3回札幌GMO対話フォーラム

日  時: 2007年1月17日(水) 13:30〜16:30
会  場: コープさっぽろ北12条店 組合員活動本部
主  催: 遺伝子組換え作物対話フォーラムプロジェクト
共  催: コープさっぽろ組合員活動部
参加者: 16名(講師含む)( +PJ4名) 総数20名

進  行: 13:30〜13:38 開会:諸注意:松井による大澤先生の紹介
       13:38〜15:26 スピーチ1(30+質問13)スピーチ(23+質問7)スピーチと質問(35)
        休   憩
       15:33〜16:35 意見交換
       16:40       終了

話題提供

大澤 勝次 北海道大学大学院農学研究院教授

    『バイオテクノロジー育種に携わってきた研究者の目から』

要旨

 飽食の時代である現代の食生活は、冷凍技術が進展しコンビニエンスストアが興隆し電子レンジが普及する中で、外食・中食が盛んになった。「地球の定員」について考えなくてはならない。人口増加に見舞われ、現時点で20億人の食糧が不足している状況である。便利な文明社会と折り合いをつけながら、未来の食糧を確保する道を探すことが必要である。

 栽培植物に関しては、作物の種類は2500種類ほどあり、食の主役となる作物はおよそ90種類である。ケールからブロッコリーやキャベツなどが生まれたように、多様な作物が作られている。人間の手が加わって多様性が失われた、とはならない。

 人類は様々な品種改良に取り組んできた。メンデル以降の交雑育種法(リンゴのフジも)のあと、突然変異育種法(ゴールド20世紀ナシは放射線育種)を経て1960年代から胚培養を含むオールドバイテク(ハクラン、かぼちゃのプッチーニ、ブロッコリーのスティックセニョール)が行われ、1980年代中頃からGM技術によるニューバイテクが展開した。植物の遺伝子組換えはアグロバクテリウムに学んだ。

 1997〜2000年頃のGMO安全性論議に関する考え方を紹介する。増えた人口を有機農業で養うためにもGM技術が必要である。有機農法を実践しながら食糧生産を確保するためには、他の植物や微生物たちの知恵に学んで、病害虫の被害を回避する必要がある。有機農法とGM技術はつながる技術である。

 GMOの作付面積は増加しているが、理解されないまま栽培の現実だけが一人歩きしている。また、GMOは未来の食材の可能性(高オレイン酸含有大豆などの機能性食品・アレルギー耐性・病害虫耐性・乾燥耐性…)を生み出す力がある。

 北海道GM条例策定に向かっていた頃「道州制の特区構想を利用して国より厳しい条例を作ろう」、「栽培特区などを設けて、メリットとデメリットを国民に伝えるべき」という新聞報道も出てきている。つまり、新聞も反対・危険一辺倒ではない書き方になってきていた。