家畜栄養生理学実験'09 

 

 

 

 

 



 昨年度までは「家畜栄養学実験」として後期に7回行っていた授業ですが
 今年度からは名前を「家畜栄養生理学実験」と改め、前期に15回の実験を行います。

慣れない実験に戸惑いながらも、がんばる初々しい3年生の模様をお伝えします。



★第2回 アンモニア態窒素濃度の測定

 

本年度の栄養生理学実験、前半では粗飼料多給条件および濃厚飼料多給条件のヒツジのルーメン内発酵が時間経過とともにどのように変化するかを調べます。

今回はルーメン液中のアンモニア態窒素濃度を測定することで、微生物タンパク質の合成に十分な量のアンモニアが存在することを確認します。そして、その経時変化を調べることでルーメン内でのタンパク質利用(タンパク質が分解された後、どのように利用されるか?)について考えます。

 

 

 

さぁ、実験開始です。

まずは検量線の作成です。

今回の実験は正確なピペット操作が命です!

 

各班で協力して分注していきます。

どの班もチームワーク抜群です。

 

ルーメン液は遠心分離して上清を分析に用います。

 

 

なので、沈殿物を吸わないように注意が必要です。

みなさん、真剣な眼差しです。

 

発色反応を見るためにフェノール試薬(劇・毒物)を用いるので、ここからの作業はドラフト内で行います。

 

 

分注し終わったら、反応して発色するのを待ちます。

 

しばし、休憩。

 

 

 

 

待ち時間を利用して、前回時にルーメン液の入った培地の中に入れたろ紙・米飯の様子を見てもらいました。

米飯は既に原型を留めていないものもあります。

培地が濁っている様子もわかりますね。

 

ろ紙もボロボロになっています。

ルーメン微生物の繊維分解能力にみなさん驚いています。

 

 

次はシリンジを使ってチューブ内で発生したガスを採取します。

 

 

 

なんと、シリンジを刺しただけでガスが出てきます。

かなりの量のガスが発生していたのですね。

 

発生したガスの臭いを嗅いでみます。

恐る恐る鼻を近づけると・・・

 

 

やっぱり臭いです。

けれど、何事も体で感じることが大事ですね。

 

 

反応が終わったので、プレートリーダーに分注していきます。

この後、吸光度を測定しました。

 

 

測定した吸光度からアンモニア態窒素濃度を算出します。

エクセルを使いこなすのは大変ですね。

 

 

ところで、各班に作成してもらった検量線。

もっとも精度の高い検量線を作成したのは2班でした。

1に近いほど良いのですが、なんとこの数字!

素晴らしいです。

 

2班には景品(お菓子)が贈呈されました。

おめでとうございます!!

 

最後にすべてのデータを見てみます。

 

 

先生の解説に聞き入ってます。

さぁ、この結果からどのようなことが考察できるでしょうか?

 

第2回の栄養生理学実験は以上です。粗飼料多給個体と濃厚飼料多給個体のルーメン内でのタンパク質分解の様子を捉えることはできたでしょうか。また、ルーメン微生物の分解能力を目+鼻(笑)で感じることができましたね。

次回からはサンプリングしたルーメン液のアミラーゼ&セルラーゼの酵素活性を測定し、両個体でどのように違うのか検証します。

 

次回もお楽しみに!

                                                                 (担当:林) 

                                                                                                                                                                           

 

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