家畜栄養生理学実験'09 

 

 

 

 

 



 昨年度までは「家畜栄養学実験」として後期に7回行っていた授業ですが
 今年度からは名前を「家畜栄養生理学実験」と改め、前期に15回の実験を行います。

慣れない実験に戸惑いながらも、がんばる初々しい3年生の模様をお伝えします。



★第1回 ルーメン液のサンプリング、pH測定およびプロトゾア観察

 

本年度の栄養生理学実験、前半では粗飼料多給条件および濃厚飼料多給条件のヒツジのルーメン内発酵が時間経過とともにどのように変化するかを調べます。

初回は、給餌前と給餌後14hにルーメン液をサンプリングし、pHを測定し、プロトゾアを観察しました。

 

 

 

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初回は班ごとに時間をずらして農場に集合し、ヒツジからルーメン液をサンプリングします。こちらは小池先生から実験の説明を聞く1班のみなさん。

 

 

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まずはヒツジに給与した飼料の感触、色、匂いをよくよく覚えてもらいます。この乾草がルーメン内で分解・発酵を受けるとどのように変化するのでしょうか?

 

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こちらは今回実験に協力してくれたライリーくんです。ライリーくんはこの実験のおかげで沢山の濃厚飼料を食べることができました。

 

 

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真ん中の男子学生が手にしているのがサンプリングしたルーメン液です。粗飼料多給個体と濃厚飼料多給個体で色や匂いが違ったようです。ここではその化学的性状としてのpHを測定し、比較しました。

 

 

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ヒツジなどの反芻動物はルーメン内の微生物が飼料を分解・発酵することにより、飼料からエネルギーを得ることができます。ここではルーメン内微生物の一つであるプロトゾアを顕微鏡で観察します。こちらは3班のみなさん。

 

 

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新鮮なルーメン液では活発に動き回るプロトゾアを観察することができます。こちらは1班男子。

 

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中には植物片やデンプン顆粒を取り込んだプロトゾアもいます。見つけられたでしょうか?こちらは1班女子。

 

 

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プロトゾアの形や大きさも、粗飼料多給個体と濃厚飼料多給個体で違うと言われています。その違いがわかるでしょうか。こちらは4班のみなさん。

 

 

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5班男子。両個体サンプルの違いに気づいたようです。

 

 

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5班女子。プロトゾアを見つけたと同時に「かわいー!」との歓声があがりました。

 

 

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2班のみなさん。

 

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席を交代して両個体サンプルを見比べます。みんな真剣!

 

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今回は後日の実験でプロトゾアを計数するために、プロトゾアの固定も行いました。ホルマリンで細胞を固定し、メチルグリーンで核を染色します。

 

 

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TA(左)の説明を受けてピペッティングに挑戦です。

 

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ピペッティングは今後の実験でも重要です。うまくできたかな?

 

 

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最後に、ルーメン内微生物のもつ炭水化物を分解する力を視覚的に確認するために培地を使った実験を行いました。

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培地中には炭素源としてろ紙(セルロース)とお米(デンプン)が入っています。こちらはお米の培地。

 

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チューブの中を嫌気的に保つためにルーメン液の接種はシリンジで行います。3年生もTAの指導のもと実際にやってみます。

 

 

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ここにルーメン液を接種すれば微生物の力によってそれぞれの基質が分解されるはずです。慣れないながら楽しそうな2人。針に気をつけてね。

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ルーメン液接種後、すぐに39℃で培養を始めます。ろ紙やお米はどうなるでしょうか?一週間後が楽しみです。

 

 

初回の栄養生理学実験は以上です。粗飼料多給個体と濃厚飼料多給個体のルーメン液性状の違いを肌で(鼻で?)感じてもらえたでしょうか?

次回からはサンプリングしたルーメン液を分析し、両個体のルーメン内が栄養学的にどのように違うのか検証します。



                       〈番外編〉

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こちらはつなぎ姿が珍しい小池先生と、渡部さん(M2)とのツーショットです。バッチリ決まってますね!

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渡部さん(M2)と嵩さん(M1)の仲良しコンビ。ヒツジのアップリケがお似合いです。

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空き時間にプロトゾアを観察する小池先生(右)、M2内堀さん(中)、M1林くん(左)。

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みなさん真剣そのもの・・・っていうか釘付けです()



先生もTAも久々に新鮮なプロトゾアを観察でき、3年生と同様に楽しめる実験でした。

 

次回もお楽しみに!

                                                                 (担当:ふくま)

                                                                                                                                                                           

 

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