2回千歳GMO対話フォーラム

日  時: 2006年10月9日(月:祝) 13:30〜16:30
会  場: 千歳市民文化会館
主  催: 遺伝子組換え作物対話フォーラムプロジェクト
共  催: 千産千消クラブ
参加者: 11名(講師含む)( +報道1名+PJ7名) 総数19名

進  行: 13:30〜13:40 開催挨拶
       13:40〜15:05 スピーチ(1時間)+質疑応答
       15:15〜16:45 意見交換
       16:45       終了

話題提供

  麻田 信二 前北海道副知事

      『北海道農業の現状と将来像〜遺伝子組換え作物など新技術導入の可能性〜』

要旨

 北海道農業の現状を知る必要がある。私は、北海道にバイオ育成を政策として導入した側の一人だが、同時にクリーン農業政策を実施し、有機農業の育成にも力を入れてきた。われわれ北海道の人間にとって重要なことは、時代を取り巻く環境の変化を考えながら、農業を基盤にした北海道経済の創造と地域の自立を考えることである。

 国際化やグローバリズムの進展の中で、地方は衰退した。地球温暖化や生物多様性の喪失といった地球環境問題が深刻になっている。さらには、飢餓や飽食の問題を含む食糧問題が発生している。従って、食卓や農村の将来像を考える時、われわれは先ず第一に、地球資源は有限であることを自覚する必要がある。なお、これらの問題は人口問題に起因する。日本では人口減少が問題になっているが、世界規模で見るなら、人口増加が様々な問題を誘発していることが分かる。

 農業生産者にとって大事なことは、地域や国の歴史や先人の思想に学びながら、安全・安心・健康というキーワードのもと、消費者の求める農業の創造を図ることである。歴史を学び先人の思想を学ぶことは消費者にとっても大事なことである。私たちにとって、地産池消、グリーンツーリズム、スローフード運動、農工商の一体化など、考えるべきことは多い。

 いま、浪費を止める社会こそが必要とされている。そこに至るには、一人一人が生活そのものを変えていくしか道はないと思う。そのためには、研究者や技術者などの専門家は、いわゆる「専門バカ」であってはいけないのではないか。科学者も技術者も社会の中での存在である。

 将来GM技術による品種改良でうまくやっていけるものがあって、安全性が確認され、「(道民・人々に)理解」されれば、GM種子利用の農業はやっていけるかもしれない。しかし、今のままでは難しい。GM条例はバイオ技術・産業の規制ではない。仮に北海道でGMダイズが商業栽培されたにしても、北米型の大規模工業的生産方式で生産されるGMダイズには、価格的に太刀打ちできない。