に進出する際に、既に陸域に適応していたこの菌の祖先を「根の代わり(道具)」として利用したと考えられている (Simon et al. 1993)。