支部長挨拶

                         日本木材学会北海道支部 支部長  平井 卓郎


 日本木材学会北海道支部は,本年で設立40周年を迎えました。この節目の年に,前支部長の北見工業大学鈴木勉教授から支部運営を引き継ぐことになりました。平成19年度,20年度の2年間円滑な支部運営を進めるため,これまでと同様に,皆様のご支援をお願い申し上げたく存じます。

 さて,当会が設立された1967年は,国産材丸太の生産量が最大となった年で,その後は外材輸入が増加する中で,国産材生産はごく最近まで減少の一途を辿って来ています。しかし,北海道の木材産業,木材研究にとって,この期間は決して無為な時間であった訳ではありません。1967年当時の北海道の木材生産が,天然林資源を背景とした,言わば略奪林業によって成り立っていたことを考えれば,この40年間は北海道の木材産業が人工林資源を基盤とした,確実な加工技術を持つ安定産業として自立するための育成期間であったと考えたいと思います。

この間,北海道立林産試験場を中心に,様々な応用研究が行われて来ました。また,大学では基礎研究,応用研究両面で,いくつかの新しい流れが生まれて来ました。一方,木材産業界では,厳しい産業状況のなかで,経営的,技術的向上努力が払われて来ました。

研究分野,産業分野のこれまでの努力は,現時点ではまだ十分有機的に結びついているとは言えませんが,それぞれの立場で培ってきたものは,それなりの資産として蓄積されて来ているはずです。

私たちは,皆さまのご協力を得ながら,当支部の目的である「木材学の向上ならびに北海道木材工業の発展」を現実のものとするため,個々に培われてきた知識や技術の共有化を進めるための場を提供して行きたいと考えています。


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