緑の風・木枯らし

OB/OG からの情報、速報などを随時掲載します。

北海道天然林のあり方勉強会・・・石井先生の報告

  1. ドイツと北海道は同じ気候帯,冷温帯林に属する。
  2. ドイツはブナ林を対象とした林業として成立・展開しており,250年の歴史がある。広葉樹施業もまた亜寒帯林施業も確立している。
  3. 一方,北海道は約100年の歴史であり,天然林施業は未確立。しかし独特の植生帯である針広混交林を対象とする天然林施業確立は北海道林業,北海道国有林の世界的な役割ではないか。カラマツ林業の確立は民有林の課題である。
  4. 舘脇操先生の植生帯論を踏まえて,標高別に施業論を構築すべきである。これまでの天然林施業経験,施業履歴を大事にするとともに,最新の森林生態学の知見をもって,それらを解釈して,理論化・技術化すべきである。

論点

  1. この20年,30年来の生態学の新たな知見について期待が出されたが,地道な実証研究が今こそ求められているのではないか。
  2. 報告で天然林施業確立への期待が述べられたが,過剰期待ではないか。天然林施業が何故,原理的に失敗したのか,また天然林施業確立が社会的に要望される根拠が明確にされねばならない。将来の社会動向,木材需要動向を想定すると,天然林が生産する大径材や広葉樹の需要がなくなることも想定されるのではないか。
  3. 天然林の生産目標が明確にされねばならない。人工林から生産されるトドマツと,天然林からでるトドマツをどのように差別化するのか。
  4. 亜寒帯林は施業対象にしないという議論は賛成である。しかし国有林でも施業をする場合には,赤字を出さないことが求められる。具体的には標高700m以下で天然更新可能な地域,補助作業を行ってもコストがかかわないところを選び出す必要がある。
  5. 人工林,天然林という区分に囚われないで,シンプルに生産林,非生産林という区分を行って,生産目標を明確にする必要がある。
  6. そうした文脈ではドイツの施業林・経営林,保護林という区分は参考になる。我が国に見られる「人工林・天然林というトラウマ」から脱する必要がある。
  7. 天然林施業を担いうる人材の確保,養成が緊急な課題である。

グリーンエコノミー20120527 藤原様」

グリーンエコノミーの展開と国際的な持続可能な森林管理は、リオで話し合われます。

 「改正森林法施行」20120422 藤原さま

2011年7月に成立した、森林法の全面的施行が4月から始まりました。 どこの国でも、森林法という、施行現場が人里離れたローカルな地域で広範にわたる森林法規の施行を確保することは、共通に結構負担のかかる事項です。この施行状況を市民の支援や協力も得て改善していくというのは、違法伐採問題の背景となっている事項であり、日本でもその課題は共有しているもので、重要でやりがいのある課題だと思います。;
「違法伐採問題は海外の問題」、ではありません。 持続可能な森林経営のための勉強部屋

「TPP環太平洋パートナーシップ協定とつきあう場合の留意点 」20120325 藤原様

TPPの議論で、経済のグローバル化が引き起こすネガティブな側面としては、「食料安全保障という社会的役割を果たしている農業の破壊や、医療分野における国民皆保険の崩壊、中小企業の存立の危機、生産過程における環境破壊の拡大」といったことが指摘されています。;
一国の国内政策の段階では、法令にもとづく規制や、課税と補助制度という所得の再配分制度によって解決がはかられる分野です。ところがグローバルな仕組みとしての規制と再配分の仕組みがほとんど構築されていないために、市場のグローバル化の悪しき側面がクローズアップされることになっています。;
そのために、「市場のグローバル化に反対」でもよいのですが、「市場だけでなく社会制度のグローバル化も一緒にはかるべき。今のグローバル化の主張は中途半端」という、超グローバル派の主張となっています。;
持続可能な森林経営のための勉強部屋

「転換期日本、変化の目を伸ばす」(日経)20120102

歴史の教訓に学ぶ 日本は今悩んでいる。日本はどこに行くのだ。日本はどうなるのだ。」「日本はもう進むだけ進んだのではないか。生生たる発育期を過ぎて静止状態に入ったのではないか。注意すべきは発足期にある支那(中国)であって、日本の時代は過ぎたのでないか。」 という書き出しの「転換期の日本」という本が1929年に出版されていることが紹介されています。;
全文は以下に。日経の社説から

藤原様 持続可能な森林経営のための勉強部屋 2012,1,2


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緑の風・木枯らし012 のバックアップ(No.6)