第2回札幌GMO対話フォーラム |
日 時: 2007年1月16日(火) 10:00〜12:30 会 場: コープさっぽろ北12条店 組合員活動本部 主 催: 遺伝子組換え作物対話フォーラムプロジェクト 共 催: コープさっぽろ組合員活動部 参加者: 16名( +PJ5名) 総数21名 進 行: 10:00〜10:05 開催挨拶 10:05〜11:33 スピーチ+質疑応答 休 憩 11:40〜12:35 意見交換 12:40 終了 話題提供 松井 博和 北海道大学大学院農学研究院教授 『科学技術と社会〜GM作物の衝突から共生を目指して〜』 ■若い母親のためのセミナーとして企画 ・母親はセミナー、子供らは別室での料理教室参加 ・第一回と同じスライド 要旨(キーワードなど) 食の安全性に関する国民意識調査によれば、農薬、家畜用抗生物質、BSEや食品添加物などへの不安のほか、遺伝子組換え作物への不安もまた7割近くになっている。21世紀の課題は人口問題、環境悪化、エネルギー枯渇であるが、われわれには意識改革が必要である。大量生産、大量消費、効率優先、競争至上主義などから脱却し、安全を優先させた量から質へのパラダイムシフトが必要である。科学とは人類に夢を与えるもので、技術とは人類に喜びを与えるものである。 遺伝子組換え技術とは何か?遺伝子とは「DNAの中でタンパク質の配列を作る情報を持つ部分」である。車の設計図にもたとえることができる。組み換える手法にはアグロバクテリウム法やパーティクル・ガン法などがある。GM技術は幅広いバイオ技術の一つである。 GM作物は、1996年以降2005年までの間に作付面積は大幅に増えた。また、栽培されている全てのGM作物中、GMダイズが6割、GMトウモロコシが2割強、GMワタが1割程度、GMナタネも1割程度である。GMと非GMの割合は、ダイズで60%がGMで、トウモロコシが14%、ワタが28%、ナタネが18%である。食料自給率が40%、輸入飼料への依存という状況で、実は、日本はGM作物の輸入大国である。 北海道では2005年3月に「GM作物交雑防止条例」が制定されたが、その背景には道庁の意図だけではなく、様々な考えを持った消費者や農業者や研究者などの動きもあった。私も、2004年に「遺伝子組換え作物の私見栽培実施条件検討委員会」座長を務め、2005年には「遺伝子組換え作物交雑等防止部会」部会長を務め、それぞれの委員とともに制定に協力した。 従来のGM作物論争は、「GM食品は安全か、危険か」や「GM技術は環境にとって安全か、危険か」といった二項対立型だった。従来の品種改良の延長だという主張に関し、反対派違うといい、賛成派はそうだと言う。技術としての完全性、実質的同等性、ファミリアリティ、評価手法の妥当性などについても議論は平行線である。科学や科学者に問われていることは何であろうか。 繰り返し行うコミュニケーション型の対話に切り替えて、研究者と市民との相互理解を図りたい。夢は、産官学民そして市民を巻き込んだ食の安全安心センター(仮)の実現である。 |