第1回千歳GMO対話フォーラム |
日 時: 2006年5月28日(日) 13:30〜16:30 会 場: 千歳市民文化会館 主 催: 遺伝子組換え作物対話フォーラムプロジェクト 共 催: グググのグの中村さんを中心とした考える会(=「千産千消クラブ」第2回目から) 参加者: 17名( +報道3名+PJ4名) 総数24名 進 行: 13:30〜13:40 趣旨説明 13:40〜15:30 スピーチと意見交換(1) 途中休憩10分はさんで 15:30〜16:45 一通り自己紹介を行ったあとでの意見交換(2) 16:50 終了 話題提供 松井 博和 北海道大学大学院農学研究院教授 『遺伝子組換え作物を考える』 要旨 遺伝子とは「DNAの中でタンパク質の配列を作る情報を持つ部分」である。車の設計図にもたとえることができる。組み換える手法にはアグロバクテリウム法やパーティクル・ガン法などがある。GM技術は幅広いバイオ技術の一つである。 GM作物は、21カ国で商業栽培され、アメリカ(66%強)、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、中国で95%を占めている。作付面積は大幅に増えたが、増えたから良いと言っているのではない。飢餓と飽食の問題をともに考えないといけないように、ものごとには両面性がある。 栽培されている全てのGM作物中、ダイズは6割、トウモロコシは2割強、ワタは1割程度、ナタネも1割程度である。GMと非GMの割合は、ダイズで60%がGMで、トウモロコシが14%、ワタが28%、ナタネが18%である。付与された形質は除草剤耐性と害虫抵抗性である。食料自給率が40%、輸入飼料への依存という状況で、実は、日本はGM作物の輸入大国である。 北海道で2005年3月に制定された「GM作物交雑防止条例」の背景には、様々な考えを持った消費者や農業者や研究者などの動きがあった。私も、「遺伝子組換え作物の試験栽培実施条件検討委員会(2004)」座長を務め、「遺伝子組換え作物交雑等防止部会(2005)」部会長を務めた。 従来のGM作物論争は、「GM食品は安全か、危険か」や「GM技術は環境にとって安全か、危険か」といった二項対立型だった。技術としての完全性、実質的同等性、ファミリアリティ、評価手法の妥当性などについても議論は平行線である。科学や科学者に問われていることは何であろうか。 繰り返し行うコミュニケーション型の対話に切り替えて、研究者と市民との相互理解を図りたい。夢は、産官学民そして市民を巻き込んだ食の安全安心センター(仮)の実現である。 |