荒廃地の植生を支えるアーバスキュラー菌根菌
—超塩基性土壌:北海道幌延町天塩演習林—
北大の天塩演習林の東地区には典型的な蛇紋岩(下図)地帯が広がっている。蛇紋岩の風化によって生じる土壌も典型定期な超塩基性土壌であり、やはりマグネシウムや鉄が多く、ニッケル、クロムなどの有害重金属も検出される。さらにこの地区は過去100年以内に起こった数度の大規模山火事により植生のほとんどが焼失したため、超塩基性土壌に比較的強いと言われているエゾアカマツの植林が行われているものの、特に標高の高い地区での森林再生は遅れている(上図)。
この地域でも日当りの良い森林が未発達の場所では、ススキが優占しているという情報を高木先生(北方生物圏フィールド科学センター)からいただき(たとえば下図の斜面)、ススキと共生するアーバスキュラー菌根菌の生態調査を開始した。
蛇の皮の模様に似ていることから蛇紋岩と呼ばれている超苦鉄質岩石
例によって根と土壌を採取
超塩基性土壌に特徴的な植物の一つであるエゾミヤマクワガタ
ただし、上図のような大斜面は滑落の危険があったので、実際にサンプルを採取したのは、林道沿いの小さな斜面(下図)。
近くに住んでいるというコロボックルも手伝ってくれた
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