2回興部GMO対話フォーラム

日  時: 2007年6月2日(土) 13:30〜16:30
会  場: 興部町 はまなす幼稚園
主  催: 遺伝子組換え作物対話フォーラムプロジェクト
共  催: はまなす幼稚園
参加者: 11名(講師2名含む)(+報道2名+1名(講師側)+吉田) 総数15名

進  行: 13:30〜13:40 開催挨拶
       13:40〜14:40 安居院さんスピーチ
        休  憩
       14:50〜15:50 佐藤さんスピーチ
       15:50〜16:40 意見交換
       16:45       終了

話題提供

(1)安居院 高志 北海道大学大学院獣医学研究院教授

       『動物実験って何?』 ・・・当日の提示資料(PDF形式)

(2)佐藤 秀隆 (財)日本食品分析センター千歳研究所(現所長)

       『はかってなんぼ』   ・・・当日の提示資料(PDF形式)

要旨


(1)第4回コープさっぽろ対話フォーラム(3月16日)の講演とほぼ同じ内容。

(2)『はかってなんぼ』

 人は、動植物の可食部を選抜し、そのままでは食べられない部位も、調理・加工して食べてきた。食物は安全ではなく必ずリスクを含む。人類のいとなみは、「ちょっとどうかな」と「これはやばい」のバランスの上に成り立ってきた。

 この40年、日本人の食事内容は変化した。牛肉料理は月1回から4回に増え、ご飯の消費量は1日平均5杯から3杯に減り、食糧自給率は70%から40%に下がった。食糧の輸入増加と大量廃棄は大問題で、フードマイレージも日本は群を抜いて大きく、この状況をいつまでも続けられるわけがない。

 消費者は、生産者の顔が見えれば安心だというが本当だろうか。安心と安全は違う。なんとなく安心してはいないだろうか。安全はどこにあるのだろうか。何が危ないのか。その何かを検出することは難しい。はかるためにはルールが必要になる。

 危害因子・不安因子はどこからくるのだろうか?危害には直接的危害と間接的危害があって、直接的危害因子には自然毒、アレルギーや微生物などがある。間接的危害因子には添加物、農薬、重金属やカビ、動植物毒、汚染物質などがある。

 食品に対する不信や、食品会社に対する不信がある。食べ物には安全なものなどなくリスクを伴うと言うが、科学者と消費者とではリスクの捉え方が違っている。また、生産者の説明責任と消費者の利用者責任も考えたい。生産者の「責任回避体質」と消費者「自由と勝手気ままの勘違い」には気をつけよう。ところで冷蔵庫神話のほうがよほど恐ろしいと思うのですが、如何でしょうか。

 食品危害を防止するために何をしたらいいのだろうか。たとえば、表記には誤差があるのでラベルの数字を鵜呑みせずに、裏側を知る努力をしよう。数字にだまされることなく、統計の読み方を知ろう。安全性は、直接はかれず、推し量ることができるのみであり、評価されるものである。先人の知恵と科学・技術の活用にこそ道はある。我々は何を食べ、何を食べないようにしてきたかを考えよう。

 さて、私たちはこれからいったい何を食べるのだろうか。「ものを怖がらな過ぎたり、怖がりすぎたりするのはやさしいが、正当に怖がることは難しい」、とは寺田寅彦の言葉である。