森林の保全生態

侵入種研究の意義


【文献】

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天塩研究林(若齢アカエゾマツ29年生2007年現在)       アカエゾマツ除間伐枝打ち後5年経過(天塩研究林)

かつてエゾマツが材質試験の標準とされたが、それに次いでデータ豊富なヨーロッパトウヒ(=ドイツトウヒ)では、年輪幅が広くなると容積密度は急激に低下する(宮島 198?)(下左図)。そこで、光合成生産に直結する樹冠の制御によって成長を制限し、また、「無節材」を目指す保育が有効と考えている。アカエゾマツは枝が枯れ落ちにくいことに加え、傷口が塞がりにくいので、枝打ち実施時期や方法も考えなくてはいけない(下中図)。アカエゾマツ良材生産と樹冠調節機能の生理生態(下右図)は挑戦的な課題と言えよう。土壌環境に限らず、マイルドなストレス下で針葉の寿命を延ばす(Turnover rate)アカエゾマツの成長制御は魅力ある研究でもある!

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ストローブマツは早材・晩材の差が少ない  幹がヤニで白い   ストレス下で針葉の寿命が延びる(Kayama et al 2002)

参考文献

カラマツとグイマツ雑種F1

移入種としてのカラマツ

成長速度が速いことから、長野県の一部に分布していたカラマツを移入し、坑木としての利用を念頭に民有林に大量に植え付けた。園統計資料からはほとんど北海道の形を描いていた(下左図)。そして、利用方法は北海道立林産試験場の努力の結果、カラマツ活用ハンドブックとして完成を見た。こうなると2代目造林もカラマツに期待がふくらむ。しかし、信州で一時問題になった忌や地(その後、ナラタケ病とされた)や根腐れが懸念される。

バイテク技術と地球環境への貢献

しかし、導入当初、甚大な被害をもたらした野鼠害や先枯れ病に抵抗性があるグイマツ雑種F1(グイマツはかつて北海道に分布していた)が開発され(♀:千島列島産のグイマツx♂:ニホンカラマツ)、茎頂培養によって遺伝的優位性を維持する技術が開発された。そして、実用的に挿し木による大量増殖法が北海道立林業試験場の黒丸亮氏やOB来田和人氏らによって開発され、さらなる実用化への期待が寄せられている。なお、葉緑体の父系遺伝がDNAレベルで初めて紹介された材料である(Szmidt 1987)。現在、造林の笠小春氏によって特殊土壌への植栽可能性を天塩研究林20線の蛇紋岩試験地にて検討中(森林環境修復へ)。

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カラマツ属植栽図(金子正美・道環科研)      ユーラシア大陸に於ける永久凍土とカラマツ属の分布

 一方、生物多様性保全の視点からは大面積造成は懸念される。しかし、その高い光合成機能とユーラシア大陸東側全域を覆い(上図右)、地球環境を左右する永久凍土(溶けるとメタンが放出)の保護と山火事後の回復にも無くてはならない樹種であり、環境林としての期待も高まる(Koike et al. 2000)。その森林域としての機能評価の研究は天塩研究林・やつめ沢試験地で環境省・北電と北方生物圏フィールド科学センターの共同研究として天塩研究林高木健太郎氏を中心に展開している(Takagi et al. 2005)。

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2001年から「手塩」に掛けた試験地   Flux観測タワー     国際研究へ スケーリング・アップ(高木氏原図)

森林全体のCO2交換速度測定として、タワーを用いて森林全体としてのCO2フラックス(単位面積当たりの分室の移動速度)の観測が継続されている。同時に土壌呼吸(土壌微生物+根+共生菌類等の総和)の測定が鍵になる(下左図)。OGの柳原(古川)祐子(Yanagihara et al. 2006)や曲来葉(Dr.Qu Laiye)氏(中国 生態・環境研究センター)がカラマツ・F1人工林の機能評価として取り組んできた。フラックス関係のデータ(純生態系交換速度NEP)は下向き(−値)が吸収を意味する(下左図)。総生産量(GPP)の僅か0.5%がバイオームとしてのCO2吸収速度である。GPPを100%とすると、NPPは50%、NEPは5%以下、NBP→ 約0.5%。(下右図)。

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                       森林の炭素吸収速度とは       純バイオーム生産力はGPPの0.5%程度(小池 2004)

参考文献


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保全生態 のバックアップ(No.1)