第1回興部GMO対話フォーラム |
日 時: 2006年12月16日(火) 13:30〜16:30 会 場: 興部町 はまなす幼稚園 主 催: 遺伝子組換え作物対話フォーラムプロジェクト 共 催: はまなす幼稚園(園長 小山哲夫) 位置付け:GMO対話小フォーラムを幼稚園の先生方の環境教育・食育に関する活動の一環 世話役:鳥井啓一(興部町役場) 参加者: 10名( +報道2名+PJ2名) 総数14名 進 行: 13:30〜13:40 開催挨拶 13:40〜15:00 スピーチ 15:10〜16:30 意見交換 16:45 終了 話題提供 松井 博和 北海道大学大学院農学研究院教授 『科学技術と私たちの社会―遺伝子組換え作物をめぐる現状―』 要旨(キーワードなど) 食の安全性に関する国民意識調査によれば、農薬などへの不安のほか、GM作物への不安が7割近くある。人口問題、環境悪化、エネルギー枯渇問題の解決には、大量生産、大量消費、効率優先、競争至上主義などから脱却し、安全を優先させた量から質へのパラダイムシフト(意識改革)が必要である。科学とは人類に夢を与えるもので、技術とは人類に喜びを与えるものである。 遺伝子とは「DNAの中でタンパク質の配列を作る情報を持つ部分」である。車の設計図にもたとえることができる。組み換える手法にはアグロバクテリウム法やパーティクル・ガン法などがある。遺伝子組換え技術は幅広いバイオ技術の一つである。 GM作物は、21カ国で商業栽培され、アメリカ(66%強)、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、中国で95%を占めている。作付面積は大幅に増えたが、増えたから良いと言っているのではない。飢餓と飽食の問題をともに考えないといけないように、ものごとには両面性がある。 栽培されている全てのGM作物中、GMダイズが6割、GMトウモロコシが2割強、GMワタが1割程度GMナタネが1割程度である。GMと非GMの割合は、ダイズで60%がGMで、トウモロコシが14%、ワタが28%、ナタネが18%である 従来のGM作物論争は、「GM食品は安全か、危険か」や「GM技術は環境にとって安全か、危険か」といった二項対立型だった。技術としての完全性、実質的同等性、ファミリアリティ、評価手法の妥当性などについても議論は平行線である。科学や科学者に問われていることは何であろうか。繰り返し行うコミュニケーション型の対話に切り替えて、研究者と市民との相互理解を図りたい。夢は、産官学民、市民を巻き込んだ食の安全安心センター(仮)の実現である。 北海道では2005年3月に「GM作物交雑防止条例」が制定されたが、その背景には道庁の意図だけではなく、様々な考えを持った消費者や農業者や研究者などの動きもあった。私も、2004年に「遺伝子組換え作物の私見栽培実施条件検討委員会」座長を務め、2005年には「遺伝子組換え作物交雑等防止部会」部会長を務め、それぞれの委員とともに制定に協力した。 2004年以降市民との対話の場を模索し続けた結果が、今回のGMO対話フォーラムプロジェクトである。夢は、産官学民そして市民を巻き込んだ食の安全安心センター(仮)の実現である。 |