家畜栄養生理学実験'09 

 

 

 

 

 

 


慣れない実験に戸惑いながらも、がんばる初々しい3年生の模様をお伝えします。



★第12回 ロールチューブ法およびReal-time PCR法による腸内細菌の定量

 

本年度の栄養生理学実験、後半後半では単胃動物の代表としてラットを用いて2つの群に分け、通常の飼料と、食物繊維含量が極端に低い飼料を与えてその違いを探ります。

これまでの実験で給与飼料の違いにより血中成分や腸内の発酵パターンが変化することを確認してきました。これらは給与飼料の違いにより腸内に生息する微生物の構成が変化したことに起因するものだと考えられます。今回は2つの方法で腸内に生息する細菌の量を定量し、腸内の細菌叢変化に関する理解を深めるのが目的です。

 

1. ロールチューブ法による総細菌、Clostridium 属細菌およびColiforms の定量

 

前回の実験では培地を作製し10倍希釈系列の盲腸内容物をそれぞれの培地に接種しておきました。それを37℃で2日ほど培養すると

 

このようにチューブの内壁に沿って細菌がコロニーを形成します。ひとつのコロニーはもともと1 cellの細菌なのでコロニーを全て数えることでもともとの細菌の数が分かります。

 

 

 

 

 

蛍光灯の光をあてて一つずつ正確に数えていきます。

 

小さなコロニーをペンで一つ一つチェックしていくのは根気のいる作業です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

各細菌数を数え終わったところで班毎にデータをまとめます。

 

 

班毎にまとめたら全班のデータをまとめます。

 

食物繊維の給与を減らしたラットの盲腸内でのClostridium 属細菌およびColiformsはそれぞれどのような変化をみせたでしょうか?

 

 

2. Real-time PCR法による総細菌およびLactobacillus 属細菌の定量

 

ロールチューブでの細菌計数と平行して培養を介さず細菌を定量できるReal-time PCR定量を行いました。

 

分子生物実験では微量のコンタミも防止するために作業はクリーンベンチ内で行います。

 

 

初のクリーンベンチ内での作業。けっこうドキドキです。

 

 

 

 

 

 

 

Template DNAを慎重にウェルに分注しています。

 

 

作業後、教室に戻りReal-time PCRの原理について先生から説明を受けます。初めての3年生にはなかなか難しいかも。みんな理解できたでしょうか?

 

 

最後に実際に測定中の機械をみながらReal-timeDNAが増幅されていく様子を確認しました。結果やいかに!?

 

今回は嫌気性ロールチューブ法およびReal-time PCR法を用いて腸内でのClostridium 属、ColiformsおよびLactobacillus 属の増減を調べました。

それぞれ「どのような菌か?」また処理による影響があったなら「なぜそうなったか?」をしっかり考察しておいてください

 

今回の栄養生理学実験は以上です。

次回はいよいよ後半のまとめのプレゼンテーションです!これまでに得られた結果をまとめてしっかり考察を深めておいてください!

 

次回もお楽しみに!

                                                                 (担当:内堀)

                                                                                                                                               

 

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