保全生態

ニセアカシア研究会

非公式ではあるが活気溢れる研究会が森林生態系管理学研究室森本淳子講師らを中心に始動した。北海道立林業試験場の造林OB真坂さんや佐藤さんらをはじめとするニセアカシアの管理に関する研究課題が、北海道庁の重点研究研究課題に採択されるなど、めざましい動きが出てきた(下図)。函館近郊の蒜沢流域では、ニセアカシア伐木の引き取り試験が実施されるなど、北海道工業大学の柳井教授のグループと伴に「管理手法」に関する実践的課題を推進中である。
研究会風景.JPG 真坂・森本氏.JPG
研究会の風景                       熱弁を振るう真坂氏と森本氏

 一方、北大中川研究林・「歌内試験地」に、1923年に導入されたニセアカシアの分布拡大をテーマに取り組む、森林生態系管理学研究室の小南遼氏・森本淳子講師らのグループは、中川研究林の門松林長らとともに広大な試験地を設け、埋土種子の確認とともにシードトラップを設置して、分布拡大の可能性を追跡中である。また、造林学研究室では、個体維持に関しては光合成特性を兼俊壮明氏が学振・北岡哲博士・崔 東壽博士(東京農工大学大学院・自然環境保全学)と、繁殖生態に関しては、1)タネの発芽に関する生理解剖学を唐木貴行氏を中心に、花卉・緑地計画学の近藤哲也教授の指導を得て、北大農学研究院・研究員の渡邊陽子博士とともに推進中である。2)また、根萌芽を中心とした実験生態学研究は松並志郎氏によって、北方生物圏フィールド科学センターPDであった里村多香美博士(現在:香川大学農学部 小林剛研究室・研究員)、PD渡邊陽子博士らとともに推進中である。
 研究会での興味深い発表は、 柚洞一央氏(北大文学研究科地域システム科学講座・博士課程)による話題であった(下図左)。まったく知らなかった養蜂協会の仕組みなど、まさに「手作り」のデータが紹介された。「所有権」の考え方が、土地産業に根ざしてきた私には新鮮であった。次回の研究会が期待される。きっと新たな知見が加わっている!
油洞氏.JPG 古来養蜂.JPG
講演中の油洞(ゆほら)氏                  伝統的な養蜂(マツの洞を利用)

【参考文献】

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ニセアカシア研究会 のバックアップ(No.2)