日常生活の中で私達がさらされている紫外線、放射線、発癌物質などの様々な変異原や内分泌かく乱物質(環境ホルモン)が、細胞の持つ種々の遺伝子に働きかけて変異や異常をもたらし、その結果いろいろな疾患(遺伝子病)が引き起こされます。
癌もまた、細胞が元々正常に増殖・分化するために持っている細胞性発癌遺伝子および癌抑制遺伝子への変異が重なって起こる遺伝子病として理解されてきていますが、私達の研究室では細胞の癌化機構を分子生物学的・細胞生物学的手法を用いて遺伝子レベル・分子レベルで解析しています。
具体的には、真核細胞、特にヒト、マウス等の哺乳動物細胞を用い、核内癌遺伝子c-Mycと関連遺伝子群、我々が新規クローニングした癌遺伝子DJ-1と関連遺伝子群の多様な細胞機能調節機構に着目して解析しています。DJ-1は家族性パーキンソン病原因遺伝子の一つPARK7でもあり、癌とともに高齢化社会でより深刻な問題となる神経変性疾患とも関わっています。c-mycタンパク質やDJ-1タンパク質は,、結合するパートナータンパク質を換えることで異なる機能を発揮し、細胞機能調節・環境ストレス応答において重要な役割を担っており、c-mycタンパク質やDJ-1タンパク質自身、また各パートナーの異常・欠損・過剰酸化等が異なる細胞異常や疾患をもたらすことを明らかにしてきています。
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