家畜栄養生理学実験2010  

慣れない実験に戸惑いながらも、がんばる初々しい3年生の模様をお伝えします。

 

11回 ロールチューブ法およびReal-time PCR法による腸内細菌の定量

本年度の栄養生理学実験、後半ではオリゴ糖が単胃動物の健康および栄養に及ぼす影響について考えます。

オリゴ糖を含有する水を飲水させたラットの臓器、血液および大腸内容物を主な材料にして、

健康と栄養状態を表す一連の指標を分析していきます。

 

これまでの実験でオリゴ糖添加することで盲腸内容物重の増加や発酵パターンが変化することを確認してきました。これらは、オリゴ糖添加により腸内に生息する微生物の構成が変化したことに起因するものと考えられます。

今回は2つの方法で腸内に生息する細菌を定量し、オリゴ糖添加による腸内細菌叢変化に関する理解を深めることが目的です。

 

1, ロールチューブ法による総細菌、Clostridium 属細菌およびColiforms の定量

前回の実験では培地を作製し、10倍希釈系列の盲腸内容物を培地に接種しました。

37℃で2日間培養するとコロニーができてくるので、それを1つずつ正確に数えていきます。

 

 

コロニーかごみか分からないものはTAに確認してもらいます。

 

自分たちで作製したロールチューブに生えてきたコロニーを見てにんまり

皆真剣に数えています。

各細菌数を数え終わったら、データをまとめて、黒板に記します。

全班のデータから何が言えるでしょうか。

 

2, Real-time PCR法による盲腸内総細菌およびLactobacillus 属細菌の定量

ロールチューブの細菌計数と平行して、培養を行うことなく細菌の定量をすることができるReal-time PCR法による定量を行いました。

 

小林先生にReal-time PCR法の原理の説明をしていただいた後、実際に測定する機械の前でどのようにして測定するかをTAに説明してもらいます。

原理については理解できたでしょうか?

うまくいけばこのような増幅曲線が得られてきます。

 

実際にサンプルを添加して測定してみます。

写真はTAより、クリーンベンチ内での操作を学んでいるところです。

クリーンベンチでの操作は慎重に行います。

操作で分からないところはTAに聞いてみます。

 

今回の栄養生理学実験は以上です。Real-time PCR法による結果ではオリゴ糖添加により菌叢が大きく変化したことが分かったと思います。

今回の結果はこれまでの結果とあわせて考えるとどのようなことがいえるでしょうか?

来週はいよいよ後半のプレゼン発表です!

それでは、次回もお楽しみに!

                                                                 

(担当:吉國)