発表者:河村 友陽  発表日:6月2日 タイトル:温帯林におけるミズキの種子散布の空間的・季節的パターン      Spatial and seasonal patterns of seed dissemination of Cornus controversa in a temperate forest   要旨:林冠を構成する樹種であるミズキの種子散布の季節的・空間的パターンを、日本の温帯落葉樹林で2年間研究した。12本の成熟したミ     ズキを含む1haの調査地に221個のシードトラップを設置し、2週間ごとに落下種子を測定した。年間種子生産量の見積もりは1.57×     106seed/haだった。2年とも、果食性の渡り鳥が調査地に入ってくるころには果実の成熟のピークは過ぎていて、17%の種子しか鳥     に散布されなかった。直接落下した種子は母樹の近くに落下していた。一方、鳥に食われた種子は様々な場所に散布されていた。鳥     は食べた種子の半数以上を母樹から5mより遠い所に落としていて、15mよりも遠い所では鳥に散布された種子の密度は直接落下し     た種子よりも高かった。ときには、母樹から40mよりも遠い所に散布された種子も見られた。さらに、鳥は充実種子を含む果実を選     択的に食べているようだった。鳥によって散布された種子の密度は、同種・別種関係なく果樹からの距離が離れるにつれて劇的に減     少した。林冠ギャップまでの距離は、鳥散布種子の空間パターンにはあまり関係なく、鳥はミズキの種子を林冠ギャップに対して指     向的には散布していなかった。


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分野ゼミ/文献紹介ゼミ/2005-06-09 vol.12 のバックアップ(No.1)