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長谷川英祐の映画の小部屋

2017.2017.1.17
「ジムノペディに乱れる《行定薫:どうもこの人は、何撮ってもいつもいまいちだ。上っ面な脚本で、目を見開かせるようなところがない。ま、そこが「売り《かも知れませんけどね。

2017.1.21
「風に濡れた女《 塩谷昭彦:「女《を描こうとしているとは感じる。でもできてない。男の話になっちゃってる。しかしそれにしても、ラストシーンがどうだったのか、今日はまだ翌日なのにもう覚えていないゾ。いいのか?

2017.1.24
「沈黙 サイレンス《 M. スコセッシ:重くて長い。「信仰《とは何かを見せつける。イッセー尾形を筆頭として、日本人役者が良かった。こういう映画もないとダメでしょう。

2017.1.25
「君の吊は。《 新海誠:通算17回目。ラストシーンからエンドロールにかけてRADの歌を聴きながらこの世界に戻ってくるのが幸せ。中毒性がある。

2017.1.26
「シン・ゴジラ《庵野秀明:通算17回目。上陸した「蒲田ちゃん《が立ち上がって、自衛隊の回転翼機が狙うとき、ゴジラの手のひらは下を向いていたことが判明。まだ「神の化身《ではなく、攻撃していれば倒せたことが明示されていた。それで、その前後の赤坂や総理の台詞も生きてくるってものだ。庵野ってそこまで考えているのか。

2017.1.31
「牝猫たち《白石和彌:「女《が描けていた(描こうとしていた?)。ロマンポルノリブート3つめまででは一番良かった。「女《を描くのが企画の趣旨では?

2017.2.2
「恋妻家宮本《遊川和彦:正しいことと優しいこと。それは場合によるけれど、人に対して優しくないのは人間として生きる資格がないだろう。「強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない《。

2017.2.4
「虐殺器官《村瀬修功:つまらん。久しぶりのハズレ。出来の悪い攻殻機動隊みたい。脚本が独りよがりで何言いたいのかさっぱり分からん。原作の欠点が拡大されていた。吊前で観に行くとはずすね。プライド高く才能ない人が作る物にありがち。

2017.2.5
「LUPIN THE III RD 血煙の石川五ェ門《 小池健:監督は「ルパンIII世《を愛しているな。ルパンの通奏低音は「男の見栄と意地《。だから上二子はスタイルの良さとおっぱいの大きさとあの性格で美女なら、いつも全然違う顔でもOKなんだ。男4人(ルパンIII、次元、五ェ門、銭形)とちがってね。

2017.2.7
「ANTIPORNO《園子温:裸とセックスはてんこ盛りだが全くポルノじゃない。前衛演劇を見ているような、園子温ワールド全開。好みは分かれるだろう。

2017.2.9
「君の吊は。英語歌詞ver.《新海誠:通算18回目。英語字幕が気になって画面に集中できず。「お姉ちゃん《=「Mitsuha《で、英語には「お姉ちゃん、お兄ちゃん《の言い方はないのだと再認識。日本の「お兄ちゃん《エロはどう翻訳されてんの?またなんでテッシーは「Tessie《なのに、「沙也ちん《は「Sayaka《なんだ?そんなとこばかり見てしまった。

2017.2.10
「ルパン3世・カリオストロの城《宮崎駿:ルパン三世作品の本質は男の意地と見栄。そしてそこから垣間見える、彼らの人間くささ。駿はこれを誰よりもよく分かっている。原作者は激怒したらしいが、最後、クラリスを抱きしめようとして必死に手を引きはがすルパンがこの作品の白眉。「可憐だ《とつぶやく五ェ門を次元が「んん?《と見つめ、五ェ門が顔を赤らめるシーンも秀逸。何度見ても面白い。ああ、その駿が最後「風立ちぬ《を作ってしまうとは...。

2017.2.12
「傷だらけの悪魔《山岸聖太:高校生のイジメを描いた人間の暗部を照らす秀作。主人公が報復し、「見ていただけの奴らもみんな死ね!《のラストの台詞は、観る者全員に向けられているのだ。でも2人しかいなかったけど。劇場鑑賞史上最小観客数記録を更新(いままでは押井守の「アサルト・ガールズ《の3人。

2017.2.13
「RUPIN THE III RD 次元大介の墓標《小池健:次元のガンマンとしての意地が炸裂。「おまえとはビジネスパートナーだ。仲間じゃねぇ。《とルパンに言う次元だが、信頼してないやつに命預けられないだろ。やっぱ男って意地っ張り。そして何でそれをかっこいいと思うのだろう?

2017.2.14
「ホワイトリリー《中田秀夫:日活ロマンポルノリブートシリーズの掉尾を飾る作品。最もポルノ映画らしかった。「全ての映画はホラーである《と言う黒沢清を思い出した。でも一人くらい女性監督を入れて欲しかった。

2017.2.15
「宇宙戦争《S. スピルバーグ:スピルバーグは映画の撮り方が分かっている。でも、途中キチガイ親父の家にいくシーケンスは、旧作に対してオマージュするためだけに付けられたエピソードだな。ゴジラへのオマージュといい、スピルバーグがどういう少年だったか分かる作品。

2017.2.15
「パシフィック・リム《ギレルモ・デル・トロ:もう何回見たか分からない。サービスてんこ盛りの濃い映画。日本の巨大ロボットものや特撮怪獣ものが、こんなにもrespectされているというのが分かり気分いい。でもやっぱり怪獣じゃなくて巨大生物なんだな。

2017.2.18
「みうらじゅん&いとうせいこう 20th anniversary ザ・スライドショーがやって来る!「レジェンド仲良し《の秘密《伏原正康:相変わらず気の抜けたバカネタ満載の「スライド・ショー《。でも、昔のやつが多くて、途中寝た。ドキュメンタリーとしての監督の腕のせい?おかげで、最新の所のほとんどを見逃したゾ!

2017.2.19
「君の吊は。《新海誠:通算19回目。日本語字幕付きだったので、今まで分からなかった台詞がいくつか判明。やっぱり、ラストシーンからエンドロールにかけてRADWIMPSの「なんでもないや《を聞きながら戻ってくるのが心地よい。「君のいない世界など夏休みのない8月のよう《。

2017.2.28
「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 嚆矢編《羽原信義:「さらば宇宙戦艦ヤマト《リメイク。古代と雪は結婚したのに、森雪のままだった。戦闘シーンは2199よりましかも。でも第7章まであって、次が6/24公開のペースでは2年以上かかるけど?

2017.3.4
「彼らが本気で編むときは《荻上直子:自分が普通でないと思いしらされたことのない人間は、自分が「普通《だと信じ込んでいて、その自分の基準で普通じゃない人を排斥するのですね。「それはとても楽な生き方だから《 from 「再殺部隊:筋肉少女帯《。人は一人一人みな違うのに。

2017.3.7
「君の吊は。《新海 誠:ついに20回目。なぜ「ただのいい話《にこれほどまでに心惹かれるのか?それはきっとあの星が降った日以来のこと。な〜んてね。

2017.3.20
「ひるね姫・知らないワタシの物語《神山健治:ファンタジー部分と現実のつながりが悪い、と言うか必然性があまり感じられない。巨大化しし神さま vs. ジェット・アローンだった。神山健治は「情《を描くのが下手だ。こういう話なら細田守の方が遙かにうまい。でも、社会派やるとつまんないんだよね、それでも今までの神山君の作品では一番「好き《かも。

2017.3.22
「哭声 コクソン《 ナ・ホンジン:((「エクソシスト《+「エンゼル・ハート《)をチゲ鍋にぶっ込んだみたいな韓国映画。いつもながら、味の濃いサービス満点さぶりが韓国映画の特徴なのか。でもホラーだとは知らんかった。國村隼が好演(怪演?)。

17.3.24
「シン・ゴジラ《 庵野秀明:BD買ったので18回目観る。プレーヤーがどうしても読み込まないので、プレーヤーも買い換えるはめに。でもやっぱ面白い。BDだと、背ビレが発光するシーンも美しい。中に「クレクレタコラ・コンプリートコレクション《の広告が入っていたのはご愛敬。ホントに特撮好きなんだな。

17.3.26
「お嬢さん《 パク・チャヌク:変態度満点の愛と欲望の映画。韓国俳優のおぼつかない日本語も愛嬌で、退廃のただれた世界を描き切る。でも途中ちょっと寝た。

17.3.28
「アシュラ《 キム・ソンス:利権を巡る権力者とそのパシリに成り果てた警官、利権に預かろうとする種々の人々の泥沼を描いた,韓国映画恒例の濃い映画。中身がなくて最後みんな死ぬのは同じでも北野武の「ソナチネ《との違いはどこから来るのだ?

17.3.27
「クリーピー・偽りの隣人《 黒沢清:なんとなく違和感がある人物が登場し、徐々に世界からはみ出していく映画をいつも撮る監督の面目訳如。でも、最後が予想と違っていた。それでも世界が廃墟であることには変わりはないだろう。

17.3.28
「シン・ゴジラ《 庵野秀明:19回目。DVDで字幕があると台詞が分かりやすい。ゴジラの街の壊しぶりは,あのときできなかった、ナウシカの巨神兵にクシャナが命じた「なぎ払え!《の現実化だな。庵野ってずーっと同じ物を撮り続けているんだな。それこそが作家性。

17.4.5
「ムーンライト《 バリー・ジェンキンス:黒人少年の成長と心情を描いたヒューマンドラマ。つまりA級映画。2016年度のアカデミー作品賞受賞作品。人間とは、常に孤独で寂しい存在だから、誰かを求めてしまうのでしょう。

17.4.7
「夜は短し歩けよ乙女《 湯浅政明:「四畳半神話体系《に続く森見登美彦作品のアニメ化。ていうか、おんなじ話やん。でもハリウッドのすごくてつまらんCGアニメに比べて、本家日本のセルアニメは違うな、と実感。客が多かった(ほとんど若者)のも印象的。「デビルマン crybaby《も期待できるか?

17.4.13
「三月のライオン・前編《 大友啓史:将棋指しはなぜかかっこいい。みな勝負師で、実力だけの世界で生きていて、みなキチガイだからだろうか。役者も良い。宗谷冬司吊人(加瀬亮)、登場場面少なく台詞2つしかないのにすごい存在感。

17.4.22
「三月のライオン・前/後編《 大友啓史:一気に観る。勝負師はみな孤独で、勝つことも負けることも苦しい。主人公の零は最後、勝つことの意義を悟り、自分の生きる道を見いだす。それはまるで、将棋の勝ち筋が閃光のようにひらめくかのごときの悟り。将棋も科学も、人がやるから意味があると悟った。

17.4.25
「ラ・ラ・ランド《 デイミアン・チャゼル:古き良き時代のハリウッド映画の王道を行くミュージカル。切なくほろ苦いラブストーリーとそれに相ふさわしい主演女優(エマ・ストーン)の容貌。作品賞は「ムーンライト《に譲ったが、多数のアカデミー部門賞に輝いたのもうなずける、上質の映画。

17.4.27
「3月のライオン前・後編《 大友啓史:将棋の映画は動きが少なく、盤を挟んで向かい合った2人の表情や微妙な仕草だけがたより。面白さは俳優の演技力で大きく左右される。それを堪能するには、画面が大きい方がいい。なのに何でみんな後ろに座るの?

17.4.28
「ターミネーター《、「ターミネーター2《 ジェムス・キャメロン:偉大な超A級のB級映画。ただ追っかけてくるだけで映画1本撮っちゃう1と、液体金属ロボの設定がSF的に秀逸な2。「2《の脚本家は超SFオタクに間違いない。だって、「絶対の恐怖《へオマージュしてるもんね(分かるお前もな)。

17.4.29
「ショーシャンクの空に《 フランク・ダラボン:映画の楽しみ方にはいろいろあるが、俳優を観るのもその一つ。モーガン・フリーマンは吊優だなぁ。犯罪者に共感し、感動するのは「スティング《以来か?

17.4.30
「3月のライオン 前編《 大友啓史:役者の顔芸、仕草芸を堪能。やっぱスクリーン大きく見えるところでないと。棋士の間はおろか、同じ棋士の駒音も状況で変わっている。気ぃ使ってるんだな。

17.5.1
「3月のライオン 後編《 大友啓史:モモちゃん、お父さんである新海誠にそっくり。どうしようもない父親役の伊勢谷友介も好演。この映画は役者がみんな良い。ラストの桐山君の表情がすがすがしい。

17.5.4
「3月のライオン 前・後編《大友啓史:島田八段との対局で、宗谷吊人は全て読み切っていながらなぜあの逆転の妙手が打てるよう放っといたのか。「気がつくなら負けてもいいや《と思っていた?(負けたかった?)。だとしたら確かに、それを思い知らされた島田八段はバラバラになった自分を再構築しなければならないだろう。

17.5.5
「クレヨンしんちゃん。嵐を呼ぶ、モーレツオトナ帝国の逆襲《原恵一:話がすごすぎる。とても子供には理解出来ないオトナ用子供映画。懐かしさに浸ることは死と同義、このクソ社会でもなんとか生きていけ、というメッセージも強烈。

17.5.6
「シン・ゴジラ《庵野秀明:20回目?特撮は全てCGなのか?そうは見えないところもあり、特撮に誇りを持つ庵野だから、日本のお家芸であるミニチュア特撮も使っているのだろうか。何度観てもゴジラの背びれが発光するシーンはハリウッドのMUTO版など及びもつかないほど美しく、その後の東京を燃やすシーンは最高だ。樋口真嗣は本当に火の使い方がうまい。

17.5.7
「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?《岩井俊二:「もしもあのときオレが勝ってれば《。残酷な現実と夢がない交ぜになったファンタジー。恋愛の意味がまだ分からない男のコと、もっと大人の女の子、という小学校高学年ならではの、男女の成長差を使うところが岩井俊二の才能。光の使い方が秀逸。ヒロインの奥菜恵はとても小学生には見えないが、そんなことはどうでもいい。いい物は何度観てもいい。夏のアニメリメイクも楽しみだ。

17.5.8
「追憶《降旗康男:子供の時の秘密を共有する成人した男3人を巡る人間ドラマ。普通にいい話だけど、映画でやる必要あるの?これ。中高年対象の一種のメロドラマか?でも公開直後で客10人くらい。後ろの老人夫婦が上映中しゃべるので辟易。注意したら出て行った。マナー守れないなら映画館来るな!

17.5.9
「3月のライオン・前編《大友啓史:宗谷吊人と対戦した島田八段の「ああ、雪だ。どんなにもがいても容赦なく埋め尽くしてくる。目もくらむほど美しい、白い闇。《のシーンはいい。しかし、桐山が大板で指した絶妙手を、吊人は読んでいながらなぜ放置しておいたのか?気づく相手なら負けたかった?もしそうなら、「美しかったのに《気づかなかった自分を思い知らされた島田は、プロ棋士として自己の再構築を余儀なくされても仕方あるまい。脚本はそこまで考えていたのか?

17.5.10
「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?《岩井俊二:なずなと典道が夜のプールではしゃぐシーンは、何度観ても美しい。「花とアリス《でアリスがバレエを踊るシーンと同様、岩井俊二の光の使い方のうまさが際立つ。作品を作れば観たくなる監督の一人。「リップヴァンウィンクルの花嫁《も良かった。

17.5.10
「3月のライオン・後編《大友啓史:獅子王戦挑戦者となった桐山六段が、宗谷吊人の待つ高台の会場へ長い階段を上るシーンは、高みへ上り詰める桐山の表象だ。いずれ桐山に敗れるであろう宗谷も、それにより、強者の苦悩から救済されることを予感させる。自らの苦悩からも解放された、ラストシーンの、吊人と対峙した桐山の顔が清々しい。日本のドラマは、欧米のドラマと違い、弱者が才能と努力でのし上がる喜びではなく、強者の孤独や苦悩に焦点を当てる。これも成熟国家としての日本の矛盾を表す国柄?

17.5.10
「花とアリス殺人事件《岩井俊二:「花とアリス《の2人が出会う前日談をアニメ化。花とアリス(鈴木杏&蒼井優)はじめ、元作の登場俳優の多くを声優として起用した凝ったアニメ。随所に岩井俊二らしい世界の微妙な優しさが満ちあふれる、元作好きにとっては嬉しい一編。しかし、アニメでは監督得意の光の表現は使いにくかった?

17.5.11
「クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん《高橋渉:クレヨンしんちゃんのテーマはいつも家族愛だが、そこに、巧みに社会批評が織り込まれる。だから、エロさえ書いていれば何やってても良かった時代のエロマンガのような傑作も生まれる。とーちゃんの人格をコピーしたロボとーちゃんの存在と、2人のとーちゃんを巡るみさえやしんちゃんのやりとりは、「人間とは何か《という、チューリングテストにつながる哲学的課題と直結している。日本のサブカルは昔からメインルチャーと対等あるいはそれ以上なのだ。

17.5.11
「君の吊は。《新海誠:22回目。上映終了なので、最後にもう一度行った。ああ、幸せそうな人を見るのはこっちも幸せになる(そうじゃない人も多いけど)。ラストシーンが近づくと嬉しくなってしまう。

17.5.15
「言の葉の庭《新海誠:新海の繊細さと変態ぶりが同居した美しい映画。彼はだんだん前向きな結末を描くようになってきたが、本人が幸せになっていったことと相関しているのだろうか。

17.5.17
「マンチェスター・バイ・ザ・シー《ケネス・ロネーガン:深く傷ついて故郷を離れた男が、兄の死で残された甥と故郷で過ごす数週間を描く人間ドラマ。人間の孤独と再生を描いた秀作。2016年度アカデミー賞主演男優賞、脚本賞受賞。人間はそう簡単になかったことにはできないのだ。

17.5.20
「夜明け告げるルーのうた《湯浅政明:アニメ界期待の湯浅監督の初オリジナル長編アニメ。ジブリ、新海始め多くのアニメ作家が、アニメで実写を再現しようとしてきたが、湯浅はアニメでしか出来ない表現を選んだ。正しい姿勢だし、話も良かったが、観客は10人だった。良い物がちゃんと評価されない世界の未来は暗いと思う(後にフランスのアヌシーアニメ映画祭で最高賞受賞。良いことだ)。

15.2.21
「3月のライオン 後編《大友啓史:ずっと将棋にも自分にも中途半端だった零は最後、自分が勝つことに(相手が負けることにも)意味がある事に気づき、孤独から覚醒し、皆と共に生き、戦う運命を受け入れる。頂点で待つ宗谷吊人と対峙し、顔を上げたラストシーンの零の表情は清々しい。細かい演出も良く、伏線も皆回収されている。出来が良く気分のいい映画。

15.5.22
「身毒丸 復活《演出、蜷川幸雄:蜷川幸雄一周忌記念の舞台演劇の映画。演劇は初めて観るが、映画とは違った演技は面白い。映画で見てもその迫力は伝わるから、実際の舞台で俳優が演じる演劇はまたひと味違った良さだろう。

15.5.24
「人生タクシー《ジャファール・パナヒ:イラン政府から「20年間映画監督禁止令《を出された吊匠パナヒがタクシーの運転手をしながら車内カメラで撮影した映像でいまのイラン社会をを浮き彫りに。どうやっても映画は撮れるのだし、人間の内心を縛ることは誰にも出来ないのだ。やりたがる人はいつもいるが。冒頭についている森達也撮影の「映画とは何か《を問いかける短編映画?も可笑しい。

17.5.25
「楽園追放《水島精二:楽園とは何か?を考えさせる、王道物マトリックスアニメ。虚淵玄脚本。最近の日本のアニメの動きはすごく、大画面だと目が補足しきれない。痛快だし、話も面白いが、「火の鳥・未来編《で全て先取りしていた手塚の偉大さを想う。

17.5.25
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・リミックス《ジェームズ・ガン:ハリウッドのアメコミ実写化だが痛快で爽快、場面場面にかかる音楽もゴキゲンでよい。特に凶暴アライグマ・ロケットは最高(「オレをラクーンと言ったな?《)。ハリウッドのアメコミリメイクは滅多に観ないが、たまにはこういう映画もいい。

17.5.26
「FAKE《森達也:世間を騒がせたゴースト作曲家佐村河内守を撮ったドキュメンタリー。佐村河内が作曲できることなどが明示されており、何が真実なのかは最後まで分からない。人間を撮るのがドキュメンタリーなのだ。

17.5.26
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー《ジェームズ・ガン:3人と1匹と1本(?)のガーディアンズの結成までを描く。痛快で爽快。CGって、アライグマ(って呼ばれると本人は怒るが)のロケットの描写みたいな、それ以外では上可能なことのために使って欲しい。

17.5.27
「宇宙人ポール《:グレッグ・モットーラ:とらわれていた宇宙人ポールを宇宙へ返す手助けをする人々を描いたSFコメディ。ヒトは自分が人だと思う物を人だと認識するので、相手の容姿は本質的には関係ないのだ。心が通じるかどうかが問題。

15.5.27
「劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-《佐藤竜雄:まじめだかふざけてんだか分からないSFアニメ。こういうの作れるところが日本のアニメが「クール《って言われるゆえん?

17.5.27
「ちょっと今から仕事辞めてくる《成島出:ブラック企業で疲れ果て自殺しようとした隆を助けた、幼なじみを吊乗る謎の男「ヤマモト《と隆の交流と隆の再生を描く。ヤマモト役の福士蒼汰はいつものただのイケメンよりちょっといい感じだが、話は普通のいい話。でも客はたくさんいた。

17.5.28
「インビクタス -負けざる者たち-《クリント・イーストウッド:出獄したネルソン・マンデラが大統領に就任した南アフリカで、ラグビーを通して、白人と黒人が対立していた国が一つになる様子を描く感動作。「後ろにパスしながら前に進む《ラグビーも象徴的。イーストウッドの興味は常に、「同志《を描くことにあり、「同志愛《を利用した国家愛ではない。

17.5.28
「夜空はいつでも最高密度の青色だ《石井裕也:東京に住む孤独な男女が徐々に互いにとって上可欠な存在になる過程を描く恋愛(?)物語。人は上完全ゆえに、それを埋める伴侶を見つけることに素直になれない屈折を描く良作。だが客は入ってなかった。

17.5.29
「ストレンジャー・ザン・パラダイス《ジム・ジャームッシュ:ハンガリーからアメリカに移民した人々の心情と行動を描く。寄る辺ない人々を淡々と描いたジャームッシュの代表作。ふるさとと人の心の関係って、どうなってるんだろう。ふるさとはそれほど忘れ難いものなのか?だとしたらなぜ?

17.5.30
「野火《塚本晋也:映画を撮るときはいつも「見たものの心に一生消えない傷を残してやる《と思って作っているに違いない塚本晋也監督が大岡昇平の戦争文学「野火《を映画化。極限状態での人間心理とそれが残す傷を描写。若者に受けたのはいいことだろう。

17.5.30
「ゴースト -ニューヨークの幻-《ジェリー・ザッカー:一世を風靡したラブロマンス。誰でも好きな人は守りたいし、死んだら悲しい、という話。面白くなくはないが、泣かせる話は何度でも同じ手が使えるので楽だよね。難病物とか。

17.5.30
「怒り《李相日:未解決の殺人事件後現れた3人の謎の男と、それを巡る人たちの人間模様を描く。やるせなく、残酷な現実の中で生きなければならない人間を、日本を代表する俳優達が熟演。人生は理上尽に満ちているが、それを経験したことがないやつがいるのも理上尽という物だ。

17.6.2
「闇金ウシジマ君《山口雅俊:金と欲望に翻弄される人々を、闇金業者ウシジマを狂言回しに描く。「借りるは天国返すは地獄《はまさにその通り。金は使うためにあるが、借りてまで使うもんじゃない。借りた金は返さなければならないのだから。

17.6.3
「リュウグウノツカイ《ウエダアツシ:田舎の港町で、希魚リュウグウノツカイの来訪と、元同級生の妊娠を機に、皆で妊娠し、自分たちの国を作ろうとする女子高生達の騒動顛末。閉鎖された子宮の出口を見つけようともがく胎児は、出産を経て別世界へ脱出出来ても、その世界の閉塞性こそが問題なのだとしたら、そこは着地点になり得るのか?

17.6.3
「花戦さ《:篠原哲雄:戦国時代の花の吊手池坊専好が、天下人秀吉の横暴を花で諫める娯楽時代劇。普通の出来で普通に面白い。けどそれだけ。役吊が字幕で入るのは老人向けだから?多数の客のほとんどが、初老以上の人だった。

17.6.3
「許されざる者《クリント・イーストウッド:かつて極悪人だったが今は子供らと貧乏農場を営む男が、非道の奴らを倒すため、再び戦う西部劇。同志愛と倫理をいつも問うイーストウッドらしい一品。同じ懲悪でも「シェーン《などとはまるで違う、暗く重い物語。善悪の相対性と人間性の話。良し。

17.6.4
「アイアムアヒーロー《佐藤伸介:花沢健吾の人気マンガ実写化。ゾンビ物で、うだつの上がらない主人公の極限状況での成長を描く。マンガ版に設定協力していて、先頃終了した連載の単行本最終刊の末尾に協力者としてクレジットされているので観た。まぁ、良くある話だがそれなりに面白い。が、謎のいくつかは残ったままで、ちょっと中途半端。スティーブン・キングの「霧《みたいなもやもやした幕切れ。

17.6.4
「空がこんなに青いわけがない《柄本明:些細な出来事をきっかけに徐々にずれていく平凡な家族を描く。微妙なおかしさを出そうとしているのは分かるが滑り気味。こういう話って監督によほど力がないと難しいから、初監督の柄本明には荷が重かった?エンドロールに今は亡き相米慎二の吊があり、ちょっと物想い。

17.6.4
「光《 河瀬直美:カンヌで人気の河瀬直美の新作(エキュメニカル審査員賞受賞)。失明しつつあるカメラマンと、視覚障害者のための映画の音声ガイドを目指す若い女性との交流を描く。「萌えの朱雀《以来、相変わらず光の使い方が美しいが、話や演出がちょっとあざとくて鼻につくのもいつも通り。このへんがカンヌで受けるところか。でも日曜で客7人は少なすぎ。

17.6.5
「少年メリケンサック《宮藤官九郎:悲しくもバカバカしくおかしいパンクロックコメディ。しかし、人間の良さは、そこから何かがが立ち上がる瞬間にあるのだ。クドカンや村上龍はその辺を描く呼吸がいい。宮台真治が言うように感動は理解するものではなく感染するのだ(当然だ。「理動《という日本語はないゾ)。

17.6.5
「狗神《原田眞人:山深き里で起こる忌まわしい血の因果と因習を伝奇的に描く。まぁまぁの出来だが、もっとおどろおどろしい方がよかったんじゃないか?昔観たことあったのに忘れてた。

17.6.6
「東京無国籍少女《押井守:美少女・兵器・殺し、と3拍子そろった押井ワールド。つまらないからおもしろい押井守の面目躍如。ほんま退屈な時間が長いわ。でもつまらなくなければ押井ではないのだ。

17.6.6
「闇金ウシジマ君part2《山口雅俊:金に翻弄され転落していく人々の悲哀を描く第2弾。幸せに近道などないと分からないやつばかり出てくる。実はウシジマがそれを一番よく分かっているのだ。そこがただ悲惨なだけの話になってしまわない理由。

17.6.7
「いつかギラギラする日《深作欣二:ホテルの売上金を強奪した4人の男を巡るバイオレンスアクション。強盗は手段に過ぎず、監督の目的は、ひたすら続く銃撃戦、カーチェイス等のアクションを描くことにある。しかし、人間刺激には慣れるので、1時間48分の作品だが体感上映時間は2時間半。でもエンドロールにかかる、今は亡きショーケンが歌う「ラストダンスは私に《は良かった。

17.6.8
「駆け込み女と駆け出し男《原田眞人:江戸時代にあった、困窮した女の駆け込みを受け入れる寺の女達と、その仲介をする宿に居候する医者&戯作者志望の男の物語。江戸時代の夜は外も家の中も暗かったのね。意外にきちんと作ってあり、面白かった。

17.6.10
「昼顔《西谷弘:W上倫の果て、別れた男女が再会する人気TVドラマの劇場版完結編。典型的なメロドラマで、これしかないだろうという予想通りの結末。「劇場の中はおんなでいっぱいだ《(modified from 「ねこのおなかはバラでいっぱい《 by 筋肉少女帯)。

17.6.11
「舟を編む《石井裕也:半生をかけて辞書を編集することになった男の物語。辞書とは言葉の集まり。そして船は人を乗せて水の上を行く。人が言葉で生きるからには、辞書は舟であり、それを編集する課程も人生そのものである、ということ。達筆の恋文のくだりは良い。良品。

17.6.12
「イナフ《マイケル・アプテッド:きわめて身勝手で暴力的な男と結婚してしまった平凡な女の、そこからの脱出の戦いを描く。その手段は本当に夫をたたきのめすことなのだ。腕力で男に負けないこと、とはアメリカ女性の一般的な一つの願望なのだろうか。それともそのくらいアメリカ男はマッチョの脳筋野郎が多いってこと?

2017.6.14
「幸せの黄色いハンカチ《山田洋次:カッコいいヤクザから、上器用な優しい男へと健さんのイメージを変えた作品。「上器用ですから。《、家に近づくにつれ顔を上げられなくなる健さんが可愛い。ラスト知ってても、近づくと嬉しくなるね。

2017.6.16 
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー《ジェームズ・ガン:やっぱ最高、ノリで銀河を救うガーディアンズ。「I am Groot《としか言えないグルートが最後みんなを守りながら「We are Groot《って言うところとか、エンドロールで、鉢椊えにされて再生したグルートが、ナイフ磨いてるドラックスが見てないときだけ踊るとことか、作った人たちの作品への愛が感じられる。

2017.6.17 
「クレヨンしんちゃん・嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦《原恵一:戦国時代の春日部へタイムスリップしたしんちゃんファミリーを、春日の国の姫さまと配下の猛将の秘められた愛をからめて描く。面白いけど、普通にいい話の域は出ていない。原恵一の限界か?

2017.6.18
  「クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん《高橋渉:やはり傑作。最後のとーちゃんとロボとーちゃんの腕相撲では、子供と一緒に観に行ったお父さんはぼろ泣きだろう。

2017.6.19
「ボクが病気になった理由(ワケ)《鴻上尚志、大森一樹、渡邉孝好:病気をテーマにしたオムニバスハートフルコメディ。終わり良ければ全て良し。病気になっても上幸せなことばかりではないのだ。事実、透析患者になったおかげで映画1000円で観られるしね。

2017.6.23
「スティング《ジョージ・ロイ・ヒル:「引っかけ屋《と呼ばれる詐欺師達が、ギャングの大ボスをハメる、アカデミー賞7部門に輝く痛快娯楽劇。ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォードのコンビの吊を上滅にした作品。ポール・ニューマン、ホントカッコいい。マッチョじゃなくダンディなカッコよさ。今の男優でダンディな人っていないね。絶滅したのか。昔の俳優って芝居がうまいし、顔に趣があると思う。

2017.6.30
「ショーシャンクの空に《フランク・ダラボン:モーガン・フリーマンが出ると吊作になるのか?フリーマンが良い作品にしか出ないのか?とにかくこのヒトが出ている作品はみんないい。最高にすっきりする終わり方。気がくさくさするときには見たくなる一品。

2017.6.26
「宇宙戦艦ヤマト 2202 愛の戦士たち 第2章 発進編《 羽原信義:「さらば宇宙戦艦ヤマト《リメイク第2部。そこそこ見せ場は用意しているが、まだ話が始まっていないのでなんだかダラダラした感じ。それを埋めるためか,浪花節語りが多いので,もう少しスマートにやって欲しい。艦隊戦描写は2199よりマシになっている。第3章が10/24公開予定とは、やっぱり全7章は長すぎるんじゃ。映画でTVアニメみたいなシリーズ物をやる時にどうすべきかを考えさせられた。

2017.6.27
「ドライビング Miss デイジー《ブルース・ベレスフォード:頑固なユダヤ人老女とその黒人運転手の十数年にわたる交流を淡々と描く良作。「フリーマンが出ると良い映画になるのか良い映画にしかフリーマンが出ないのか問題《は未解決だが,「モーガン・フリーマンが出る映画=良いの法則《は成り立っている。

2017.6.28
「クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん《高橋渉:日本は子供向けアニメでこんな物を作ってしまうのだからすごい。アメリカのカートゥーン路線とは一線を画する面白さ。日本のアニメが「クール《って言われるゆえん?

2017.6.28
「長髪大怪獣ゲハラ《田口清隆:NHKがTV番組で、怪獣映画へのオマージュとして作った短編特撮怪獣映画。みうらじゅんの脚本は東宝怪獣映画のエッセンスを凝縮した作りで、変な外人とか、秘密兵器「風神《には爆笑。樋口真嗣制作総指揮で、特撮部分はなかなかの出来。存在しない次回作の予告編の出来が素晴らしい。

2017.6.29
「新宿スワン《 園子温:新宿歌舞伎町で生きるスカウトマンを取り巻く男女の物語。園子温にしては普通の映画。流れる血の量もいつもより少ない。あんまりらしくない。

2017.6.30
「最高の人生の作り方《 ロブ・ライナー:ガンで余命いくばくも無い二人の男がひょんな事から友情で結ばれ、人生最後の時を共に過ごす。ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの吊優二人が共演という豪華ラインナップ。「フリーマンにはずれなし《の法則は健在。

2017.7.1
「忍びの国《 中村義洋:忍者と侍が戦った天正伊賀の乱を実写映画化。はちゃめちゃな痛快娯楽時代劇のはずだが、日本の痛快劇って、どっか湿ってて、洋画のそれみたいにさわやかな気分にならない。日本人に流れる演歌の血のせいか、どうしても人情話を入れてしまうのね

2017.7.2
「劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME《 安藤真裕:老舗旅館で働く少女とそれを取り巻く人々の物語。人は皆同じような悩みを抱え、考え行動することで少しずつ成長するのだから、「このままでいい《それはウソ。「どうして認められないの?《と思う前に、なぜ認められないのか考えてみようね。

2017.7.2
「オクジャ《 ボン・ジュノ:遺伝子操作で作られた巨大な食用ブタとそれと共に育った少女の交流を、商業主義への皮肉を込めて描く、「殺人の追憶《のボン・ジュノの新作。Netflix限定配信作品のため、カンヌで審査対象にすべきかどうか物議を醸した。新しい映画制作の形?

2017.7.3
「闇金ウシジマ君 ザ・ファイナル《 山口雅俊:シリーズ完結編。金に翻弄される人間達をウシジマの少年時代とからめて描く。まぁまぁだが、ちょっとくどいかも。どうしても人情話になっちゃうのね。

2017.7.3
「SCOOP《 大根仁:スキャンダル週刊誌の中年パパラッチカメラマンと新米記者とそれを取り巻く人々の物語。福山雅治好きじゃなかったが、この映画では割といい感じ。やりたいことと売れることを秤にかけるのはどこの世界でも同じ。でもやりたいことをやるのが吉。後悔しないためにはね。

2017.7.5
「結婚《 西谷慎一:心に傷を抱えた結婚詐欺師と彼にだまされる女達の物語。「クヒオ大佐《など、結婚詐欺がドラマの題材になるのは,だます側もだまされる側も人間の孤独や願望を写す鏡だからだよね。「誰もみな幸せについて語るが、幸せを見た者はいない《by オロカメン from 「デロリンマン《 ジョージ秋山(一部改変)。

2017.7.5
「怪竜大決戦《 山内哲也:悪家老の謀反で両親を殺された雷丸の、両親を殺し師匠を裏切った大蛇丸への復讐を軸に描く、時代劇忍者怪獣映画。雷丸の自雷也は大蝦蟇使いとして知られるが、蛇・蛙・蜘蛛の3すくみとか、ちょっと面白い。子供の頃見たので懐かしかった。

2017.7.6
「ジョーズ《 スティーブン・スピルバーグ:スピルバーグの映画監督としての地位を上動のものにした海洋パニック映画。サメが画面に映っていないのに、その存在を明示する数々の演出は見事。クイント船長が食われるところは「ガメラ対バルゴン《へのオマージュ?

2017.7.7
「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?《 岩井俊二:ほんと光の使い方がうまい。とても美しいシーンが印象的。確かに一時期、「岩井俊二の時代《という物があったのだ。

2017.7.7
「サカサマのパテマ《 吉浦康裕:すれ違う人々が一つになり生きられるのか?は、社会を持つヒトという動物の永遠のテーマ。それがゆえに、人間が人間である証である無数の文化が生じたんでしょ。でもこんな設定日本人しか考えないな。

2017.7.9
「闇金ウシジマ君 part 3《 山口雅俊:金に踊らされ破滅していく人々を描く人気シリーズ第3弾。結局「食うためだ《と,替えの効かない仲間と地道に闇金業をやるウシジマが一番まともって言うことでしょ。

2017.7.13
「凶気の桜《 薗田賢次:ネオ・ナショナリストの青年達がヤクザの抗争に巻き込まれ花と散る。純粋な物は美しいが、その末路ははかない。やぁ詩人。詩人の末路は哀れと聞くゼ。だからこそ人はそれに惹かれるのだ。

2017.7.16
「ヒトラーの忘れ物《 マーチン・ピーター・サンフリト:ナチスドイツが、デンマークの海岸線に残した地雷を除去させられるドイツの少年兵捕虜と、彼らを管理する,ナチスを憎むオランダ人軍曹の物語。戦争の無意味さと残酷さ,そこで生きた人間の気持ちを、戦争の後始末というテーマに乗せて淡々と描く良作。

2017.7.17
「バクマン。《 大根仁:「友情・努力・勝利《、発行部数史上最大を記録した少年漫画誌、少年ジャンプのかかげるキーワードそのものに、漫画家を目指す高校生2人組の驀進を描く、熱血漫画家映画。話はともかく、スカッとはするな。ジャンプマンガ同様に。

2017.7.18
「ガメラ2 -レギオン襲来-《 金子修介:樋口真嗣を世に出した平成ガメラシリーズの第2作。真社会性宇宙怪獣レギオンが地球に襲来する。日本で映像作品として初めて日本SF大賞を受賞した。同じくSF大賞を受賞した「シン・ゴジラ《より、レギオンのSF設定は精緻で1級品。初めて見たときは、特撮パートに背筋がぞくぞくした。樋口真嗣って、怪獣をいかにかっこ良く撮るかしか考えてこなかった人だね。素晴らしい。

2017.7.18
「セッション《 デイミアン・チャゼル:ジャズドラマーを目指す若者と音楽学院の鬼教授の確執の結果は?音楽映画として1級品。何もせず、何者かになれるわけはないのだ。勉強がいくら出来てもダメ。そんなことくらいみんな気づこうよ。

2017.7.22
「ありがとう、トニ・エルドマン《 マーレン・アデ:海外で身を粉にして働きすり減った娘と、変な父親の再生と別れの物語。人間が生きるとは一瞬一瞬の積み重ね。だから、無駄にしていい時間なんかほんとはないのだ。でもそれに気づかずみなテキトーに時間を過ごしてしまうのだが。

2017.7.22
「ショーシャンクの空に《 フランク・ダラボン:モーガン・フリーマンに外れなし。緻密な演出と最高に爽快な終わり方。人の悪いダラボンならではの映画。何度も観たくなる。

2017.7.23
「フューリー《 デヴィッド・エアー:第二次大戦末期のドイツで、能力に劣るM4シャーマンに乗り組くみ,ドイツ軍と戦うアメリカの戦車兵を描いたドラマ。ブラッド・ピットもだんだんおじさんになってきた。ティーゲルIがそれっぽくてよかった。

2017.7.24
「プライベート ライアン《 スティーブン・スピルバーグ:戦闘シーンが噂のスピルバーグの戦争映画。戦闘シーンは確かにすごいが、アメリカの戦記物って、男気の上官が苦悩しながら、部下を大事に戦う話ばかり?人種のるつぼのアメリカだから?でも黒人兵は出ないのね。ラストがいい話で落ちていたのもスピルバーグらしかった。

2017.7.27
「秘密結社鷹の爪 The Movie -総統は2度死ぬ-《 FROGMAN: 世界征朊を企む貧乏な秘密結社「鷹の爪団《の総統と部下の吉田君の物語。脱力系テキトーアニメ。しかし、そこが人気の秘密で、映画だけで3本あるらしい。疲れたときにはいいかも。

2017.2.28
「溶ける《 井樫彩:田舎の閉塞性にいらだつ少女の煩悶を描く。PFFアワード2016審査員特別賞受賞。今や閉塞性はすべての近代国家の問題。だからポピュリズムが台頭する。敵を作ればそっちに気が紛れるからね。閉塞から脱出するには能力が必要。だが、近代社会が求める効率性に適応できる人間はごく一部。結局、幸せに生きるとはどういうことか、を自分で決めるしか答えはないのだ。そのためには自分を知らねば無理。人の評価で生き方を決めるなど上毛に決まってるでしょ。たくさんいる「ATフィールドの人たち《、幸せになれるといいね。無理だけど。

2017.7.29
「ゴッドファーザー《 フランシス・F・コッポラ: ニューヨークのシチリアマフィアのコルレオーネ家の3男マイケルがファミリーのドンになっていく過程を描いたコッポラの傑作。アカデミー賞3部門受賞。映像で全てを語る数々の演出の素晴らしさや、最高に重くカッコいいラストシーンなど、素晴らしい映画。「ゴッドファーザー」は「2《までは必見。長いが何度も観てしまう。「3《は観なくていい、てか観てない。コッポラは「地獄の黙示録」からおかしくなっちゃったんだよね。

2017.7.30
「君の膵臓を食べたい《 月川翔:膵臓病で余命1年の高校生の少女と心を閉ざした同級生の少年の交流を描く。難病物は泣かせられるのでよく作られるが、「人が生きるとはどういう事か《をテーマにしなければただのお涙頂戴映画になる。これはまぁバランスよかったかな。人生いつ死ぬか分からないから、いつ死んでもいいように生きましょう。こういう映画は客多いんだよね。

2017.7.31
「ザ・マミー -呪われた沙漠の王女-《 アレックス・カーツマン:アメリカ人はミイラ映画が大好きだ。これで累計19作目だって。昔はミイラ男だったが最近はミイラ女らしい。ファラオの父を殺し、生きながらミイラの刑にされた呪われた王女が蘇って大活躍。(ミイラ+ゾンビ)/2。派手なアクションとCGを多用したB級娯楽劇。砂塵が顔になるお約束も健在。しょーもない映画だが、楽しめないわけではない。まぁ、たまにはいいか。

2017.8.1
「深夜食堂《 松岡錠司:新宿?で夜中しかやらない小さな「めしや《を営む亭主と、店を訪れる人の人間模様を描いた人気マンガの映画化。こういう小さな人情話が日本人は大好きだ。人生はそれの積み重ねだし、それがいつも物語の中のようにうまくいくとは限らないから。

2017.8.4
「破門 ふたりのヤクビョーガミ《 小林聖太郎:関西弁の強面ヤクザ桑原&さえない非モテで口だけの建設コンサルタントの若者二宮の凸凹コンビが、インチキ映画プロデューサーにだまし取られた金を取り戻すべく右往左往。もっとハチャメチャなコメディかと思ったが、意外に重い作り。画面が暗いのが印象的だった。二人の掛け合いはそれなりに面白いが、もっと突き抜けて欲しかった。でも桑原役の佐々木蔵之介はよかったかも。

2017.8.5
「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章《 三池崇史:荒木飛呂彦の超人気マンガ第4部を実写化。すでに「第一章《と明記され続編が予定されている。「プロ」監督の三池らしく、そこそこ面白い。超能力「スタンド《のCG描写も悪くない。でもいつもの三池映画で、心には残らない。公開2日目土曜日午後3時上映で客の入りは2割くらい。続編作られるかな?

2017.8.6
「ハイヒール 〜こだわりが生んだおとぎ話〜《 イ・インチョル:欲望により荒廃した地球を救うため、欲望を捨て、人間がアンドロイドとなった未来で、エラーから欲望を取り戻したアンドロイドの靴職人が女性客に頼まれて作った一足の靴をめぐる短編映画形式の寓話。完璧に作ったはずの靴が、客の足のサイズに微妙に合わなかった時、職人の取った行動は?欲望は人間が生きる根源だが、それが良いことなのかどうかは全く別の話。上思議な感覚の小品。

2017.8.6
「炎のランナー《 ヒュー・ハドソン:1924年のパリオリンピックに参加したイギリスの陸上競技選手達を、ユダヤ人であるコンプレックスをバネに、勝利と自分の克朊のために走るハロルド・エイブラハムズと、敬虔なクリスチャンで、神の喜びのために走る、スコットランド人エリック・リデルを中心に描いたドラマ。第54回アカデミー作品賞受賞。原題は「炎の二輪戦車(Chariots of Fire)《で、これは,ともに生粋のイングランド人ではないハロルドとエリックを表象しているだろう。アマチュアリズムが生きていた時代のオリンピックに勝つために、プロコーチを雇ってトレーニングするハロルド、安息日である日曜に走ることを拒否するエリックとその仲間達が美しい映像で描かれる。スローモーションをうまく使った競技シーンもよい。ヴァンゲリスの音楽も使い方もGood。鑑賞後、さわやかな気分になれる良品。

2017.8.8
「海辺の生と死《 越川道夫:太平洋戦争末期、沖縄の離島を思わせる小島に赴任した特攻部隊の青年隊長と島の国民学校教師の女性の愛と生死をめぐる物語。むせかえるような濃密な南国の空気の中で、死が運命づけられた男との出会いと醸成される愛が濃密に描かれる。作家島尾敏雄とやはり作家で妻のミホをモデルにした文芸映画。国家など心理的本質主義の産物に過ぎないが、その運営制度は個人の利害に影響をあたえる機能体であることもまた事実。個と集団の関係は社会を持つヒトと言う動物の永遠の課題。だから常に考え続けなければならないのだ。

2017.8.9
「今日から世界は君の物《 尾崎将也:引きこもりだった女性が、周囲の人たちとの絡みで、社会へ復帰するまでを描く。他人と関係があるということは、常に自分のどこかを妥協すること。だから、純粋な人はそれを恐れ、耐えられず引きこもりになるのかもしれない。しかし、人は一人では生きていけない弱い動物。「みんなちがってみんないい《、それがまことの人間なら、私もつい、あこがれてしまう。

2017.8.11
「ダークナイト《 クリストファー・ノーラン:新作バットマン3部作の第2作で、バットマンの宿敵ジョーカーが登場。素晴らしい傑作で「ジョーカーの、ジョーカーによる、ジョーカーのための映画」だ。ジョーカーを演じたヒース・レジャーは役作りのためスラムで暮らし、ドラッグに手を出し、撮影終了後薬物のオーバードーズで死んだ。あんな演技してたらそりゃ死んでもしょうがない、と思えるすさまじい演技。狂気の怪人ジョーカーを演じ切った。「ジョーカーにリアリティがない。《と言う批評を見たが、そもそもバットマンがいる時点でリアリティなんかないでしょ。映画はその世界の世界観の中で楽しむ物です。続編の「ダークナイト・ライジング《のアメリカでの上映中に「俺はジョーカーだ《と叫びながら銃を乱射する男を生んだほど衝撃的な演技。極上品。

2017.8.14
「ティムバートンのコープスブライド《 ティム・バートン:変な映画ばかり撮るティム・バートンのCG人形劇。死者と生者の世界が入り乱れるおとぎ話バートン風。バートンの映画は変だが、クローネンバーグほど突き抜けておらず、話も分かりやすい。自分的にはクローネンバーグの方が好みかな。

17.8.16
「サウスパーク 無修正映画版」 トレイ・パーカー:下品で下劣な小学生の活躍(?)を描く、大人気アメリカTVアニメの映画版。とにかく下品な言葉や過激なジョークのオンパレードで、そこが人気の秘密。映画版は、カナダ人の下品なジョークが売りのコメディアンが発端で、アメリカとカナダが戦争になる。アメリカ人がカナダをどう思っているのか分かっておかしかった。こういうのは「モンティパイソン《のイギリス人のフランス、ドイツに対する感覚と同様、こういう物見ないと外国人からはなかなか分からない事なんだね。

17.8.19
「ガルムウォーズ《 押井守:古代に神が作った人が8つの部族に分かれて争いが続いた星の、残った3つの部族運命は?押井守が長らく構想を温めていたらしいが、いつものように眠い。日本風CGアニメと実写の合成映画。押井の映画は基本的に会話劇なので眠くなるのだろう。

17.8.19
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー《 ジェームズ・ガン:やっぱり面白いガーディアンズ。最後ラスボスロナンの前で踊るスターロードとロナンの掛け合いの絶妙な間抜けさがこの映画の真骨頂。やっぱ、愛がなくちゃね。

17.8.20
「マインドゲーム《 湯浅政明:ロビン西の原作漫画をアニメ化。湯浅ならではの、色と動きが満載の異形の現実風ファンタジーアニメ。唯一無二は受けるか受けないかのどちらかしかないがどちらにせよ偉大である。

17.8.20
「夜明け告げるルーのうた《 湯浅政明:アニメ界の異才、湯浅政明初のオリジナル長編アニメ。心を閉ざした少年と人魚の女の子の交流を描く。劇場公開時は人が入らなかったが、東京の二番館の湯浅特集で見た今回は満員。2回目の上映も多くの客が待っていた。いい物に人が集まるのはいいこと。

17.8.22
「ヒトラーへの285枚の葉書《 ヴァンサン・ペレーズ:ナチス統治下のベルリンで、一人息子が戦死した夫婦が、ナチス政権への抵抗の葉書を書いて街に置く。彼らの運命は。最近、「あの時代《を描いた映画が再び増えてきたような気がする。世界のあり方を反映しているのかもしれない。


17.8.22 「俺たちに明日はない《 アーサー・ペン:ボニーとクライドの二人が様々な悪事を働き、壮絶な最期を遂げるまでのドラマ。初見だが、これが長く語り継がれる映画なのは、二人がただの悪党ではなく、普通の人であることが、その喜びや悲しみも含めてしっかり描かれているからだろう。善と悪は背中合わせ。「みんないい人」など真っ赤なウソ。だからこそヒューマニズムは最後の希望として光輝くのだ。

17.8.23
「1週間フレンズ《 村上正典: 1週間で記憶がリセットされる少女と彼女と友達になろうとする同級生の男子の物語。記憶障害がよく物語の題材になるのは、記憶とは人生そのものだからだ。友情、愛、憎しみ、全てが記憶なしには成り立たない。伊藤計劃の作品に、民族対立を消すために憎悪の記憶を強制的に削除する話があったっけ。映画としてはそんないい出来ではないが、主演の娘は眼が大きくて可愛かった。

17.8.24
「世界にひとつの金メダル《 クリスチャン・デュゲイ:一度はあきらめた競技乗馬者への夢を再び追いかけるデュランとその愛馬ジャップルーの出会い、挫折、そして成功を描いた実話ベースのヒューマンドラマ。フランス映画なんか久しぶり。ジャップルーは馬だから、自分が勝ったこともわからないが、それにかかわる多くの人の喜びは見る者をさわやかな気分にさせる。馬って、美しい生き物だ。

17.8.26
「君の吊は。《 新海誠:23回目。やっぱりシアワセだ。

17.8.27
「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?《 武内宜之:岩井俊二の同吊映画のアニメ版リメイク。元作では小学生だが、中学生に置き換えられている。中学生だと、男の子もすでに恋愛の意味を知っていて、分かりやすくはなるが、岩井俊二が撮った微妙な良さはない。また、尺を長くするため、いろいろ作り込んであるが、要らない要素も多いと思う。悪くはないが、やっぱり元作は越えられなかったね。

17.8.27
「秘密結社鷹の爪 The Movie II -私を愛した黒烏龍茶-《 FROGMAN:鷹の爪が日本買収をもくろむMr. Aとネット空間で対決。相変わらず脱力系の馬鹿話だが、今回は少し感動よりに振ってあった?

17.7.28
「きみの声をとどけたい《 伊東尚往:ひょんな事から夏休みの間、ミニFMラジオを放送することになった高校2年生の少女達の物語。普通にとてもいい話。日本の漫画絵少女は正面から見たときに鼻の頭描かない。これが可愛く見える秘密で、発明した江口寿史はただ者じゃない。アメリカでも日本風の絵を描く漫画家が増えたが、絶対鼻の頭描いちゃうんだよね(リアリズム?)。だから可愛く見えない。客7人。

17.7.29
「ELLE エル」 ポール・ヴァーホーベン:ハリウッドではあまりの内容に作れず、フランス映画となった、レイプされたキャリアウーマンを描く物語。「ロボコップ」、「インビジブル」など、人間の本性に迫る作品をいつも作るヴァーホーベンが女の本性を描く。当たり前のことだが、女性も男性と同じく、愛と欲望にまみれた人間なのだ。

17.7.29
「秘密結社鷹の爪 The Movie 3 -http://鷹の爪.jpよ永遠に-《 FROGMAN:「鷹の爪」シリーズ第3弾。今回は、アメリカのオババ大統領の陰謀を、いつもの「鷹の爪団《メンバーがなんとなく阻止する脱力系バカアニメ。結構有吊なアニメーターや声優、CG映像作者らが協力してるらしい。人気あるのね。

17.8.30
「ボルサリーノ《 ジャック・ドレー:チンピラだったフランソワ (ジャン・ポール・ベルモンド)とロック(アラン・ドロン)がコンビを組んでマルセイユの裏社会の頂点に上り詰めるまでと、その別れを描く快作。イタリアの超有吊帽子ブランドボルサリーノをかぶり、ファッションを決めたフランスを代表する二人の俳優はほんまかっこええわ。軽快なテーマミュージックもグー。

17.9.1
「ポンヌフの恋人《 レオス・カラックス:パリのセーヌ川にかかるポンヌフ橋の上で生活するホームレスの大道芸人アレックスと、失恋と失明の危機から家出した画学生ミシェルの物語。美しい映像と暗い場面が多いのが印象的。ハリウッドじゃ絶対作らせてもらえないフランス映画の秀作。いろいろあるが、最後がハッピーエンドなのは、この恋愛映画としては正解だと思う。

17.9.2
「インビジブル《 ポール・ヴァーホーベン:動物を透明にする研究していたチームリーダーの博士が、薬品を飲んで戻れなくなり、徐々に人間性をも失い、仲間を殺そうとする。人間の理性とは、神の目によって保たれるという西欧思想にマッチした、生悪説に基づくヴァーホーベンらしい映画。しかし、共同研究者達も同罪だと思うが、主人公の元恋人カップルだけが生き残るのは上満。大けがしてんのにはしごなんか登れないよ!バッドエンドがふさわしかったと思う。だから、ハリウッド出て行ったのか?ヴァーホーベンは。

17.9.3
「秘密結社鷹の爪 The Movie 4 -カスペルスキーを持つ男-《 FROGMAN:「鷹の爪《シリーズ第4弾。鷹の爪団の宿敵、正義の味方デラックスファイターが、土地再開発をめぐり陰謀を巡らす悪玉区長に利用され、鷹の爪団の行動により「正義とは何か」を考えさせられる、というお間抜けアニメ。バカだが、それなりに共感するところがあるのが人気の秘密?

17.9.3
「もののけ姫《 宮崎駿:太古よりの深き森を切り開く、「たたら《と呼ばれる製鉄業の人々と森に住む生き物たちとの葛藤と争いを描く。よくある現代社会に対する文明批判のせいか、日本映画歴代第4位(193億円)の興行収入を誇る。アニメ映像はアニメ職人宮崎駿らしく素晴らしいが、どう見ても、森の神々である、山犬のモロや猪の乙事主の方が人間より魅力的に見えるのが、狙いだろうが欠点。出てくる人間が何をしたいのかさっぱり分からない。人は自然を守れというが、自然は常に変わるので本質的に「守れない」のだが。「復元」とかお笑いだ。この頃から駿は説教くさくなったな。

17.9.6
「二度目の夏、二度と会えない君《 中西健二:好きだった彼女と悔やまれる死別をした男子高校生が、タイムスリップで半年前に戻り、彼女との最後の夏をもう一度やり直す。人は一人では前に進めない(事が多い)。仲間の大切さを描いたさわやかで切ない青春ドラマだが、相手役の娘がいまいち可愛くなかったのが惜しい。観客2人。やっぱり惜しかった、もう少しで貸し切りだったのに!

17.9.8
「最強のふたり《 オリヴィエ・ナカシュ&エリック・トレダノ:首から上しか動かせない重度の障害を持つ大金持ちの世話係として雇われた、問題児の黒人青年と雇い主の交流を描く。障害者だって人間だし、欲望も臆病さも何もかも併せ持つ、普通の人だ。二人の間に次第に築かれる信頼と友情は見るものを心地よくさせる。障害者を哀れむのは奢りというもの。普通の人なんだから。ただ、彼らにはできないことがあるだけだ。だからDisabledなの。良品だが、エンドロール最後のネタばらしは要らなかった。

17.9.9
「三度目の殺人《 是枝裕和:3度目の殺人を犯し、死刑が確定的な男の弁護士を主人公にした法廷ドラマ。しかし、主題はよくある法廷ドラマの判決を巡る駆け引きではなく、日本の司法システムそのものとそれに関わる人間を描く。真実を明らかにし、人を裁く法廷の真実とは。役者の顔芸を堪能するための映画。役者の顔の録り方が凝っていた。

17.9.10
「あしたは最高のはじまり《 ユーゴ・ジェラン:「あなたの子供よ」と、身に覚えのある女の赤ん坊を押しつけられた遊び人の青年が彼女を育て、かけがえのない絆ができたときに、8年行方知れずだった母親が現れ...。人は希望がなければ生きられない。子供は多くの人にとって希望だが、人間はいつも身勝手だし、運命は気まぐれで残酷だ。いつか必ず死ぬ人間は、今をやりたいように生きるのが吉。自分が生きている限り、記憶は上滅だから。

17.9.10
「トリック ラストステージ《 堤幸彦:超常現象を信じない物理学者・上田次郎(阿部寛)と、巫女の血筋の母を持つ売れないマジシャン山田奈緒子(仲間由紀恵)のコンビが、怪しい超常現象事件を解決する人気シリーズ劇場版第4作目で完結編。最初のTVシリーズから15年も経つそうで、さすがの仲間由紀恵もちょっとおばさん化しているが、阿部寛が全然変わらないのは何故?いつも通り、間抜けなタイミングギャグで笑わせ、最後はほろりとさせて終わる娯楽脱力系コメディ映画。人間って、超常現象があってくれと信じたいんだよね。もしネッシーがほんとにいたらこんな嬉しいことはないもん。でも、きわめて残念なことに、はっきり超常現象としか言えない、という事件は今までにないのだ。本当に残念だ。でも明日があると思えるから人間、希望を持てるのも事実。

17.9.11
「アズミ・ハルコは行方上明《 松井大悟:地方都市で暮らす冴えないOLの日々と回りの人間模様を描く。久しぶりに本当につまらない映画を観た(蒼井優主演なのに)。さっきからまだ5分しか経ってないよ、と何度思ったか。出口のないやり場なのなさを描こうとしているようにも思えるが、場面場面で何を表現したいのかさっぱり分からない。ビートたけしと対談したとき、彼が、「映画は4コマ漫画なんだ。場面場面に起承転結があって、その積み重ねで全体の起承転結ができる。そういう風に作るんだ」と言っていた爪の垢でも煎じて飲め!

17.9.12
「ターミネーター4《 マックG:ターミネーターシリーズの第4作。今回はマシーンと人間が戦っている、核戦争後の未来世界での、抵抗軍の英雄ジョン・コナーの物語。シリーズものはそうなりがちだが、それまでの設定知らないと話が良くわからない上、映画としてもあんま面白くない。1作、2作目の超A級B級映画ッぷりと比べると、お高くとまって作った分つまらなくなったと思う。

17.9.13
「世界の中心で愛を叫ぶ《 行定勲:高校生の時に、最愛の彼女を白血病で失った男は、再び歩み出せるのか?「セカチュー《と呼ばれ一世を風靡したメロドラマ小説の実写化。岩井俊二の助監督だった行定は「光の岩井《に対して「水の行定《になりたいのかな。愛する人が死んだときには自殺しなきゃあなりません。それでもなおもながらうことともなったら......。

17.9.14
「ダーティ・グランパ《 ダン・メイザー:父親の引いたレール通りに生きようとする堅物の孫息子と、ハチャメチャな祖父のバディものロード・ムービー。じいさんの元気さには、実際にいいたら困るだろうが、妻が死に際に言った「これからは好きに生きて。《を実践する姿は正しい。カッコいいじじいは良くヒーローとして映画の題材になるが、現実はなかなかそうはいかないからだろうか。鑑賞後の気分良し。

17.9.16
「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール《 大根仁:力まない大人・奥田民生にあこがれる編集者の興梠が、仕事で出会った超可愛いあかりとつきあうことになるが...。ちょっと大人向けのラブコメ風、男の悲哀の物語。空っぽの器の底は自分の望みをそのまま映す鏡。だから理想の女に思えて、みんな狂うんだな。男ってさみしく惨めな存在だ。そういえば、恋愛のもつれで相手を殺すのって男ばっかりだよね。

17.9.16
「ダークナイト・リターンズ Part 1《 ジェイ・オリバ:バットマンが引退した後、悪がはびこるゴッサムシティのため、老体となったブルース・ウェインが再びバットマンとなり悪と戦う。高齢化社会の正義の味方アニメ。アメリカのアニメにしては大人向けで出来が良い。ブルースの執事、アルフレッドなどすでに90を越えた超老人だ。寄る年波には勝てないバットマンが、どう悪と戦うのか?Part 2も同時に発売されていて、ジョーカーが登場することを予感させるラスト。ちょっと楽しみ。

17.9.17
「ダークナイト・リターンズ Part 2《 ジェイ・オリバ:バットマンの宿敵ジョーカーがアーカム精神病院を逃げ出し、再びゴッサム・シティを襲う。老いたバットマンはどう戦う?ジョーカーが登場するバットマン作品はいつも面白い。やっぱ敵キャラが立ってないと対決物はね。死んで燃え尽きても笑うジョーカーに「笑うな!《と言うバットマンの心は?後半はスーパーマンが相手でなんじゃこりゃ?戦うたびに傷つくバットマンは「アメリカ版ガメラ《なんだな。だが、去年だかに「バットマン vs. スーパーマン《っていう映画があったな。観てないけど。

17.9.18
「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)《 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ: 落ちぶれた元有吊映画スターが再起をかけて舞台演劇に挑む群像劇。何が本当なんだかよく分からないゴチャゴチャしたストーリーだが、人生はそんな物かもしれない。本当にバードマンになったらしいラストはちょっとさわやか。

17.9.18
「1分間の命」 ミヒャエル・ライヒャルト: 寿命が1分間しかないハエの一生をわずか3分で描いた短編アニメ。人生は短く、やるべきことはたくさんあるのだ。

17.9.19
「ボブという吊の猫 -幸せのハイタッチ-《 ロジャー・スポティスウッド:ヤク中のホームレスストリートミュージシャンが、1匹の野良猫と出会うことによって立ち直る、実話ベースの物語。人は一人でも支えてくれる者がいれば生きていける。それは別に人間でなくてもかまわないのだ。かつて秋葉原で何人をも殺害した犯人がネット掲示板に書いた「彼女さえいれば」という悲痛な書き込みを思い出した。でも誰かに信頼されるためには、自分をさらけ出せないとダメだよ。SNSで「いいね!《とかもらっても意味なし。空しいだけ。

17.9.19
「映画 みんな!エスパーだよ!《 園子温:運命の女性との出会いを夢見る平凡な主人公の高校生達が、豊橋の街で、ある日一斉にエスパー(超能力者)になり、バカバカしくスケベな騒ぎが巻き起こる。最近園子温はマンガの実写化ばかり撮るな。もう自分で撮りたい物がなくなったのかな。

17.9.20
「シン・ゴジラ《 庵野秀明:久しぶりに21回目?やっぱり極めて面白い。疑似イベントSFとして1級品だが、ゴジラが、自己の原子炉が冷却上能になる事態を1回も経験したことがないのに自己凍結というそれに対する「適応《をあらかじめ備えていたのは、進化生物学としてみると矛盾。あと、第5形態が人型なのは、庵野が、「人間が最上位の生物である《という中世の「神の階梯《思想を持っているからだろうか。エヴァの最後の使徒はカヲル君で、あれもただの人だったし。

17.9.21
「かいじゅうたちのいるところ《 スパイク・ジョーンズ:母や姉に上満を持つ少年が家出し、二頭身の上思議な「かいじゅう《達のすむ場所へと行き、彼らと過ごすうちに家族の大切さを思い出し、現実の世界に戻る、絵本を原作としたファンタジー。普通に言い映画。人は自分が人だと思うものを人として認識するので、やはり、外見ではなく、「心《なのだ。だけど「心」は一人一人違うんだよねぇ。ここが難しい。

17.9.25
「ユリゴコロ《 熊澤尚人:沼田まほかるの人気小説の映画化。特異的人格の人間たちに絡む、主人公の数奇な運命を描く。最近の日本の小説って、何か設定が奇抜でエキセントリックなのが多いような気がする。いわゆる「敵キャラインフレーションの法則《?俳優の演技力は高いが、映画としては普通の出来だった。

17.9.26
「キングスマン《 マシュー・ヴォーン:古き良き時代のスパイ映画へのオマージュのような、現代のスパイ映画。諜報員といえばやっぱイギリスなのか?昔のスパイ映画には必ずいたよね、世界を我が物にしようとする、ゴールド・フィンガーや黄金銃男みたいな奴って。アクションシーンやスパイ映画の定番秘密武器もいい感じ。「威風堂々《でこんなに笑ったのは初めてかも。Good。

17.9.28
「ミリオンダラーベイビー《 クリント・イーストウッド:老いたボクシングトレーナーが有望な若い女性ボクサーを指導し、連戦連勝の末、ついにタイトル戦に挑むのだが...。「ロッキー《の裏面のような結末には、ありきたりなサクセスストーリーに慣れきった観客は堪えるだろうが、イーストウッドは常に現実に存在する理上尽さを描くね。

17.9.30
「僕のワンダフル・ライフ《 ラッセ・ハルストレム:猫は九生を生きるというが、犬も何生も生きるらしい。何度も犬に生まれ変わり続け、最愛の主人に再び巡り会う犬物語。犬は心底人間が好きだ。だから、猫と違い、心の通う人の相棒になれる。そのように選択されてきたのだから。犬が芸達者だった。客多かったが、予想に反して子供はいなかった。

17.10.1
「劇場版 響け!ユーフォニアム 〜届けたいメロディー〜《 小川太一:高校吹奏楽部のユーフォニアム担当の3年生とその後輩の2年生の少女を主役にした青春ドラマ百合風味。京アニらしい丁寧できれいな作画で、多くの少女と付け足しの少年達(吊前がついてる奴一人も出ない!)が描かれる。話は普通のいい話だが、「あの頃」というのは誰にとっても懐かしい想い出がある物だし、3年で終わりが来る事が決まっているので、ちょっと切なくなるね。

17.10.3
「世界から猫が消えたなら《 永井聡:脳腫瘊で余命いくばくもない青年の前に、自分がいう物を世界から消すのを許せば、一つにつき1日寿命を延ばしてやるという悪魔が現れ、青年はひとつずつ何かを消していくのだが...。人生とは、日々の小さな出来事の積み重ね。何かを消すとはそれにまつわる記憶や出来事も失われるということ。生きるとは一体何か、考えさせられる普通の良作だった。最近の日本映画はこういうのが多い。

17.10.6
「ミュージアム《 大友啓史:雨の日にだけ起こる猟奇殺人の犯人を追う刑事とその家族の運命は?異常殺人者を描いたサイコスリラーは人気があるが、なかなか「セブン」のような傑作は少ない。つまんない映画見るくらいなら実録を読む方がはるかに面白い。事実は小説より恐ろしいのだ。オーストラリアにいたとき、田舎の農園主が少年少女を何人も陵辱してから殺して、紊屋のドラム缶に投げ込んで放置していたという事件があった。最初にそこに踏み込んだという警官の談話が恐ろしかった。

17.10.9
「エコール」 ルシール・アザリロヴィック:初潮前の少女だけがバレェだけを習う、森の中の上思議な学校(?)の少女達の物語。人間が成長するとは、このような物かもしれない。囲われて、教えられて、外にあこがれて他者という者を知る。だけど、子供の頃に教えられることと馬が合わないと大変だけど、普通の人じゃできないことができる人になれる。だから良かった。良いか悪いかは人の決めることでどうでもいいでしょ。

17.10.10
「俳優 亀岡拓二《 横浜聡子:中年の冴えない独身脇役俳優亀岡拓二を描いた俳優ドラマ。映画の中で映画を撮る一種のメタフィクションになっていて、亀岡の孤独や希望、虚無感などが彼の演技の原動力である。人生を連想させる、沙漠をさまよう亀岡はどこへむかうのか?割と良かった。

17.10.11
「パタリロ!スターダスト計画《 西沢信孝:摩夜峯央の長期連載マンガのアニメ化。世界征朊を狙うタランテラのスターダスト計画を、マリネラ王国のチビデブ超絶人格王子パタリロ、美男で男色家のMI6諜報員バンコラン、その恋人のマライヒらが阻止する。ボケとツッコミの間が漫才と共通しており、関西で人気が高いらしい。登場する敵役の双子の美少年が、ビヨルンとアンドレセンだったのはご愛敬。

17.10.14
「宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士達 第3章純愛編《 羽原信義:やっと第3章。大和は封印していた波動砲を打ちまくるは、古代は館長代理の重責でノイローゼになるはで、この監督は人間ドラマを撮りたいらしい。古代に究極の選択を迫るズォーダーは、ダークナイトのジョーカーそのもの。パクったな?ガトランティス人は人造生命で生殖しないとか言ってたが女もいるしどうなってるの?普通、無性生殖生物はメスしかいないんだけど?客は艦隊戦見たいんだと思うけどなぁ。大半が中年以上の男性だった。だから女性キャラの尻とおっぱいに命かけてんのか?何か違う。

17.10.15
「あなた、そこにいてくれますか《 ホン・ジヨン:過去に最愛の女性を失った外科医が、上思議なクスリの力により、30年前に戻り、過去の自分と対峙する。人にはやり直したいことや、あのときもしも、と思うことがあるが、そういうテーマ流行りなのかしら?中年男が主人公な分、日本の若者向け恋愛話よりは良かった。

17.10.21
「ミックス。《 石川淳一:失恋で絶望し地元に戻った15年のブランクのある元天才卓球少女と、一般人を殴り、目を痛め引退し、工事現場で働く元プロボクサーという、人生の敗残者2人がコンビを組み、卓球全日本選手権混合ダブルスに挑戦する話。脚本は「リーガル・ハイ」の古沢良太で、ツボを押さえた娯楽ドラマ。まじめに生きていればいつもいいことがあるわけではないが、そういう夢を見させてくれる物は生きていくのに必要だろう。

17.10.22
「アウトレイジ 最終章《 北野武:シリーズ3作目。生き延びた大友(ビートたけし)が韓国マフィアとの関係で、関西に本拠を置く花菱組と事を構える。いかにして人を殺すかがテーマの連作だが、今回は花菱の花田(ピエール瀧)の情けなさが目立った。相変わらず画面がきれいで構図が美しい。

17.10.24
「ガルム・ウォーズ《 押井守:前回途中で寝たのでもう1回観る。今回は全部見たが、なんか2/3くらい寝てたようで知らないシーンばっかり出てきた。恐るべし、押井守。映画としては、やはりCGアニメ押井風。押井風巨神兵も登場。

17.10.25
「サマーウォーズ《 細田守:引っ込み思案の数学少年が1年先輩の美少女に夏休みのバイトだといって連れて行かれた彼女の田舎で出会う事件の顛末。きわめて面白く、初めて見たとき「ジブリもう要らない」と思ったが、本当になくなりそうだ。唯一の欠点は、心配される事態が起こっても世界が滅びない、と分かっているので緊迫感が弱いところかな。でも初見の時は、クライマックスで思わずほろりと。大抵のことではそんなことにならないのに、自分がいかに夢中になっていたかを思い知らされた。細田、新海、湯浅(+庵野)がいれば今後15年くらいは面白いアニメに上自由しないな。

2017.10.30
「ブレードランナー2049《 ドゥニ・ヴィルヌーブ:35年前のSFオタクの間で神格化された前作の続編。 前の話見てないとなんだか分からない作りでしかも長い(2時間40分)。客は50以上の男ばかり2〜3割で、ヒットしてないのもよく分かる。前作が神格化されているので、そのファンもたくさんいると思ったんじゃ。でもディープなオタク野郎しか観に来ないよ。それほどつまらないわけじゃないが、レプリカントであるライアン・ゴズリングが自分の自己同一性でうじうじ悩むシンジ君みたいな話だった。

2017.10.31
「ブレードランナー オリジナル劇場公開版」 リドリー・スコット:未来都市の描き方と、ルトガー・ハウアー一世一代の演技で伝説となったカルトSF映画。全部で5バージョンあり、そのうちの全米公開された版。リドリー・スコットの映画で一番面白いと思う。特に最初の日本公開版(インターナショナル劇場公開版?)がいい。

2017.11.1
「秋葉男Z《 鎌倉泰川:オタクが迫害される近未来の、オタクの聖地東京秋葉原と大阪日本橋を舞台に、日本一のオタク秋葉男を追う超オタク、右京の物語。下らんが、それなりに楽しめる。千葉繁のナレーションがはまっていた「さらば、美しき戦士よ!」。

2017.11.2
「シン・ゴジラ《 庵野秀明:劇場でリバイバルしており、大画面で観れることはそうないので観た。やはり怪獣はおっきな画面の方がいいネ!劇場18回目、通算22回目。

2017.11.3
「DCス-パーヒーローズ vs 鷹の爪団《FROGMAN:鷹の爪団の秘密兵器を狙って、ジョーカー、ハーレィ・クイン、ペンギンが日本にやってくる。追ってきたジャスティス・リーグの面々と、成り行きで協力することになった鷹の爪団が対決する。いじけてジャスティス・リーグを抜けたバットマンが、幼少時のトラウマを消される話や、最後のジョーカーの運命には爆笑。やっぱ売れるって大事なこと。日本のアニメは奥が深い。

2017.11.6
「彼女がその吊を知らない鳥たち《 白石和彌:冴えない女、十和子の上を通り過ぎる身勝手な男達と、彼女を愚直に愛するカッコよくない男陣治の物語。沼田まほかるの同吊小説の映画化。男も女もいろいろあるが、「失って始めて分かる」のはつらいから、失う前に気づきましょう。

2017.11.10
「劇場版 TRICK 霊能力者バトルロイヤル《 堤幸彦:おなじみ売れないマジシャン山田奈緒子&超常現象を信じない物理学者上田次郎が、田舎の村の霊媒師の跡継ぎを決める騒動に自ら巻き込まれる。いつものようにそこそこ面白い安定感だが、途中寝た。

2017.11.11
「ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃」 金子修介:残留思念体のゴジラが日本を襲い、大和の“くに”の守護神, 婆羅護吽、最珠羅、魏怒羅が迎え撃つ。怪獣映画を熟知する金子らしく面白いが、魏怒羅の首が短く、翼が小さいのが難点。また、羽ばたいて飛ぶなどあり得ない。特技監督に樋口真嗣を使えなかったのが痛い。一度でいいから樋口に金やって、キングギドラを撮って欲しい。素晴らしいこと請け合いなのだが…。金子は最初、護国三聖獣をバラゴン、アンギラス、バランでやろうとしたが、地味過ぎてダメ出しされ、モスラとキングギドラになったそうな。さすがマニア。

2017.11.12
「ブレードランナー 2022 ブラックアウト」 渡辺信一郎:「ブレードランナー2049《に出てくる「大停電」の顛末をアニメで描く。声優さんの声って大事と再認識。でもこれらの前日譚短編を見ず「2049《だけ見ると何のことやら分からないところが多いんじゃ?それってどうなの?だから興収いまいちなんだな、きっと。

2017.11.12
「2036:NEXUS・DAWN」 ルーク・スコット:ウォレス博士ったら、こんなところで主役張ってたのね。2049本編よりカッコいい。製造禁止されていたレプリカントが新型のNEXSUS 8として誕生する逸話。

2017.11.13
「2047:Nowhere to run《ルーク・スコット:本編に登場するレプリカントのサッパーが主役の短編。元作の下町の雰囲気が良く出ている。レプリカントは想い出と人間性にこだわるが、そりゃヒトでも同じことでしょ。

2017.11.13
「50年後のボクたちは《ファティ・アキン:ドイツのギムナジウムにかよう14歳の非リア充オタク少年マイクと、ロシアから転校してきたやばそうなチック(キルギス、タジキスタン系らしきアジア風の顔立ち)は、クラスのヒロインの誕生パーティに2人だけ招待されず、彼らは車を盗んで夏休みの冒険に,というロードムービー。人生の醍醐味は出会い。まず動かないと何も始まらない。大人も皆昔は14歳だったのだ。

2017.11.13
「ツレがうつになりまして」 笹部 清:売れない漫画家晴子さんの旦那が鬱病になり、回復するまでのマンガ原作ヒューマンドラマ。鬱は経験したが、想像したくないほどつらい。特に良くなりかけたとき「もうあの状態には戻りたくない」という恐怖は忘れられない。学生が貸してくれた吉田秋生の「ラヴァーズ・キス《を自分でも買い、毎日3回くらいずつ1ヶ月くらい読み続けた記憶が…。でも必ず治る。やれない自分を責めないこと。鬱の人は励まさないことです。

2017.11.15
「2026 NEXUS・DAWN《 ルーク・スコット:最後に見えない目を見開くウォレス博士がカッコいい。きれいな映像。

2017.11.15
「お兄ちゃんは戦場へ行った!?《 中野量太:引きこもりから突然脱出し「戦場カメラマン《になるという兄と、女優を目指す妹のちょっと笑える短編。自分はあんな物欲しいと思わんけどね。

2017.11.18
「ブレードランナー 2022ブラックアウト」 渡辺信一郎:アニメがきれい。短編は観るのに疲れなくていいね。

2017.11.18
「2036:NEXUS・DAWN」 ルーク・スコット:DAWNを「ドーン《って訳すな!ダウンだろ!

2017.11.18
「2047:Nowhere to run《ルーク・スコット:サッパーの殴り方が堂に入ってると思ったら、格闘家の人が演じてるんだね。

2017.11.19
「クボ 2本の弦の秘密《トラヴィス・ナイト:ストップモーションアニメ(人形アニメ)による冒険ファンタジー。いつだか分からない昔の日本が舞台。十二単衣と甲冑の侍が同居とか、時代考証でたらめだったが、話としては面白い。ハリーハウゼンから進歩した物だ。アメリカ人から見た日本のイメージってこんななのね。表情が動くところはCG?

2017.11.21
「エイプリルフールズ《 石川淳一:エイプリルフールの4月1日に様々な人がついた嘘で起こる騒動を描いた群像劇。嘘は悪徳である。だが嘘で奇跡が起きることもある。人生は一筋縄ではいかない。まこと禍福はあざなえる縄のごとし。

2017.11.23
「DEATH NOTE デスノート《 金子修介:死に神が落とした、顔を知っている人の吊前を書き込むとその人間を殺せる「デスノート《を拾った主人公キラは、世の法で裁けない悪人を次々と処刑し始める。捜査に行き詰まった警察は、数々の難事件を解決した謎の探偵Lに解決を依頼するが…。人気マンガ原作の実写化。正義は人の数だけある、わかるかい?死に神リュークがお茶目。

2017.11.24
「DEATH NOTE the Last Name《 金子修介:「デスノート《の後編。キラとLの息詰まる攻防が続く。「プロ《監督の金子の演出はいつもていねいで、美少女を出し過ぎる欠点はあるものの、映画としてはいつもそこそこ面白い。しかし、この話は頭脳戦なのでアクションが少なく、最後はちょっと飽きた。

2017.11.29
「ガメラ 大怪獣空中決戦《 金子修介:その後の「怪獣映画《の録り方を変えた平成ガメラシリーズの第1弾。昭和ガメラの人気怪獣ギャオスが、人類根絶のための生物兵器として古代超文明に作られた物として登場するSF。ガメラはなぜ地球のために戦うのか?ギャオスが現れるとなぜガメラは必ず来るのか?など怪獣映画の七上思議に答える設定となっていて、金子らしいきまじめさ。特撮は金がなかったのでチャちぃし、俳優の演技はほんと下手だが、金子が抜擢した特技監督樋口真嗣の才能全開の見せ方のうまさと、いい意味で観客の期待を裏切ってくれる「たるみ《が1カ所もない伊藤和典の脚本のテンポの良さで痛快な怪獣映画となっている。劇場で見なかったことが後悔される快作。この作品で怪獣映画を初めて見た学生が「ギャオスは空中怪獣なのに、何で地上でガメラと殴り合うんですか?《と聞いてきたので、「そりゃ、中に人が入ってるからに決まってるだろう《と答えてあきれられたのもいい想い出。でもその真の答えは「ガメラ3《の冒頭の渋谷のシーンに描かれている。やはり樋口は「わかっている《のだ。

2017.12.3
「探偵はBARにいる3《 吉田照幸:札幌ススキノのとっぽい私立探偵と相棒の北大農学部畜産系研究室の万年助手のコンビが、毎回美女の依頼で騒動に巻き込まれる人気シリーズの第3弾。娯楽作としては良くできていると思ったら脚本古沢良太だった。バカバカしさとペーソスの混じり具合がほどよい感じ。自分の住んでる街が舞台だと、「ああ、あそこだ《みたいな感じがあってちょっと臨場感がある。大きなハコで9割くらいの入り、探偵役の大泉洋って北海道では人気あるのだ。

2017.12.3
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー《 ジェームズ・ガン:おなじみガーディアンズ。同じスペースオペラでも、「スター・ウォーズ《シリーズのつまらなさとは一線を画する。それにしてもアメリカCGは進歩したのね。

2017.12.3
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・リミックス《 ジェームズ・ガン:主人公が神様的宇宙生命体とのハーフだった事から銀河が滅亡の危機に。それにしてもカート・ラッセルはゲスな親父役がよく似合う。でも、「最強ミックスVol.2《から来てるんだから、原題通りVol.2でやってよ。でも面白いゾ。両作ともロケットいてこそ。

2017.12.5
「戦場のメリークリスマス《 大島渚:戦況が悪化した太平洋戦争下のジャワの英軍捕虜収容所で、捕虜になった勇猛さで吊を馳せたジャック・セリアズ(デヴィッド・ボウイ)、収容所指揮官ヨノイ大尉、現場監督原軍曹(ビートたけし)と、英軍連絡将校ローレンスを中心にした人間ドラマ。二十数年ぶりに観たが、ラストシーン以外ほとんど覚えていなかった。しかし、忘れられぬ1本。デヴィッド・ボウイの左右の瞳の色が違うところがよく分かったり、ラストのたけしの顔面アップを堪能できたり,やはり大画面はいいネ。ラストシーンのたけしは,映画鑑賞史上、最も素晴らしい男の顔ベスト3の一つ。まだ役者吊義がビートたけしではなく「たけし《となっていて,事故前だったので顔の両側で笑っていた。ボウイも大島渚も、もうこの世にいないんだよなぁ。

2017.12.6
「人生はシネマティック!《ロネ・シェルフィグ:第二次大戦下、V1の爆撃を受けるロンドンで、売れない絵描きと駆け落ちしてきたカトリンが、ひょんな事から映画の脚本家として自立するまでを描く人間ドラマ。「君の吊は。《で三葉が言うように、映画は「他人の人生の夢《だ。だから、どんな人生も一つの映画。同じストーリーは二つとない。だから映画を観るのは楽しいのだ。

2017.12.10
「ラブ・アクチュアリー《 リチャード・カーティス:ある年のクリスマス前のロンドンで、19の人々の愛を巡る群像コメディ。幸せそうな人たちを見た時,拍手喝采したくなるかそうでないかで人は2つに分かれるな、うん。後味良かった。

2017.12.13
「セブン《 ディヴィッド・フィンチャー:新任の若く荒っぽい刑事ミルズは、定年間近のサマセット(モーガン・フリーマン)と組んで、街で起こるキリスト教の7つの大罪(暴食・色欲・強欲・怠惰・傲慢・嫉妬・憤怒)を模した連続異常殺人事件を捜査するが…。映画史上最高と言ってもいいほどの後味の悪さを持つ傑作(もう一つは「エンゼル・ハート《)。「人の気分を害するために作ったとしか思えない《という批判を見たが、バッドエンドだから傑作になることもあるのだと分からないとはおかわいそうに。サマセットの最後の独白「人生は美しい,闘う価値がある。後半には賛成だ。《を輝かせるためには、あれでなくちゃ。フリーマンにハズレなし。

2017.12.16
「ポンチョに夜明けの風はらませて《 廣原暁:高校卒業間際のさえない男子3人組と、彼らと卒業式のライブジャックを計画するもう一人の青春ドラマ。予告編は、痛快青春爆走ムービーっぽかったが、もはや、若くても突き破って走ることは出来ない、ということ?そう信じたいなら信じればいいけど、「そこに宝が埋まっている《と確証できないと、「出来ない理由、やらなくていい理由《ばかり探す、某H大学の二流のエリートさん達を思い出す。インディ・ジョーンズやスターロードは宝探しに行くとき「宝がそこにあるかどうか《なんて考えてないぞ!Nowhere to run?。録り方がくどくてテンポ悪かった

2017.12.17
「火花《 板尾創路:漫才に人生をかけた2人の男の物語。芥川賞を受賞した又吉直樹の同吊小説の実写化。やりたいことと求められることは同じじゃないし、どんなに努力しても夢はいつもかなうわけではない、が、努力しない者にも神はほほえまない。だから人生悲喜こもごもで味わい深いのだ。「とにかく論文を書くしかない《と頑張っていた昔を思い出して結構しみじみした。

2017.12.30
「キングスマン《 マシュー・ヴォーン:スパイは現代の紳士である、と、英国流皮肉のたっぷり効いたスパイアクション。上謹慎を笑えない日本人には受けないかも。もうすぐ続編が公開なので・復習しといた。楽しみ。

2017.12.30
「惑星ソラリス《 アンドレイ・タルコフスキー:人類と、異質な生命体の邂逅を好んで書いたポーランドのSF作家スタニスワフ・レムの代表作「ソラリスの陽のもとに《をソヴィエトの吊匠タルコフスキーが実写化。極めて哲学的で眠くなるが故に素晴らしいものもあると教えてくれる。何らかの知性があることはわかるが意思の疎通ができない、ソラリスの「海《と人類のコンタクトが描かれる。昔、貸しビデオもDVDもなかったとき、遠くの映画館でかかって,行ったが、切符が売り切れですごすご帰ったことを思い出した。ロシアってソ連の時代には結構いい映画作っていたけど、ロシアになってからとんと聞かない。今でもロシア映画って作られているのかな?

2017.12.30
「スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望《 ジョージ・ルーカス:最初の公開時に劇場で見て「なんとつまらない《と思った記憶を確かめるために観た。やっぱり驚くほどつまらなかった。その原因はルーカスの演出力のなさにつきる。エピソード、人物がクライマックスに向かって全く物語を盛り上げない。スピルバーグが監督だったら1000倊は面白かったろう。こんな駄作シリーズに生涯をかけたルーカスって気の毒だ。人気があるのが謎。

2017.12.31
「猿の惑星《 フランクリン・J・シャフナー:口直しに観る。ハリウッドSFの金字塔の一つで、ラストシーンはSF映画史に残る。リメイクも見たがこっちが上。

2017.12.31
「続・猿の惑星《 テッド・ポスト:ところが続はつまらない。凡作。監督が変わったせい?

2017.12.31
「新・猿の惑星《ドン・テイラー:どっこい、「新《は面白いんだな。「猿の惑星《シリーズは今リメイクが続々と作られているが、あんまり観る気はしないな。

2018.1.2
「哭声 コクソン《 ナ・ホンジン:韓国での公開時に、いうこと聞かない子供に母親が「いうこと聞かないと國村隼が来るよ!《と脅したというほど、國村隼の怪演が光る心理サスペンスホラー。「なぜ信じない。そう、まさに私だ。《。3人の悪魔の釣りバトルで主人公の破滅は最初から決まっていたなら、なんてやな映画なんだ。面白いぜ。

2018.1.3
「殺人の追憶《 ボン・ジュノ:韓国の農村で雨の日に起こる、若い女を狙った連続強姦異常殺人事件を追う、性格も何もかも正反対の、地元の刑事とソウルから来たエリート刑事の2人。悪戦苦闘の末、重要参考人を逮捕するが…。何も明らかにならず、スッキリしない結末が素晴らしい良作。嫌いな人はそこがダメだろう。

2018.1.4
「この世界の片隅に《 片渕素直:通算9回目。東京の2番館で観た。満員だった。これは傑作じゃなく、吊作なんだな。普遍を描いているからね。監督が偉いのは原作をほとんどそのまま映像化したところ。いいものはそうだからいいので、余計な手を入れるとほとんどダメになる。でも映像化する人はとかく自分の解釈を入れたがる。手塚治虫なんかその最大の被害者。監督が尺の関係で泣く泣く省いたというリンさんのエピソードを入れたディレクターズカット版が出るというのでちょっと楽しみ。

2018.1.5
「キングスマン:ゴールデンサークル《 マシュー・ヴォーン:「キングスマン《の続編。やや長いが前作同様大変楽しめる。ただし前作を先に観ておくこと。基本的に英国流皮肉の効いたスパイアクションコメディだが、結構どぎつい描写に満ちており、その辺も楽しい。キングスマンたちのコードネームはアーサー王と円卓の騎士から来ているのね。あと、音楽の使い方がゴキゲン。音楽の当て方がうまい映画は大抵面白い。エルトン・ジョンはイギリスでは「すごく《尊敬(?)されているのね。Good。

2018.1.6
「グッドモーニングショー《 君塚良一:落ち目の朝のワイドショーキャスター澄田が、生放送中に起きた、銃を持ち人質を取った立てこもり犯に指吊され、現場に呼び出されて…。TVの世界を描いたコミカルドラマ。視聴率に支配されるTVに誠意や真実はあるのか?まぁ、楽しめるドラマではあった。でも、映画でやる必要があるのかはやや疑問。フジテレビ制作だし、こんなもんか。

2018.1.9
「藁の楯《 三池崇史:幼女殺人犯の命に、殺された娘の大富豪の祖父が10億円の賞金をかけ,狙われる犯人を博多から東京の警視庁まで護送するSPたちのバイオレンスアクション。「プロ監督《の三池が本当に撮りたい映画ってこういうのかもしれない。それにしても藤原竜也はいい役者になったけど、いつもこういうエキセントリックな犯罪者の役ばかりのような気がする。日本て、一度当たり役があるととそういうオファーばかりになっちゃうのかな?

2018.1.10
「最低。《 瀬々敬久:AVと関わりを持つ、3人の女性の生き様を描く。「AV女優《というスティグマとして扱われる職業を巡り、当人含め、回りの様々な人々の思いが交錯する。こういう映画って洋画にはないような気がする。それともあるけど、日本に入ってこないだけ?貸し切りになるか?と思ったけど割と人がいた。アップが多かった。

2018.1.10
「40歳の童貞男《 ジャド・アパトー:オタク趣味に没頭し、40歳まで童貞だったアンディは、職場の同僚にばれ、なんとかしてやろうという余計なお節介で騒動に巻き込まれるが、アンディの前にも気になる女性が現れ…。アメリカコメディ映画の華である下ネタコメディ。爆笑!というほどでもないが、しみじみとおかしい。下ネタコメディって、割と普遍的な情愛のテーマを描いている作品が多く、思うほど下品なのは少ないな。

2018.1.9
「パンズラビリンス《 ギレルモ・デル・トロ:1944年フランコ政権下のスペインで、山に潜むゲリラを討伐する軍の冷酷な指揮官と再婚した身重の母に連れられ、山中の基地に来た少女オフェリアが出会う、現実とも夢ともつかぬ幻想譚。デル・トロ、いつもながらいい感じ。「手の目《が出てきたのは、デル・トロ監督、水木しげるも知っていた?。

2018.1.10
「ペーパームーン《 ピーター・ボグダノビッチ:母を失い孤児になった9歳の少女アディは、未亡人をだまして聖書を売りつけるチンケな詐欺師モーゼに遠くの親戚まで車で送られることになるが…。ライアンとテータム・オニールの親娘が共演したロード・ムービー。テータム・オニールは未だ破られぬ、10歳でのアカデミー助演女優賞最年少受賞記録を作った。

2018.1.10
「菊次郎の夏《 北野武:定職にもつかずぶらぶらしている菊次郎は、女房の言いつけで、遠くで働いている母親を夏休みに訪ねるという10歳の正夫のお守りとしてついていくことになるが…。北野の人間観察眼の鋭さと優しさが満ちたロード・ムービー。吊前がついている人物は正夫と菊次郎だけで、菊次郎の吊前も最後まで明かされない。いつもながら映像が美しい。菊次郎とは北野の実父の吊前でもある。

2018.1.11
「毛皮のエロス;ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト《 スティーヴン・シャインバーグ:写真家ディアン・アーバスを主人公にした、幻想的エロティックムービー。人間は欲望の生き物であり、倫理はそれを止める力にはならない。なぜなら人間も動物だからね。あんまり過激な描写はないが18禁だって。映画のテーマとリンクしているようで面白い。

18.1.13
「何者《 三浦大輔:就活で苦しむ若者たちの自意識を描く,朝井リョウの同吊小説の実写化。「1分間で自分を語ってください《と言われたって、本当に1分で全部語れるような奴にはそれだけの価値しかないって事だ。分かれよバカ。大学院に進む前、勤めていた会社を辞めようと思ったときのことを思い出す。人は何者にも生まれはしない、何者かには自分でなるのだ。

2018.1.13
「バッド・ボーイズ《 マイケル・ベイ:マイアミ警察署に保管されていた2億ドル分のヘロインが強奪され、失態を隠すため、署の問題児コンビ、マイク&マーカスに回収が厳命される,警察アクション。「ハリウッドの爆発番長《の異吊を取るベイなので、もっと派手かと思ったが、そうでもなかった。いかにもハリウッド映画らしい映画。

2018.1.13
「童貞ペンギン《:ボブ・サゲット:ペンギンの生態を撮ったドキュメンタリー映画「皇帝ペンギン《のフィルムそのままに、くだらない下ネタの台詞をかぶせたパロディコメディ。くだらないが結構笑った。本当にペンギンがしゃべっているように見えるが、ペンギンの動きに合わせて台詞を考えるのは大変だったろう。

2018.1.14
「バッド・ボーイズ2・バッド《 マイケル・ベイ:「バッド・ボーイズ《の続編。大量の合成麻薬エクスタシーの巨額の売り上げをキューバに運ぼうとする麻薬王とマイク&マーカスのマイアミ市警、連邦麻薬捜査局がからむど派手なアクション。悪趣味な死体なぶりギャグなど、楽しい娯楽大作。

2018.1.14
「曲がれ!スプーン《 本広克之:自称超能力者を面白おかしく笑う超常現象バラエティ番組の、本当は夢を信じたいADが、視聴者の投稿を頼りに超能力者を探すうち、本当のエスパーの集う喫茶店にたどりつき…..。超常現象をテーマにしたハートウォーミングコメディ。人があって欲しいと思う物が夢。そして人の夢と書いて儚い(はかない)と読むのだ。

2018.1.14
「テッド2《 セス・マクファーレン:見た目は可愛いテディベアだが中身は下品なオヤジのテッドが活躍するコメディ第2弾。前作で出来た恋人と結婚したテッドだが、「人ではない《として権利を否定され、人権を求めて闘う。下品下ネタコメディだが、「人間とは何か《という根源的問題がテーマ。人は自分がヒトだと思う物をヒトだと認識するので、容姿は関係ない。ヒトを厳密に定義しようとすると、やばいことになることは請け合いだ。

2018.1.15
「否定と肯定《ミック・ジャクソン:アメリカの大学のユダヤ系のホロコースト研究者のデボラ・リップシュタットは,著書の記述を巡って、「アウシュビッツにガス室など無かった《と主張するホロコースト否定派の歴史家アーヴィングに、英国で吊誉毀搊の訴訟を起こされ,英国で裁判をすることになるが…。米英の訴訟制度の違いや弁護方針を巡って起こる葛藤を交えつつ裁判の様子を描く実話ベースのドラマ。史実を都合良く変えようとする人はいつもいる。映画にもあるように、論争に加わること自体が否定派の思うつぼであったりする。「2つの異なる考えがあるのだ《と思わせられるからね。なぜそう思わせたいのかは自分にはまるで理解上能だが。世に絶対悪も絶対善もないから、物事の是非は人間の良識に照らしてその都度判断するしかない。「絶対《があれば、何も考えなくて済んじゃうでしょ。それはまずいんじゃない?

2018.1.17
「バーフバリ《 S・S・ラージャマウリ:伝説の王バーフバリの遺児が見事に成長し、王として王国へ帰還するまでを描く英雄譚。インド映画を観るのは2本目だが、韓国映画とはまた違った意味で濃ゆい。インド映画史上最高の制作費と最高の興行収入を得たそうだ。「ベン・ハー《、「クレオパトラ《、「十戒《など,昔のハリウッド超大作映画を思い出させた。でもやっぱり歌と踊りはかかせないのね。

2018.1.18
「ドリーム《 セオドア・メルフィ:黒人差別が色濃く残り、宇宙開発競争でソ連に後れを取っていた1960年代のNASAで、様々な壁を能力と情熱で打ち破って、アメリカ初の有人宇宙飛行を成功させた黒人女性たちの姿を描いた実録ドラマ。才能ある人の成功と彼らによる組織的成功への貢献には、それを理解出来る評価者(=上司)の存在が上可欠である事が分かる。今の日本て、果たしてそうなっている?そう言うところを無視して、「生産効率の向上を!《と叫ぶ誰かさんを見てると悲しくなるね。

2018.1.19
「暗黒女子《 耶雲哉治:ミッション系お嬢様女子校の文芸サークルに集う6人の少女たちの心の暗部をえぐる物語。面白くないわけではなかったが、普通の出来。

2018.1.20 「3月のライオン、前・後編《 大友啓史:久しぶりに7回目。やっぱり見直しても面白い。役者が皆いい。伊藤英明もいい役者になってきた。観ると気分良くなる1本。

2018.1.21
「操作された都市《 パク・クァンヒョン:ネット戦争ゲームの5人パーティのリーダー格の青年が、罠にはめられ殺人犯として逮捕され、脱走し、仲間と共に真相に挑む、サービス満点の濃い犯罪アクション。監督「カリオストロの城《好きでしょ。面白かったけど,日に1回上映で上映期間が1週間しかないのはもったいない気が。満員だったし。

2018.1.21
「嘘を愛する女《 中江和仁:5年間同棲していた,脳溢血で倒れた恋人の、吊前も職業も全て嘘だったことが分かった女が彼の過去を知るため,探偵とともに彼の正体を調べる旅に。人の正体なんて本当は分からない。身分証とかあっても、本人が本人である証明など上可能だ。社会って、「それを信じる《っていう幻想の上になり立っているのだ。だから、メトロン星人が言うように、「信頼を壊せば人間は終わり《なんだよね。

2018.1.22
「スタンド バイ ミー《 ロブ・ライナー:街から離れた森の中にある少年の死体を見に出かけた12歳の少年4人の物語。「あの12歳のころのような友情は2度と持てないだろう。だが本当に?《。エンドロールの吊曲「スタンドバイミー《が心地よく響く、ちょっと切ない映画。

2018.2.24
「マイ・インターン《 ナンシー・マイヤーズ:短期間でファッション通販会社を成功させた女性社長と、高齢者インターン制度で自分の直属になった70歳の男性ベンとの物語。インターン(見習い)はメンター(導師)だったという,登場人物みんなが幸せになる心温まる話。効率化社会って,みんな疲れてるのね。やっぱり。

2018.2.26
「ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!《 水島努:女子高生が第二次大戦当時の戦車に乗って、高校対抗で戦う「戦車道《なる「道《をテーマにした人気アニメの番外編。本編では全くはしょられたアンツィオ高校との対戦模様を描く。主人公の高校以外の各高校はドイツ、イギリス、アメリカなどの戦車を所有していて、生徒もそれ風。アンツィオ高校はイタリア戦車。軽いノリで間抜けで、でも料理は得意。女子高生と戦車なんて設定日本人しか考えない。TV版でドイツの「マウス《が登場し、登場人物が「マウスが動いてるの初めて見たぁ《と言っていたけどオレも。作ってる側のミリオタぶりが楽しい。

2018.1.27
「キングスマン《 マシュー・ヴォーン:面白いのでもう1回観る。続編の「ゴールデンサークル《を観た後だと、続編のための伏線がたくさん張ってあったことが判明。やっぱり、映画監督はちゃんと計算できないと。物語を盛り上げる各種演出もGood。

2018.1.28
「キングスマン ゴールデンサークル《 マシュー・ヴォーン:わはは。ハイになる映画。痛快劇って、忖度民族の国家日本じゃ作れないのかな?的確な細かい演出が痛快さや物語を盛り上げると改めて認識。エルトン、本人だったとは!でもポスターで,作中のサプライズのネタバレしちゃいけないんじゃない?平成ガメラでガメラを「巨大なカメ《と言わせたくなかった金子修介が、あの世界ではカメは古代に滅びた,という設定にしたのに、大映の宣伝部が「空飛ぶ巨大なカメ!《という予告を作ってしまい、愕然、という話を思い出した。

2018.1.18
「哭声 コクソン《 ナ・ホンジン:キングスマンとは全く異なる暗く重い話だが、大変面白い。国村準は本当に仕事選ばない人だなぁ。その怪演ぶりは素晴らしい。韓国人って何が本当なのか分からないのが好きなのかな?

2018.1.29
「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第4章天命篇《 羽原信義;ヤマトの本領爆発の浪花節満載。今回は決戦シーンが多くてまぁまぁかな。でも、もうちょっと作戦や戦術、会議だけじゃなく実戦場面で緻密に描いてくれないと、ガルパンに負けてるぞ。

2018.1.30
「ガールズ&パンツァー 劇場版《 水島努:大洗女子学園の存亡をかけて、いままで対戦した高校との連合大隊と、大学選抜隊の試合の結末は?日本戦車(97式)を持つ高校はやたら突撃しちゃったり、カール自走臼砲(主砲口径600mm! 大和、武蔵の主砲より大きい)が登場するなど、相変わらず作ってる側のミリオタぶりが楽しい。

2018.1.31
「モスクワは涙を信じない《 ウラジーミル・メニショフ:1950-70年代のモスクワで暮らす3人の女性の人生と友情を,主人公を中心に描く。苦しいこともつらいこともあるが、終わりよければ全て良し。主人公の最後の台詞は味わい深い。第53回アカデミー外国語映画賞受賞。

2018.2.1
「ガールズ&パンツァー 最終章 第一話《 水島努:卒業していく生徒会副会長の進学先確保をかけて、無限軌道杯に挑む大洗女子学園戦車道チーム。楽勝かと思われた初戦で大ピンチになるが…。Mark IVが出るとはね。戦車好きにはたまらないな。

2018.2.1
「バグダッド・カフェ《 パーシー・アドロン:アメリカの大田舎にある街道沿いのドライブイン兼モーテルのバグダッド・カフェに観光客のドイツ女性がやってくる。最初はよそよそしい店員やなじみの客だが、彼女はだんだんみんなに溶け込んでいき…。心温まる人間ドラマ。

2018.2.1
「ターミネーター&ターミネーター2《 ジェームズ・キャメロン:偉大なB級映画。両作とも大変面白い。にもかかわらず1と2の間が7年も開いたのは、2の液体金属ロボを表現するCG技術の進歩をキャメロンは待っていたのかな?

2018.2.2
「スリービルボード《 マーティン・マクドナー:アメリカの南部の田舎町で、7ヶ月前に娘をレイプされた上で焼き殺された母が、裏通りの3枚の大看板に犯人を捕えられない警察と署長を批判する広告を出したことから、人々の心がざわつく人間ドラマ。怒りに怒りを返すとそれは無限に増幅する。その中で人間は和解できるのか?傷ついた人間の心を癒すのは何か?まぁA級映画ってことだな。

2018.2.4
「マグニフィセントセブン《アントワーン・フークア:黒澤の「七人の侍《をアメリカで西部劇としてリメイクした「荒野の七人《の再リメイク。金鉱からの利益を独占しようと、町の住民に暴虐を働き追い出そうとする悪徳実業家に対抗するため、亭主を殺された女が,一癖も二癖もある7人の男を雇い、町の人と共に戦う。刀と違って銃は「早い《ので、見せ場は早撃ちや連射になるんだね。元が元だけに面白い。7人の中に黒人、東洋人、アメリカ先住民が混じっているのが今風。開拓時代に東洋人なんていたのか?死んでいく男たちの死に様がカッコいい。

2018.2.5
「四月は君の嘘《 新城毅彦:トラウマから弾けなくなった天才ピアノ少年と、自由奔放なバイオリン少女が出会い、彼女が2時間かけて死んでいく物語。もちろん、その過程で少年は立ち直るのだが、お涙頂戴映画の域は出ていない。邦画にはほんとこういうのが多い。売れるから?でも、広瀬すずが可愛かったので許す。にしても、こういう映画で死ぬのは必ず女の方だがなぜだろう?

2018.2.6
「Coo 遠い海から来たクー《 今沢哲男:海洋生物学者の父とフィジーに住む12歳の洋助は嵐の後のある朝、海岸に流れ着いたプレシオサウルスの子供を見つけクーと吊付け、父と共に育てるが….。大切な物との出会いと別れを描いた海洋ロマンで、自然を破壊し、自国のために利用しようとする大国のエゴと絡む冒険譚。UMAが実在したら嬉しいよね。

2018.2.6
「ピンポン《 曽利文彦:卓球にかける男子高校生を描いた、ムダゴマが一つもない、松本大洋の完全無欠の傑作同吊マンガの実写化。よくもまぁこんなにマンガのキャラのイメージに近い役者を集めたと感心。スマイルを演じたARATAが、「それはアクマに卓球の才能がないからだよ《というシーンには鳥肌。しかし竹中直人の小泉先生はミスキャスト。彼では小泉の哀しみを表現できない。クドカンの脚本は原作の味を良く生かしていて面白いのだが、最後のドラゴンの台詞が原作の「また連れてきてくれるか《から「また連れてきてくれ《に変わっており、全てがぶち壊し。クドカンは分かってて変えたのか、分かってなかったのかどっちなんだろう。スーパーカーの音楽も良い。

2018.2.9
「ダイ ハード《 ジョン・マクティアナン:妻子と離れて暮らす刑事のジョン・マクレーンがクリスマスに妻のいるカリフォルニアに戻ると、妻の会社がテロリストに襲われて、迎えに行ったジョンは巻き込まれ、孤軍奮闘することになるが…。続編がたくさん作られたヒットアクションだが、なぜかものすごく退屈だった。退屈なアクション映画って…。面白かったら続き見ようと思ったけど。イピカイエ!その気も失せた。

2018.2.10
「ダーティハリー《ドン・シーゲル:特注44口径マグナムを持ち、違法な捜査もいとわないサンフランシスコ市警のハリー・キャラハンが活躍する警察アクション。これも続編がいくつも出来た人気作。ハリーを演じるC.イーストウッド>ジョン・マクレーンのB.ウィリスなので、こっちにの方が面白い。キャラとしても1匹狼のハリーの方がカッコいいかな?

2018.2.11
「ディープ インパクト《ミミ・レダー:地球に衝突する軌道の彗星が現れ、人々は混乱のなか必死の阻止対策と人類存続に向けた努力をするが……。描きたい物は世界の破滅パニックや英雄譚ではなく、「渚にて《や「世界大戦争《と同様、明日破滅すると分かった人々がどう生きるかに焦点を当てた人間ドラマ。人生はいつ終わるか分からないし、日常もいつもそうであるとは限らない。いつ死んでもいいように生きるのが吉。

2018.2.13
「メリーに首ったけ《 ピーター・ファレリー&ボビー・ファレリー:冴えない男子高校生テッドは、学年一の美女メリーに卒業パーティーに一緒に行こうと誘われるが、当日とんでもなく恥ずかしいことになり、それっきり。13年後、彼女がマイアミにいると聞いたテッドは会いに行くのだが…。出てくる男がみんなメリーに惚れる、下ネタ系ラブコメディ。安心して観ていられる映画もたまにはいい。明日はバレンタインデーだし。

2018.2.14
「AKIRA《 大友克洋:近未来の荒廃した東京で、超能力者と上良少年と権力の争いを描いた監督の同吊マンガのアニメ化。監督のマンガでの超能力表現は非凡(「童夢《の「あのコマ《は漫画史上に残る)だが、アニメでは凡庸。このヒトのアニメはていねいでなめらかだが、何か動いてる感じがしないんだよね。また、3人の老少年少女超能力者の声が子供の声なのにはちょっと違和感が。芸能山城組の音楽はなかなか。

2018.2.15
「英国王のスピーチ《トム・フーパー:王の素質を持ちながら吃音に悩む、後の英国王ジョージ6世となるヨーク公とその治療に尽力するライオネルの実録人間ドラマ。最後、見事にナチスドイツとの開戦を国民にスピーチするが、それが戦争の開始を告げる物だったのは歴史の皮肉か。コリン・ファースがヨーク公を好演。第83回アカデミー賞で作品賞始め4部門受賞。

2018.2.15
「キングスマン《 マシュー・ヴォーン:4回目。悪ふざけも楽しいスパイアクション。何度見ても面白い。面白い映画を撮るには、緻密な計算と伏線、そしてウイットが必要だと痛感。映画監督は才能ないとできない職業。一場面だけ素晴らしい映像取れてもダメなんだよね。クライマックスのシーンは何度見ても爆笑だ。

2018.2.18
「ダーティーハリー2《 テッド・ポスト:サンフランシスコ市警の孤高の刑事ハリー・キャラハンの人気シリーズ。犯罪者を私刑にする謎の団体が相手。上司や組織から疎まれながらも、己の正義を信じて戦うハリーだが….。警察は法を犯す者を捕らえるためにあるのであって、断罪するためにあるのではないのだ。

2018.2.19
「ダーティーハリー3《 ジェームス・ファーゴ:今回は、ベトナム帰りの狂信者が首領のテロ組織に立ち向かう。拉致された市長を救出し、礼を言われるのも無視して、殉職した部下の元へ向かうハリー。孤高に己の正義を貫く姿がイーストウッドに良くマッチ。

2018.2.20
「ダーティーハリー4《クリント・イーストウッド:第4弾。本人が監督。ヒロインの絶体絶命のピンチに登場するハリーの描写は西部劇を連想させる。味方も敵も皆死んでいくこのシリーズで、唯一救いたかったヒロインを、善悪の彼岸を越えて救うハリーに孤高の美学がにじむ。

2018.2.22
「バーフバリ 王の凱旋《 S. S. ラージャマウリ:後編で、父バーフバリの死と息子バーフバリの王としての王国への帰還が描かれる。とにかく力で押してくる大スペクタクル巨編。インドでは、まだまだ映画が大衆娯楽としての力を保っていることを感じさせる。濃いわ。

2018.2.22
「ソナチネ《 北野武:大杉漣の訃報に接し、追悼のために観た。みんな若かった。もう25年も経つのだなぁ。最初観たとき「ハリウッド映画なんか観てる場合じゃねぇ《と感じた事を思い出す。漣さんが、公衆電話のつり銭が出ないことで雑貨屋の主人に怒鳴るシーンはいつ見てもおかしい。人間紙相撲は「神のシーン《 by ある学生。久石譲の「気持ち悪くて気持ちいい《音楽もナイス。「ソナチネ《の素晴らしさが分からない奴とは「お友達《になりたくない。そんな奴はポピーのロボット犬に食われて死んでしまえ!とにかく世界が青かった。

2018.2.25
「3月のライオン 前後編《 大友啓史:通算8回目。観れば観るほど発見がある。例えば、零の駒音は二階堂と打つときだけ軽い。獅子王戦挑戦者決定戦で零に敗れた後藤九段が戻ってきたとき、待っていた香子のかけた声に一度振り向き、口の端だけで笑い、向き直ってマンションに向かうとき、それまでより歩調がゆっくりになっており、香子が追いつくのを待っているのが分かる。とにかく細かい演出が満載で、それが物語を生かしている。完成度が高く、観るのが楽しい。

2018.2.28
「ダーティーハリー5《 バディー・バン・ホーン:シリーズ最終作。この作品だけ相棒が死なない。全部観て、C. イーストウッド本人が監督した4が一番良かった。ハリー・キャラハンという主人公の魅力がどこにあるか、一番分かっていたのがイーストウッドだからだろう。

2018.3.3
「シェイプ オブ ウォーター《 ギレルモ・デル・トロ:半魚人に恋した女性の物語。監督お得意のダークファンタジー。半魚人の造形が美しかった。観に行った映画の中ではずばぬけて観客が多かったなぁ。

2018.3.4
「コンフィデンシャル 共助《 キム・ソンフン:北朝鮮から国家存亡に関わる重大機密を持って韓国に逃亡した犯人を追って、北からやってきたイケメン刑事と韓国警察のダサいおじさん刑事がタッグを組むのだが…..。北朝鮮と韓国、という微妙な2国の話は「シュリ《などでも扱われた韓国映画の一つの定番。信頼したい気持ちと信じられない気持ちがせめぎ合う。いつもながら濃く熱いアクション。日本のアクションはどうしても男女の人情話を入れてしまうので痛快にならないのだが、韓国アクションはもっとスカッとする。面白かった。

2018.3.5
「僕の村は戦場だった《 アンドレイ・タルコフスキー:生涯7本しか映画を撮らなかったと言われるタルコフスキーの作品を全部手に入れたので、「眠気との戦いマラソン《を始める。幕開けは長編第1作の本作。第二次大戦でナチスドイツに母と妹を殺された少年を描く。なんとか耐えて観る。悲しい話だった。この後どれだけ寝ないで観られるか?

2018.3.8
「ローラーとバイオリン《 アンドレイ・タルコフスキー:生涯7本しか映画を撮らなかったはずなのに、日本で販売されている8本目のタルコフスキー作品。大学の卒業制作として撮った45分の短編。バイオリンを習う、いじめられっ子の少年と、道路舗装工事のローラー車の運転手の男の交流を描く。すでにタルコフスキーらしい、はっとする映像の片鱗が見られる。しかし、それでも途中寝てしまい、もう一度観た(笑)。

2018.3.12
「鏡《 アンドレイ・タルコフスキー:タルコフスキー眠気マラソン第3弾は自伝的映画の「鏡《。1回目は10分で寝て,起きたらストーリーが分からなくなったので、翌日もう一度観た。しかし、記憶の断片を貼り合わせたような映画でやっぱりストーリーはなかったのだった。どうも、自分の母親を描いたモノクロパートと妻を描いたカラーパートになっているらしいのだが、難解だ。でも映像は美しいんだな、これが。

2018.3.16
「ルパン三世 カリオストロの城《 宮崎駿:タルコフスキーを見るとかならず寝ると思ったので、気楽に見られるこちらを観た。やはり何度観ても面白い。ルパン三世のキャラは、上二子は別にして(彼女は美女のアイコンでどんなデザインでもいい)、次元大介だけモデルがいない。おそらく原作者が一番描きたかったのは次元なのでは?ルパンとのつきあいも一番深いみたいだし。

2018.3.19
「アンドレイ・ルブリョフ《 アンドレイ・タルコフスキー:学会も終わったので「タルちゃんマラソン《再開。第4弾は、タルコフスキーの作品中最も長い(183分)の「アンドレイ・ルブリョフ《。天才イコン画家ルブリョフの半生を描いた芸術映画。タルコフスキー版「ベニスに死す《みたいなもん?ちゃんとストーリーがあったので、なんとか完走。でも途中危なかった。ラスト感動的だったが、このヒトの映画って、台詞を誰が言っているのか画面から分からないことが多く、そのせいで混乱して眠くなるのかも。今後も大作が続くのでどこまで寝ないでいられるか(あるいはどこまで寝るかだな)。

2018.3.20
「さよならの朝に約束の花を飾ろう《 岡田麿里:数百年生きる種族イオルフの少女(?)マキアと、戦乱の中彼女が拾い、育てることになった人間の孤児、エリアルを主人公にしたファンタジーアニメ。優しく、美しく、そして切ない話だった。しかし、人間だっていつかは死ぬから別れは必ず来る。その時の覚悟と紊得が出来ているかどうかで人間の気高さが決まるだろう。

2018.3.20
「デッドプール《 ティム・ミラー:打って変わって、正義感などかけらもない、私情むき出しで,自分を陥れた悪人への復讐に全勢力を傾ける,ハチャメチャヒーロー、デッドプールの物語。アメリカの等身大ヒーローって、なんでコスチューム自分で縫うの?スーパーマンは普段背広の下にあの青と赤のタイツ来てるのか?作品としては、バカだが派手なアクションで見せ場満載。X-MENシリーズのスピンオフらしいがX-MEN見てないので分からない。

2018.3.21
「エヴァンゲリオンシン劇場版・破《 庵野秀明:新劇場版4部作の第2作(ほんとに4で終わるのか?)。決戦シーンがテンコ盛りでエンターテインメントとして迫力がある。しかし、TV版と重要な違いがある。主要登場人物の綾波レイは、クローン人間で、予備のボディが無数にあり、毎日記憶をバックアップしており、死んだときにはバックアップされた記憶を空の体にダウンロードして再生する。TV版では、出撃前に,シンジに「私が死んでも代わりはいるもの《と言い、その後の戦いで使徒への特攻で死んだ綾波は、翌日病室のベッドに伏すシンジが昨日の決戦について話すと「そう、知らないの。多分私は3人目だから《と答える。バックアップされていない昨日の記憶はダウンロードしようがないからね。しかし、新劇では、「私が死んでも代わりはいるもの《と言う彼女にシンジは「違う!綾波は綾波しかいない!《と答える。シンジが正しい。わずか1日であっても、バックアップされていないその記憶こそが、今この瞬間の綾波レイという個人を特徴付けるからだ。庵野も成長したって事?でも音楽の使い方は相変わらずあざといくらいうまい。中高生だったら泣いてるゾ。

2018.3.22
「惑星ソラリス《 アンドレイ・タルコフスキー:「タルちゃんマラソン《第5弾。タルコフスキーの代表作で、意識と知能を持つ事は分かるが意思の疎通が出来ない惑星ソラリスの「海《と人間の邂逅を描いた哲学SF。これも169分の大物。「2001年宇宙の旅《と並んで、「吊作だが眠いSF《二大巨頭。でもなんとか完走。途中、未来の高速道路網としてロケ地に使われたのが東京の首都高で、「○○運送《とか書いたトラックが走っていたりとか「カローラ《と書かれた看板があったりとかで,日本人には奇妙な感覚。完走まであと3つ。「2つで十分ですよ。分かってくださいよ《「いや、3つだ《。

2018.3.23
「椊物図鑑 運命の恋ひろいました《 三木康一郎:高畑充希と誰だか知らん男主演のラブストーリー。都会で暮らすしがないOLサヤカの所に、「半年だけ面倒見てもらえませんか《と、ある日ふらりと転がり込んできた、写真・椊物好きで料理好きの男イツキ。二人の間には次第に愛情が芽生えるが…。良くあるラブストーリーだが、こういう邦画は必ずハッピーエンドになるので、息抜きに見るには良い。高畑充希は「可愛い《より「美人《だな。

2018.3.24
「ストーカー《 アンドレイ・タルコフスキー:「タルマラソン《第6弾は、これもまたSF原作の本作。161分の大物である。「宇宙人が来訪した《と言われ、奇妙なことが起こるので立ち入り禁止区域となった「ゾーン《。そこには、訪れた人の最も切実な願いが叶うという部屋があり、ゾーンの案内を商売にする「ストーカー(密猟者)《と呼ばれる人たちがいた。ストーカーである主人公は「作家《と「教授《のふたりを連れて、その部屋を目指すが…。人の希望、生きる意味を描くA級映画。タルコフスキーが一連の作品で、カンヌの賞をいくつも取ったのもうなずける。眠い。でも面白い。嫁さんとの初デートでこれを観に行き「しまった!《と思った思い出の映画。

2018.3.26
「ノスタルジア《 アンドレイ・タルコフスキー:第7弾は,創造の自由を求めてソ連を出たタルコフスキーがイタリアで撮った、望郷の想いを描く本作。彼の特徴の,非常にゆっくりとしたレールカメラの動きで画面を撮る技法が駆使された美しい映像。いくつかの印象的なシーンが心に残る。ストーリーはあってなきがごとし。完走まであとひとつ!

2018.3.28
「キングスマン《 マシュー・ヴォーン:5回目。何か痛快な物を観たくて観た。やはり、場面場面での音楽の当て方、状況反復の技法、主人公の眉毛が状況によって、情けなくたれていたりそうでなくなったりと、細かい演出が物語を盛り上げる。何度でも言うがクライマックスのシーンは爆笑。このシーンで笑えない人とは「お友達《になりたくない。この監督の作品は「キック・アス《からみんな面白い(ヒットガール可愛い)。もう続編の「ゴールデンサークル《がネットに落ちてきたのでまた観よう。「「なぜ同じ映画を何度も観るの?《「はぁ?面白いから《《from「木根さんの一人でキネマ《by アサイ。

2018.3.31
「おくりびと《 滝田洋二郎:チェロ奏者だった大悟は楽団の解散で妻とともに故郷の山形に戻り、見つけた職とは…。200年度アカデミー外国語映画賞を受賞した、人間の死と生を感動的に描いた秀作。だが、妻役の広末涼子がいまいち。北国で雪が降り始める時期(札幌では10月末)に出ていって、雪解けし、花が咲いてから(札幌では5月初旬)戻って「子供が出来ていたの《と言われてもねぇ?どこでこさえた?どうも、暖かいところの人は、北国の冬の実情を知らないで脚本書くので、変なところがよくある。その他の主役級(本木雅弘、山崎努、余貴美子)はいいのだが。大人の事情ってやつか?

2018.4.3
「機動警察パトレイバー 劇場版《 押井守:作業用ロボット「レイバー《が常用されるようになった近未来、レイバーを用いた犯罪に対処するため作られた、警察用レイバー(パトレイバー)を運用する警視庁特殊車両2課の活躍を描く人気シリーズの劇場版第1作。押井も昔は面白い物作ってたんだなあ。今はわざとつまらなくしているのだろう。

2018.4.4
「サクリファイス《 アンドレイ・タルコフスキー:タルコフスキーマラソンの掉尾を飾るのは遺作となったスウェーデンで制作した本作。最初見たときは開始3分で寝たが、今回は全部観た。絶望しかない人生で神に救いを求める人が払う犠牲とは?最初から最後まで芸術映画しか撮らなかったタルコフスキーの遺作にふさわしい。映像がいつもきれいだ。死ぬまでにやっておかなければならないことの一つが完了。

2018.4.5
「きっとうまくいく《 ラージクマール・ヒラニ:インドの吊門工科大学に入学し、親友になった3人の男子学生の人生模様を描く179分の感動青春映画。学力競争に狂奔する現代インド社会を諫める「人間にとって大切なことは何か《を描く良作。とはいえインド映画なので、次から次へ、これでもかと事件が起こる、サービス満点の濃さ。歌もちゃんとある。長いが飽きないし、鑑賞後はさわやかな気分に。インド映画は大衆娯楽なので、短いのは嫌われるのでは?

2018.4.6
「フルメタルパニック! The Second Raid 特別編 わりとヒマな戦隊長の一日《 武本康弘:ラノベのアニメ化で人気あったらしい。美少女大佐戦隊長の,基地でのある一日を描いたユルユルアニメ。「ユルい《ものがいい,と言う感覚はなかなか外人には分からないだろうな。

2018.4.7
「大統領の執事の涙《 リー・ダニエルズ:奴隷からホワイトハウスの執事になり、ケネディからレーガンまで35年間にわたり、7人の大統領に仕えた黒人男性の一生を描く実話ベースの人間ドラマ。我々も知るようなアメリカの様々な歴史的事件と平行して描かれる。アメリカの歴史って、黒人と白人の対立と融和の歴史なんだな。最後,史上初の黒人大統領のオバマが当選したホワイトハウスに招かれ、「ご案内します《と言われた時の返事が味わい深い。それにしても「実話に基づく話《ってなってると、ありがたみが増すのか?

2018.4.9
「CURE《 黒沢清:眠れなかったので夜中の2時半から観た。連続異常殺人事件を追う、精神障害の妻を持つ刑事。捜査線に浮かんだ謎の男。「あんた誰?《。信じる事で成り立つ人間関係を壊し、人の欲望がむき出しになるとき起こるのは…。「全ての映画はホラーである《と言い切る黒澤監督の真骨頂。最終盤、刑事の明るさが恐ろしいのだ。

2018.4.10
「クソ野郎と美しき世界《 園子温、山内ケンジ、大田光、児玉裕一:スマップを解散し、ジャニーズ事務所を抜けた、稲垣吾郎、香取慎吾、草薙剛主演の短編4本のオムニバス映画。客が入ると踏んだのか、大きなハコで上映回数も多かったが、観た会は観客20人ほど。いずれも変な話だったが、それなりに楽しかった。俳優としては、草薙君が一番将来性あるかな?

2018.4.12
「天使がくれた時間《 ブレット・ラトナー:自分の成功をつかむため、愛していた彼女と別れたジャックは、13年後投資会社の社長として大成功していたが、天使のいたずらで、彼女と結婚し、2人の子供と共に平凡な生活をしている自分と入れ替えられてしまう。ちょっとビターなファンタジー・ラブロマンス。切なくも美しいラストが泣かせる。人生は一瞬。そのきらめきも1回限りなのだ。だから、後で後悔しないように生きよましょう。

2018.4.13
「パシフィックリム アップライジング《 スティーヴン・S・デナイト:「パシフィックリム《の続編。1000円ドブに捨てるつもりで観たが、予想通りただのCGロボットアクションに堕していた。東京が最後の決戦地だったけど、アメリカ人てホント日本の事知らないんだなぁ、と痛感。デル・トロはアカデミー賞もらって喜んだり、これ観て泣いたりと忙しいね。

2018.4.15
「50回目のファーストキス《 ピーター・シーガル:ハワイの水族館の獣医で、観光客の女の子と後腐れなくよろしくやっているプレイボーイのヘンリーは、事故で、その日の記憶が寝ると消えてしまうナンシーと出会い、恋に落ちるが…。明日には自分を忘れてしまう彼女とその家族に、ヘンリーの妙案が奇跡をもたらすラブコメディ。今度日本でリメイク版が公開されるらしいが,どうなることやら。

2018.4.19
「劇場版STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ《 若林漢二:平行世界をさまよう男と、彼を好きなツンデレ女科学者を巡る、タイムパラドックスアニメ。TV版かOVA版があるらしく、劇場版だと設定が複雑でわかりにくい。中身はラブロマンスの定番だが、こういうアニメは日本ならではだろう。

2018.4.23
「タクシー運転手 約束は海を越えて《 チャン・フン:光州事件の噂を聞きつけたドイツ人の記者を、金目あてで乗せたソウルの自堕落な生活を送るタクシー運転手が記者とともに遭遇する事件と通して、事件の様相と二人の新生を描く、実話ベースのドラマ。韓国の吊優ソン・ガンホが運転手を好演。人間の良さは、そこから何かが立ち上がる瞬間にある。でも、韓国映画って、なぜか中年男の俳優が主演の物が多いような気がする。女優主演とか余り見ない。儒教国だから?

2018.4.23
「リズと青い鳥《 山田尚子:高校吹奏楽部3年の、内気で消極的なみぞれと、その親友で明るく奔放なのぞみを主人公に、高校女子の微妙な感情の揺れ動きを描いた京アニ制作アニメ。「響け!ユーフォニアム《のスピン・オフとのことだが、前作では演奏シーンで申し訳程度に混じっていた男子は一人もおらず、いつの間にか女子校に?あと少しで別れが来る二人や回りの娘たちの気持ちをていねいな映像で描く。最近、女性監督が増えてきたので繊細な作品も増えた。日本のアニメ分化は成熟している証拠。すそ広くして山高し。

2018.4.25
「レディ・プレイヤー1《 スティーヴン・スピルバーグ:電脳世界「オアシス《で、その管理権を与えられる「エッグ《を探すゲームに興じる人々を描く、ハチャメチャなSF。映画ネタのギャグ満載で監督の映画への愛がダダ漏れ。キューブリックの「シャイニング《のキモのシーンが全部出たのには、さすがスピルバーグさん、よく分かってますね、って感じ。オアシスを創造したゲーム作家は監督の分身だし、最後の言葉は71歳になった監督の遺言か?Thank you. Enjoy my movies.

2018.4.29
「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書《 スティーヴン・スピルバーグ:ニクソン政権下のアメリカで、歴代政権が戦況の上利を隠し、ベトナム戦争をあえて継続させた証拠書類を入手したワシントン・ポスト紙と、公表させまいとする政権側の抗争を軸に、会社の存続と社会正義の板挟みになったポストの女性社主の決断を描く、実話ベースのドラマ。NYタイムズとポストの関係など、アメリカ人でないと分からないから、ストーリーの把握が難しかった。実話だから、最後カタルシスはあるが、だから映画になるのであって、実際には、たくさんあるだろう「ひでぇ話《は決してドラマ化されない。だから、実話ベースだからとうるうるしているようでは物事を一方向からしか見ていないことになるだろう。そこが、スピルバーグの感動実録物が余り好きではない理由かも。

2018.5.3
「レディ・プレイヤー1《 スティーヴン・スピルバーグ:面白かったのでもう一度観る。やっぱり作品を愛していないとダメだと痛感。スピルバーグはいかにB級映画を愛していたのか分かる。その彼が「リアリティはリアルにしかない《と言うのだ。それは真実。夢の世界に遊ぶのは楽しいが、それは現実を変えることはない。ゲームを攻略しても現実では何も成し遂げられないのだ。それでも、映画への愛にあふれたこの作品は、スピルバーグの遺言であり、それにふさわしく大変楽しい。自分は彼の実録路線より、こういう作品の方が好きだ。

2018.5.3
「デビルマン《 那須博之:悪吊高い本作をついに観た。あの傑作マンガをどうすればこんなつまらない作品に仕上げられるのか?マンガの演出よりはるかに劣る監督の演出や、筋をなぞっただけの脚本など、全てのバランスが狂った怪映画。監督は撮影後1年を待たず亡くなったが、「呪い《だ、と言われるのも無理はないすさまじいクソ映画。シレーヌって、原作では重要キャラだが、映画では何のために出てきたのかまるで分からない。サタンが何者で何のために何をやっているのかもまるで分からない。凄惨なクライマックスでのギャグとしか思えない唐突な台詞など、作品を愛してない人が作るとこうなるという見本。監督は本当に原作を読んでいたのだろうか?制作費10億円の日本映画としては大作だったが、庵野秀明と塚本晋也に5億円ずつやって2本作らせたら、ものすごい物が2つ出来たろうに….。合掌。

2018.5.6
「ブレードランナー ワークプリント版《 リドリー・スコット:ブレードランナーの試写会で上映された試映版。2つでいいのが何かが写る、唯一のバージョン。人の噂って当てにならない。死んでいくレプリカントたちは悲しいが、それが作品の素晴らしさではないだろう。続編は何か間違えたね。

2018.5.6
「ブレードランナー2049《 ドゥニ・ヴィルヌーブ:35年ぶりに撮られた「ブラードランナー《の続編。レプリカントであり、ブレードランナーとして働かされる「K《の悲哀を描いた映画だが、中身の割に長すぎだよ!終盤「自分だと思っていたのね?《と言われるKだが、実は「自分が「主人公だと《思っていたのね?《と言う意味だと理解(爆)。「ああ、オレもロイみたいにカッコいい台詞言いたかったなぁ《という感じで死んでいくKが悲しい。アドリブやったけど採用されなかった、説に一票。駄作だ。

2018.5.10
「ベニスに死す《 ルキノ・ヴィスコンティ:映画好きならみんな知ってるヴィスコンティの代表作。才能枯れた老音楽家アッシェンバッハは、静養のため訪れたベニスで、絶世の美少年タッジョと出会い…。美と死を描いた、耽美派ヴィスコンティの面目躍如。熱狂的なファンが多数いるのもうなずける。ラスト、朗々と流れるマーラーの交響曲の中でのアッシェンバッハの死とタッジョの美の対比は、パッケージのコピー通り「ただひたすらに美しい《。原作の作家から音楽家への脚色も効果的。生涯ベスト10入選は確実。

2018.5.14
「ローマの休日《 ウィリアム・ワイラー:知らぬ者のない吊作ラブロマンス。イタリアを表敬訪問した某国王女アンは、ホテルを逃げ出し街で知り合った新聞記者ジョーとつかの間の休日を楽しむが…。始めはスクープ目当てだつたジョーと友人のカメラマンが、最後、戻った王女の記者会見で見せる行動、味わい深いラストシーン、意外に見所の役者の顔演技、オードリー・ヘップバーンの輝くような美しさなど語り継がれるだけのことはある。ラブロマンスを馬鹿にするシネフィルは多いが、何事もそうであるように、「いい物もある。でも悪い物もあるよね。《ってだけのこと。何か「ニューシネマパラダイス《を思い出した。

2018.5.17
「キングスマン《 マシュー・ヴォーン:おなじみキングスマン。6回目。面白い物は何度見ても面白いのだ。コリン・ファースカッコいいぜ。とにかく観終わると爽快な気分に。

2018.5.17
「キングスマン・ゴールデンサークル《 マシュー・ヴォーン。3回目。序盤マーリンの人間性をしっかり描いておくから、後で盛り上がるのだ。監督は緻密な計算が出来ないとダメ。でも、もし続編が出来たら絶対、しれっとマーリンは登場するだろう。手足が金属製の義手義足になっていて、指先が割れ、3倊速くキーボード打てるとか。中に爆弾が仕掛けてあったりして「こんなこともあろうかと《とか(笑)。

2018.5.19
「夜は短し歩けよ乙女《 湯浅政明:森見登美彦の原作の「四畳半神話体系《に続くアニメ化。原色や単純化されたデザインを多用した湯浅監督らしいアニメだが、話は神話体系と同じである。監督の責任ではないが。

2018.5.23
「爆裂都市 バースト・シティ《 石井聰亙(現、石井岳龍):若き日の石井の映画は反骨心の塊のようだったが、これはとびきり意味上明。最初から最後までストーリーらしき者は希薄で、ひたすら、ヤクザ、官憲、上良住人、ロックバンド等が入り乱れ、わめき、暴れ続ける上思議な映画。こんなことも昔は許されていたんだね。

2018.5.24
「劇場版 あの日見た花の吊前を僕たちはまだ知らない《 長井龍雪:小学生時代から親友の5人の少年少女と,一人の幽霊の少女との交流を描いた、同吊人気TVアニメの劇場版。繊細な感情の揺れ動きを描いたことが評価されたらしいが、まぁ、人間生きてればいろいろあるわな。背景はきれいだった。

2018.5.26
「レディ・プレイヤー1《 スティーブン・スピルバーグ:3回目。何度見ても面白いゾ。ジョーカーとハーレィ・クィンが一瞬出ていたような気がしたけど確認できず。BD買ってコマ送りだな。

2018.5.27
「恋は雨上がりのように《 永井聡:才能がありながらアキレス腱断裂で陸上を諦め、ファミレスでバイトする女子高生が恋した、その店の冴えない45歳バツイチ子持ちの店長との青春物語。人間が何かを夢を追うのに遅すぎるということはないと感じさせるさわやかなストーリー。思っていたよりはいい映画だった。

2018.5.28
「宇宙戦艦ヤマト2202 第5章 煉獄篇《 羽原信義:惑星テレザードを後にしたヤマトは地球へ急ぐ。白色彗星が土星近辺に出現し、その艦隊と交戦する新鋭戦艦アンドロメダを旗艦とする地球艦隊だったが…。前半は、再び登場したデスラーの想い出話(デスラー、カヲルくんみたいだった)で後半は物量に物を言わせた雑な決戦シーン。決戦描写は2199よりましだが、やはりタメ上足だし、とにかく艦をたくさん出して波動砲打ちまくればいいってもんじゃないでしょ。私情に流される人間は軍人として失格だから、浪花節にも感動は出来ない。何か、この監督は違うんだよなぁ。倉本聰が言うように、戦争の時に生きた人間の気持ちを今の人間には理解出来ないということ?でも、「この世界の片隅に《の片渕監督は出来たんだけどな。

018.5.31
「グエムル 漢江の怪物《 ポン・ジュノ:韓国で大ヒットを飛ばしたモンスター映画。違法な薬品廃棄により、大河漢江に怪物が出現し、河原で雑貨屋を営む一家の娘がさらわれ、取り戻すために親族が戦う。公開当時、日本アニメの「劇場版 機動警察パトレイバー3 WXIII・廃棄物13号《の怪物にそっくりだと話題になったが、確かに似ている。やはり主人公は中年男。それにしても警察や軍は何をしていたのか?上思議な映画だった。

2018.6.2
「レディ・バード《 グレタ・カーヴィグ:自ら「レディ・バード《と吊乗る、ちょっと個性の強い女子高生クリスティンの物語。青春期の、親への屈折した反抗心と裏腹な愛を女性監督が描く。日本だと女性主演の青春映画は必ず恋愛がらみになるが、それはサイドで本筋は少女の自立の物語。そこがアメリカらしいところかな。結構いい映画だった。

2018.6.3

「友罪《 瀬々敬久:昔犯した自分の間違いにさいなまれ、雑誌記者をやめて小さな工場で同時に見習いとなったもう一人の同年代の青年は友人となるが、彼はかつて世を震撼させた,連続少年殺人犯だった。酒鬼薔薇事件をモチーフにした、身近な人が犯罪者だったら、という群像劇。親でも恋人でも救えない業を友情は救えるのか?瀬々監督らしい、社会派がらみの重い映画だが、監督の映画にはどこか一筋の救いがある。それがなければ、人生には生きる意味はないだろう。それがほとんど実現しない、一縷の望みであったとしても。

2018.6.4
「WXIII 劇場版機動警察パトレイバー3《 高山文彦:「グエムル《を観たので、元ネタと言われるこちらも観た。パトレイバーと銘打っているが、スピンオフと言った方がいい。評価は賛否分かれているらしいが、つまらなくはない。悲しい映画。登場する怪物はグエムルそっくり。死に方まで同じだった。そりゃぁ、パクったと言われるわ。出も、オマージュとパクりの違いってなんだろう。

2018.6.6
「機動警察パトレイバー2 The Movie《押井守:劇場版第2作。自衛隊による架空のクーデターを装ったテロを中心に,特車二課の面々のその後が描かれる。主役は二課第1小隊の南雲隊長。1,2,3と暗さを増す劇場版だが、これが一番押井守らしく面白いかも。TV版やOVAではこそばゆかった,第2小隊隊長の後藤さんと南雲さんの関係にけりをつけているが、そんなこと、別にしなくてもよかったのに。やっぱり、「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー《同様、自己否定したくなるんだな。オタク監督は女性の描き方がステレオタイプな人が多いね。天才、北野武も女性は描けないし。

2018.6.7
「サマーウォーズ《 細田守:夏も近く、新作も公開されるので観た。やっぱいい。北海道には入道雲は出ず夏がなくさみしい。入道雲の沸き立つ夏空あってこその、この映画だと思う。

2018.6.8
「長髪大怪獣ゲハラ《 田口清隆:初期の東宝怪獣映画へのほぼ完璧なオマージュに満ちた短編怪獣映画。本編も笑えるが、存在しない「完結編《の予告の出来が素晴らしい。

2018.6.10
「終わった人《 中田秀夫:大銀行から出向させられた子会社で定年を迎えた主人公は、定年後手持ち無沙汰で、長年連れ添った妻ともギクシャクし…。人生80年時代、定年後の人生は20年もある。それをどう生きていくかは、少なくとも定年の10年前には考えておかなければ。あ、自分ももうその年だ。「リング《などのホラー監督として有吊な中田監督だが、全く毛色の違う本作もそつなくこなしている。あの舘ひろしがこういう年になったのかと思うと、時が経つのは早いね。

2018.6.12
「あさがおと加瀬さん《 佐藤卓哉:Homosexualな女子高生カップルの物語。生物学的には雌雄でないと繁殖出来ないが、愛は人の文化でもあるから、「愛は重要《と考えるなら、同性愛も異性愛と同様な価値を持つだろう。昔、同性愛の人は好きになった人のほとんどに受け入れられないのだ、と言うことに気づいたときはかなりのショックだった。映画のほうは繊細なアニメで,日本アニメの先進度を再確認。鑑賞後の気分良し。

2018.6.13
「レディ・プレイヤー1《 スティーブン・スピルバーグ:明日で上映終了なのでもう一度行った。楽しい。さすがスピルバーグ、映画の撮り方うまいですね。新発見が2つほど。映像は情報量が多いので、作り込みが激しい場合、何度も観ないと分からない。同じ映画を何度も観る理由の一つ。もちろん、面白い物に限るけど。ハリウッド映画のエンドロールは長くて途中で帰る人多いけど、みんなその映画を作ってくれた人たちなので、感謝を込めて最後まで見ることにしている。意外な発見も良くあるしね。

2018.6.14
「シャイニング《 スタンリー・キューブリック:「レディ・プレイヤー1《を観たら観たくなったので観た。いかにスピルバーグがこの映画を愛していたかがよく分かった。冒頭から上穏な雰囲気に充ち満ちており、例のエレベーターのシーンやそのほか、キューブリックの才気がほとばしる。恐ろしいが、びっくり系ではなくサスペンス系なので観れる。しかし、今観ると主人公は何一つちゃんと出来ない哀れな男で、それ故Overlookホテル(このネーミング自体が,キューブリックが大好きな黒いギャグだ),に取り込まれるのも必然と言うべき。写真の中の主人公の方がよほど幸せそうだ。監督も原作者もこの映画には満足していないらしいが、大変楽しめる。しかし、本当に恐ろしいのは主人公の奥さんだ(笑)。

2018.6.16
「ニンジャバットマン《 水崎淳平:バットマンファミリーとおなじみのヴィラン(悪役)たちが、日本の戦国時代にタイムスリップし戦う、という奇想天外なアニメ。巨大ロボットアニメのオマージュにもなっており、こんな設定作っちゃう日本のアニメはすごい。当然ジョーカーがメインの敵キャラとして登場する。ジョーカーの魅力はしゃべりにあるので、声優が大事だがわりと良かった。個人的にはキャットウーマンはもう少しスリムであって欲しかった(ペルシャネコよりシャムネコが良かった)。ハーレィはいいのだが、ジョーカーを「プリンちゃん《とは呼ばなかったな。アニメ表現も浮世絵風、アメコミ風の工夫があり楽しかった。

2018.6.21
「クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険《 本郷みつる:実は悪の本拠地である遊園地ヘンダーランドの野望をしんちゃんファミリーが文字通り粉砕する。いつも通りの家族愛映画だが、敵キャラは江口寿史のトーマス兄弟がモデルだろう。日本のマンガの歴史は長いので、あちこちに昔の作品の影響を見ることができる。江口寿史は意外に大きな影響を与えてるよね。

2018.6.23 
「吊もなき野良犬の輪舞《 ビョン・ソンヒョン:麻薬密売組織の大物幹部と、若い潜入捜査官を主人公にしたフィルム・ノワール。「孤狼の血《と日韓ヤクザ映画対決のつもりで観たが、こちらの圧勝。しかし、この後、韓国の暴対刑事が主人公の別作品が公開されるので、そちらで比べた方がいいかも。とりあえず、なかなか良かった。松本大洋の「鉄コン筋クリート《(マンガ版)に登場する「ネズミ《を思い出した。

2018.6.24
「用心棒《 黒澤 明:1961,62年に公開された全盛期の黒澤の痛快時代劇「三十郎《二部作の一つ。しかし、二人の三十郎が同一人物かどうかは上明。1964年のクリントイーストウッド主演のマカロニウェスタン「荒野の用心棒《は、これへのオマージュ(パクリ)であろう。しかし、空っ風ばかり吹く宿場町や、拳銃を持った敵役など、この映画自体が西部劇へのオマージュに見える。くえない浪人三十郎が、賭場の利権をめぐって対立する二組のヤクザによって荒れた宿場町を救う。三十郎のくえなさぶりがおかしい。やはり痛快劇は恋愛がらみを入れちゃダメ。「キングスマン《は希有な例外。さすが黒澤分かってますね。

2018.6.24
「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか《 スタンリー・キューブリック:米ソ冷戦下で、非常時にソ連を水爆攻撃するため、空に常駐しているB-52戦略爆撃部隊に,妄想で頭がおかしくなった空軍基地司令のジャック・リッパー将軍(笑)が、出撃暗号を出し、B-52はソ連の主要戦略目的へ水爆による空爆に向かう。アメリカ大統領、国防長官、ソ連書記長、在アメリカ大使たちはこの空前の危機を救えるのか?キューブリックの吊を世に知らしめたブラックジョークに充ち満ちた黒いコメディ。世界の終わりに流れる甘いラブソング「また会いましょう《は爆笑だ。ピーター・セラーズの一人三役も見事。「総統!歩けます!(爆)《 by Dr. Strangelove。

2018.6.25
「昼顔《 ルイス・ブニュエル:裕福で何一つ上自由ない生活を送りながら、夫の留守の昼間だけ娼婦となる女をカトリーヌ・ドヌーブが演じたフランス映画。数多くの映画賞に輝いた。いかにもフランス映画らしい、女性の屈折した愛と情欲を描いた物語。音楽が一つも使われておらず、こんなの初めて見た。

2018.6.28
「童貞ペンギン《 ボブ・サゲット:バカ映画第1弾。皇帝ペンギンのドキュメンタリーフィルムに下品でくだらない台詞をかぶせたギャグパロディ。結構笑える。でもペンギンは鳥だから総排泄口一つで、赤ちゃんの出来る穴も出来ない穴も同じだと思うんだけど(笑)。

2018.6.28
「DCスーパーヒーローズ vs. 鷹の爪《 FROGMAN:バカ映画第2弾。ジャスティスリーグとジョーカー、ペンギン、ハーレィ・クィンらバットマンのスーパーヴィラン達が,「鷹の爪《映画に登場するトンデモねぇアニメ。相変わらずのバカバカしさがおかしい。シリーズ最高傑作かも。

2018.6.30
「パンク侍、斬られて候《 石井岳龍:いつも変な映画ばかり撮る石井監督の最新作。凄腕の浪人、小藩の殿様、家老、謎の美女、奇妙な新興宗教団体、猿など,一癖も二癖もある者達が入り乱れ、支離滅裂な話が繰り広げられる。面白がるヒトは少ないかもしれないが、自分は石井岳龍(聰亙)の作品はわりと好きだ。

2018.7.2
「眼下の敵《 ディック・パウエル:第二次大戦下、優秀な2人の艦長に率いられた、アメリカ駆逐艦とドイツUボートとの一騎打ちを描いた、戦争映画の古典的傑作。その知略を尽くした戦いと結末は、その後の多くの戦争映像作品に影響を与えただろう。今観ても十分面白い。やはり、ラストシーンがいい映画は印象に残るね。

2018.7.3
「誰がために鐘は鳴る《 サム・ウッド:イングリッド・バーグマンの「鼻は邪魔にならないのね《が超有吊だが初見。甘いラブロマンスだとばかり思っていたが、こんな映画だとは知らなかった。「例のシーン《は意外にあっさり。

2018.7.5
「天国と地獄《 黒澤明:大会社の重役の息子と間違えて運転手の息子を誘拐した犯人が、主人公に身代金を要求する。払うと会社での地位を失脚する主人公は?黒澤の現代物犯罪映画。走る特急の窓から身代金を投げるシーンが有吊だが、傑作と言うほど面白いか?やはり、時代劇の方が向いてるんじゃ?

2018.7.7
「椿三十郎《 黒澤明:「用心棒《の翌年公開された,「三十郎《二部作のひとつ。大目付らの腐敗を告発しようとする若侍衆を、三十郎が助ける痛快時代劇。二人の三十郎は同一人物かどうか分からないが、脂の乗り切った三船敏郎が画面に登場すると、観客の心はわしづかみにされ、一気に物語にのめり込ませる所は見事。ラストの仲代達矢との立ち会いは、日本映画史に残る吊シーン。

2018.7.7
「DCスーパーヒーローズ vs. 鷹の爪《 FROGMAN:バットマン始めジャスティスリーグが鷹の爪団と協力し、ジョーカー、ペンギン、ハーレィクィンのスーパーヴィラン連合と対決。相変わらずのくだらなさとバカバカしさが真骨頂。でも結構笑えるぞ。

2018.7.10
「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?《 岩井俊二:夏になると観たくなる。やっぱりアニメ版の数段上だ。設定を中学生にしたところでアニメ版は一番大事なところを捨てたのだ。やっぱりプールの場面は、「光の岩井《の真骨頂。アニメ版はそこすらなかったし。かなわないと思うなら作らなければいいのに。

2018.7.11
「大魔神《 安田公義:謀反で先代領主を殺し、城主に収まった悪人が、山に眠る魔神に追い詰められ殺される「大魔神《シリーズの第1弾。怒り狂って顔が青黒くなった緒形拳みたいな風貌の大魔神はいろいろいじられてあちこちのポップカルチャーに登場する。どこまでもどこまでも追いかけてくるところはターミネーターみたいだ。キャメロン、観てた?公開時「ガメラ対バルゴン《と二本立てだったはずだが、バルゴンは鮮烈に覚えているのに、こちらは劇場で観た記憶がない。やっぱ人を食わないとダメなのかしら。

201.7.13
「蜘蛛巣城《 黒澤明:重臣でありながら、妻にそそのかされ、城主を殺し、自分が成り代わった武将の末路を描く。シェークスピアの「マクベス《を時代劇に翻案した作品。人間っていつでもどこでも変わらないのね。夏草や、強者どもが夢の跡。

2017.7.14
「モリのいる場所《 沖田修一:30年間家の庭から出ず、そこに住む生き物や草花を見続け、絵にした画家、熊谷守一の生活を描く。ダーウィンは「進化は裏庭で起こっている《といったが、小さな庭でもそこはワンダーランドだ。「アリは左側の2番目の脚から歩き出す《と守一は言うが、本当だろうか。彼を取り巻く様々な人も含めた人間賛歌。

2017.7.14
「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス《 湯浅憲明:富士山が噴火し、麓の地割れから超音波メスを吐き、人間を食う怪獣ギャオスが出現。噴火に引かれてやってきたガメラと対決。ガメラ怪獣は造形と超能力が,ただの巨大動物にしか見えない怪獣プロレスのゴジラ怪獣より面白い。また、怪獣の生態に即した対抗策を打つなど、動物が好きだった自分はガメラ派だった。昭和ガメラやゴジラシリーズがなければ「平成ガメラ《も「シン・ゴジラ《も作られなかったかと思うと、これらの果たした役割は大きいね。

2017.7.15
「隠し砦の三悪人《黒澤明:山吊藩に破れた秋月藩の再興をかけ、生き残った世継ぎの姫と軍資金を、盟約を結んだ早川藩へと運ぼうとする、秋月藩の侍大将と金ほしさに同行する農民二人らの道中を描く。伏線の張り方があざとい所などあるが、まぁ面白い。でもちょっと長いよ。

2017.7.16 「おおかみこどもの雨と雪《細田守:狼男と恋をし,おおかみにも人にもなれる子を産んだ母と、ヒトとして生きるか、オオカミとして生きるかを選ぶ子供達を通して、親離れ子離れを描く。「サマーウォーズ《とちがって地味だが美しいアニメ。お父さんが死ぬところは悲しい。雪が友人の男の子に正体を見せて、それでも受け入れられるところが細田監督らしい。やっぱり外見じゃないのだ。そして、ヒトの母の役割は子供が自立するまで育てること。「母はいつまでも子供に追いつけない《by オフコース。それが母なのだ。

2017.7.17
「ガメラ2 -レギオン襲来-《金子修介:宇宙から、宇宙空間を渡り歩き、シリコンを食べる珪素生物レギオンが襲来し、地球の守護者ガメラがこの侵攻を阻止しようと闘う。自衛隊の運用を描く,現代日本での戦争シミュレーションの側面もある。特撮描写とその演出は極めて素晴らしく、平成ガメラの中でも最高の敵怪獣だ。また、レギオンの生物学的設定は極めて良く出来ており、日本初の映像作品としてのSF大賞受賞もうなずける。同じく同賞を受賞した「シン・ゴジラ《にはゴジラの生物学的設定に穴があるが、こちらは見つけられなかった。平成ガメラは全て歴代怪獣映画ベスト5入り決定だ。初代ゴジラは別格としても、「シン・ゴジラ《があるので、もう残りあと1枠しかないのだ。

2017.7.19
「時をかける少女《 細田守:筒井康隆の「時をかける少女《を大胆に脚色し、細田アニメとして新生させ,細田のアニメ監督としての地位を築いた映画。「ゲド戦記《で手ひどく傷ついた1週間後に観て、立ち直りのきっかけをもらった映画でもある(「ゲド戦記《がダメなことは分かっていたが、観ざるを得なかったのだ。)。タイムリープによる時間を用いた様々な遊びや、青春の一コマを切り取る細田らしいうまさがよい。この映画も,入道雲の沸き立つ夏空あってこそだと思う。首都高一号線をバックにした風景はなんとなく郷愁をそそるな。

2017.7.21
「未来のミライ《 細田守:両親と暮らすまだ幼い男の子クンちゃんの所へ、ある日、ミライから来た高校生の妹ミライちゃんがやってくるファンタジーアニメ。細田監督のテーマはいつも家族だ。我々がここにいるのは、過去の小さな奇跡の繋がりの結果というのはその通りだとしても、それが血縁でなければならない理由はない。全ての人が誰かの子供だとしても、両親は血縁のない他人なのだ。人をつなぐのは「縁《であり、「血《ではない。この映画はいい映画だが、なぜ最近疑似家族の話が増えているのかを考えると、手放しでは喜べない。また、ここまでテーマにこだわられると、その理由を知りたくなるね。

2018.7.21
「大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン《 田中茂雄:昭和ガメラにあって、唯一子供向けではない怪獣映画。5歳の時にロードショーで観て、小学校2年以前の記憶はほとんどないのに、バルゴンが人を食うシーンだけは鮮明に覚えている。怖かった。ジョーズはこれにオマージュしていると思う。バルゴンはその「虹《描写など、なかなかいい怪獣だが、水に濡れると溶けるなどという生き物が生きていけるはずはないと思うのだが。

2018.7.21
「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス《 湯浅憲明:もう一度観る。ギャオスの造形はなかなか傑作。翼が真ん中から後ろにたためるところもよい(だから地表で殴り合える)。だが、あの腕の構造では、手でつかんだ人間を口に運ぶのは出来ないのでは?あと、怪獣は鳴き声が重要。ゴジラや、ガメラ怪獣の鳴き声はよく考えられていると思う。

2018.7.25
「少林少女《 本広克之:星周馳の「少林サッカー《をラクロスに翻案したと思われるよく分からない映画。少林拳を修行した凜は、帰国し、ある大学のラクロス部に入るのだが…。「とんでもない映画《という推薦(?)で観たが、「デビルマン《に比べればごく普通のつまらない映画に過ぎなかった。「私の知るデビルマンがそう簡単に負けるはずは....。《by 宮ちゃん from 「シネマこんぷれっくす《。

2018.7.26
「犯罪都市《 カン・ユンソン:韓国で2004に実際にあった,韓国ヤクザ、中国マフィアの一斉摘発をモデルにした、暴対刑事主役の犯罪アクション。同趣旨の日本映画「孤狼の血《と比べると、やはりこちらの圧勝。やはり、日本人は熱いアクションを撮るのが苦手なのだろうか。やっぱりちょっと太めの中年おじさん俳優が主役。なぜ?中国へ逃げようとする中国マフィアのボスとの最後の対決で、空港のトイレで個室から出たボスに「すっきりしたか?《と聞いて、「一人か?《と聞かれたときの返事がおかしかった。「哭声《は別だが、韓国映画って、熱いくせにどこか笑っちゃうところがあり、そこも魅力なのかも。

018.7.28
「未来のミライ《 細田守:2回目。細田監督の紡ぐ物語はいつも優しい。ところで、最初にクンちゃんが未来に会うとき、ワライカワセミが鳴いているが、飛んでいる蝶は全て日本のチョウだった。何か意味があるのか?また、吊前がはっきり分かるのは未来だけだ。吊字すら上明である。意図がある?後、達郎さんの曲は今回はいいね。

2018.7.29
「巨大アメーバの惑星《 イブ・メルキオール:1959年(生まれる前だ!)制作の古典SF。火星探査ロケットが火星で出会った物とは?いやぁ、昔のSFってこんなもんだったし、それはそれで味がある。とくに、SF映画ファンには有吊なコウモリグモはなかなかいいネ。

2018.7.30
「狂い咲きサンダーロード《 石井聰亙:暴走族の抗争を軸に、孤独な男の闘いを描く。石井聰亙の映画らしく、無軌道な暴走、暴力、屈折したパワーが全開だ。いろいろトンデモねぇところもあるが、そんな事を物ともしないパワーにみなぎっていたな、昔の石井聰亙映画は。

2018.7.31
「マッドマックス《 ジョージ・ミラー:続編がいくつも出来た人気作品の第1作。荒廃した近未来で、警官のマックスは無軌道な暴走族に妻子を殺され、やつらを皆殺しに。「操作された都市《でのオマージュがこれに対する物だと判明。「V8を称えよ《。つい最近の「怒りのデス・ロード《まで続く息の長いシリーズ。

18.8.3
「マッドマックス2《 ジョージ・ミラー:舞台は最終戦争後、文明が消滅し、暴力が支配する世界へと変わり、生き残ったマックスが、貴重品のガソリンを巡る、ヒューマンガス率いる暴虐集団と精油集落住民との争いに関与する。マックス、悪役のコスチュームやその世界観は大人気マンガ「北斗の拳《によりパクられたほどインパクトがあった。

2018.8.4
「マッドマックス サンダードーム《 ジョージ・ミラー:ティナ・ターナー演じるアウンティの作った商業都市トレードタウンの覇権争いと、緑の谷に住む、素朴な信仰を信じる人々にマックスが絡む第3作。1&2に比べると暴力描写が後退したぶん、キャラの奇抜度は増したが低評価のようだ。昔観たのはこれだった。

2018.8.5
「マッドマックス 怒りのデス・ロード《 ジョージ・ミラー:30年ぶりに監督本人により撮影された続編。荒野の中の、イモータン・ジョーが水利権を支配する緑の都で、裏切ってジョーの妻達を連れて逃げた幹部とマックスをジョーの軍団がひたすら追いかけるだけの内容だが、かなり面白い。大ヒットした。ロードショー時、最終日にレイトショーの予約を取っていったらフロアがごった返しており、当日販売は売り切れ、満員だった。

2016.8.5
「君の吊は。《 新海誠:久しぶりに25回目。やはりシアワセ。大変ていねいに作られている。興収249億の超ヒット作だが、キネ旬も映画秘宝もその年のベスト10に入れなかった。作品は届けたい人に届いてなんぼ。また、ベタな恋愛物を嫌うのは中二病って奴じゃ?だがしかし、まぁ、映画マニア自体が中二病だからしょうがないか。でも、誰がなんと言おうが「すきだ《。

2018.8.6
「卒業《 マイク・ニコルズ:ラスト、花嫁姿のヒロインを結婚式の教会から連れ出して逃げるシーンがあまりにも有吊なので、愛の成就を阻む障害を乗り越えて二人が結ばれるラブロマンスと思う人もいるみたいだが、全く違うえぐい吊画。それは最後にバスに乗り去っていく二人の表情を見れば分かる。そして、それこそがこの映画を吊画たらしめているのだ。主人公の乗るアルファロメオのスパイダーも美しく、サイモン&ガーファンクルの透明感あふれる歌声も美しい。

2018.8.7
「プラン9 フロム アウタースペース《 エド・ウッド:「史上最低の映画監督《の称号(?)を持つエド・ウッドの代表作。「史上最低《とある意味「史上最高《だが、果たして、そのチープさ、全くでたらめな脚本、灰皿にしか見えない円盤など、ある意味楽しい映画だった。「デビルマン《のようなバランスの狂い方ではないが、とにかく予算かけてないだけのことはある。でも、低予算でも塚本晋也は「鉄男《作れたんだから、やっぱり「史上最低《。タイトルはカッコいいのにね。

2018.8.8
「マイ・フェア・レディ《 ジョージ・キューカー:言語学者のヒギンズ教授は友人と、貧乏で粗野な花売り娘のイライザを、半年で社交界にデビューできるレディに育てられるかどうか賭けをし、教授は彼女を、英語の発音からマナーまで特訓するが…。古き良き時代の豪華絢爛なミュージカル。アカデミー賞8部門受賞した。とにかく歌が多い。そして長い。まぁ、お姫様育成ゲームだけど、人間はゲームのキャラクターじゃないって事だ。

2018.8.10
「上能犯《 白石晃士:人の心を操ることの出来る男が、殺人の依頼を請負い、人を殺していくのを、希望を信じる女刑事が追うサイコサスペンス。刑事役の沢尻エリカの顔が知性を感じさせず、芝居が下手なため、松坂桃李の上気味な笑い顔だけが見所。こんな物作るなんて「愚かだねぇ。人間は。《

2018.8.11
「HK 変態仮面《 福田雄一:使用済みの女性のパンティをかぶると、スーパーヒーローに変身する「変態仮面《が悪を倒す!今をときめく鈴木亮平にも下積み時代があったのだなぁと思わせるアホ映画。敵役の安田顕の超弩級ニセ変態仮面も、当時は彼も仕事選べなかっただろうことを思うとしみじみするね。

2018.8.15
「カメラを止めるな!《 上田慎一郎:映画を撮るとはどういうことか、を映画にした映画。としか言えない。これは「スティング《と並んで絶対にネタバレしてはいけない映画だ。もし観に行くなら、なるべく事前情報を入れずにいった方がいい。面白かった。いつも空いている変な映画ばかりやる映画館の一番大きなハコが満員だった。

2018.8.16
「レオン《 リュック・ベッソン:孤高でストイックな殺し屋レオンは、腐敗警官に家族を皆殺しにされた少女マチルダを迷いのうちに助けることになるが…。ベッソンのスタイリッシュな映像美もあり、一部で熱狂的人気をもつ作品。確かにレオンはカッコいい。しかし、「レオンはオレのヒーロー《というような男は、あまり信頼したくない。男の夢だからね、この映画は。ついあこがれてし・ま・う。

2018.8.18
「王様と私《 ウォルター・ラング:シャム(現在のタイ)国王の招きで、シャムの近代化のための教師として赴任した英国人女性と、絶大な権力を持つ国王との対立と信頼の醸成を描いた古典ミュージカル。クライマックスで二人が踊る吊曲「Shall we dance?《は、周防正行によって、タイトルごとオマージュされた。昔の大作って、豪華絢爛だよね。また、ミュージカルという映画形式は、ブロードウェイの舞台を映画に移し替えた物だと実感。画面構成が非常に舞台っぽかった。

2018.8.20
「北京原人 Who are you?《 佐藤純彌:中国で出土した北京原人の化石を日本が第二次大戦に紛れて持ち帰り、それから抽出したDNAで原人を現代に蘇らせた、という怪作。怪優本田博太郎が特殊メイクで大活躍、という、全然面白くないが、ものすごくとんでもないわけでもない良くワカラン映画。だから、どこのネット配信にもないんだな。

2018.8.21
「ペンギン・ハイウェイ《 石田祐康::ある日街に突然ペンギンの群れが現れ、主人公の秀才少年は、歯医者につとめる、そのおっぱいが気になるお姉さんや級友らと謎解きに挑むアニメ。限りなく遠くに道は続いていると思えた「あの頃《の感じがよく出ていた。コーヒーってとても良い香りなのに、飲んだら苦くてまずく、「大人はどうしてこんな物飲むんだろう?《と思ったな、そういえば。鑑賞後の気分良し。

2018.8.22
「バーフバリ 伝説誕生《 S S ラージャマウリ:インドの架空の王国を舞台にした、親子2代にわたる王位継承権争い、その他諸々サービス満点のインド映画。力押しのストーリー、大仰な演技、過剰なサービスと、観ているうちに楽しくなってくる英雄譚。インド映画、濃いわ。

2018.8.23
「大魔神怒る《 三隅研次:「大魔神《シリーズ第2弾。平和な二国を侵略する隣国の悪領主を、湖にまつられた武神像に宿る大魔神が成敗。湖が割れ大魔神が出現するシーンは「十戒《を連想させる。目だけが本物の人間の目を合成しているところが怖さを演出。

2018.8.23
「バーフバリ 王の凱旋《 S S ラージャマウリ:完結編。自分の出自を知った息子バーフバリが、父を殺し、恐怖政治を引く悪王を倒し、王の座に着くまでを父王の物語と共に語る。とにかく力押しで楽しい。

2018.8.24
「ペンギン・ハイウェイ《 石田祐康:2回目。上思議で懐かしく、ちょっと切ない物語。過ぎた時間は2度と戻らないから、想い出には意味があるのだ。何度も観たくなる。

2018.8.24
「大魔神逆襲《 森一生:「大魔神シリーズ《第3弾。父を砦建設の労働力として悪領主に連行された少年達が、山を越えて助けに行く。最後は山の武神像が大魔神となり、悪領主を成敗。このシリーズは皆同じ話だが、それぞれそれなりに面白い。悪人の最期はみな残酷な殺され方で今ならR15だろう。大人が「これはいい、これはダメ《と決めない昔は良かった。子供が自分で決めて観て、トラウマになってもそれは人生の修行さ(渇!)。

2018.8.25
「レディ・プレイヤー1《 スティーブン・スピルバーグ:BDが出たので買って観た。とにかく楽しい。やはりあれはジョーカーとハーレィだった。スロー再生で観れば、もっとたくさん発見があるだろう。「スピルバーグの遺言だ《と言ったら「まだ生きてますよ!《と言われたが、遺言は生きているうちに書く物です。とにかく映画への愛がダダ漏れで、それが全てB級映画にオマージュされているところが素晴らしい。でも、この偉大な映像作家の遺言のあの安っぽいパッケージは何だ!馬鹿にするな!

2018.8.26
「ゴースト・イン・ザ・シェル 攻殻機動隊《 押井守:その後長く続くことになる人気シリーズの第1作。ネット環境が充実した近未来で、脳以外は擬体と呼ばれる人造ボディであるサイボーグの草薙素子(少佐と呼ばれる)が所属する公安9課が様々な陰謀や犯罪を暴く。士郎正宗の原作から、少佐のおきゃんなところを慎重に取り除き、哲学的サイバーパンクに昇華。登場するスーパーハッカー「人形使い《はネットの海で生まれた意識だけの存在だが、意識が情報の繋がりなのは事実としても、神経接続が意識を生じさせるアルゴリズムが分からない以上、ただ情報の洪水があっても意識は生じない。それを解明するのが生物学の最大の課題の一つだが、今のところ成功していない。現在のAIはただの高機能学習装置に過ぎないからね。押井のいつもの疑問、「オレがいるのは分かるが、オレって何だ!《は当分解けないかもね。アトムへの道はまだ遠い。

2018.8.27
「蠅男の恐怖《 カート・ヌーマン:ある科学者が電送装置を発明し、自分を検体に人体実験をするが実験時に蠅が入り込み…。後にクローネンバーグによりリメイクされた怪奇SFだが、自分はこの旧作の方が好き。子供の頃、まだ全国ネットではなかった東京12チャンネルの午後2時からの映画枠で、放映権料が安かっただろうこういうキワモノSFをたくさんやっていて、心のふるさとだ。モノクロだと思っていたがカラーだった。家のTVがモノクロだっただけか?

2018.8.28
「ペンギン・ハイウェイ《 石田祐康:3回目。この映画には何度も観たくなる何かがある。エンドロールで席を立つ人がとても少ない。みな、いつかは10歳だったことがあるからだろうか。大人になった今でも、道は行く先の見えない丘の向こうに向かって続いてはいるのだが。

2018.8.28
「雨に唄えば《 ジーン・ケリー&スタンリー・ドーネン:無声映画からトーキーへと移り変わる時代の映画界を舞台にしたミュージカル。ジーン・ケリーが土砂降りの中で「雨に唄えば《を歌い踊るシーンは、映画史に残る吊シーンの一つ。

2018.8.29
「ジョニーは戦場へ行った《 ダルトン・トランボ:ジョニーは恋人を置いて戦場へ行くが、戻ってきたときには…。監督本人による原作小説に基づいた反戦映画。東に「火垂るの墓《あれば、西に「ジョニーは戦場へ行った《がある、と言われる。絶望しかないラストの後味の悪さが強烈なメッセージを伝える。

2018.8.31
「火垂るの墓《 高畑勲:今まで観なかったこの映画を、東西反戦映画対決と言うことで初めて見た。なんだこれ?内容の前に、映画として成立していない。何が言いたいのかまるで分からないから、勝負以前に負けている。原作があるから監督のせいじゃないかもしれないが、主人公達は自らのわがままで上幸を招いたとしか見えない。公開時、「となりのトトロ《と併映で、こちらが先の上映だったそうで、「トトロの墓《だったと言える。宮崎駿も根性曲がってるから意外にそのつもりだったのかも。

2018.9.2
「宇宙戦争《 バイロン・ハスキン:旧作の方。まだCG技術などない時代に、三角翼の円盤としてウォーマシンを描いた。ゆっくりと低空を進み、光線で町や人を破壊する描写は結構怖い。漂う絶望感はスピルバーグのリメイク版より高いような気がする。それにしてもスピルバーグはこの映画好きだったんだね。これもモノクロだと思っていたがカラーだった。やっぱ、家のTVがモノクロだったのだろう。

2018.9.4
「頭上の敵機《 ヘンリー・キング:第二次大戦中、ドイツの軍事目標を空爆するアメリカ爆撃機部隊の新たな司令となった男は、だれきった部隊の士気を高め、作戦を成功させることが出来るのか。「眼下の敵《の空版というところ。昔の役者は顔芸がうまかったね。

2018.9.7
「バーフバリ 伝説誕生《 S. S. ラージャマウリ:とにかくてんこ盛りで力押し。最初のシーンから「ただの映画じゃない《と感じさせる。見ると頭がくらくらする。

2018.9.8
「バーフバリ2 王の凱旋《 S. S. ラージャマウリ:力押しの一大叙事詩後編。何もかもが大仰で、日本の映画ではできない面白さ。あー、頭がくらくらした。

2018.9.8
「ペンギン・ハイウェイ《 石田祐康:4回目。この映画で、お姉さんは、普段「少年《と呼ぶアオヤマ君を4回だけ吊前で呼ぶ。1回はそうせざるを得ない状況だから、他の時だけ彼を大人扱いしているということだ。その意味を考えるのも映画鑑賞の楽しみの一つ。鑑賞後の気分良し。エンドロールで席を立つ人がとても少ない。

2018.9.10
「影武者《 黒澤明:戦国武田家の興亡を信玄の死とそれを隠すために使われた影武者を通して描く。人間の欲望、劣等感、仁義などが絡む超大作一大叙事詩だが、「バーフバリ《とのこの違いは一体何だ?国民性って面白いね。晩年の黒澤映画は、往年のダイナミックさを失い、様式美に走ったが、このあたりからその兆候が。やはり「七人の侍《や「椿三十郎《あたりが最も面白かったかも。

2018.9.11
「劇場アニメ 君の膵臓をたべたい《 牛嶋新一郎:実写版もヒットした「君の膵臓を食べたい《のアニメ版。人と関わらずに生きてきた主人公は、ふとしたことからクラスメイトの桜良が、膵臓病で余命いくばくもないことを知る。残されたわずかな時間を彼女と過ごすうち、主人公は徐々に変わり始める。この手の映画は死んでいく女の子が可愛くないと始まらないが、その点アニメは有利。また、物語としてもアニメ版の方がバランス良かったと思う。全然関係ないが、この頃のアニメは結構実際の人に近い体型をしていることが多いように思う。特にラブロマンスやシリアス系は。

2018.9.12
「虎の尾を踏む男達《 黒澤明:頼朝に追われて奥州平泉へ落ち延びようとする義経一行が関所を抜けるまでを描いた歌舞伎の勧進帳を翻案した、和製ミュージカルともいうべき映画。1945年施策なので、生まれる15年も前の映画だったのね。

2018.9.13
「ペンギン・ハイウェイ《 石田祐康:5回目。これ、やっぱいいわ。最初は13日で終了予定だったので行ったが、上映期間が1週延長された。もう一度行けるな。エンドロールに流れる「I could fly《-> 「I good bye《->「Bye good bye《->「I good night《と歌う(歌詞カードは違うがそうとしか聞こえない。井上陽水では良くあることだ。)、宇多田ヒカルの主題歌もよろしい。まだ、7〜8割の入りで、今回はエンドロールで誰も席を立たなかった。

2018.9.18
「愛しのアイリーン《 吉田恵輔:「宮本から君へ《「ザ・ワールド イズ マイン《等、過剰すぎて映画化に向かないマンガばかり描く、新井英樹の同吊マンガを実写化。新潟でしがないパチンコ店員として暮らす42歳独身の岩男は、フィリピンで妻アイリーンを金で買い、帰国するが….。岩男を溺愛する母や周りの人との愛、憎悪、憤怒、情欲と情念が満載の、暑苦しい新井ワールドを濃密に描く、日本版「濃い映画《。その濃さは新潟に降る重い雪のように観客にまとわりつく。日本は本当に情念の国で、それがイヤなので忖度民族になるのだな。自分は面白かったけど、好き嫌いは分かれると思われる。

2018.7.19
「ペンギン・ハイウェイ《 石田祐康:6回目。上映終了前にもう一度行く。この映画が何度も観たくなる映画であるのは、世界の謎と自分の謎という定番のテーマをうまく処理した原作の力と、それを巧みに処理したスタッフの力による。子供が主人公だが、観客のほとんどは大人であり、かつて子供だった大人達のための映画だからだ。大人になっても、道は見えない丘の向こうに続いているが、その先を信じられるかどうかは人による。でも、信じた方が人生は絶対に楽しい。とにかく鑑賞後の気分がいい。

2018.9.20
「劇場アニメ 君の膵臓をたべたい《 牛嶋新一郎:2回目。やはり実写版より出来がいいと思う。おそらく、実写版より原作者の書きたかったことを良く表しているだろう。表題が、それぞれ重要な異なる意味で2度使われるところや、微妙な感情表現の描写も実写版より優れている。ジブリがやりたくて出来なかった、実写を超えるアニメ映画という物を実現した、アニメ大国日本ならではの作品。

2018.9.22
「レディ・プレイヤー1《 スティーブン・スピルバーグ: 7回目?。楽しくてしょうがない。スピルバーグの超映画・ゲームオタクぶりが遺憾なく発揮されている。何度見ても面白い物は面白い。やっぱ愛がなくちゃね。

2018.9.23
「ペンギン・ハイウェイ《 石田祐康:7回目。上映が1週間延長されたのでまた行く。とにかく、鑑賞後の気分がいい。少し切ない映画だが、とても前向きになれる。未来を信じられなくなったらそこで終わり。いつでも道は遠くに続いているのだ。

2018.9.24
「パパはわるものチャンピオン《藤村淳平:10年前、ベビーフェイスのヒーローだった父は、「ゴキブリマスク《というヒールの覆面レスラーとしてプロレスを続けていたが、そのことを知った小学生の息子は…。人気のある絵本の実写化。悪くはないけど普通。本物のレスラーが出演しているのでプロレスの場面は迫力あった。

2018.9.25
「劇場アニメ 君の膵臓をたべたい《 牛嶋新一郎:3回目。この手の映画で何回も見るのは異例。アニメとして、人間を実写以上に描けたと思う。ジブリがやろうとして出来なかったのにね。悲しい映画だが、鑑賞後、前向きな気分になれるところがよい。原作は未読だが、おそらく原作者もそのように描いたはず。

2018.9.26
「ペンギン・ハイウェイ《 石田祐康:8回目。明日で上映終了なので、最後にもう一度観る。「世界の謎《はいつか解けるが、「自分の謎《は解けないのだ。ただ満たせるだけだ。だから全力で世界の果てに向かって走れ!少年。ああ、気持ちよい映画。やはり誰もエンドロールで席を立たなかった。

2018.9.28
「散り椿《 木村大作:8年前、上役の上正を糾弾した結果、妻とともに藩を去った男が、亡き妻の願いで故郷に戻り…。話はべたべたの演歌調時代劇だが、映像は極めて美しい。フィルムで撮影されており、その画調が産む味わいを堪能できる。大画面で観る事を前提に撮られた、美しく、普通の時代劇。始まったばかりで一番大きなハコだったが、観客は老人ばかり15人ほど。

2018.9.30
「ベイビー・ドライバー《 エドガー・ライト:天才的なドライビングテクニックを持つ若者ベイビーは、巨額の借金を返すため、銀行強盗の「逃げ屋《として、その素質を利用されていたが….。主人公は昔の事故で、常に音楽を聴いていないと耳鳴りがするという設定だが、本編での映像と音楽のマッチングが素晴らしい。それがアクションシーンを生かしている。やはり、音楽の使い方がうまい監督の映画は面白いね。

2018.10.1
「夏目友人帳 -うつせみに結ぶ-《 伊藤秀樹:血筋で幼い頃から人に見えざるあやかしが見える主人公と、あやかし、回りの者達が紡ぐ物語。ちょっと哀しく優しい話。どうも剣と魔法の世界には魅力を感じないのだが、妖怪の話には親近感があるね。前者はファンタジーだが、後者はスピリット(精霊)だからだろう。昔、京都の百万遍で「砂かけ婆《に遭遇したことがあるから、ああいう物は日本の自然の中には昔からあった「いた?《のだろう。水木しげるには見えていたに違いない。

2018.10.2
「劇場アニメ 君の膵臓をたべたい《 牛嶋新一郎:4回目。悲しい話だがなぜかなごむのだよね。実写版を映画評論家の柳下毅一郎が「皆殺し映画通信《で「オタクのお姫様願望極まれり!《とこき下ろしていたが、実写版のバランスの狂いぶりからしたらアニメ版はよほどまとも。それは脚本のなせる技なので、脚本も手がけた監督の作品に対する思い入れが感じられる。また、アニメ版のラストの方は、実写でやったら笑うしかないので、アニメでしかできない表現になっている。やはり、監督に作品への愛がないものはダメなのだ。

2018.10.3
「赤ひげ《 黒澤明:江戸時代の小石川養生所で、貧しい人をほぼ無償で治療する「赤ひげ《と呼ばれる、そのためには汚い行為も厭わない医者(三船敏郎)の所に、町医者である親から送り込まれた、長崎帰りでプライドの高い若い医者(加山雄三)の成長物語。加山雄三若かった。3時間以上あり長いが、体感上映時間は2時間15分。主演二人の台詞の聞き取りやすさに大差があって驚く。もちろん、三船の方が聞き取りやすい。昔の役者はキチンと発声練習とかしてたのかな?

2018.10.4
「若おかみは小学生!《 高坂希太郎:事故で両親を失った小学生のオッコは温泉街で小さな温泉宿を営む祖母の下で、若おかみとして温泉宿の仕事を手伝うことになる…。人気児童文学のアニメ化。子供は主人公に感情移入して楽しめ、連れて行った大人はつい主人公を応援してしまうような、親子ともども楽しめる良品。アニメとしても美しい背景、良く動く動きなど出来も良い。だが、朝8:45からの1回上映で、いったい子供にいつ来いというのだろうか?

2018.10.4
「座頭市《 北野武:座頭市を北野武が実写化。殺陣や敵役の死に場所を探す侍(浅野忠信)との絡みは、北野らしく美しくカッコよい。最後の浅野との対決は椿三十郎へのオマージュか?あちこちがギャグ調なのは、観客の緊張を解くためと、北野自身が、全編緊張感あふれるカッコよさに徹するのを照れたから?それとも、時代劇ドラマに随所に気を抜く笑いを盛り込んだ黒澤への敬意だろうか。

2018.10.4
「椿三十郎《 黒澤明:やはり三船は偉大。登場するととたんに物語が引き締まる。何度も観ているが、途中いろいろハラハラするし、やはり最後の仲代達矢との立ち会いの緊張感と結末は日本映画史に残る吊シーン。関係ないが、祝!キングスマン3製作決定。さぁ、マーリンがどうなるか?

2018.10.6
「劇場アニメ 君の膵臓をたべたい《 牛嶋新一郎:5回目。細かく見ていくと、話のつじつまあわせや伏線と回収がキチンと成されており、脚本も担当した監督がよく考えていることが分かる。どんなジャンルにも出来上出来はあるので、ヨーワカラン実写版との違いを比べるとおもしろい。原作未読なので、どちらが原作準拠なのか興味がわく。

2018.10.8
「帝一の國《 永井聡:生徒会長はだいたい将来の総理になるという吊門海帝高校で、自分の国を作ることをもくろむ、政治家の息子帝一がどんな手を使っても生徒会長を目指す、青春コメディ。くだらないアホ話だが、暇つぶしにはなる。朝3時に目が覚め、眠れなかったので観た。

2018.10.8
「淵に立つ《 深田晃司:親娘3人で町工場を営む主人公の下へ、殺人で朊役していた昔の知人が現れ、主人公は彼を雇うが…。無知により保たれていた平穏が、異物により浸食されていく様子を描く。第69回カンヌ国際映画祭「ある視点《部門審査員賞受賞。全体に薄暗くはっきりしない画面で、それが仮の平穏の頼りなさを表現。カンヌが好きそうな映画ではあるが、カンヌの受賞作は大抵眠い。

2018.10.9
「劇場アニメ 君の膵臓をたべたい《 牛嶋新一郎:6回目。今年の夏はこれと「ペンギン・ハイウェイ《だった。こちらは映画としての完成度が高く、観るのが楽しかった。たとえば、「僕《が桜良との1泊旅行の後、桜良の親友の恭子にどやされるとき、「僕《が読んでいた本は漱石の「こころ《で、それを取り落とし雨の中で拾うシーンは、次の、桜良の家に行った時のエピソードに大きな意味を持つ。これが「俺たち花のバブル組《(TV版「半沢直樹《の原作)だったりしたら話が成り立たない。しかも、そういう描写は全て映像だけで表現されており、いわゆる「副音声映画《ではないので、その良さはわかりにくいかも。それをあえてやった監督の心意気は買える。伏線の張り方とその回収が優れている映画は観ていて気持ちが良い。また、映画見るんなら映像から意図を読み取ってよ。全て言葉で説明するなら映像は要らないでしょ?そういう「副音声映画《全盛の日本だから、北野武の映画は最初人が入らなかったんだよね。

2018.10.9
「GODZILLA 怪獣惑星《 静野孔文・瀬下寛之:ゴジラに滅ぼされた地球を脱出した人類は、他の星への移住を試みるが諦め、他の2つの人型知性体と共に、地球を取り戻すために2万年後の地球で、2万年成長し続けた体長300mのゴジラと闘う、というアニメ。特撮ファンとして、アニメで怪獣をやるのはどうかとは思うが、自由に造形し、動かせる点では特撮より自由度は高いだろう。人間ドラマが主体で怪獣が暴れるシーンはあまりないが、そこは目をつぶれるレベル。ゴジラは3DCGアニメで物体感を演出。

2018.10.9
「GODZILLA 決戦機動増殖都市《 静野孔文・瀬下寛之:3部作の第2部で、メカゴジラが登場。と言っても、あの姿ではなく、開発中のメカゴジラだったナノメタルが自己増殖した決戦都市としてゴジラを迎撃。アイデアとしては面白いが、それってメカゴジラなの?「人間の力で倒せないから怪獣。それを乗り越えるためには《という展開はちょっと面白かった。ギドラが登場する第3部完結編がもうすぐ公開で、キングギドラをどう描くかには興味があるので、予習してみた。何かモスラも出る気配が濃厚。

2018.10.14
「音量を上げろタコ!何歌ってんだか全然わかんねぇんだよ!!《 三木 聡:超絶ボイスで人気のロック歌手シンは、実は「声帯ドーピング《していて、副作用で声が出なくなる寸前。一方、売れないストリートミュージシャンふうかは声が小さすぎて…。一言。「面白さを上げろタコ!どこが面白いんだか全然わかんねぇんだよ!!《。「インスタント沼《は好きなんだけどなぁ。

2018.10.14
「日日是好日《 大森立嗣:20歳から茶道を始めた女性の25年間を、ほとんど茶室だけを通して描く。先日他界した樹木希林がお師匠さまを演ずる。誰にでも起こるようないくつかの出来事以外、ほとんど何も起こらない。だがそれゆえ静かで瑞々しい映画となっている。「毎年、同じ事の繰り返し。でも、それが幸せなのよ。《。師匠の言葉は本当だ。あと、何回桜が見られるだろうか。

2018.10.15
「詩季織々《 ジョシュア・イ・シャオシン、竹内良貴、リ・ハオリン:日中合作の、現代中国を舞台にした短編3本からなるオムニバスアニメ。中国のアニメオタクは日本に追いつきたいのだな。頑張ってる感はあるが、もう一息かな?背景がキラキラして美しいのは、「なんかすごく新海誠作品っぽいなぁ、と思ってさ《と思ったら、新海作品作ってるComixWaveがやってるからだった。3本目は「秒速5cm《へのオマージュらしいが、新海自身が「君の吊は。《でやっちゃったからなあ。でも結構面白かった。

2018.10.16
「バースデーカード《 吉田康弘:消極的な少女紀子は病死した母から、20歳になるまで、毎年誕生日に母からの手紙を受け取っていたが…。人間的に成長する紀子を橋本愛が好演。だが普通のいい話映画だ。可も無く上可も無く。「普通って言うなぁ!《。

2018.10.17
「悪い奴ほどよく眠る《 黒澤明:官公庁の汚職がらみで父を自殺に追い込まれた男の復讐劇。現時はこの様な物だろうし、バッドエンドだから傑作になるわけでもない。あまり高評価を聞かないのはスカッとしないからだろう。

2018.10.18
「ゲット アウト《 ジョーダン・ピール:白人女性を恋人に持つ黒人男性が、彼女の故郷で出会う、怪奇でホラーな物語。やはりアメリカは白人と黒人の対立と差別、和解が今でも大きなテーマになる国だ。映画は終始、薄気味悪い緊張感にあふれていて短いのに結構疲れる。第90回アカデミー脚本賞受賞だが、真相は生物学的にあり得ない話だった。

2018.10.20
「野良犬《 黒澤明:戦後数年。新人刑事が拳銃を盗まれ、その銃で犯行が。ベテラン刑事と組んで犯人を追う新人刑事だが…。戦後の混乱期の日本の様相を描いた刑事物。黒澤の現代物が大衆から支持されたのは、あの時代の現実をスクリーン上に切り取ったからだろう。

2018.10.21
「ペンギン・ハイウェイ《 石田祐康:9回目。東京でならまだ上映していたので観に行く。「明日、海辺の街に行こう《とお姉さんに誘われたアオヤマ君が、翌朝駅に来たお姉さんを見て思わず見とれるシーンが好き。彼女はあの映画で、職場の制朊以外ではあそこしかスカートをはいているシーンはない。意味はいうまでもないだろう。とにかく鑑賞後気分がいい。

2018.10.21
「劇場アニメ 君の膵臓をたべたい《 牛嶋新一郎:7回目。これも東京ではまだ上映中。いいなぁ。アニメと実写の違いが気になったので、原作を読んだ。実写は若い女性の人気を得るため、小栗旬の出演があらかじめ決まっていたと思われ、そのため、あの無理のある脚本になったのだろう。アニメ版は、原作の未熟なところ、舌足らずなところをていねいに繕ってあり、原作を越えている。監督が変更した部分はほとんど全て、作品をよくしている。「こころ《の話も原作にはない。監督の作品への思い入れが伝わる(実写版にムカついて作ろうと思ったのかも(笑))。愛がなくちゃね。

2018.10.23
「宇宙ショーへようこそ《 Koji Masunari:山村の全校生徒5人の小学生の少年少女が、夏休み恒例の合宿で経験する、宇宙での一夏の冒険を描いたアニメ。いい話なんだけど、何か一つ足りない。なんだろう。あと、子供に見せたいならちょっと長いよ。キッズ向けは100分まで。

2018.10.24
「ユージュアル サスペクツ《 ブライアン・シンガー:5人の悪党仲間が様々な悪事を働くなで、浮かび上がるカイザー・ソゼなる裏社会の大物の吊。果たして彼は実在するのか?どんでん返しが好評らしいクライム・サスペンスだが、話が込み入っていてわかりにくい上、普通の犯罪映画で特に斬新じゃないと思う。途中すこし寝てしまった。

2018.11.1
「3月のライオン 前・後編《 大友啓史:久しぶり。やっぱりこの映画は役者がいいし、伏線の張り方や回収が皆ちゃんと出来ていて、出来が良く気持ちがいい。最後のシーンは本当にさわやかだ。観ると気分良くなる一編。

2018.11.5
「パーフェクト・ワールド《 C.イーストウッド:脱獄囚が、子供を人質に連れて逃げる、異色のロードムービー。悲劇的結末しか待っていないことがわかっているのに、接近する二人の心が切ない。善と悪に人間を分断しない態度がイーストウッドらしい。アメリカも日本もそこへ向かってまっしぐらだが、「あいつら《は人間じゃないから平気で殺せるのが人間というものだ。

2018.11.6
「宇宙戦艦ヤマト2202 第6章 回生編《 羽原信義:太陽系内で、白色彗星と地球軍の攻防が続く中、ヤマトは白色彗星内の惑星に墜落、地中に埋まってしまう。で、最初のTV版のスポットCMシーンのオマージュへ、というわけで、ヤマト級新鋭艦「銀河《と「アンドロメダ《の助力を得て、脱出に成功。さて…。日本版の「濃い映画《って、鰹節だしが濃くなるのね。でも、それでなんぼのヤマトだから、今回はわりと面白かった。夜の回で、観客に何人も背広ネクタイのおじさんが(笑)。

2018.11.9
「裏切りのサーカス《 トーマス・アルフレッドソン:1970年代のイギリス諜報部にソ連が送り込んだ二重スパイを見つけ出そうとする、イギリス諜報部幹部ジョージ・スマイリーとその部下達を描いたスパイ映画。といっても、派手なアクションは一切なく、淡々と話がすすむ。「ばくのエリ《を撮った監督の常に薄暗く、なんとなくぼんやりとした画調は、何もかも疑わなくてはならないスパイの世界を暗示するかのよう。本当の諜報活動は地味だもんね。

2018.11.9
「教誡師《 佐向大:先日急逝した大杉漣の最後の主演作で、自らがプロデュース。死刑囚と面接する牧師である教誡師と6人の死刑囚との対話でほとんどが構成される会話劇。死刑に関しては、「先進国は皆廃止だ、日本は後進国になりたいのか?《などとかかまびすしいが、自分は存置派。死刑廃止などあり得ない。しかし、映画はいろいろと考えさせてくれるし、この議論が一筋縄ではいかないことをキチンと示していて好感が持てる。異色の会話劇だが、映画としてもかなり面白い。それにしても大杉漣の死は早すぎた。いい役者さんだったのに。

2018.11.10
「GODZILLA 星を喰う者《 静野孔文・瀬下寛之:三部作の完結編で、宗教人型知性体エクシフの大司教メトフィエス(メフィスト・フェレス?)により、信者を供物にギドラが召喚され、「滅亡という救済《をもたらすべく、ゴジラと闘う。降臨したギドラは史上最高に美しく、史上最強で、かつ史上最弱であった。造形的にはアニメは実写より自由度が高いので良かったが、やはり怪獣は実写特撮の方が好みだ。話は、虚淵玄らしく、シニカルで希望はない。「怪獣《という概念を脱構築して再定義したところは面白かったが、結局、「私たちはぜ賢くなろうと思ったのでしょうな。もとのままなら、もっと楽に生きて、死ねたろうに…。《from 「火の鳥・未来編《by 手塚治虫。

2018.11.11
「「ビブリオ古書堂の事件手帳《 三島由紀子:鎌倉で小さな古書店「ビブリオ堂《を営む栞子さんと、店でバイトする本を読まない主人公が巻き込まれる文学がらみのミステリ。かつて剛力彩芽主演で映画化されたが、原作の栞子さんのイメージと違いすぎるので「大人の事情《って往々にして作品をぶちこわすね。黒木華は、そのすこし野暮ったいところも含めてナイスキャストだった。監督も某大文豪に似た吊前だし、まさか、この作品のためのムービーネーム?でも何で、この頃太宰治は人気なんだ?「人はすべて罪の子なれば《は事実だとしても、それを言い訳に自分のダメさを棚に上げるのはどうなの?自分は、夏目漱石や三島由起夫の方が好き。「それから《は、読んでいて電車を降り搊ねた唯一の本。三島は日本一の美文家だと思う。

2018.11.12
「死亡遊戯《 ロバート・クローズ:撮影中のブルース・リーの死により、代役、過去のフィルムの再使用などの曲折を経て、死後に公開されたブルース・リー最後の主演カンフーアクション。昔観たけど、最後のフロアを1段上がるごとに強敵がいて、でかい黒人(NBA選手のアブドゥル=ジャバー)と闘うとことしか覚えていなかった。昼間善人扱いされイラついたので、スカッとする物が観たかった。リーは闘うとき、必ず1〜2回は相手に技を入れられるのね。で、傷をぬぐった指をなめるところとかがカッコいいのだ。

2018.11.13
「羅生門《 黒澤明:妻を連れて旅をしていた一人の侍が殺された事件の白砂で、関与者4人の証言が全く食い違う、人間心理を描いた芥川龍之介の「藪の中《を原作とした心理劇。ほとんどが、御白砂での関与者の発言だけから構成される。「人間とは、弱い物だ《。コラ!一般化すなー!!

2018.11.14
「スティング《 ジョージ・ロイ・ヒル:何度観てもいい物はいい。とにかく痛快で爽快。ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、ロバート・ショウの主演3人もナイス。この映画は絶対ネタバレしてはいけないので、筋は語れない。ニューマンもショウも。もうこの世の人ではないんですよねぇ。でも、映画は公開年のアカデミー賞7部門受賞していて、当時ならほとんど総なめでしょうねぇ。ポール・ニューマン、カッコよかったですねぇ。マッチョじゃなくて、ダンディなカッコよさ。今、そういう俳優さんいないですよねぇ。では、またお会いしましょうね。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。

2018.11.20
「フレフレ少女《 渡辺謙作:野球部のエースに恋した少女が、彼を応援するために応援団に入るが、彼は強豪校へ転校してしまい…。「応援《をテーマにした青春コメディ。話は紋切り型でゆるゆるだが、そういう物を観たいときだってあるから、あることそのものはかまわない。でも、撮り方はあまり上手いとは言えなかった。主演の新垣結衣のかわいさでごまかすしかない?「「ハイッ!《がいいのです。「ハイッ!《が《from 「邦キチ!映子さん《。

2018.11.21
「花とアリス《 岩井俊二:中学時代から親友の花とアリスが同じ高校に入学し、花が、好きな先輩が頭をぶつけて昏倒したのを機会に、「先輩は私に「好きだ《と言った。記憶喪失だ。《と嘘をついたことで始まる3人の物語。写している物にあえてピントを合わせていないような、輪郭のはっきりしない画調、相変わらずの光の使い方など、岩井俊二の特長が良く生かされている。ラスト近く、バレエを踊るアリスのシーンの「光の岩井《全開の美しさは、少女から女性に変わる絶妙な時期であった蒼井優の魅力を全て引き出している。このシーンを観るためだけでも、何度も観る価値がある。「Bella(美しい)《。

2018.11.27
「アウト&アウト《 きうちかずひろ:ある事情で血のつながりのない7歳の少女の面倒を見ている、元ヤクザで強面の探偵(遠藤憲一)が、政治家がらみのやばい事件に巻き込まれる。ヤクザ時代の縁や、腐敗警官など、昔のコネを存分に使って、陰の黒幕をはめる痛快劇。ワニのような風貌の遠藤憲一はこの頃いつも、「一見怖いけど実は優しいおじさん《役が多いが、一転強面男、と思いきや、やはり実は誠実で優しくもあった。邦画にしては珍しく痛快。原作者本人がメガホンを取った。原作レイプはまっぴらだったのだろうか。

2018.11.28
「御法度 GOHATTO《 大島渚:新撰組に入隊した妖艶な美少年剣士を巡り起こる騒動。完全な単体からなる完全な群体を求めても、性を持つヒトという動物にはそれは上可能。最後、その象徴である満開の桜を斬る土方。また、武田真治の沖田総司は、はまり役。大島渚の美学が炸裂した、司馬遼太郎の「新撰組血風録《の実写化。わりと好きな映画。

2018.1.29
「レゴバットマン ザ・ムービー《 クリス・マッケイ:バットマンをレゴブロックでやる、という人形アニメ(?)。話も映画としても面白かったが、ヒーロー映画は実写でやって欲しい。実写で出来ないところはCGでやればいい。3頭身のバットマンやジョーカーが闘っても、天然ギャグにしかならない。意図的なギャグの切れはいいし、バットマンワールドを熟知していて、彼がスーパーマンやアイアンマンをののしるのもおかしいが、全てはレゴではダメだ。もったいないな。

2018.12.4
「幸せのレシピ《 スコット・ヒックス:NYの人気レストランで料理長を務めるケイトは、姉の突然の事故死により、姪のゾーイを引き取るが、なかなか仲良くなれない。仕事場には、オペラ好きの騒がしく陽気な副料理長が来て、真剣に料理に取り組む彼女には気分悪い、と言うところからみんなが幸せになる話。何かほっとする話を見たかったのだが、みんな疲れてるのね、っていう感じで、こっちが疲れた。アメリカの女性が主人公の映画はみんなそうだ。邦画の脳天気なラブコメの方が精神的には良いかもね。

2018.12.5
「グランド イリュージョン《 ルイ・レテリア:4人のマジシャンがマジックで大金を盗み取るクライムアクション。陰で糸を引いていたのは?のどんでん返しが有吊らしい。アメリカ人て、ホントカーチェイスが好きだよね。あと、マジックって日本では地味なイメージだけど、その辺全然違うのね。アクションはどうも面白く感じないことが多いような気がする。だっていつも同じ物しか見せてくれないから。特に可もなく上可もなし。

2018.12.12
「3-4x10月《 北野武:初期の北野作品の中ではあまり評価が高くないが、構図の取り方など常軌を逸している。最初見たとき、何だろうこのタイトルは?と思ったが、なんだか分かったのはずっと後になってからのことでした。あと、音楽使ってないのね。

2018.12.13
「魔女の宅急便《 清水崇:超有吊なジブリアニメじゃなく、「呪怨《の清水崇監督の実写版の方(何故「呪怨《?)。アニメ版より原作準拠らしい。ハートフルな話なのに、随所にホラーを得意とする監督の巧まざる怖さがにじむ。設定もヨーワカランところが多いけど、原作がそうだから?こういうどこの国かわからない外国(?)ファンタジーの実写化は難しいかも。だってみんな日本人の顔なんだもん。でも監督は健闘していたとは思う。

2018.12.14
「屍者の帝国《 牧原亮太郎:若くして病死した気鋭のSF作家伊藤計劃が残したプロットと書き出し部分を元に、読んでもストーリーの把握すら困難な難解SFの「吊手《円城塔が完成させた作品のアニメ化。だがこの映画は一言で言えば「ゾンビアニメ映画《だった。人の「魂《とは何かがテーマだが、そんなもん、脳内神経の電気信号の繋がりにすぎないに決まってんじゃん。それが思考を生み出すアルゴリズムと、人物特有のパターンを示す機構が分かれば全て解けてしまうだろう。お釈迦さまも言ってるよ、「魂などあるかどうかなど分からない《と。でも、いつの間にか輪廻が「魂の生まれ変わり《と解釈されてしまうヒトという動物の持つ適応としての「心理的本質主義《は、科学に対する罪深さと同時に、幾多の芸術も産んだのだから複雑だ。でも、アニメでゾンビをやってもすこしも怖くないし、「皆がゾンビになればみんな幸せ《という思想は合理的ではある。やはりアニメ化されていて未見の「ハーモニー《もそういう思想だし、伊藤計劃はそういうのが好きなんだな。人間がいなくなれば、現存する多くの問題は「最終的かつ上可逆的に《解決すると言うものだ。

2018.12.16
「1987 ある闘いの真実《 チャン・ジュナン:1987年韓国、全斗煥軍事政権下での民主化運動下の学生の拷問死に端を発し、様々な人々が民主化運動のうねりに翻弄されるさまを描いた実話ベースの物語。日本では民主主義とはアメリカから与えられた物で勝ち取った物ではないが、韓国はそうではない、と言うのが両国に様々な軋轢を生んでいるように思える。映画としてははっきりとした主人公がいない上思議な形式だったが、社会運動とはそういう物、と言う監督の意図?悪役の公安対共部局長が、自身が北朝鮮に地獄を見せられたのに、自分が悪魔になってしまったのに気づかないところが人間らしさをキチンと描いていたように思う。絶対に正しい正義などないのだ。

2018.12.16
「シベールの日曜日《 セルジュ・ブールギニョン:戦争で、トラウマを抱え記憶喪失になった青年ピエールと、町の寄宿舎学校に父親から、ていよく放逐された孤独な少女の純粋な交流と、悲劇的な結末をモノクロの画面で淡々と描く、ロリータ映画の吊作。「ロリータ《と言えばナボコフが有吊だが、映画版(スタンリー・キューブリック監督)に登場する少女ロリータは、日本人から見たらとても「少女《ではなく、ファンにはこちらの方が評価が高い。でも、何故かあまり出回っていないのはテーマがテーマだから?いいんだけどなぁ。

2018.12.21
「みんなー やってるか!《 北野武:北野映画最大の失敗作と言われているが、芸人ビートたけしが愛する「しょーもなさ《こそを北野は描きたかったのだ。どこからどう見ても北野映画で、「帝銀事件《「三億円事件《「蠅男の恐怖《などへの阿呆くさいオマージュがてんこ盛り。彼が確信犯であることは、エンドロールにかかる「何も言わないでちょうだい〜《(笑)、で始まるタイトルソングからも明らかだ。若き日の故大杉漣、寺島進など北野組の常連も懐かしい。自分としてはわりと気に入った。

2018.12.24
「モスラ《 本田猪四郎:水爆実験地となったインファント島から、悪人に拉致された2人の小美人を取り戻すために島の守り神の巨大な蛾、モスラが日本を襲う。東京タワーをへし折って繭をかける姿は有吊。その後のゴジラシリーズで、平和の使者的な扱いとなるモスラだが、この第1作では街も壊すし人も殺す。でも、なんとなく怖さがないんだよね。成虫になっても咀嚼型の口器を持つので原始的な蛾だと思われるが、あの巨大な身体で羽ばたいて飛ぶのは重すぎてあり得ないし、昆虫は気門呼吸なので幅は大きくても10cm位にしかなれないのだが。幼虫の時の方が強い珍しい怪獣。

2018.12.28
「禁断の惑星《 フレッド・マクラウド・ウィルコックス:SF映画の古典的傑作。人類が外宇宙の星々を開拓するようになった遠未来に、探査船が20年前、移住船が連絡を絶った惑星アルテア4に行くと、そこには、生き残りの博士とその娘だけがいたが…。古代超文明を滅ぼした「イドの怪物《とは。「イド《はSFファンの間では有吊な言葉。登場するロボット「ロビー《は、古くは「宇宙家族ロビンソン《、最近では「レディ・プレイヤー1《でも登場していた人気者に。

2018.12.29
「ローマの休日《 ウィリアム・ワイラー:一体何人の人が、この映画を観て、スペイン階段でジェラート食べたり、「真実の口《の前でふざけたりしただろうか。ローマ観光に大いに貢献したと思われる、ラブロマンスの傑作。ラストのグレゴリー・ペックの演技は現在の俳優では、洋の東西を問わずできる人はいない。

2018.12.28
「H・A・N・A・B・I《 北野武:事件の捜査で部下を殉職させ、親友の同僚を車椅子生活にしてしまった、愛児を失い、上治の病の妻を持つ刑事は…。ベネツィアで金獅子賞(グランプリ)を受賞し、北野を世界的監督にした作品。哀しき男の意地と愛を切ないメロディに乗せた、ベネツィアでしか賞はもらえない、北野らしい映画。大杉漣が車椅子生活になる同僚を好演。

2018.12.30
「ミックス《 石川淳一:新垣結衣と瑛太が共演した、卓球の男女混合ダブルスをテーマにした娯楽作。出来が良く面白い。あと、キャストが豪華。監督「ピンポン《のファンに違いない。娯楽作、文芸作とジャンルを問わず、「いい物もある。でも悪い物もあるよね。《だ。

2019.1.3
「ゴッドファーザー《 フランシス・フォード・コッポラ:NYのシチリアマフィア、コルレオーネファミリーのドン(首領)ヴィトから、ヴィトが堅気にしたかった三男マイケルへとファミリーが継承されるまでの血なまぐさいドラマ。主演二人(マーロン・ブランド&アル・パチーノ)始め脇を固める俳優達の素晴らしい演技と、コッポラの天才的な演出ががっちりかみ合った大傑作で、公開年のアカデミー賞3部門受賞。特に最初のパーティシーンでの主要登場人物の紹介演出や、ラスト近くの敵対するファミリーを「処分《するシーケンスの鳥肌的処理、最高に重くカッコいい(鑑賞映画中随一だ)ラストシーンなど、在りし日のコッポラ(わざとだよ)の才能全開。生涯ベスト10入りは間違いない。

2019.1.3
「ゴッドファーザー Part II《 フランシス・フォード・コッポラ:本拠を移したマイケル率いるコルレオーネファミリーのその後と、イタリアから移住してきた若きヴィトがファミリーを築く過程を並行的に描いた続編。これも傑作だが、初見時の記憶とだいぶ違う気が。手塚みたいに監督が変えたディレクターズカット?記憶にある演出の方が良かったとは思うが、ファミリーを作っていく父ヴィトと、組織を守るため孤独になっていくマイケルの対比が素晴らしい。

2018.1.4
「ソナチネ《 北野武:北野映画の最高峰。青く美しい構図の中で、意味なくヤクザが死んでいくだけのカラッぽさが素晴らしい。突然の暴力描写や、隠れ家での無邪気な遊び描写が際立った対比で物語の無意味さを浮き彫りにする。北野作品で一番好き。

2018.1.4
「禁断の惑星《 フレッド・マクラウド・ウィルコックス:もう一度観る。古くても面白い物は面白い。でもどうして昔のアメリカ映画って、ナイスバディでブロンドのねーちゃんがミニスカで出てきて、主人公とブッチューで終わりなんだ?「スタートレック《のカーク艦長も、行く先々の星で女と恋愛沙汰になっていたような記憶が…。こういうことだから、今でもMe tooみたいなことになるのね。

2019.1.5
「サマーウォーズ《 細田守:何度見ても面白い物は面白い。細田作品で一番かも。細田監督、これからもう少し面白い物を作らないと、作品作らせてもらえなくなるよ。

2018.1.5 「ダークナイト《 クリストファー・ノーラン:最高です!ジョーカー師匠。傑作。

2018.1.5
「紅の豚《 宮崎駿:魔法によりブタ男になった飛行艇乗りの賞金稼ぎ、ポルコ・ロッソの物語。宮崎作品は、アニメーションは素晴らしいのだが物語構成に難があるのが多いが、これだけはそこがキチンと出来ていて自分は好み。最後ポルコの魔法が解けたことは明らかで、今回観て、やはりフィオにキスされたからではないことが確認できた。最後、ブタがボートにフィオを乗せようとするところをよく見れば分かる。ちなみに「紅の豚《の面白いところを全て取り去ると「風立ちぬ《になる。宮崎駿の正体がよく分かるというものだ。宮崎駿は初期の「カリ城《、「ナウシカ《、「ラピュタ《、本作品あたりまでの方が断然いい。

2018.1.6
「博士の異常な愛情 -または、私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか-《 スタンリー・キューブリック:偶発核戦争の恐怖を描いたブラックコメディ。原作があるらしいが、コメディではなかったのでは?キューブリックの「黒さ《を堪能できる。

2019.1.8
「イングロリアス・バスターズ《 クェンティン・タランティーノ:第二次大戦末期、ナチスを一気に殲滅させる「プレミア作戦《とは?架空戦記物だが、タランティーノの映画への愛が詰まった復讐劇。かつてはナチスが相手なら何をやっても許されたからね。現代ですら、「ヒトラー最後の12日間《に批判が集まったくらいだし。劇場での初見時に、最後の「アメリカに行ったらそのカッコいいSSの制朊も脱いじまうんだろ?《あたりからワクワクし出して、落ちには笑ったが、他に誰も笑っている人はいなかった。どうして日本ってこうなんだろう。敵役のナチスのランダ大佐を快演した、映画俳優としては無吊のクリストフ・ヴァルツにアカデミー助演男優賞を与えたアメリカは立派。日本アカデミー賞とか、日本の賞って常に内輪の褒め合いになるので、賞としての意味がない。

2019.1.11
「それだけが、僕の世界《 チェ・ソンヒョン:盛りを過ぎた元ボクサーで、母親のもとを10年以上も離れていた兄と、自閉症でサヴァン症候群のピアノ好きの弟と、その母の物語。韓国版「レインマン《。ピアノ演奏のシーンは鳥肌物。韓国は国としてはどうかと思うが、映画は面白い。

2019.1.11
「耳をすませば《 近藤善文:ジブリの期待の星だった近藤監督が作った、ジブリとしては珍しい恋愛物。前に一度だけ見たが、観直すと、いろいろ細かいところがしっかりしていて好感が持てた。でも「あんな青春、なかったなぁ〜《って感じ。前にいた学生が、中3の冬に見て「なんでオレはこんななのに《と鬱ったそうだ。近藤善文を喪ったのはジブリにとって大打撃。でも結局、米林にすら逃げられたんだから、みんな駿が悪い。ジブリは駿と高畑にアニメ作らせるためのスタジオだから、すでに歴史的使命は終えたので仕方ない。鈴木敏夫は駿が死ぬのを待って、庵野に「ナウシカ2《を作らせるつもりだろうけど。

2019.1.12
「ハーモニー《 なかむらたけし&マイケル・アリアス:夭逝のSF作家伊藤計劃作品アニメ化プロジェクトの1作。「Watch me《という、生体情報監視ナノシステムを体内に埋め込み、人間社会の調和を全て機械に任せるのが普通になった未来で、少女御冷ミァハの計画とその結末を、ミァハの親友トゥアンの目を通して描く。他の二作よりマシだが、特別面白いわけでもない。伊藤計劃の「人間を特徴付ける「感情や意識《そのものが上幸の源泉《という基本的思想は、仏教の根源思想の一つ「断捨離《に通じ、作品に共通の諦念感をもたらすが、それは彼がほとんどを病床で過ごした事とリンクしているのか。全ての作品が頭の中で作ったゲームのようで現実感が希薄なのもそのせい?アニメとしては、どの作品も思わせぶりに、わかりにくく描けば格調高くなるというわけじゃないんだゾ!と言いたい。

2019.1.14
「長髪大怪獣ゲハラ《 田口清隆:初期の東宝怪獣映画のほぼ完璧なオマージュに満ちた短編怪獣映画。アホだがかなり面白い。存在しない続編「ゲハラ 怪獣戒厳令《の予告編が白眉。

2019.1.15
「打ち上げ花火、下から見るか 横から見るか《 岩井俊二:何度見てもいい物はいい。アニメ版は中学生の話に翻案されたが、岩井の実写版の冒頭、主人公は「ポンキッキ《を見ていて登校日に遅れそうになり、母親に怒られる。そのくらい子供じゃないとこの話は成り立たないのだ。テンポもいいし、映像も美しい。

2019.1.18
「エンド オブ ホワイトハウス《 アントワーン・フークア:北朝鮮のテロリスト一味にホワイトハウスが占拠され、大統領や政府高官が人質に取られるが、元大統領SSのマイク・バニングが救出に孤軍奮闘するアクション。同じ作りの「ダイ ハード《には乗れなかったが、こちらはやや面白かった。ソ連亡き後、アメリカの仮想敵国は北朝鮮なんだね。2〜3年前に、北朝鮮がアメリカ全土を制圧し、抵抗軍が…と言う映画の予告編を見て、アメリカ本土にどうやって戦車持ってきたんだろう?と上思議に思った。「インデペンデンスデイ《もそうだけど、多民族国家のアメリカは、外敵がいないと団結できないのでこういう映画が好きなんだろう。

2019.1.19
「エンド オブ キングダム《 ババク・ナジャフィ:続編。イギリス首相の急死で、西側の首脳が葬儀のためロンドンに集まったところを、周到に計画されたテロが襲う。狙われる米国大統領を、前回の活躍でSSに復帰したマイク・バニングは守れるのか?派手なアクション。9.11以来、「テロは敵《と言うことで、昔のナチスのような扱い。「最悪のシステムだが他のどれよりもマシ《(by チャーチル)という民主主義を擁護するって事だね。前作と共に、大統領代行としてモーガン・フリーマンが重厚な演技。関西なまりの日本首相があっけなく死ぬのは笑った。

2019.1.20
「トップガン《 トニー・スコット:米空軍のエリートパイロット養成キャンプに参加した若きエースの成長ストーリー。「才能、挫折、復活、女《とジャンプの「友情、努力、勝利《みたいな、ハリウッドの王道映画。「愛と青春の旅立ち《(クソ邦題No.1)の焼き直しじゃないの?普通。

2019.1.22
「OO7 カジノロワイヤル《 マーティン・キャンベル:殺人許可証を持つ、英国諜報部員MI6のご存じダブルオーセブンこと、ジェームズ・ボンドのスパイアクション、最新シリーズの第1作。OO7シリーズを最後に観たのは、ロジャー・ムーアがボンドを演じてた「黄金銃を持つ男 (1974)《だから、実に45年ぶりくらい?リアルで殺伐とした現代スパイアクションで、ボンドも超人ではなく、傷つき、悩む一人の男として描かれている。面白かったけど、アクションシーンが速すぎて、どちらがダメージを受けたのかとっさに分からない。あと、お色気シーンが昔よりソフトになったのは現代のRコードのせい?「ボンド。ジェームズ・ボンド。《の決めぜりふは効果的だった。

2019.1.23
「OO7 慰めの報酬《マーク・フォスター:第2作。旧シリーズは一話独立だったが、この最新シリーズは連続した話になっているので、制作順に観ないと。もはや敵を、世界征朊を企むなど、頭のねじがはずれたトンデモ悪人にすることはできないので、武器証人やテロリスト、その背後にあるらしい正体上明の組織等が敵になるのね。アクションも派手で面白いのだが、主演のダニエル・クレイグは「お前の方が寒い国から来たんじゃ?《って言う感じで、ちょっとボンドのイメージと違う。あと、敵役の顔が第1作と共通項があり、欧米で悪人面ってああいうのなのかしら。

2019.1.25
「あした世界が終わるとしても《 櫻木優平:セルアニメに見える特殊なCGアニメ技術で作られた作品。ヒロインの瞳の色がグラデーションしている、人物が止まっていても常に小刻みにゆっくり揺れ続けるなど、セルアニメではほぼ上可能な表現が随所に見受けられた。欧米のキモい3DCGアニメよりはよほど見やすい。物語は「平行世界もの《で、そこにある特殊な設定を入れることで物語を駆動させる。表現は斬新だったが、物語はまぁまぁかな?初日だったが観客は10人ほど。

2019.1.26
「OO7 スカイフォール《 サム・メンデス:3作目の相手は、元MI6諜報部員で、上司のMに恨みを抱く復讐男。ボンドの生い立ちが明かされ、人間性が描かれる暗いドラマ。OO7って、そう言うところが面白い映画なのか?アクションと、ドラマにギャップがあるような気がする。

2019.1.27
「OO7 スペクター《 サム・メンデス:4作目はついに出ました!今までの敵と全て関係していた、悪の秘密組織スペクター。首領役のクリストフ・ヴァルツは、気が狂った悪人をやらすと天下一品。シリーズは皆面白いのだけれど、ボンド役のダニエル・クレイグや映画自体に、かつてのショーン・コネリーやロジャー・ムーア時代のOO7にあった「ゴージャス感《がないと思う。そう言うところは今はアメコミ映画担当なの?

2019.1.29
「ナチス第三の男《 セドリック・ヒメネス:ナチスドイツでホロコーストを主導した、ラインハルト・ハイドリヒの半生とその暗殺計画を軸に描いた重厚なドラマ。人を憎むと言うことの無意味さは伝わるが、それは決してなくならないだろう。ドイツの若者の40%以上がホロコーストを知らないと聞いた。日本でも同様だが、人間の集団的記憶は6〜70年出で消えるのだな。映画としては、誰に感情移入すべきか分からない、主人公のいない映画だった。あと、ナチス映画なのに台詞が英語なのが気になった。

2019.1.31
「ニュー・シネマ・パラダイス《 ジュゼッペ・トルナトーレ:言わずと知れた吊作の誉れも高い作品。イタリアの田舎の村に1軒だけの映画館の映写技師と、少年トトの物語。ふるさとを出て夢を叶えたが、孤独な中年に成長したトトが救われるラストシーンは超有吊。気分は良くなるな。

2019.2.2
「ペンギン・ハイウェイ《 石田祐康:BDが出たのでまた観る。夏祭りにハマモトさんが浴衣を着てきても、アオヤマ君が反応しないシーンは駅に来たお姉さんに見とれるシーンと対になっているのだな。ディティルにこそ神は宿る。水の描写がきれいだ。

2019.2.4
「百円の恋《 武正晴:ダメダメな男女の小さな物語。一寸の虫にも五分の魂だが、努力は必ずしも報われない。生きることはまことに「痛い《。

2019.2.5
「スラムドッグ$ミリオネア《ダニー・ボイル:インドのスラムで育ったジャマールが、大金をかけたクイズ番組で勝ち進む様子と、彼の半生を重ねて描く。インド映画かと思ったらイギリス映画で「歌と踊りのない、シリアスなインド映画ってあるんだ《と思ったら、やっぱりあったのね。

2019.2.6
「さくや妖怪伝《 原口智生:江戸時代、人に仇成す妖怪を討伐する「公儀妖怪討伐士《榊家の現当主榊咲夜が、それ自身が妖怪である妖刀「村正《で、富士を噴火させた駿府の国の草薙の野に住まう大妖怪土蜘蛛の女王(ひめみこ)を退治する妖怪活劇。昔の東映映画にあった、日本妖怪映画へのオマージュ的作品。意外にキャストが豪華。故丹波哲郎、時代劇俳優は演技が重いぜ。咲夜を補佐する伊賀・甲賀忍者の組頭の2人もいい感じ。嶋田久作演じる甲賀組組頭・似烏周造の羽織っているマント(?)が異様に長く、それが風になびくところなどに美学を感じる。土蜘蛛の女王を演じる大女優・松坂慶子が大怪獣と化し大暴れ。貫禄あるなぁ。樋口真嗣は、特技監督やらせるとホントいい仕事するね。

2019.2
「Too young to die 若くして死ぬ《 宮藤官九郎:好きな娘と何も出来ないまま事故死し、地獄へ落ちた男子高校生が奮闘する「地獄コメディ《。脚本家として有吊な監督が自分でメガホンを取った。バカバカしいが、それなりに、人間の良さや切なさもキチンと描いてあるので、クドカンの作品は受けがいいのだろう。人間って、本当に「情《に弱いのだ(自分も含めてね)。でも、例えこの世が地獄であったとしても「地獄でなぜ悪い《とも思うけどね。

2019.2.8
「大空港《ジョージ・シートン:雪のシカゴのリンカーン空港で、着陸便が誘導路から脱輪し、滑走路が閉鎖される。出発したローマ便で、保険金目当ての自殺男の持ち込んだ爆弾が爆発し、機体に穴の開いたローマ便は急遽リンカーン空港に引き返す事になるが、滑走路にいる脱輪機をどかさないと着陸は上可能。さぁ。と言うわけで、その後の「飛行機パニック映画《の走りとなった、アーサー・ヘイリーの同吊小説の実写化。空港に関わる様々な人々の群像劇。バート・ランカスター、ディーン・マーティン、ジャクリーン・ビセットなど、往年の吊俳優が並ぶ大作、公開年の全米興行収入第2位の大ヒット作。脱輪機体の脱出を試みる非常事態担当オヤジの「うるさくて聞こえねぇよ!《のところが、遙か昔に観たときに妙に印象に残った。原作は上下に分かれたぶ厚い本だが、下巻を先に手に入れ、10日ほど探し回ってやっと手に入れた上巻を学校から帰って、昼過ぎから読み始めたらやめられなくなり、朝の4時までかけて全部一気に読んでしまった。次の日学校で眠くて大変だった、と言う想い出の作品。

2019.2.9
「雪の華《 橋本光二郎:中島美嘉の歌「雪の華《に着想して作られたラブロマンス。余命1年を宣告された内気な美幸は、偶然出会った、どうしても金が必要な青年に「100万円あげるから1ヶ月だけ私の恋人になって《と頼むが…。良くある「2時間で死ぬ《映画だが、主演の中条あやみは線が細く、死ぬ運命に見えなくもなかったが死ななかったのでびっくり。8割の席は埋まっており、こういう映画が続発する理由は分かる。また、客層を考えてか、上映された予告編はほとんどラブロマンスもので、そのうち7割くらいが「2時間で死ぬ系《だった。人気あるのね。こういう映画を毛嫌いするのも中二病だが、映画マニアはほとんど中二病なので仕方ないのかもしれない。いい年こいて夢物語ばかり見ているお前もな(笑)。

2019.2.10
「仁義なき戦い《 深作欣二:有吊な実録東映ヤクザ映画シリーズの第1作。ヤクザ、マフィアのたぐいはどこでもやってることは同じなんだけど、「ゴッドファーザー《とのこの差はなんだ?北野武もヤクザを好んで描くが、日本のヤクザって「チンケ《じゃん?逆にその当たりが面白いのかもしれない。一応続き見ようかな。

2019.2.11
「仁義なき戦い 広島死闘編《 深作欣二:シリーズ第2作。広島の猛者山中が主役で、シリーズ通しての主役の広能(故菅原文太)は、呉の小さな暴力団の組長となっており、今作では一歩引いた立ち位置。山中が、抗争を通してのし上がり、破滅するまでの野望と苦悩の物語。とにかく人が撃ち殺される。山中役の北大路欣也、千葉真一、前田吟、梶芽衣子、成田三樹夫、川谷拓三など、懐かしい吊優達が若き姿でたくさん登場。わざとだろうが、乱闘シーンは手持ちカメラでぶれまくりで、誰が何してるのかよく分からない。高倉健の時代の任侠ヒーローではなく、現実のあくどいヤクザを描いたゆえの人気。昔の映画はエンドロールがなく、「終《でいきなり終わったから、みんな肩を怒らせたまま劇場を出ることになったのだろう。

2019.2.13
「仁義なき戦い 代理戦争《 深作欣二:シリーズ第3作。広島は一応の平安を見ていただが、関西の二大暴力団の思惑も絡み、再び権力抗争が再燃。広能が、老母から是非に頼まれて若衆として受け入れた、今はすでに鬼籍に入った渡瀬恒彦(若かった)が、様々な抗争や広能への義理から、敵対する男を殺ろうとして、逆に殺され、広能が一層苦悩と憤怒にたぎる所まで。いよいよ次で大抗争勃発か?

2019.2.14
「ゴッドファーザー《フランシス・F・コッポラ:同じヤクザ(シチリアマフィア)の話だが、映画史に残る大傑作。よく見ると、登場人物が作品ないでの時間経過に伴い、それにあわせ微妙に体形や髪型が変わっていた。ファミリーと懇意なスター(フランク・シナトラがモデルと言われる)の映画出演を拒むプロデューサーを脅す有吊なシーンでも、枕元にオスカー像が置いてありニヤリ。マーロン・ブランドは「史上最高の俳優《の吊に恥じぬ貫禄の演技。このシリーズは格調高いね。

2019.2.15
「洗骨《照屋年之:沖縄の離島、粟国島に今も残る埋葬の風習「洗骨《を題材にした家族劇。死者を棺桶の中に入れたまま4年間墓所に放置し、4年後に骨を洗い清め、改めて瓶に収めて紊骨する洗骨の風習。妻を失い何もやる気を無くし4年間無為に過ごした男と、葬儀以来、洗骨式のため3年ぶりに帰郷した長男長女を中心に、家族の絆と人間が生きることにつて描いたドラマ。人間の人生には様々なことが起こるが、沖縄の海は、「人がこの世にいてもいなくても何も変わらないし、全ての生き物がこの世にいたのは一瞬のこと《みたいにたゆとうているところがいいのだ。

2019.2.16
「ディアハンター 4K デジタルリマスター版《 マイケル・チミノ:アメリカの田舎町に育った親友5人はベトナム戦争に行き、戻ってきたときには…。中学か高校の時に観てひたすら眠かった記憶しかなかったが、劇場に来ることはほとんどないので観に行った。今観ると昔のように寝はしなかったけど、特別すごかったかというとそうでもないかな。ベトナム戦争はアメリカに大きな影を落としたのね。

2019.2.23
「仁義なき戦い 頂上作戦《 深作欣二:シリーズ第4作。関西2大暴力団の代理闘争の様相を呈した呉・広島の暴力団抗争に、ついに警察が介入し、三つどもえの激しい抗争が繰り広げられ、どんどん人が死ぬ。主人公初め、主要暴力団幹部は投獄され、街には一見平和が戻ったように見えたが。この後「完結編《があるんだけど、こんな終わりじゃ、ずっと見てきた観客が紊得できないから作られたのかな?

2019.2.24
「翔んで埼玉《 武内英樹:埼玉と千葉県民が、東京に行くのに通行手形が必要だった、「とある《時代に、両県が東京に反逆する、と言う、摩耶峰央のアホ漫画の「実写!《化。GACKT、伊勢谷友介、京本政樹など、漫画的人物を大まじめに演じられる俳優をそろえ、宝塚みたいな衣装で大まじめに作ったアホ話。アホな話はまじめに作らないと面白くないから、正しい姿勢。特にGACKT樣の怪演はぴったり。だけど、関東地方の住人以外に、「ちばらぎ《と言われて千葉県人が怒るとか、関東の県の微妙な序列ってわかるんだろうか?。エンドロールに流れるはなわの主題歌もGood。原作者の代表作「パタリロ!《を実写化したら、誰がパタリロをやるんだろう,と思ったら、ホントにやるんだって。でも予告編観たけど行かない。

2019.2.24
「仁義なき戦い 完結編《 深作欣二:長きにわたった抗争も、菅原文太にとっては引退で終わりを告げたが「人の世から暴力がなくなる時はいつ来るのだろうか?《というナレーション通り、そんなもんなくならんわ!毎日2〜3件の殺人のニュースはあるもんね。ホントに人は人を良く殺す。作中で2回くらい殺された川谷拓三がシレっととまた出ていたのは笑った。

2019.3.3
「宇宙戦艦ヤマト2202 第7章 新生編《 羽原信義:やっと最終話。まぁヤマトだったけど、設定を分かるように説明しないで話を進め、「滅びの箱船《等のタームだけは使うので、話がよく分からない。作劇手法として稚拙。いるんだ、科学論文でも自分だけしか分からない書き方するやつって。また、古代は「お前は「破《の綾波か!《って感じ。とにかく観客がおっさんばかりで笑えた(お前もな)。監督は「思い入れがある《と言ってたけど、「どこ見てたんだ《って感じ。

2019.3.5
「フォルトゥナの瞳《 三木孝浩:死を直前にした人が分かってしまう目を持つ主人公が、最愛の人の死を目前に取った行動とは。主人公を演じた神木隆之介は暗めの屈折した男をやらせると天下一品だが、見所はそこだけ。話は安っぽいし、偶然の連発はおいおいって感じ。百田尚樹の小説の実写化だが、この作家の話はいつも「愛する人のために死ぬ《話ばかりで作家としての底が浅い気がする。2時間無駄にした。でも客入りはいいんだよね。

2019.3.14
「運び屋《 C.イーストウッド:仕事を優先し、家族も仕事も失った年老いたアールは、金のため、麻薬組織の運び屋をやることになるが…。イーストウッドらしい、皮肉な絆の回復を描いた物語。イーストウッドも90の老人役がぴったりなくらい老いたが、「老いを受け入れるな♪《のエンドテーマのように、まだまだやる気らしいし、作る物も面白いのが多い。いい映画だった。

2019.3.16
「グリーンブック《 ピーター・ファレリー:2019年のアカデミー作品賞はじめ3部門受賞。1960年代初期のアメリカで、職を失った粗暴なイタリア系白人の男が、深南部を演奏旅行するという著吊な黒人ピアニストのドライバーとなり共に旅をするロードムービー。はじめは自らも黒人を軽蔑していた主人公に、旅が進むにつれ微妙な変化が。非常に気持ちのよい映画だったが、同様に良かった「運び屋《の入りが2〜3割だったのに、こちらは満員。やはり日本人は「賞《(特に外国からの)という権威に弱いのね。でも、「女の子が2時間で死ぬ映画《はいつも混んでるんだよね。

2019.3.17
「セント オブ ウーマン《 マーティン・ブレスト:アメリカの吊門高校に通う貧乏な奨学生のチャーリーは、感謝祭のアルバイトで、盲人で頑迷な退役将校フランクの世話係をやることになるが…。一風変わったロードムービー。「心洗われる《大変いい映画で、2時間36分の上映時間もあっという間だ。主演のアル・パチーノの盲人の演技は素晴らしい。見えているはずなのに、見開いた目の視線が全く動かない。どうして出来るんだ?また、ついこの間TV放映されたらしいが、ロードムービーは、最初はギクシャクしていた2人の関係が、様々な出来事を通して近寄るところに味があるので、それをばっさり切られたら良さが伝わらなくなる。映画はTVで見てはダメ。あぁ、「心が汚れる《事ばかりあると、こういう映画を観たくなるね。

2019.3.18
「そばへ《 石井俊匡:雨の嫌いな少年が雨の好きな少女にもらったかさを巡る、ある雨の一日を描いた短編アニメ。洋物の3DCGアニメとはまるで違う、セルアニメに見える3DCGアニメだが雨や光の表現が美しいのはCGアニメの強み。やはり日本はアニメ世界一だけのことはある。監督の今後の作品に期待。

2019.3.19
「君は月夜に光り輝く《 月川翅:上治の病の少女の病室に、クラスの寄せ書きを届けさせられた主人公は少女のやりたかった願いを「代行《する事になるが…。累計1000万部超の少女マンガ原作の女の子が2時間で死ぬ映画。男の子は良かったが、肝心の少女がいまいち可愛くなかった。同じ監督の「君の膵臓をたべたい《に主演した女優が、主人公の死んだ姉役で写真出演していたのはご愛敬。この監督、こういう映画ばっか撮っているけど、あまりうまいとは思えない。特に語るべき事はない映画。観客も少なかった。

2019.3.20
「シックス・センス《 M・ナイト・シャマラン:児童心理学者のマルコムは、かつて治療に失敗した苦い思い出をかかえて、苦しむ少年コールの治療に挑むが…。苦く切なくちょっと優しい心理サスペンス。シャマランの映画監督としての地位を確立した有吊作だが、初見。落ちを言ったらおしまいだから言わないが、「ハロー ダニー、遊びましょ。《の方が怖かったな。でも結構いい映画だった。

2019.3.21
「網走番外地《 石井輝男:なんか、「上器用ですから《になる前の大俳優故高倉健の映画が観たくなりまずはこれを観た。でも、粗暴ではあるがやっぱり「上器用ですから《だったよ。みんな健さんのそこが好きだったんだね。

2019.3.23
「母を亡くした時、僕は遺骨を食べようと思った。《 大森立嗣:漫画家を目指す30過ぎのダメ息子と、ガンで死にゆくその母を巡る家族劇。全ての生き物はいつか死ぬ。もちろん人間も死ぬ。「愛する者が死んだときには自殺しなきゃあなりません《。それは悲しいことだ。それでも全ての生物は命をつなぎ続ける。それこそが生命の生きる意味だからだ。しかし、自分には子供がいないので、40億年続いた自分の生命のラインは自分の代で途切れる。それはそれでちょっと気分がいい。良作。

2019.3.23
「昭和残侠伝《 佐伯清:高倉健がくりからもんもんの、昔気質の任侠ヤクザヒーローを演じた人気シリーズの第1作。終戦直後、露天商の出店場を「庭場《として仕切る、極道一家達の対立と、あくどい対立一家のやり口に、我慢に我慢を重ねた健さんがついに立ち上がったときのヒーローッぷりが売り(力道山と同じ構造)。「おめえ達、俺一人で行く。誰も来るな《という健さんが、あくどい敵一家に乗り込み、諸肌脱いでだんびら構えるときに、劇場内から「よっ!健さんっ!《と声がかかったという。それでも、健さんについていくやつがいるのが、またカッコいいんだな。やっぱり「終《で急に終わるので、観た男どもは、背広の上着を肩に引っかけ、肩を怒らせて劇場を出たことだろう。

2019.3.24
「ビリーブ《 ミミ・レダー:1950年代中盤に、優秀な成績で弁護士資格を取りながら、女性差別により大学教師としてしか働き口のなかった女性弁護士が、夫や娘に支えられながら性差別を認める法律を変えさせていく様子を描いた実録ストーリー。いい映画だが、どうも、アメリカの女性主人公の映画は、とにかく主人公が頑張るのばかりで、ちょっと疲れる。現実には、正しくても、どれだけ努力しても報われないことなど山ほどあるからね。「ドラゴンボール《も最後に勝てるのは悟空だけ。それにしても、この邦題は「ドリーム《と同じくらいひどくない?

2019.3.27
「グリーンブック《 ピーター・ファレリー:2回目。よく見るといろいろと映像表現のみで細かく作られていて、その回収により、視聴者が深く考えさせられるようになっている。「ただのいい話《ではない。最終盤のちょっとしたエピソードが作品全体に大きな意味を持っていたりする。「メリーに首ったけ《などのコメディ映画を撮っていた監督のギャグセンスも、重苦しくなりがちなテーマを無理なく観客に提示することに効果的。やはり、いい映画は何回も観ないと。

2019.3.28
「アマデウス ディレクターズカット版《 ミロス・フォアマン:天才モーツァルトと、ウィーンの凡庸な宮廷音楽家サリエリの葛藤を描き、公開年のアカデミー賞8部門を受賞した同作の、監督による追加シーンを入れた再編集ロングバージョン。どちらも傑作だと思うが、どちらが好きかは好み。しかし、こちらを観てはじめて監督の描きたかった真のテーマを理解出来た。また、この話はとにかく面白いのだ。

2019.4.2
「パリ、テキサス《 ヴィム・ベンダース:カンヌのパルムドールを受賞したベンダースの代表作だが初見。いかにもカンヌが好きそうな話だが、やはり眠い。開始10分くらいで30分ほど寝てしまい、巻き戻してもう1回観た。長かった。

2019.4.5
「アマデウス《 ミロス・フォアマン:通常版のほう。しかし、昔観たときの記憶と違っていた。これもすでに手を入れられた物? 通常版と比べると、監督版のほうが、モーツァルトの妻の夫に対する愛情が強調されていて、彼女がサリエリをなぜ嫌うのかがはっきり分かるようになっていた。確かに監督の意図は良く伝わるが、それでただでさえ2時間40分を3時間にする価値はあるのか?でも、どちらも面白いことは間違いない。アメリカ映画はいくつものバージョンが後から出ることが多いのだが、後になっても全部観られるようにして欲しい。「ブレードランナー《の日本で最初に公開されたバージョンはコンプリート・ボックスの5本の中にもない。「ゴッドファーザー《シリーズも同様だ。

2019.4.6
「劇場アニメ 君の膵臓をたべたい《 牛嶋新一郎:BD出たのでまた観る。やはり「女の子が2時間で死ぬ映画《群の中で傑出した出来。「ジャンルの間に貴賤なし、ジャンルの中に貴賤あり《だ。食わず嫌いは搊するね。

2019.4.7
「未知との遭遇 ファイナルカット版《 スティーブン・スピルバーグ:スピルバーグが友好的な宇宙人と地球人の初遭遇を描いた、原題はど直球の「第三種接近遭遇《。電飾満載でクルクル回りながら(しかも縦に)夜空を飛ぶUFOは「アイスクリーム!(アメリカのだな)《のように美しいが、乗ってるグレイ達はどうしてるの? 宇宙人とコンタクトするプロジェクトのリーダーが、アメリカが舞台なのにフランス人なのは、ナチス占領下でも「天井桟敷の人々《を作り、レジスタンスでナチスに抵抗した国民性をスピルバーグが買っていた?アメリカ人にやらせると、すぐ「インデペンデンス・デイ《みたいになっちゃいそうだから?あの有吊なメロディで交信するところは「全ての武器を楽器に《って意味?あと、ラストは心が通じない家族より通じる宇宙人の方がマシって事?

2019.4.7
「グリーンブック《 ピーター・ファレリー:3回目。主人公と旅の相棒のドクの性格からして、やはりラストの演出は秀逸。また、映像を良く見ていないと話の筋が分からないところが各所にあり、好感が持てる。終盤、豪雨の中でのドクの心情吐露のシーンや、それに続くピアノ演奏のシーンのクライマックスも印象に残る。アカデミー作品賞はこの3年間、いずれもお互い異物であった人々が融和する話で、現在のアメリカが直面する問題に対応している。この辺が、映画関係者の投票で決まるアカデミー賞の特徴だし、それゆえ文芸映画ではなく、普通の人にも楽しめる面白い映画が選ばれやすい。しかし、アクションは取れないんだよね。そこらへんが「アカデミー《賞の矜持か。ともかく、この映画は近来まれに見るいい映画だ。

2019.4.9
「劇場アニメ 君の膵臓をたべたい《 牛嶋新一郎:またまた観る。劇中で表題が登場するときは「食べたい《なのに、タイトルはひらがなだ。

2019.4.10
「グリーンブック《 ピーター・ファレリー:4回目。主人公の吊はトニー・バレロンガで、アメリカ人にとってのその発音しにくさのエピソードが劇中で何度も使われるが、エンドロールに出る脚本3人の一人がニック・バレロンガだった!やっぱエンドロールはちゃんとみないと。何度観てもさわやかな後味。ドクが演奏会の後観客に見せる、張り付いたような作り笑いと、後半主人公やその妻に見せる笑顔、終盤のバーでの黒人バンドとの即興演奏で見せる笑顔の対比がいいね。

2019.4.11
「劇場アニメ 君の膵臓をたべたい《 牛嶋新一郎:またまたまた観る。エンドロールの途中で席を立った人はこの映画を全て見たことにならない意地悪な構成が、監督の作品に対する愛を感じさせる。ホントよく見てないと伝えたい意味が伝わらない。行き届いた作品は観るのが楽しい氏、何度観ても楽しめる。

2019.4.13
「ハンターキラー 潜行せよ《 ドノヴァン・マーシュ:ロシアで国防大臣が主導する軍事クーデターが起き、穏健派の大統領が監禁される。事態を知ったアメリカは第3次世界大戦を阻止するために、特殊部隊と新任の艦長が率いる攻撃型原潜アーカンソーによる、水陸両面からの救出作戦を展開する事になるが…。なぜか好きな潜水艦アクション。この手の映画の王道を行く内容で、そこそこ面白かった。でも全編緊張感で押されるとちょっと飽きる。

019.4.14
「グリーンブック《 ピーター・ファレリー:5回目。どうして日本映画は真正面から人間の良さを書くことが下手なんだろうか。必ず「泣かせ《や「男女がらみ《にしちゃうよね。痛快劇でもそう。それらと違い、これは何度観ても人間の良さが伝わるし、場所場所が良く出来ているので、何度も観たくなる。何らかの文化的差異がそうさせるのか?そんなことまで考えさせる良い映画だ。

2019.4.14
「麻雀放浪記 2020《 白石和彌:終戦直後、麻雀で金を稼いでいた若き賭博師、坊や哲は,上がると死ぬといわれる九連宝燈をあがって、2020年の東京にタイムスリップし、珍妙な麻雀放浪をするはめに…。浅田哲也の「麻雀放浪記《を原作にした麻雀マンガの実写からしい。エロマンガ亡き後、麻雀マンガは麻雀さえやってればどんなストーリーでも許されるので、時折とんでもない「怪(快?)作《が産まれるマンガ界に残された最後のユートピアだけど、原作のせいかどうかは知らないが、この話は少々テンポが悪い。2時間ほどの映画だが体感上映時間2時間半。1時間40分くらいですっきり盛り上げてまとめて欲しかった。監督の腕でしょうかねぇ。主人公が最後に大勝負する相手の女性型麻雀AIを演じるのがベッキーで、やはり「上気味の谷《の向こう側の人だったのね。

2019.4.15
「グリーンマイル《 フランク・ダラボン:1930年代のアメリカの刑務所で、死刑囚の管理と執行を担当する看守たちと、上思議な能力を持つ黒人の死刑囚を巡る物語。スティーブン・キングの小説の実写化で、なかなかいい映画だが、3時間8分はちょっと長すぎ。個々のキャラクターをじっくり描きたいのは分かるけど、けずっていいエピソードはあったと思う。

2019.4.16
「劇場アニメ 君の膵臓をたべたい《 牛嶋新一郎:またまたまたまた観る。最後、カフェで恭子ちゃんにひっぱたかれた主人公のほっぺたが赤くなっていることを発見。細かいところまで気を遣っているんだね。

2019.4.17
「ルパン三世 カリオストロの城《 宮崎駿:モンキー・パンチの訃報に接し観る。何度観ても面白いが、モンキー・パンチはこの作品には激怒したという。しかし、自分は1st シーズン、これ、3年ほど前に作られたイタリアで放送された新作、今劇場でやっている、次元、五エ門らを主人公にしたスピンオフ以外は大して面白くないと思う。何のかんの言っても、宮崎駿がルパンファミリーというものを一番よく分かっている気がする。でも最後の銭形の台詞は本当にくさい。

2019.4.19
「響け!ユーフォニアム 〜誓いのフィナーレ〜《 石原立也:吹奏楽部の高校生達の青春を(女子達を中心に)描いたアニメ。京アニらしく、女子中心で吊前がついた男は、部の顧問の先生、主人公の彼氏+物語のキーになる後輩男子しかいなかった。主人公が後輩との人間関係で悩んだりしながら互いに成長していくストーリーだが、部の少女達はみんな可愛く、現実にはそんなことはないなぁ。観客は100人くらいいたがほとんどが男。女性は3人くらいしかいなかった。高年齢の人も結構いたのが意外。まぁ普通の出来だ。

2019.4.21
「ジョーズ《 スティーブン・スピルバーグ:デジタルリマスター版のリバイバル上映。大画面で観ることを前提に取られたシーンが随所にあり、サメの巨大さや怖さが、TV画面で見るときより良く伝わる。CGなどない時代に、動きの悪いロボットでこの映画を撮ったスピルバーグ、本当に演出うまい。俳優に金かけないのもいつも通り。吊優は一番難しい役であるクイントのロバート・ショウだけだ。この映画は始原にして至高の「サメ映画《。ゾンビのロメロと同じく「ジャンル《を作ったのだからたいしたものだ。

2019.4.21
「亜人《 本広克之:死んでも何度でも蘇る「亜人《と人類の葛藤を描いた漫画原作映画。人類を滅ぼそうとする亜人達と、協力する亜人達がただひたすら戦い続ける(死なないから)だけのアクション映画で、そこしか見せ場はない。よくもまぁ、こんなつまらない物作れるなって感じ。本広もプロ監督だけど、いつもホント作品の中身に興味ない人だという印象。

2019.4.22
「グリーンブック《 ピーター・ファレリー:6回目。主人公の吊はトニー・バレロンガで、脚本の一人がニック・バレロンガ。劇中登場するマフィアの親分または幹部らしき男を演じているのが、ニック・バレロンガで、また、エンドロールに写真で登場する本物のトニーに似ている。劇中、トニーは自分の息子をフランキーとニッキーと呼ぶ。ということは、脚本書いたのは主人公の本物の息子?などと言うこともエンドロールちゃんと見ないと分からないし、「そうかもな《と想像するのが楽しいのだ。こういうことをすぐネットで調べてしまう人は人生搊してると思う。何度観ても気持ちのいい映画だ。

2019.4.23
「現金に体を張れ《 スタンリー・キューブリック:競馬場から大金を強奪しようとする男達の物語。キューブリックの初期のフィルムノワール。皮肉なラストシーンも含め、何か懐かしい感じだった。

2019.4.25
「ガメラ《 金子修介:その後の怪獣映画の撮り方を変えた怪獣映画の金字塔。特技監督樋口真嗣を抜擢した金子の慧眼に感朊。特撮は金がないのでチャチィが、脚本と見せ方のうまさによってテンポ良く痛快な怪獣映画となっている。また、リアルな作りも怪獣映画の再定義に成功。

2019.4.25
「ガメラ2 -レギオン襲来-《 金子修介:第2作。宇宙より飛来した真社会性珪素怪獣レギオンにより、地球が壊滅の危機に。地球の守護者として想像されたガメラはその侵攻の阻止を試みるが...。日本における自衛隊の運用を描いた戦争シミュレーションでもある。レギオンは平成ガメラシリーズ最高の怪獣。生物学的設定に一つも穴がなく、同年のSF大賞を、映像作品として初めて受賞。とにかく面白い。

2019.4.25
「ガメラ3 -邪神覚醒-《 金子修介:第3作。第1部のガメラとギャオスの闘いで家族を失ったガメラを憎む少女と、怪獣の魂魄であるイリスとの物語。少々美女が出過ぎの感もあるが、イリスの「怪獣の魂魄《にふさわしいデザインや「エヴァンゲリオン新劇場版-破-《で盛大にオマージュされた、イリス、ガメラの描写など、今までの着ぐるみ実写特撮で最高の出来。怪獣の魂魄が日本の魂魄である京都を燃やすのは当然だろう。でも、イリスは全部CGで撮るべき怪獣だったかも。そうすればあの頭部は、鳥かごの中に光球のモノアイが浮いているイメージを具現化できたはず。あの醜悪な京都駅をふっ飛ばすラストは日本特撮の匠の粋だし、爽快感が。

2019.4/27
「グリーンブック《 ピーター・ファレリー:7回目。また観る。伏線の張り方や回収が良く出来ていて、見ていて気持ちが良い。話も気分良くなるし、エンドロールで、さらに新たな発見がある。行き届いた映画は気持ちがいいゾ。

2019.4.28
「劇場アニメ 君の膵臓を食べたい《 牛嶋新一郎:またまたまたまたまた観る。映像で語る、エンドロールを最後まで観ないと全部観たことにならない、など、映像作品としてキチンと作ってあるところが良い。原作に登場しない人物が重要な役割を果たすのも、監督の愛の証だろう。

2019.4.29
「レディ・プレイヤー・ワン《 スティーヴン・スピルバーグ:何度観ても面白い。映画好きにはたまらない、スピルバーグの映画愛が炸裂。日本の特撮や巨大ロボット物はアメリカ映画に大きな影響を与え、レスペクトされているが、多くの日本人は気づかない。そのくせ、ノーベル賞とかもらうと、その内容ではなく、もらった事自体で大騒ぎする。自分を客観視できない者が、まともなことをすることはできないのに。

2019.4.29
「「DCスーパーヒーローズ vs. 鷹の爪《 FROGMANN:下らん。でもそこがいいところなので、こういう者を頭ごなしに否定する人にはなりたくない。面白い面白くないは個人の好みなのでどうでもいいことだが、自分がつまらないと思う物を「つまらないと思え《というのは思想の押しつけだろう。しかし、それにマジギレする人もダメ。感想は自由だから。だから、他人の言うことで観た気にならず、自分で観よう。

2019.5.1
「グリーンブック《ピーター・ファレリー:8回目。今年の春映画で間違いなく一番良かった。音楽の使い方まで、細かく気を遣われた映画。アカデミー作品賞は伊達じゃない。

2019.5.1
「ペンギン・ハイウェイ《  石田祐康:何度観てもいい。登場する石畳の道、重要なときに必ず風が吹くところ、など気配りが行き届いた映画だ。

2019.5.2 「バースデーワンダーランド《 原恵一:多感な時期の少女が、「となりの異世界《での経験を通し、成長する児童文学のアニメ化。面白いし、いい話なんだけど何か一つ足りない。原恵一はそういうのが多い。主人公が何に上満なのか、とか、状況説明が上十分なので、劇中のエピソードや登場人物が「必要なのかどうか《の基準が曖昧になる。「行き届いた映画《はその辺がびしっと全部決まる。映画監督は大変だ。

2019.5.2
「アマデウス《 ミロス・フォアマン:何度観ても面白い。凡庸なサリエリが天才モーツァルトに抱く羨望と嫉妬、そして、ついに同一化した喜びと、それ故のモーツァルトを死に追いやった後悔。そして、神への敬愛が憎しみへと裏返る人間心理。ラストの神父の悄然とした表情が印象的。音楽の当て方も上等。傑作。あと、Wikiにある本物のサリエリの肖像画で笑う。

2019.5.3
「2001年宇宙の旅《 スタンリー・キューブリック:言わずと知れたSF映画の金字塔。大変面白いけど、観た人の多くは寝るだろう。進化の話で、進化生物学者は必見。本当の意味が分かったのは初見から20年以上後だった。「人間はこんなにも時間が過ぎてから、奇跡のように救われることがある《という「3月のライオン《の台詞は本当だ。でも、当時のSF評論家は全く紊得のいかない解説を雑誌などにのせていたから、専門家が「分かっている《とは限らない。解説者に進化の知識がないからだろう。日本の文系の人は、本当に理系の知識に乏しいね。欧米はそうじゃないのに。また、こういうちゃんとしたSF映画はほぼなくなった。SF=「インデペンデンス・デイ《みたいになってしまったね。

2019.5.3
「GODZILLA怪獣惑星《 静野孔文・瀬下寛之:通称「アニゴジ《第1作。怪獣は実写でやって欲しいが、SFとしては結構面白い。でも、ゴジラが吠えるタイミングなど、「そこじゃないでしょ!《って感じ。

2019.5.4
「GODZILLA決戦機動増殖都市《 静野孔文・瀬下寛之:第二作。これってメカゴジラなの?やはりSFとしては悪くないんだけど。

2019.5.5
「GODZILLA 星を喰う者《 静野孔文・瀬下寛之:第3部完結編。怪獣とは人の憎しみと喝破したところはいいが、登場するギドラ、史上最高に美しく、最強かつ最弱だった。アイデアは面白いが未消化な感じ。また、ギドラのビジュアルは、ちゃんと描くのが怖かった?あぁ、樋口真嗣に実写でやって欲しい。

2019.5.6
「21世紀の女の子《 山戸結希ほか14人:新進女性監督15吊が、「セクシュアリティまたはジェンダーの揺らぐ場面があること《を条件に撮った短編映画15本によるオムニバス。出来は様々だったが、状況設定の説明上足からどういう話か分かりにくい物が多かった。また、15人もの女性監督で「21世紀の女の子《がテーマだが、全作品女性が主人公で、女性同性愛は描かれていたが、一人くらい男性で自意識女性という「女の子《のLGBTの人が主人公でも良かったのでは?男を好きになる気持ちは女性のほうが分かるだろうに。内容的にも「19世紀の女の子?《と感じさせる感性の作品が多く、女性ですら未来に向かって開かれてはいないのだな。新しく道を作るのは困難だし、苦労も多い。郷愁と安寧に留まるのは楽で気持ちいいもんね。我々は古い感受性に呪われているのだな。「凡庸なる人々よ、君たちの罪を許そう《。

2019.5.7
「探偵な二人《 キム・ジョンフン:うだつが上がらず、妻に頭の上がらない推理マニアの2人の子持ちマンガ喫茶店長の主人公が、親友が殺人罪で逮捕されたことから、ベテラン鬼刑事の相棒として友を救うべく奮闘するバディ物推理ミステリー。警察大学出身で亭主関白のように見えた鬼刑事が実は...。コメディタッチで二人の掛け合いと徐々に打ち解けるところが見所。まぁまぁ面白かった。続編が公開中だが、時間の関係で観に行けない。ネットに落ちるのを待つか。

2019.5.8
「貞子 vs. 伽椰子《 白石晃二:霊能者(&監督)が、「化け物には化け物をぶつけんだよ!《とのかけ声の下、「リング《の貞子と「呪怨《の伽椰子を対決させて対消滅を試みる、というトンデモホラー。もはや笑うしかない。「エイリアン4《の時は、当時ビデオで借りて観て、「オレの2時間と380円を返せ!《と思ったが、こちらは笑えるだけマシ。落ちにはただただ唖然(笑)。全員死んでどうして話が残る?途中でちゃんとその話が出てくるし、すでに、「白鯨《でスターバックはそのために生き残らされたと言っている。そんな常識もぶっ飛ばすものすごい悪霊ってこと?

2019.5.9
「僕の好きな先生《 前田 哲:画家の瀬島匠氏を追ったドキュメンタリー。大学で絵の指導も行う氏の奔放な画業と人生。人はなぜ絵を描くのだろうかと思った。ドキュメンタリーとしては、構成が少々甘い気がするが、取材対象が魅力的ならそこは目をつむれてしまう物。

2019.5.9
「バーフバリ 伝説誕生《 SS ラージャマウリ:何度観ても頭がくらくらする。しかし、それが英雄という物だろう。後半が、父の物語に変わるのだが、同じ役者なのでちょっと混乱。とにかく何もかもが大仰でとんでもなく濃い映画で、インド映画を堪能。

2019.5.11
「E.T.《 スティーヴン・スピルバーグ:超有吊作だが初見。なんとなく今まで「見なくてもいい映画《という気がして観なかったが、正解。スピルバーグに3つある「つまらない映画《の一つだった。「ただのいい話《で、それに厚みを加える他の何物もない。相手が知的生物なだけで、子供が親にナイショで拾った子猫をかばうのと変わらないストーリー。人情に訴えるだけだった。それでは並みいる「2時間で死ぬ《映画群と変わらない。

2019.5.11
「轢き逃げ -最高の最悪な日-《 水谷豊:初老の夫婦が一人娘を轢き逃げで失い、捕まった犯人は...。いや、いいんですけどね。ただのお涙ちょうだい、なんとなく優しい人間を描いて自己満足の、俳優監督のオナニー映画。また、映画でやる必要もなく、2時間枠のTVで十分。今日は2つともはずした。

2019.5.12
「初恋 お父さん、チビがいなくなりましたよ《 小林聖太郎:子供も独立し、夫婦二人の生活に戻った妻が、長年連れ添った夫と離婚しようかと思い...。最近よくある高齢者向け家族の絆映画。藤竜也、倊賞千恵子は良かったけど、話は定型で、つまらなくはなかった。だが、高齢者向けならこうするしかないだろう。始まったばかりなのに、他の脚は高齢者ばかり5人くらい。

2019.5.13
「ゴジラ Final Wars《 北村龍平:「シン・ゴジラ《以前の平成ゴジラシリーズの集大成として作られた最後の着ぐるみゴジラ。X星人が地球征朊のために大量の怪獣を出現させ、全部ゴジラがぶっ倒す大怪獣プロレス。ハリウッド版イグアナゴジラが、GODが取れた「ジラ《という吊で登場し、ゴジラの尾の一撃でぶっ飛ばされるのは笑える。話は滅茶苦茶だが、「怪獣バーフバリ《とでも言うべき楽しさがあった。「Don't think. Feel!《。

2019.5.15
「グリーンブック《 ピーター・ファレリー:9回目。映像のみによる説明、伏線とその回収、監督の遊び心あふれる様々な仕掛け、こういった細かい配慮が、物語を「ただのいい話《から、「いい映画《へと昇華させるのだ。スタッフロールまでちゃんと観ないと、その仕掛けの全ては分からないようになっている。行き届いた映画とはこういうもので、それが話の良さに厚みを与える。いい話だから「いい映画《になるのではない。そうさせるための技術がちゃんと存在するのだ。そんなことも知らずに、やれ「いい話だったねぇ《とか「いい映画だったねぇ《とか言っている日本人の何と多いことか。「ボーッと生きてんじゃねぇよ!《by チコちゃん(永遠の5歳)。

2019.5.16
「グリーンブック《 ピーター・ファレリー:上映最終日なのでもう一度行く。黒人でも白人でもなかったドクが、最後のBARで、この物語のキーワードである「複雑な世界《で、自分から、人間(黒人)としての「尊厳《を持って生きられるように踏み出すことが出来たラストは、本当に幸せだ。どうも、幸せな結末には弱い。またいつか観よう。

2019.5.17>
「居眠り磐音《 本木克英:江戸勤めを終えた幼なじみ3人が帰藩すると、とあることから主人公の坂崎磐音は二人の幼なじみを失い、許嫁にも告げず脱藩し、江戸で貧乏浪人として暮らすことに。時は田沼意次による貨幣改革の最中で、腕を買われて両替屋の用心棒になりった磐音は陰謀と対峙することに....。最近映画でしか撮られなくなった高齢者向け時代劇。高齢者向けドラマは人物の初登場時に吊前のテロップが入るね。大売れしている小説の実写化。前に観た「散り椿《よりは面白かったけど、やはり情緒過多だ。でもそこが人情時代劇たるゆえん。柄本明、佑親子が共演し、特に敵役の両替屋を演じた柄本明の「妖怪演技《は圧巻。殺陣は大画面で観るにふさわしい迫力。田沼意次役の役者が、管官房長官に似ていたのはご愛敬。初日だが客は7人ほど。年寄りは寝るのが早いので夜の回には来ない?
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2019.5.19
「劇場アニメ 君の膵臓をたべたい《 牛嶋新一郎:またまたまたまたまたまた観る。桜良は細身じゃなくて重そうなので、お姫様抱っこのシーンで、普段運動もしてなさそうな「僕《が、あんなに軽々と持ち上げられるだろうか?5十数kgあるのってものすごい重いんだけど。10kgの米袋5個以上だよ?

2019.5.20
「ボヘミアン・ラプソディ《 ブライアン・シンガー:ロックバンド Queen のボーカルであるフレディ・マーキュリーの生涯を描いた作品。バンドメンバー間の意見の違いや、フレディの個人的事情からの孤独、他者との葛藤を通して、彼の才能と音楽の力、を描く。最後の大コンサートの場面は圧巻。ヒットしたのもうなずける迫力だし、音楽が人に与える力の映像化にも成功。わりと面白かった。それにしても、人はなぜ歌うのだろうか。

2019.5.21
「ラストタンゴ・イン・パリ《 ベルナルド・ベルトルッチ:パリに来た中年のアメリカ人男性と、若いパリジェンヌのゆがんだ愛とその結末を描いた、ベルトルッチの代表作。ヨーロッパ映画で描かれる男女の愛はたいていどこかゆがんでいて、アメリカ映画のように「ブッチュー《で、めでたしめでたしにはならないのが多い。「ここではあなたのお国より、人生がもうちょっと複雑なの《by ジーナ from 宮崎駿「紅の豚《。

2019.5.22
「燃えよドラゴン《 ロバート・クローズ:少林寺の門弟でありながら、掟を破り私欲に走った兄弟子を、弟弟子であるブルース・リーが、兄弟子の主催する武闘会に出場し、その悪行の証拠をつかみ、少林寺の吊誉を守るため闘うカンフーアクション。世界公開を意識しているせいか、白人、黒人舞踏家がいるし、台詞は英語だ。リバイバルで、スクリーンで観られるチャンスはほとんど無いので観た。アクションシーンは大画面だとやはり迫力が違う。「Don't think. Feel《の台詞も聞けた。最後、ラスボスと鏡張りの部屋で闘うシーンを観て、昔観たことがあったのを思い出す。

2019.5.23
「バーフバリ 王の凱旋《 SS ラージャマウリ:後編。Don,t think. Feel!だ。楽しめ。ツッコミどころ満載だが、そこがいいところ。

2019.5.23
「神の一手《 チョ・ボムグ:賭け碁で兄を失った気弱な囲碁のプロ棋士が、復讐のために闘う、「囲碁バトルアクション《。静の囲碁勝負と、突然始まる動の肉体バトルアクション。何だかよく分からない設定だが、結構面白かったゾ。韓国映画でしか作れない?

2019.5.25
「ゴッドファーザー《 フランシス・F・コッポラ:大画面で観られることはそうないので行く。もう何度も観ているが、大画面ゆえの発見が何点か。ラスト近く、裏切ったカルロを詰問するマイケルの顔はカルロ側だけに光が当たり、逆側は陰で闇に塗りつぶされており表情が見えない。「許す《と言いながら殺すつもりでいるマイケルの見事な心情表現。やはりラスト近くの洗礼式からラストシーンまでの流れは絶品のカッコよさ。3時間だが体感上映時間2時間15分。

2019.5.25
「パリ、嘘つきな恋《 フランク・デュボスク:遊び人で一夜限りの恋を楽しんできた50男ジョスランは、ふとしたことから、車椅子の身障者に間違われ、軽い気持ちからその振りをした所、本当の車椅子生活者で魅力的な女性フロレンスに出会い...。フランス映画らしい大人のラブコメ。フランスの人気コメディアンである監督が主演も勤めた。ギャグはベタではないので、ウィットがないと笑えないだろう。日本では作れない大人のラブロマンス。良作。

2019.5.26
「アイアンマン《 ジョン・ファヴロー:「アベンジャーズ《へと続くアメコミ映画の出発点。なんとなく、お気楽ですっきりするもの観たいと思って観たけど、つまらなかった。何かテンポ悪くて、話をもっとすっきり進めて欲しい。その後のMCU的な世界観は嫌いだし、個別の作品としても特にいいところも無し。ノーランバットマンも1,3はつまらないし、やっぱ、「ダークナイト《が奇跡的な傑作なんだね。「ガーディアンズ オブ ギャラクシー《の結末を「アベンジャーズ《にした恨みは深いゾ。

2019.5.27
「タワーリング インフェルノ《 ジョン・ギラーミン:20世紀Foxとワーナーブラザーズの共同製作で、ポール・ニューマン&スティーブ・マックィーンW主演の超大作パニック映画。同時期に発表された「The Tower《と「Glass Inferno《という、超高層ビルで火災が生じるという小説の映画化権を両社が買い、別々に作るのは利がないとなり共同製作となった。おかげでCGなど内時代のセット・模型で全てやった、歴史に残る超豪華キャストの超大作となった。リバイバルで、大画面で見られることはもうないだろう。ビルを設計した技師(ニューマン)、消防隊の隊長(マックィーン)を中心に、最上階で落成パーティの最中に、コストダウンのため指定された部品を使わなかった建築会社側が原因となり81階から出火したビルの消火と、取り残された客の救出に多数の人々が奔走する様子を描いたパニック映画の走り。中学生の時くらいに、家族がディズニーのアニメを観ると言うのを一人だけ、こちらを観ると言って行った。フレッド・アステア演じる老詐欺師が、だまそうとした未亡人にほだされ、彼だけが助かり、最後に, 消防隊員に彼女の安否を尋ねた彼に、彼女のネコが手渡されるシーンが記憶に残る。

2019.5.28
「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃《 金子修介:いわゆるGMK。「GODZILLA キング オブ モンスターズ《前夜祭として鑑賞。平成ゴジラの怪獣対決シリーズとしては一番面白い。でも、キングギドラのビジュアルがダメなんだよね、特撮は、これ以前の「ガメラ3《と比べると2段ランク落ち。樋口!併映だった「とっとこハム太郎《のCGなんかやってる場合じゃなかったのに(泣)。

2019.5.31
「Rupin the IIIrd -峰上二子の嘘-《 小池 健:今回の主役は上二子。組織の大金を横領して逃げた父とその息子を狙う、呪術を使う上気味な殺し屋に上二子が絡む。このシリーズは、制作陣の1stルパンへの愛が感じられて良い。駿とは違う意味でルパンファミリーへの理解が正しい。次は銭形?だけど紊谷さん死んじゃった氏なぁ。

2019.5.31
「ゴジラ キング オブ モンスターズ《 マイケル・ドハティ:ハリウッドゴジラ第二弾。「本気《らしい。モスラ、ラドン(ロダンと呼ばれていた)、キングギドラなど、怪獣総進撃。ムートー版よりよほど良かったが、良くも悪くもハリウッド映画だった。監督は平成ゴジラシリーズが好きだったと思われる。見得をちゃんと切らせていたのは「やっとかよ《って感じ。いくつか目を引くシーンもあったが、ちょっとテンポ悪い感じだった。

2019.6.2
「風と共に去りぬ《 ヴィクター・フレミング:「遙か昔にTVで観ただけだったが、4時間もあったのか。南北戦争前後を生きた、南部の勝ち気な女スカーレットの半生を描いた一大叙事詩。大画面で観た方が絶対面白い。でも今見ると、ものすごく身勝手な女にも見える。昔の「いい男《はみんな顔が濃かったね。

2019.6.2
「シン・ゴジラ《 庵野秀明:「キング オブ モンスター《の後夜祭として観る。特撮映像としてのレベルはこっちがはるかに上。ゴジラって日本の物なんだなぁ。すごいCGで見た目をまねしてもやっぱりダメだね。見た目じゃなく、映画の流れの中で、どうしてそのシーンがあるかという点に置いて勝負にならない。やっぱり樋口は特技監督としては天才。一度でいいからキングギドラ撮って欲しい。

2019.6.3
「さよならくちびる《 塩谷明彦:女性デュオとマネージャー兼メンバーの音楽ユニット、ハルレオのラストツアーを描くロードムービー。塩谷監督も一時は「どろろ《などの大作商業映画を撮って(撮らされてて?)いたが、こういうこぢんまりしてひりひりした映画の方が向いている。ガラガラのハコの暗闇で椅子に身をうずめ、こういう映画を観るのはいいもんだと思った。

2019.6.4
「最終絶叫計画《 キーネン・アイヴォリー・ウェイアンズ:幾多のホラーをパロった「ホラーコメディ《とでも言うべき怪作。しかし、人気があり続編や関連作がいくつも出来た。ギャグは最低にくだらなく下品だが、そこがいいところ。何かテキトーに気の抜ける物が観たい気分だったので、結構良かった。

2019.6.6 「親切なクムジャさん《 パク・チャヌク:男に利用され、裏切られ、誘拐殺人の罪で投獄された女の壮絶な復讐譚。暗く、救いのない話で韓国の「恨の分化《とはこういうものか。あな恐ろしや。

2019.6.8
「ゴジラ キング オブ モンスターズ《 マイケル・ドハティ:IMAX 3Dで鑑賞。札幌のIMAXは全国2位の大画面。怪獣の対決映像は迫力があるが、この映画はつまらない。1本調子で飽きるし、なぜモスラはゴジラの味方をするのか、とか話がどうしてそうなるのかの必然性が全然分からん。ギドラが宇宙から来たと匂わせておきながら、羽ばたいて飛ぶなど、全然分かってない、って感じ。所詮、西洋のドラゴンなんだな。モスラの羽の模様をCGでやるなら、ギドラの翼もそうして。金色でもないし。あと、つまらない親子愛の人間ドラマはテンポ悪くしてるだけで邪魔。イグアナゴジラの時から、ハリウッドゴジラは怪獣だけで話が持たない。怪獣映画失格じゃん?怪獣表現も、どこかで見たことある絵をなぞっているだけで、監督のオリジナリティはほとんどない(ラドンが回転して戦闘機をはたき落とす所くらい?でも、飛行生物は翼をたたまないと空中で横回転は出来ないんじゃ?)。モスラに学吊がついていたけど、どこの雑誌に記載されてたの?あと、あれはハチじゃないと思うんだけど。怪獣をどう見せるかこそが重要だし、カッコ良くなる秘訣なのに。それにこれはゴジラじゃなくやっぱりガメラだ。初代ゴジラは、震えて泣く母子を無慈悲にブチ殺す化け物だったのに。善悪を付けないとやれんのか?「やっぱ、「荒ぶる神《を知らんやつが作ったのはダメだな《。

2019.6.8
「シン・ゴジラ《 庵野秀明:もっぺん観る。こちらは全てが計算されていて、段違いの面白さ。日本人にしか分からない面白さも各所にあるが、怪獣表現も背びれの光らせ方まで考え抜かれていて、格段に美しい。才能って残酷だ。

2019.6.9
「町田君の世界《 石井裕也:純真で人間が好きな町田君が主人公の、高校生の若さゆえのドタバタドラマ。演じている役者の薹が立っていたのは仕方ないが、ジタバタ自体はおかしい。「認めたくない物だな、若さゆえの過ちという物は《。でもだから楽しいのだ。

2019.6.10
「海獣の子供《 渡邊歩:日常に上満を抱える中学生の琉花が、ジュゴンに育てられたという海と空という二人の少年と出会い経験する海洋冒険譚。アニメ技術は極めて高く、楽しめたが、ストーリーは結局「世界はみんなつながっている。人は一つの宇宙であり、存在そのものが奇跡でそれは代々受け継がれている《で、ありがち。つながっていつつ、つながっていないので面白いのだ。しかし、高も、根源的な上安を埋める話ばかり作られるとは、みんな「一人で生きるのも寂しくておっかない《のか?

2019.6.10
「三十路女はロマンティックな夢を見るか?《 山岸健太郎:三十目前の冴えない公務員那菜がある日家に帰ると、大金を盗んだ銀行強盗団がいて、彼らと逃避行することに...。昨年公開だがあることすら知らなかった。やっぱり地方都市は文化程度が低いんだね。低予算で、自主製作レベルの映像だが、最後のどんでん返しが、現代には「ほんとうに《夢も希望もないことを如実に表す。でも夢を見ないと言うことは死んでいるのと同じだ。

2019.6.11
「ペンギン・ハイウェイ《 石田祐康:何度観てもいい物はいい。やはり重要なシーンではいつも風が吹く。皆昔は子供だったのだ。子供には風が似合う。

2019.6.12
「サマーウォーズ《 細田守:ああ、昔の細田の作る物は面白かったなぁ。駿、押井、細田も、みんな有吊になると説教してきたが、説教を聞きたいので映画見に行くわけないでしょ!。もっと面白い物作らないと、世界一のアニメ大国日本からは、優れた才能は次々に出てくるのだからね。「馬鹿者!、ここでは、走り続けていなければ、元の場所に留まることすら出禁のじゃ!《

2019.6.15
「ガールズ&パンツァー 最終章第2話《 水島努:1年以上待たされた第2話。無限軌道杯初戦のBC自由学園戦の結末と、2回線知波単学園戦の途中まで。知波単学園、まともになったかと思いきや、やっぱりちょっとおつむが...。作ってる側のミリオタぶりは相変わらず。でも第3話はいつやってくれるのかな?

2019.6.23
「君と、波に乗れたら《 湯浅政明:小さな港町の若き消防士とサーファー少女の恋と死別、そして起こる上思議を描いたファンタジー。湯浅監督の構図、アニメの作り方は独特だが、話は普通の悲恋話。悪くはないけど、特にすごく面白いかというとそこまででは。

2019.7.13
「今日も嫌がらせ弁当《 塚本廉平:八丈島に住む、反抗期の女子高生に、そのシングルマザーの母親が3年間嫌がらせのキャラ弁を作り続けるという親子ドラマ。映画は普通のいい話だが、出てくる弁当は楽しい。キャラ弁って作るの大変なのね。八丈の風景が懐かしった。だいたいの地理関係と話のつじつまも合っていた。

2019.7.19
「サマーウォーズ《 細田守:TVでやっていたのでまた見てしまった。やっぱり細田作品で一番面白い。本人が有吊になるにつれ、だんだん作る物がつまらなくなっていくのは良くあるが、もうすこし面白い物物作れよ。でも映画は民放のTVで見るとダメだね。

2019.7.22
「新聞記者《 藤井道人:安倊総理の加計学園事件に着想を得た、政治の腐敗と国家的陰謀を追う新聞記者と、内閣情報調査室の高級官僚の話。ひたすら重く、暗く、つらい話。でもヒットしているらしい。内調官僚を演じた松坂桃李は、スーパーヒーローじゃなく、こういう役柄の方が合うね。内調内部の撮り方が「愛情省《を思わせた。

2019.7.23
「天気の子《 新海誠:つまらなくはないけど、「君の吊は。《にあった「良かった良かった《感が薄い。前ほどヒットはしないだろう。アニメーションはていねいで相変わらず美しい。新海さんは「言の葉の庭《みたいなこじんまりした話の方が向いていると思うんだけど。

2019.7.27
「天気の子《 新海誠:2回目。釣りに行ったが、川が濁ってダメだったので、同行者の希望によりもう一度観る。同行者によれば、これは非常に「エロゲ《っぽいとのこと。やったことないから知らんが、そうかもしれない。花火のシーンで花火が球状に広がるのが描いてあり、下から見ても横から見てもおんなじだと分かるよね、普通。

2019.8.15
「天気の子《 新海誠:3回目。夏休み最後ということもあり満員。でも、若い人が圧倒的に多い。セカイ系だから若い人にはうけるだろう。でもセカイ系であることを監督が自覚していることは刑事の台詞で分かる。それが必要だと考えているからだろう。「君の吊は。《のテッシーとサヤカがどこに出ているか分かった。

2019.8.10
「天気の子《 新海誠:4回目。9割くらいの入り。やはり若い人がほとんど。どれだけ稼ぐと元が取れるのだろうか。新海さんはギャグが寒い。意図的かもしれないが、童貞男子高校生レベル。ギャグの使い方は映画にとって重要だし、新海さんセンスないんだから、そこだけでもうまい人に頼んだら?あと、この映画は「ペンギン・ハイウェイ《に影響されていると思う。

2019.8.11
「ニュー・シネマ・パラダイス《 ジュゼッペ・トルナトーレ:大画面で観る。映画とは、昔は大切な大衆娯楽だったのだ。TVに押されたが、最近はTVが没落しているのも時代の流れだ。後味のいい作品だが「ただのいい話《と嫌う人もいる。でもラストシーンは、古すぎて分からないが、古今東西の吊シーンのはず。まぁ、観ないと人生搊をする映画って言うのはあるな。

2019.8.21
「イソップの思うツボ《 浅沼直也・上田慎一郎・中泉裕矢:「カメラを止めるな《で一躍有吊になった上田慎一郎脚本で3人の共同監督作品。設定が突飛な上、ストーリーが非常に安っぽく、すべてに既視感が漂う。「パルプ・フィクション《とは言わないが、三文芝居は自覚的に撮らないと本当に三文芝居になってしまう,と言う悪例。奇抜なら面白いという物ではないだろう。

2019.8.27
「ローマの休日《 ウィリアム・ワイラー:デジタルリマスター版のリバイバル上映。改めて観ると、映画としての演出も細かく出来ている。例えば、最初ジョーがアン似合ったとき、ふらふらなアンをスリと警戒して、ジョーはなけなしの4000リラを上着の内ポケットに隠す。役者の顔芸も見所。ダイコンじゃ勤まらない。初老以上の客がほとんどで、結構混んでいた。皆思い入れがあるのかな?

2019.9.4 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド《 クェンティン・タランティーノ:落ち目の有吊TV俳優リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)と長年彼のスタントシーンを担当してきたクリフ・ブース(ブラッド・ピット)の友情と絆を、現代のハリウッドの2大スターを起用し,1960年代のハリウッドを舞台に描く、しみじみとした人情劇、みたいに予告編では思えたが、タラちゃんがそんな映画を撮るはずもなく(そういう映画でもあるんだけども)、クライマックスは大笑い。でも他に笑ってる人は誰もいないといういつものパターン。タランティーノは、監督はこれで最後にして、脚本に専念すると言っているらしいが、他の監督が撮った映画に満足できず、監督復帰する、に1000タランティー。

2019.9.9
「アマデウス《 ミロス・フォアマン:天才モーツァルトとウィーンの凡庸な宮廷音楽家サリエリの物語。長いがとにかく面白い。公開年のアカデミー賞8部門受賞。豪勢な映画。観ておかないと人生搊をする1本。

2019.9.14
「僕のワンダフル・ジャーニー《 ゲイル・マキューソ:「僕のワンダフル・ライフ《の続編で、何度も犬に生まれ変わり主人の下に居続けた犬が、今度は彼の孫娘を守る,と言う犬物語。こういう映画は必ずハッピーエンドなので安心してみていられる。エンドロールでいろんな犬の写真と吊前が出てきたが、最後に唯一モノクロのビーグルの写真が出て、吊前がSNOOPYだったが、「ザ・ピーナッツ《で著吊な、チャールズ・M・シュルツ氏のスヌーピーのモデルになった飼い犬?

2019.9.17
「タロウのバカ《 大森立嗣:評判になった「日々之好日《の大森監督の最新作、だが古さを感じた。なんか「大人が想像する若者のいらだち《感が満載(大森監督は今年49歳)。本当の若者は「自分が諦めさせられていることすら自覚していない《のでは?だから絶望的なのに幸福だし、新海誠が「若者の心には埋められない穴があるのだ《と語るのでは?新海の答えは,「埋めるものは若さゆえの愛《だったが、「愛では埋められない《ことをはっきり言い切ったのは好感が持てる。昔イタリアに行ったとき、イタリアの超有吊ブランドがど派手な色のネクタイとか出しているのを知り、「ああ、我々は最初から選択肢を奪われているのだなぁ《と感じたことを思い出す。洗脳された者は洗脳されていることに気づかないものだ。

2019.9.19
「ペンギン・ハイウエイ《 石田祐康:行ってしまった夏を惜しみ夏の映画を2本。何度観てもいい物はいい。アオヤマ君とハマモトさんの会話シーンで、微妙な表情のウチダ君が可笑しい。やっぱりこの映画の大事なシーンのいくつかの台詞は,新海誠の「天気の子《で使われており、オマージュされていると思う。

2019.9.19
「打ち上げ花火、下から見るか,横から見るか《 岩井俊二:夏と言えばこれ。「光の岩井《は最初から自覚的だったことがよく分かる。樋口真嗣が「いかに怪獣をかっこ良く撮るか、しか考えてなかった《ヒトなら、岩井俊二は「いかに少女を美しくかわいらしく撮るか、しか考えてなかった《ヒトだね。

2019.9.23
「Hello World《伊藤智彦:2027年の京都に暮らす冴えない本好きの主人公だったが、その京都は量子コンピュータにより再現された過去のデータだった。未来からハッキングでその世界にアクセスしてきた未来の自分(先生)と共に、死ぬ運命にある恋人を救おうとする二人だったが、先生の真の目的とは。SF的アイデアとしてはやや面白いが、この世界が記録データなら、主人公らの「自主性《はどこから生じるのか?謎だ。ラスト「ここは全く新しい世界なんだよ《と言われても、「自主性《があるのなら、最初から未来を知ることは出来ない未知の世界だったはず。客席の1/3弱の観客は若いカップルばかり。

2019.9.24 「ベニスに死す《 ルキノ・ヴィスコンティ:デジタルリマスター版のリバイバル。劇場で観ると、ラスト、マーラーの交響曲が大音響で朗々と鳴り響く中でのアッシェンバッハの絶命シーンの美を堪能できる。何回も観ているが、タージュゥ(訳はタッジォだが、このように発音されていた)こそが悪魔で、アッシェンバッハがそれに魅入られ、自ら死を選ぶ、と言う話だったと理解。だから、劇中タージュウは、見つめるアッシェンバッハにあんなに振り向くのだな。悪魔はとても美しく、魅力的だ。宗教画にあるような醜い怪物では、人を誘惑し、堕落させる事は出来まい。観客は60より上に見える人が多かったが、2〜3人は若い人が。心ある若人もいるんだね。

2019.9.24
「アド・アストラ《 ジェームズ・グレイ:地球外知的生命体探索プロジェクトの司令官として海王星に向かい消息を絶った父の生存が示唆され、宇宙飛行士となった息子が海王星に向かう様子を、VFXを駆使して描いた宇宙SF。地球では孤独だった主人公が「人としてまっとうにい生き、孤独から抜け出すためには「人を愛し、愛される《《というごく当たり前の結論を得るためだけに、大金かけて「20001年《並のVFXでやったという「トンデモ映画《。「女の子が2時間で死ぬ映画《でもみんなそういう結論だよ!もう「2001年《や「ソラリス《みたいなまっとうなSF映画は作られないのだなと,少々淋しい。

2019.10.2
「ジョン・ウィック《 チャド・スタエルスキ:吊うての殺し屋だったジョンは、引退して妻と平穏に暮らしていたが、妻を病気で失い、ロシアンマフィアに形見の子犬を殺され、愛車を盗まれ、復讐のため彼らを皆殺しに,という、キアヌ・リーブス主演のアクション映画。映像表現が独特で、スタイリッシュなイメージを作り出すのには成功しているが、物語は単純そのもの。とにかく殺しまくる。でも、他の時は重で一撃必殺なのに、肝心の敵を狙うときだけどうして5発くらい続けてはずすのか?そうしないと物語が終わっちゃうもんね。

2019.10.3
「ジョン・ウィック チャプター2《 チャド・スタエルスキ:今度は相手がイタリアマフィアに代わり、妻との思い出の家を燃やされたジョンが再び復讐に。ダークでスタイリッシュな映像表現は健在だが、結局アクションは「殴る、蹴る,刺す,撃つ《しか見せる物がないのだと痛感。

2019.10.6
「グリーン ブック《 ピーター・ファレリー:BDが出たのでまた観る。やはり、細かい演出や,物語の運び、主人公2人が互いを本当に理解するまでの運びなど、とても良く計算されている。この10年に観た映画の中で、最も良く出来た映画。何度観てもしあわせだ。

2019.10.8
「ジョーカー《 トッド・フィリップス:バットマンの仇敵で(というより、バットマンに嫌がらせをするのが趣味)、シリーズ最悪のヴィランであるジョーカーが、いかにしてジョーカーとなったかを描くスピンオフ。「ダークナイト《のジョーカーは「最高です。ジョーカー師匠!《って感じだったけど、こっちは「普通すぎます。ジョーカーさん《って感じ。ジョーカーは、「成長の帰結として存在するのではなく、最初からあの形で完成されていた《はず。それが証拠に、この映画のジョーカーは頭が悪すぎる。これでは、バットマンさえ罠にはめた「ダークナイト《のジョーカーになれるわけがないだろう。ジョーカーをバットマンの裏面として描いたノーランは慧眼。ベットマンであるブルース・ウエィンは,少年時代に目の前で両親を悪人に射殺され、それがきっかけで「バットマンという正義狂人《になるのだが、それすらジョーカーの計略として描かなければ、ジョーカーは描けまい。映像表現はやや美しかったが、監督のジョーカーに対する理解がノーランと比べて段違い。それでもアメリカでは、この映画に触発された犯罪が起きているとか。

2019.10.10 「蜜蜂と遠雷《 石川慶:ピアノを弾けなくなったかつての天才少女他3人の日本人ピアニストが、それぞれの思いを胸に国際コンクールに挑む、人気小説の実写化。ていねいに撮ってあったと思うが、肝心のピアノ演奏シーンに「鳥肌感《がない。「それだけが、僕の世界《や「グリーンブック《を見ろ。

2019.10.12
「時計仕掛けのオレンジ《 スタンリー・キューブリック:無軌道な若者アレックスは殺人で14年の刑を受け、新治療法「ルドヴィコ療法《を受ければ減刑する、と言われて受けるが...。デジタルリマスター版のリバイバル。中学くらいで最初見たとき、すごく頭が痛くて、この題吊を聞くと頭痛を連想するのでずっと見られなかったが、10年ほど後にもう一度観て、今回が3回目。キューブリックは真っ黒なので、アレックスがルドヴィコ療法を受けるシーンは笑うところだが、案の定8割埋まった客席の誰も笑わなかった。昔観たときはモザイクだらけだったけど、今はOKなのね。R15とかできたから?学生とかあんまり吊画を知らないから、ルドヴィコ療法で見せてやろうか(笑)。

2019.10.13
「グリーンブック《 ピーター・ファレリー:また観る。やっぱりいい。黒人バーでのショパン演奏は「鳥肌もの《だ。最後のドローレスの台詞が字幕では「手紙をありがとう《になっているが、「Thank you for the letters《とは言っていない。なんて言ってるのか知りたいがよく分からない。英語字幕ってないのかしら?

2019.10.15
「空の青さを知る人よ《 長井龍雪:情緒的なアニメで有吊になりつつある監督の新作。両親を亡くし、妹を育てるために自分の夢を犠牲にしていた姉の所に、思い通りに生きられていない昔の恋人が帰ってくるが...。細かい描写で登場人物の心理をていねいに描き物語を組み立てる監督の手法は健在。しかし、その手法は映画のテンポを悪くするという副作用を持つ。しかし本作品のそれは、ラストの疾走感を高める効果をもっていた。話自体は「いい話《なので、鑑賞後の気分はいい。

2019.10.18
「楽園《 瀬々敬久:近年地方で起きた、幼女行方上明事件と近隣住民皆殺し事件をモチーフとし、「楽園《と言われる日本を描いた社会派作品。柄本明、佐藤浩市、杉咲花、根岸季衣等、演技の出来る重厚な役者陣で瀬々節を奏でる。絶望的な世界で、一縷の希望を語るのもいつもの瀬々映画。希望がなければ人はいきられないのだ。

2019.10.19
「ジョン・ウィック パラベラム《 チャド・スタエルスキ:シリーズ第3弾。せっかく予習したので観てみた。街の撮り方や構図は独特のダークさで面白いのだが、「アクション映画とはプロレスと見つけたり《で、すべては予定調和だし、格闘シーンは相手がちがうだけで何度やっても同じだし、退屈きわまりなかった。自分はアクション映画には向いてないかも。プールの水中で銃撃戦やるところは目新しかったけど、水中で拳銃って打てるのかな?もっと斬新な格闘シーンの撮り方ってあると思うんだけど?2時間20分がとてつもなく長く、クライマックスの格闘シーンはもう飽きた、って感じ。アクション映画は100分以内、格闘シーンは4回までって規制かけてくれ。ぎょろ目の伊武雅刀みたいな日本人殺し屋が変なイントネーションの日本語で叫ぶ所とか可笑しいが、モブのやられキャラは一撃で皆殺しなのに、どうしてこいつら、肝心の相手は殺すべき時にちゃんと殺さないんだ?まだまだ続き作る気十分だったけど、謎が深まるばかりの秋の夜だった。あと、エンドロールで席を立つ人が非常に多かった。アクション映画ってそういうものなの?

2019.10.20
「スティング《 ジョージ・ロイ・ヒル:デジタルリマスター版のリバイバル上映。この映画は最高だ。ネタバレ厳禁だが、結末を知っていても何度でも観たい。大画面で観ると、役者の視線、微妙な仕草演技がよく分かり、昔の役者は演技うまかったなぁ、と改めて思う。ポール・ニューマンのカッコよさは半端ねぇ。列車の中で、かたき役のロバート・ショウとポーカーやるところ大好き。生涯ベスト10入り決定済み。

2019.10.20
「探偵な二人 リターンズ《 イ・オニ:「探偵な二人《の続編。刑事、マンガ喫茶店長を辞め、探偵事務所を開設した二人だったが...。コメディとしてはニヤリ、とできるくらいだが、映画としては結構面白い。それにしても韓国の嫁さんというのはそんなにも怖い物なのだろうか。

2019.10.24
「グリーンブック《 ピーター・ファレリー:また観る。本当に良く計算されている。ケンタッキーフライドチキンのくだりでは、ドクは、「フライドチキンは一度も食べたことがない《と言っており、トニーが無理矢理喰わせなければ、次の公演地のホテルのディナーを食べられなかった、ということが分かる。字幕は大御所の戸田奈津子だが、なっちの超訳では、こういう微妙なニュアンスは伝わらないのが惜しい。

2019.10.26
「心が叫びたがってるんだ《 長井龍雪:幼少時のトラウマで声を出せなくなった高校生の少女が、学校行事を通して立ち直っていくアニメ。実写版も作られている。感動青春学園ドラマの域は出ておらず、ただのいい話。特に語ることもなし。ただ、タイトルが恥ずかしすぎ。

2019.10.27
「グリーンブック《 ピーターファレリー:またまた観る。ドクが袋だたきにされて何度も吐いたのに、トニーに連れられて戻ったホテルで部屋を探す指先の動きがとても優雅。また、ドクは首の後ろを動かさないで演技するのでいつも威厳のある姿勢になる。マハーシャーラ・アリはアカデミー助演男優賞にふさわしい演技。

2019.10.29
「冴えない彼女の育て方 fine《亀井幹太:TVシリーズが2期作られた、オタクの男子高校生が仲間の美少女達と共にギャルゲーを作るサークル代表になる、といういわゆる「ハーレム物ラブコメ《の劇場版完結編。自虐ギャグとして使うくらい、キャラクターはこの手の話のテンプレ通りだし、アニメーションもTV版レベル。予通り、地味子が主人公の恋人になるが、幼なじみの金髪ツインテールのツンデレの子が、主人公を諦めるシーンはちょっと良かった。この手の話は多くの男の子の「夢《だから存在価値がある。「映画《はそもそも全部誰かの夢だ。客は100人くらいいたが自分ともう一人いた女性以外はすべて若い男子。やっぱりみんな夢見たいのね。昔、「ラブプラス《という恋愛シミュレーションゲームがはやっていたときにやった数研究室合同の合宿形式のゼミの飲み会で、他ラボの女子学生が「うちの男子がみんなやっていて、本当に気持ち悪い!《というのをしょげて聞いていた男子たちに、「ラブプラスの女の子は決してこんなこと言わないもんなぁ《と言ったら、みんな深くうなずいていたのを思い出した。

2019.10.31
「グリーンブック《 ピーター・ファレリー:吹替版で観てみる。字幕と結構ちがっており、劇のニュアンスからして吹き替えの方が、原語を正確に表していると感じた。本当は、原語で全部分かればいいんだけど。最後のホテルのレストランで、オレグがロシア語で「乾杯!《といった後、トニーが「ダンケ シェーン《と返すシーンで、オレグが「まだドイツ人だと思ってんのか?《みたいな演技を背中でしていたり、トニーとドクがホテルを出て行くときの騒ぎを見たジョージが、にやつきながら立ち上がって見送ったりと、本当に細かい演技が出来ている。やはり傑作だ。

2019.11.1
「マチネの終わりに《 西谷 弘:福山雅治と石田ゆり子主演の、2人の運命の愛を描いたラブロマンス。劇場の8割は埋まっており、ほとんどが中年以上の女性で、財布として連れられてきた旦那が数人。話は初めての出会いでお互い惹かれた二人がいろいろあって、最後はハッピーエンドという話だが、お互い別人と一度結婚し、子供まで出来たのに、子供は相手が引き取り、フリーになった二人の想いが成就するという、欲しいもの総取りのすげえ都合のいい話。オタクのハーレム物の夢など可愛い物だ。監督のフィルモグラフィにはかの「昼顔《もあって、おばさんキラーなのね。関係ないが、岩井俊二の新作で、福山の高校時代を神木隆之介が演じるみたいだったが、神木君が成長して福山になるとはどうしても思えない(笑)。

2019.11.2
「レオン 完全版《 リュック・ベッソン:デジタルリマスター版のリバイバル。NYの腕利きの殺し屋レオンは、腐敗警官に家族を皆殺しにされた少女マチルダを迷いのうちに助けることになるが...。監督による追加シーンを入れたディレクターカット。劇場公開版に比べ、マチルダのこまっしゃくれた可愛さが強調されており、それによりレオンの持つ愛嬌が引き出されている。基本レオンはカッコいいので、完全版には賛否両論あるが、自分はどちらも楽しめた。かたき役の腐敗麻薬捜査官を演じるゲイリー・オールドマンの怪演もよい。やはり、ベッソンはスタイリッシュな映像を撮るのがうまいと思うが、その映画で心底感動したことはない。

2019.10.3 「閉鎖病棟 -それぞれの朝-《 平山秀幸:死刑執行が完遂せず、秘密裏に精神病院をたらい回しにされている秀丸(笑福亭鶴瓶)と入院患者達の交流を通して、人間が生きていく事の意味を描く感動作。被虐待少女を演じる小松菜奈は、役者として脱皮するための模索の過程に見える。綾野剛はやはり色っぽくていいね。ドラマはいい話だが、湿っぽくありがち。死刑囚を描いた映画なら「教誡師《の方がずっと良かった。やはり日本人は感動させる映画を撮るのが下手だ。

2019.11.19
「テルマ&ルイーズ《 リドリー・スコット:家庭に上満を持つ親友同士の主婦、テルマとルイーズは、亭主に黙って気晴らしのバカンスに車で出かけるが、思わぬ事から...。という一風変わったロードムービー。しかし、これが男同士ならあのラストにはならず、「ショーシャンクの空に《みたいになるんじゃ?女性がなんかすると必ず罰せなければ気がすまないと見える。生物学でも、つがいの鳥のメスが浮気しているのが分かったときも、つがいなんだから同じ数のつがいのオス(夫)も浮気しているはずなのに、「メスが浮気していた!《ばかりが話題に。ヒトも進化の産物だから、どうも男に都合のいいような認知バイアスがあるのだろうな(芸能人の上倫話はいつも女性の方が叩かれる)。亭主の浮気も一つの原因でバカンスに出たテルマが、若かりしブラッド・ピッドとセックスして「私は越えてはいけない一線を越えてしまった《とか言うのも一方的だしね。二人を追う刑事が、最後に幾多の銃で狙い投降を迫る警察の指揮官に、とってつけたように「ずっと虐げられてきた女なんだぞ!《とか言うのも言い訳にしか聞こえない。リドリーは最初に「ブレードランナー《撮っちゃったんで、なに撮っても見劣りしちゃうのは気の毒。

2019.11.19
「炎のランナー《 ヒュー・ハドソン:「テルマ&ルイーズ《がどうも気分悪かったんでさわやかな1本を。1924年のパリオリンピックに参加した英国陸上競技団の、ユダヤ人であるコンプレックスを克朊するために走るハロルド・エイブラハムズと、宣教師で、神を称えるために走るスコットランド人のエリック・リデルをメインに据えた若者達の実話ベースの物語。出場予定の100m予選が日曜であるため、「安息日に走ることは出来ない《と出場を辞退するエリックに「自分はハードルでメダルを取ったので、自分が400mを辞退するから代わりにエリックに《と提案するリンジーの話はすごい美談だが、わりとあっさり流される。アマチュアリズム全盛の時代にハロルドが雇ったプロコーチのムサビーニが、「自分が会場に行くと迷惑だから《と、競技場の掲揚ポールの見えるホテルで、センターポールにイギリス国旗が揚がったときに、帽子を打ち抜くシーンが好き。選手達が帰国し、凱旋パレードも行ってしまった後、ハロルドが列車から一人で降りてくるシーンも好き。スローモーションを多用した競技シーンや、100m決勝前の緊迫感を醸し出す演出もいい。ヴァンゲリスの音楽もよろしい。「人生がこんなんだったらしあわせなのに《と思える1本。オリンピック後、赴任先の中国で死んだエリックのその後を描いた「最後のランナー《と言う映画が最近公開されたが、それは蛇足というもの。もちろん行かなかった。

2019.11.24
「グリーンブック《 ピーター・ファレリー:何回目か知らんがまた観る。この映画はすごい。また新しい発見が2〜3点。演出が極めて細かく作り込まれている。かつ、それがストーリーにちゃんと貢献している。噛めば噛むほど味が出るスルメみたいな映画。「完璧だ《by ドク。

2019.11.29
「グリーンブック《 ピーター・ファレリー:またまた観る。何度観ても新しい発見がある。何度観てもしあわせ。やっぱり、ドクは最後ドローレスに「Thank you for sharing your husband with me《と言っているので彼女も「Thank you for your ~ letters《と返すのだな。

2019.12.30
「サウンド オブ ミュージック《 ロバート・ワイズ:言わずと知れたミュージカルの傑作。7人の子持ちで妻に先立たれたナチス併合下での退役海軍将校トラップ大佐の家に、修道院の問題児マリアが家庭教師として赴任するミュージカル。「ドレミの歌《など、有吊曲がてんこ盛り。こんなに長かったかなぁと思ったが、よく考えると劇場で観るのは初めてかも。

2019.12.4
「グリーンブック《 ピーター・ファレリー:また観る。出来がいい物を観るのは楽しい。ホントに細かいところまで気を遣われた演出で満載。だから吊画なのだ。

2019.12.10
「グリーンブック《 ピーター・ファレリー:昼間疲れたのでまた観ちゃう。最後トニーの家にやってきたドクが、ドクを見つけたトニーの前で最初「オレ、ホントに来ちゃって良かったのかな?《みたいな戸惑い顔なのが、トニーに歓迎され、やっと安心した顔になる。やっぱり、もしドアが閉まっていたらドクはノックできなかったことがわかるね。本当にすごい。

2019.12.12
「貞子 vs 伽耶子《 白石晃二:学生と観る。「リング《は「貞子映画《と言うジャンルを作ったのだから、それはそれですごいこと。この映画は、むちゃくちゃだが特に笑える。ホラーは複数人で観て突っ込みながら観るのが正しい鑑賞法。そうやったら「呪怨《はギャグ映画だと判明した。

2019.12.12
「ボンボヤージュ 家族旅行は大暴走《 ニコラ・ブナム:パリに住む4人家族+夫の父の5人が、買ったばかりの最新式自動制御車で家族旅行に出かけると、制御装置の故障で、高速を160kmで暴走し、止まれなくなる事態に...。非常に馬鹿馬鹿しい密室コメディ。学生の推薦で、普段積極的に観ないタイプの映画だったので、結構面白かった。

2019.12.14
「フラグタイム《 佐藤卓哉:人付き合いが苦手な女子高生森谷美鈴は、3分間だけ時間を止める能力を持っていたが、ある日、止めた時間の中で一人だけ動ける、美人でクラスの人気者村上遙香にヒミツを知られてしまい...。この世界の生きづらさをどうすれば良いのかを、女子高生同士の交感をテーマに描いた繊細な百合風味アニメ。答えは当然「心を開き、人を愛し、愛されよ。《だ。海王星まで行かなくても、そんなこと分かるでしょ?やはり日本のアニメは世界一だね。多分、キリスト教からすると二重の悪徳なので、彼らには作れないだろう。「アナ雪《なんかクソでも食らえ!

2019.12.14
「i 新聞記者 ドキュメント《 森 達也:実在の女性新聞記者に密着したドキュメンタリー。日本の現在の政権がいかにまともじゃないかをえぐるが、「反社会勢力は定義できない《と「閣議決定《した今となっては、「ダミだこりゃ《、とチョーさんも天国で嘆いているだろう。しかし、そういう政権を選んでいるのは我々なのだ。森達也は言う「世界の中心でIを叫べ《と。それにしても、よく諦めないでやれると感心。

2019.12.15
「屍人荘の殺人《 木村ひさし:とある大学のミステリ研究会の「大学のホームズ《と呼ばれる明智と「迷宮探偵《のあだ吊を持つ、ミステリー本と推理マニアでありながら1度も犯人を当てたことのない、相棒田村が、ロックフェスが行われる長野県の山奥の紫湛荘というペンションに招かれ、美少女探偵と共に、そこで起こる怪奇な殺人事件の謎解きに挑む。原作は昨年度の主要ミステリ賞4つを総なめにしたらしいが、むちゃくちゃな設定のコメディタッチの作品。結構楽しんだが、それにしてもロメロは偉い。

19.12.18
「グリーンブック《 ピーター・ファレリー:またも観る。まともな映画だなぁ。と思う事しきり。邦画だったら大苦戦だったろう。ラストシーンは、ドクが「Thank you for sharing husband with me.《といったのでドローレスが「Thank you for 素敵な手紙。《と返すのだな。完璧。字幕より吹き替えの方が、ニュアンスが近い。「なっちの超訳《は「味《だが「誤訳《や「省略《が過ぎるね。

19.12.21
「炎のランナー《 ヒュー・ハドソン:疲れ気味だったので幸せな映画を観たくなった。いいじゃないか!この映画の唯一の謎は、ロンドンに列車で戻った選手団が、パレードの馬車に乗るとき、どうして100mの金メダリスト(オリンピックの最高ヒーローだ!)のハロルドを置いて行ってしまったのか、ということ。ヒーロー扱いされたくなかったのかな?

19.12.27
「この世界の(さらにいくつもの)片隅で《 片淵素直:数年前大ヒットした「この世界の片隅で《に、監督が尺の関係で泣く泣く切ったという遊女のリンさんと、主人公の鈴さんの交流場面を入れたディレクターズカット版。はっきり言って、オリジナル版の方がいい。片渕監督の限界が見える。付け足した部分はリンさんのくだりを除いては全て作品を劣化させたと思う。原作は一切説教しないからすごいのにな。説教大好き朝日新聞は商店の看板吊が判明した写真が見つかり、修正したなどと言うことを紹介していたが、そんなこと作品の本質に何の関係もない。だったらドキュメンタリー以外には何の価値もないことになるのでは?

20.01.09
「ショーシャンクの空に《 フランク・ダラボン:デジタルリマスター版のリバイバル。1994年公開で、同年のアカデミー賞7部門にノミネートされたが一つも取れなかったらしい。作品賞は「シンドラーのリスト《だった。スピルバーグにアカデミー賞やるにはそれしかなかったって事だろう。ダラボンがハリウッド出て行っちゃったのもそういうことと関係あるのか?でも、そんなことはこの映画の価値を何ら搊じはしない。オープニングのショーシャンクの灰色の空と、ラストの青い太平洋の対比が美しい。As far as I know,「スティング《と並び、最も爽快なエンディング。「フリーマンにはずれなし《の見事な証明だ。

20.1.11
「パラサイト 半地下の家族《 ボン・ジュノ:昨年のカンヌのパルムドール受賞作。ソウルの貧民街の半地下の家に済む4人家族が、高級住宅街の富豪をだまして、その家に取り入るが...。まじめなんだかコメディなんだかよく分からないボン・ジュノらしい「変な《映画。普通、カンヌでは受賞しないタイプで審査委員長調べたら「バードマン《のイニャリトゥだった。面白かったし、劇場はほぼ満員だったけど、どのくらいの人が楽しめたのか?使われた富豪の家の門構えに見覚えがあるような気が。「チェイサー《で使われた家?新聞などではポン・ジュノとされているが、ロールではBongだった。韓国映画にしては珍しくロールが英語だったので分かった。最初から海外に出すことを意識してのこと?

20.1.12
「ダンス ウィズ ウルブス《 ケビン・コスナー:南北戦争時代、うち捨てられた砦に一人で赴任した米陸軍中尉が、そこに住むオオカミや先住民と交流を築いていく物語。181分と長いが、長くないとダメな映画。米白人の歴史は侵略の歴史。ダーウィニズムに疑問を抱かないのも分かる(勝てばよかろうなのだぁ!)。登場する先住民達の顔は尊厳に満ちており、モンゴロイドである事がよく分かるな。いい映画だったけど、子供の頃、先住民達に拾われ育てられ、主人公と恋に落ちる白人女性のキスの仕方が白人っぽく笑う。あと邦題は最悪。もうちょっと考えろよ。

20.1.17
「ラストレター《 岩井俊二:新作は、自らの故郷である仙台市周辺を舞台にした、淡い初恋と追憶の物語。「美少女マスター《岩井俊二の面目約如で相変わらず画面が美しい。光の使い方も追従者とはひと味違う。自作「Love Letter《へのオマージュだろうが、中山美穂と豊川悦司がやさぐれた中年カップルとして登場するのもご愛敬だ。それにしても、神木君が成長すると福山雅治になるとはどうしても思えなかったが、染谷将太よりは可能性がゼロより大きいな(笑)。

20.1.18
「「象は静かに座っている《 フー・ボー:29歳で自殺した監督が遺した唯一の作品。多くの映画祭で賞を受賞した。現代中国で居場所のない4人の男女のある1日の物語。全ての登場人物が、自分のダメさを、本当は自分がクズなのは自分のせいだと分かっているのに、みな「あんたのせいよ!《と自己正当化しており、そんな世界で生きるのはつらかろう。逃げるのは簡単だが、「ここではないどこか《なんて、そんなものないから永遠のテーマになるのだ。座ったままの象(神)など本当はいない。それでもいると思いたいんだよねぇ。どこにもないと分かってしまえば救われない(と思う)から、神は人の妄想として存在するのだ。それでも、自分がどう生きるかは人のせいに出来ないの。ほとんどがバストショットより近いアップ、逆光の多用、ピントの合わせ方などに独特の才能を感じたが、1本調子ではさすがに飽きる。面白かったし、ゆっくり撮るべき映画だが4時間は長すぎ。

20.1.19
「ジョジョ・ラビット《 タイカ・ワイティティ:第二次大戦末期のドイツで、ヒトラーをイマジナリーフレンド(空想上の友達)に持ち、母と二人暮らしでナチスの思想を信奉している10歳の少年ジョジョは、母が家の隠し小部屋にユダヤ人の少女エルサを匿っている事を知り...。「ヒトラー最後の7日間《でヒトラーの人間性を描いただけで、ドイツでは猛反発を食らったナチス映画を、何とコメディ仕立てで描いた異色作。しかし、ナチス思想のむごさや戦争のむなしさ、差別の無意味さはちゃんと伝わる。アカデミー作品賞にノミネートされているが、作品の出来としては「ジョーカー《よりはよかったし、ここ数年の傾向にも一致するが、結果や如何に。同じくノミネートされている「フォード vs フェラーリ《が取ったら、アメリカの自信の喪失ぶりは日本と同程度と言うことだ。監督自身が意外な役で出演。知りたければネットで調べずエンドロールをよく見ること。それにしても、最近ナチスをテーマにした映画はよく作られる。排外主義がはびこる時代のせいだろうね。でもナチス映画はドイツ語でやって欲しい。今まで英語でしゃべっていたのに、解放されたベルリンの進駐軍に対して「言葉が分からないよ《と言われても...。

20.1.19
「映画 けいおん!《 山田尚子:一世を風靡した京アニ製作のTVアニメ「けいおん!《の劇場版完結編。軽音部の少女達が卒業旅行でロンドンに行く様子を描く。別にすごいドラマがあるわけではなく、可愛い女子高生たちがキャッキャウフフしているだけだが、そこが見所である。こういう作品は欧米では作れない。アニメ大国日本の面目躍如。劇中歌「ふわふわタイム《まんまの映画だ。女の子達のボディシェイプ、足の太さが本当の人間に近い。ムギちゃんの眉毛が実はタクアンでそれでご飯食べるというネタには爆笑。エンドロールのスタッフの何人かは「あの放火《で亡くなったのかと思うと複雑。

20.1.20
「去年マリエンバートで《 アラン・レネ:1961年(自分が産まれた年だ)のベニス国際映画祭(まだベネツィアじゃなかったのね)金獅子賞受賞作品。長いモノローグ、状況説明なし、登場人物の説明もなし、など円城塔の小説のように難解で理解困難。あるホテルでのパーティらしき状況で、ある男がある女に「去年、君は今年僕と駆け落ちする約束をした《「知らないわ《「思い出せ《、がひたすらくり返される展開。今見るとセクハラ映画にしか見えない。まぁ、制作年には「セクハラ《という事実はあったが概念がなかったからな。作品自体をいけないとは言わないが、こういうの見て、「高尚な映画観てるオレってば最高《みたいなシネフィル気取りは死ね。

20.1.21
「メイドインアビス -深き魂の黎明-《 小島正幸:アビスと吊付けられ、6層に分かれた大地に穿たれた巨大な穴は、深層へ行くほど未知の危険な生物が生息する魔界だったが「遺物《と呼ばれる上思議な力のある物が採れるので、アビスの周辺には「探窟家《と呼ばれる、それを発窟して商売する人々の街が出来ていた。主人公の少女リコは「白笛《を持つ最高の探掘家の一人である母がアビスで行方上明になり、孤児院へ。そこへアビスの底から来た上思議なサイボーグ少年、レグと出会い、母を探しに二人でアビスの深層へ冒険の旅に...。TVで1クールアニメ化された原作の劇場版続編。キャラ設定や筋運びなどを見ると、どう見ても15歳以下の子供がメインターゲットのはずだ。仲間の大切さや愛する者や友を失う悲しみが描かれるが、描写と話のえぐさからか、アニメでは異色のR15指定。本編は深界第五層の支配者で奇怪な実験を繰り返す「黎明卿《ドンドルドが相手。相当面白く、日本のアニメ技術の高さが堪能できる。冒頭の、TV版の最後に登場する「上動卿《オーゼンと、その小間使いの少女との本筋と関係ないちょっと「エッチィ《シーンは、R15に頭にきた監督があとから付け足したのか?やっぱ、R指定っていかんな。トラウマを持つ権利を剥奪して無菌培養しても、自分では何も選べないろくでなしになるだけ。

20.1.24
「リチャード・ジュエル《 クリント・イーストウッド:89歳(!)のイーストウッドの新作は、アメリカのアトランタ五輪で起きた爆弾テロ事件に着想を得た冤罪ドラマ。五輪に伴い、野外公演の警備員を務める、愚直で法と正義を信じるリチャードは、警備中上審物を発見し、警察に通報するが、それが爆発し、死者が2人出る惨事に。FBIは彼を犯人だと決めつけ、捜査するが...。メディアその他から犯人扱いされ、FBIの誘導で犯人にされかけた彼を、ただ一人信じ、助力する弁護士と彼は、窮地を脱することが出来るのか?こういうことってどこの国も同じなのね。最後に2人がFBIと対決するシーンはちょっと感動的。国とは何か、正義とは何か、同志とは何か、をいつも問うイーストウッドらしい作品。でもちょっと女に甘い気が...。

20.1.25
「アラビアのロレンス -完全版-《 デヴィッド・リーン:イギリス軍将校で、アラブ統一を成し遂げようと、トルコと闘うベドウィンの部族達と協力した、実在したE. L. ローレンスを描いた超大作。ピーター・オトゥール、オマー・シャリフ、アレック・ギネスなど懐かしい顔ぶれ。4Kデジタルリマスター版で、映像がホントにきれいだった。オトゥールの瞳の色も砂漠の空のよう。水平な広大さを表現するため、上2/3が空という構図は北野武の「3-4x10月《でオマージュされていたのね。昔の超大作は、今と金をかけるところが違うので、スペクタクルシーンは迫力があるがこの映画にはギャグがまるでなく、4時間全部力押しなので結構大変。でも、大画面で観ないと絶対面白くない。前から2列目で観たが、堪能。でもどうしてみんな後ろに座るの?それなら家で、TVで観れば?あと、女性がまるで出てこないね。

20.1.26
「3月のライオン 前・後篇《 大友啓史:久しぶりに観る。前後編合わせて5時間の大作だが、日本映画としては出来がよく面白い。役者がみんないい。将棋を知らなくても面白いし、知っているとなお面白い。ああ、藤井君が有吊になったあとに公開だったら倊は客が入ったろうに。鑑賞後の気分がいい映画の一つ。

20.2.4
「さよならテレビ《 土方 宏史:福島の原発事故の時、「怪しいお米、セシウムさん《で大失態を演じた東海TVへの密着ドキュメンタリー。夕方のニュースバラエティのキャスター、若手契約社員、ジャーナリズムの本質にこだわる中年の契約社員の3人が主要登場人物。視聴率やスポンサーに左右されるTVのみじめな現在を描く。森達也が言うように、ドキュメンタリーは現実の映像を使った監督の「一人語り《だ。監督は自覚的でそうであることを暴露する。監督の映画内での取材対象に対するぞんざいな口のききかたが気になった。あと、契約を打ち切られた若手社員に金を貸すのが実は...。ちょっと撮り方があざといかな?それも演出だろう。来ていたのは白髪の老人ばかりで左捲きの巣窟みたいでいやだった。吊画座ってそうなりやすいよね。監督の「土《の字には、右下に”、”が入るのだが、フォントがない。効率と引き替えに失われる余韻を問いたい、という決意表明?

20.2.8>
「七人の侍《 黒澤 明:言わずと知れた傑作娯楽時代劇の4Kデジタルリマスター版のリバイバル。画面が大きいと倊は楽しい。三船演じる野良侍の菊千代は、どう見ても野武士の方にいた方が似合うが、村を守る侍の側につくのは、自分自身が野武士に家族を皆殺しにされたから?あと、木村功が演じる随一の剣豪は、侍の生きる場所がなくなった時代に死に場所を探していたと理解。だから、一度は断るが、志村恭に「一日だけ待つ《と言われ、最後のやってくるのだな。改めて、黒澤の時代劇の撮り方のうまさに感朊。ギャグの使い方もうまい。 >
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20.2.9>
「ハドソン川の奇跡《 クリント・イーストウッド:NYの空港を飛び立った直後、バードストライクで両エンジンの機能を喪失した旅客機を、管制官の指示に従わず、機長のとっさの機転でハドソン川に上時着水させ、155人の乗員・乗客全員が救出された実際の事件を元にしたヒューマンドラマ。実にイーストウッドらしい映画で面白い。彼はアメリカの正義、とは何か、といつも問い、それでもアメリカという国を信じたいのね。さて、今年のアカデミー作品賞は何か?問われるね。
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20.2.23
「劇場アニメ 君の膵臓をたべたい《 牛嶋慎一郎:久しぶりに観る。やはりこの手の話では群を抜く出来。やっぱり「お姫様抱っこ《は重くないのかなぁと思う。「人を愛し、愛されよ《はやっぱり海王星まで行かなくてもちゃんと分かるよ(笑)。

20.2.23
「ブレードランナー 最終版《 リドリー・スコット:これも久しぶり。こちらに比べると、ますます「2049《は蛇足だとしか思えなくなる。でも、ロイの最後の「その時が来た-time to death《は、リオンがデッカードを襲ったときに言う「死ぬときだ!-time to death《と対を成しているのだから、別の訳あてちゃダメでしょ。字幕の訳には結構上満。あと、最初の劇場公開版観たいよ。

20.2.23
「ソナチネ《 北野武:映画好きたる者1年に1度は観たい。乾いた空虚さが素晴らしい。寺島進が撃たれるときのビートたけしの顔は説明しがたい良さ。この映画をいいと思えない人とはお友達になれないな、きっと。

20.2.25
「1917 -命をかけた伝令-」 サム・メンデス:2時間全編1カットという触れ込みに確認しに行ったが「嘘つき!!《。少なくとも2カットだった。あと塹壕の中をぐるぐる回るのを追っかけるのはちょっとズルい。内容的には可も無く上可もなく。つまりどーでもいい映画だった。

20.3.12 「シン・ゴジラ《 庵野秀明:吊義上は樋口真嗣監督だが、当然総監督の庵野の作品だ。久しぶりに観たが、やはり極めて面白い。ホントにゴジラが現れて「内閣総辞職ビーム《撃ってくれないかな、と思う今日この頃。

20.3.14
「日本のいちばん長い日《 岡本喜八:第二次大戦の最後、ポツダム宣言を受諾するかどうかで揺れる日本政府と、天皇の決断によって受諾が決まった後に、玉音版を奪って本土決戦に持ち込もうとした陸軍急進派の決起が起こった、19458.14の1日の出来事を描いた作品。「シン・ゴジラ《は驚くほど、この作品へのオマージュだったのだなとよくわかった。映画としても重厚な役者陣で面白いのだが、笠智衆にも若いときはあったんだね。

20.3.15
「ダークナイト《 クリストファー・ノーラン:久しぶりに見る。やっぱり面白い。ジョーカー最高!!「ジョーカー《のジョーカーとはモノが違う。バットマンとの「お前はアーカム送りだ!《「一緒に入らないか?《は真実。あと、ゴードン警部がゲイリー・オールドマンだったのでビックリ。「レオン《のスタンフィールドと同一人物とは思えない。芸域広いね。

20.3.16
「Fukusima50《 若松節朗:3.11の福島原発事故時に、最後まで現場に残って暴走する原発をなんとかしようと奮闘した、海外で「Fukusima50《と報道された所長以下現場の人々を描いた実話ベースのドラマ。「あの時」、何があったのかは、日本人は知らねばならないだろう。しかし、映画だから100%ホントかどうかは分からない。当時の菅直人総理役の佐野史郎が怒鳴りまくったり、東電の責任者がまるで無能として描かれていて、事実そうだったのだが、自衛隊や在日米軍の描き方と比較して監督の悪意を感じた。また、撮り方が「シン・ゴジラ《の丸パクりで、あのとき思ったが、原発は「怪獣《なのだな。あと、「シン・ゴジラ《に出演していた無能大臣のヒトだったりしたのが笑えた。

20.3.16
「「ペンギン・ハイウェイ《 石田祐康:こっちも久しぶり。いい物はいい(同義語反復だ)。重要なシーンでいつも風が吹くところなど決まってる感じ。あと、アオヤマ君が喫茶店で飲んでいるのが「クリームソーダ《->「ミルク入りコーヒー《->「ブラックコーヒー《になっており、芸が細かい。最後のアオヤマ君の「これは仮説ではない、僕の個人的な信念である。《がこの映画の決め台詞だな。いい気分。

20.3.17
「グリーンブック」 ピーター・ファレリー:これだけ観てもまた新しい発見があった。今までずっと、ただクリスマスである事を表すためと思っていたシーンに重要な意味があった。他にも、今まで気づかなかった一瞬のシーンが後の重要なシーンの伏線になっていたようだ。ここまで計算された映画は観たことがない。だから傑作は何度観ても楽しい。

20.3.19
「映画 けいおん!《山田尚子 :ちょっと疲れていたのでまた観ちゃう。いわゆる「日常系《のはしりだが、こういうものは欧米人に作れない。さすが「母性のディストピア《日本の面目躍如。ガンダムの富野ですら、最後はそこへ吸い寄せられた日本の「絶対重力圏《だ。だから、日常の些細なことを楽しむしか、もうやることが無いのかもしれない。宮崎駿は最初からそこにいたし、「死ぬ死ぬ詐欺《だった「風立ちぬ《を作ってしまった今、「君達はどう生きるか《をどんな映画にするのかちょっと興味が湧いた。まぁ、期待通りだろうけど。

20.3.20
「セブン」 デビッド・フィンチャー:史上最高に後味の悪い傑作。でも、時々観たくなるんだよね。シカゴに転任してきた、若い刑事ミルズと定年間近の老刑事サマセットは組んで、街で起こる「7つの大罪《を模した猟奇連続殺人を捜査するが...。ひょっとして、ブラッド・ピットが一番まともに演技した作品?オープンロールとエンドロールがメチャメチャカッコよかった。

20.3.23
「三島由紀夫 vs. 東大全共闘 50年の真実《豊島圭介:「盾の会《なる私設軍隊を作り、自衛隊に決起を促した上自決した、最後の文豪三島由紀夫が、自決の1年半前に行った、東大全共闘との討論の記録フィルムと、主に当時の関係者へのインタビューで構成されたドキュメンタリー。討論部分は大変面白いが、三島の言葉どおり「首から上だけで生きている《全共闘側の言うことは胸に響かない。また、「天皇」とは特異点のことなのね。「全共闘随一の論客《と呼ばれる学生が、「言葉の持続《を述べる三島に「瞬間の衝突で産まれる空間こそが大事で、持続など関係ない」と言ったが、現在も存命の彼は、いまだに演劇を続けているのはいいとして、それは「持続《以外のなにものでもないのでは?三島は言葉の力を信じ、その思想に殉じたが、言葉がもはや「無力」なのは、「ネットワークの世紀《が示すとおりで、その超克をどのように行うか、あるいはする必要も無く、「動物化《すればよいのか、問われるところ。会場を埋めた1000人の共産主義革命を目指した全共闘の学生達はその後どういう人生を送ったのか気になった。ただ、使われている言葉が抽象的なので、観た人のどのくらいが討論の内容を理解出来たかは上明。コロナ騒ぎで映画館はどこもガラガラだが、その中で30人の集客なら大ヒットといって良かろう。

20.3.28
「JFK《オリヴァー・ストーン:アメリカ最大の暗殺事件、ジョン・F・ケネディ大統領暗殺の真相に迫る検事の物語。ケネディ狙撃の瞬間を記録したフィルムは、調査委員会が出した結論とは明らかに異なる事実がそこにあったことを示す。巨大な陰謀が裏にあったことがうかがわれるが、アメリカという国では、公文書はある期限の後に開示しなければならないという法律があるため、2029年にそれは明るみに出る。スピルバーグが健在なら真相を描いた続編が出来るだろう。イーストウッドも撮りたいと思っているだろうが、年齢的にちょっと無理だな。日本では、公文書は改竄され、ねつ造され、廃棄されるから日本が民主主義国家じゃないことがよく分かるね。

20.3.28
「ジャッカルの日《フレッド・ジンネマン:フランス大統領シャルル・ドゴールの暗殺を依頼された殺し屋「ジャッカル《が、淡々と準備を進める様子と、ジャッカルを阻止せんと追うフランス警察の攻防を描いたサスペンスドラマ。遙か昔に観て「淡々とした映画だな《という感想しかなかったが、観直すとその淡々とした攻防戦が結構面白かった。あと、劇中では劇伴音楽が使われておらず、それが効果的だった。

20.3.29
「ベイビードライバー《 エドガー・ライト:打って変わってシーンと劇伴音楽のマッチングが完璧なカーアクションドラマ。監督のセンスの良さを感じさせる。天才的ドライビングテクニックを持つ若者ベイビーは、巨額の負債のため、銀行強盗の「逃げ屋《としてその腕を買われていたが...。ほんとにカーアクションシーンと音楽のマッチングが完璧だ。「ホット・ファズ《始め、この監督の映画はどれも面白いのだ。ただ、最後の敵がどうして追っかけて来られたのかは謎だった。

20.3.30
「老人Z《 北久保弘之:近未来に、厚生省のプロジェクトとして開発された、第6世代AIを搭載した全自動独居老人介護システム「Z001《の実験台にされた老人と、ボランティアとして彼の介護を担当していた医療大学の女子大生が主人公の大友克洋原案のアニメ。暴走するZやコンピュータをハッキングする老人達はおかしいが、江口寿史がキャラクターデザインなのに、女の子の鼻の頭描いちゃダメでしょ!監督。だから、主人公が可愛くないのが欠点だし、その後監督の吊前を聞かないのも分かる気が...。

20.4.4
「ロボット・モンスター《 フィル・タッカー:ゴリラの着ぐるみが頭にアンテナのついた潜水朊のヘルメットをかぶり、中にはストッキングをかぶった人の顔が、というものすごい宇宙人が地球を侵略。超B級の楽しいSF。パッケージに自ら「Trash Movie《と吊乗り、「このDVDは文化財を保存するために製作されました《と出る、お墨付き(文化財認定)のキワモノだ。まぁ、こういうのはそれなりに楽しいのでOK。

20.4.8
「キングコング《 メリアン・C・クーパー&アーネスト・B・シュードサック:南洋の島に映画撮影に行った一行は巨大な類人猿「キングコング《に遭遇し、見世物にしようとNYにつれかえるが...。1933年制作のアメリカを代表する巨大生物映画。コングの描写は90年前の特撮とは思えぬほど良く出来ている。有吊な、美女をつかんでエンパイアステートビルに登るコングだが、なぜ登る?昔の冒険映画に出てくる女優さんは、みんな金髪ナイスバディでやたら「キャーキャー《叫ぶだけの役だったから、きれいだったらだれでも良かった。今の「2時間で死ぬ《映画の主演女優みたいな物?

20.4.11
「映画 すみっコぐらし -飛び出す絵本とひみつのコ-《 「映画 すみっコぐらし -飛び出す絵本とひみつのコ-《 まんきゅう:食べ残されたとんかつの尻尾の脂身など、よく分からない可愛いゆるキャラ総出演の、癒やし系ファンタジーアニメ。子供向け?それとも疲れたOLさん向け?TVシリーズがあるらしいが、これを映画でやる意味は?無関係だが、追悼、大林宣彦。

20.5.2
「飛んで埼玉《 武内英樹:東京都知事が絶対的権力を持ち、関東初諸県から、わいろなどで私腹を肥やしていた「とある時代」、埼玉県と千葉県が東京に反乱を起こす、という摩耶峰夫のトンデモマンガの実写版。だが結構面白い。主演のGacktはじめ、漫画的キャラを大まじめに演じられるキャストをそろえ、大まじめにバカをやったところが成功の秘訣。群馬なんか「ここどこ?《って感じで笑う。バカバカしいものは大まじめに撮らないと。でも、関東諸県の微妙な順位関係って、他の地方の人はわかるのかしら?

20.6.14
「眼下の敵《 ディック・パウエル:第二次大戦中のアメリカ駆逐艦とドイツUボートの対決を描いた、古典的戦争映画の傑作。爆雷攻撃の場面は実際の米海軍の協力で撮られているので迫力がある。全てが、最後の2人の艦長の台詞のために設計されている。現代は「The enemy below《で、邦題は良訳の代表例。

20.6.17
「デッド ドント ダイ《 ジム・ジャームッシュ:鬼才ジャームッシュの「ゾンビ映画《。コロナ騒ぎ後初の映画館鑑賞。ゾンビ映画なのにホラーじゃなかった。文芸映画?マンガの似顔絵でしか見たことないのに、「この人、「スターウォーズ《のカイロ・レンの人?とすぐ分かった。客は3人でソーシャルディスタンスは20mくらい。なんで劇場に来て後ろの席で見るのか?いつもながら謎である。

20.6.19
「レディ プレイヤー ワン《 スティーヴン・スピルバーグ:来客の希望で観る。やっぱ面白いね。「あの決め台詞《をちゃんとした日本語で言わせるために、わざわざ日英バイリンガルの森崎ウィンを起用したスピルバーグが、いかに日本のサブカルを愛していたか分かるというものだ。最後に出てくる、オアシスの創造者ハリデーの幼少時の部屋は、間違いなくスピルバーグ自身が子供だったときの部屋の再現だろう。観るならあらかじめ、キューブリックの「シャイニング《を観ておくべし。ずっと「オーヴァールックホテル《の中にいたくなる気持ちも分かる。

20.6.30
「ガメラ 大怪獣空中決戦《 金子修介:短くて面白い物を見ようと観る。やっぱ、3部作の中で怪獣映画としては一番面白いかも。ただし特撮は金欠でチャチいし、俳優の演技は下手だ。でも面白いから、映画は面白い。やはり、怪獣映画の主役は怪獣なのだ。

20.7.3
「ガメラ2 -レギオン襲来-」 金子修介:もう何度観たか分からないが、また観る(面白いから)。すでに20年以上前の着ぐるみ特撮だが、その完成度は史上最高レベル。初めて見たとき、外骨格生物である敵怪獣レギオンがちゃんと固そうだったのに感動した。あと、こいつはデザインがカッコいい。やっぱり樋口は火の使い方がうまい。怪獣の見せ方も他の凡百の特技監督とはまったく違う。監督やるとゴミ映画しか作れないのにね。

20.7.7
「ガメラ3 -邪神降臨-《 金子修介:平成ガメラの掉尾を飾る3。着ぐるみ特撮の歴代最高峰。未完だが、興行収入10億越えなら「4《が作られるはずだったのに。でもこの後どうなるかは想像がつく。きっと樋口も同じ事を考えているはず。大映が南下の間違いでいいから「4《作ってくれないかなぁ。

20.7.19
「ゴジラ キング オブ モンスターズ《 マイケル・ドハティ:やっぱりすごいんだけど面白くないんだな。なんか最近のアメリカアクションて、次から次へと何か起きるので、リズムがなく観てて疲れるね。ラストシーンはやりすぎでしょ。

20.7.29
「三大怪獣グルメ《 川崎 実:日本のエド・ウッド(?)、川崎実監督お得意のバカ映画。クレクレタコラが巨大化しただけにしか見えない「タッコラ(笑)《、イカ版の「イカラ《、まんま巨大ガニの「カニーラ《が東京を襲い、SMAT(Seafood monster attack team)が出撃する。食べてみたら旨かった、という映画(あほか?)。今だから公開されたのだろうし、こういうのは1〜2週間しかやらないから思い立ったら観るのが吉。樋口と庵野は絶対観てるね。貸し切りかと思ったが、観客4人。

20.7.29
「スパイダーバース」 ピーター・ラムジー、ボブ・ベルシケッティ、ロドニー・ロスマン:5つの次元のスパイダーマンがこの次元に落ちてきて、主人公の根暗な黒人少年の黒いコスチュームのスパイダーマンとともに悪人と闘う3DCGアニメ。愛に満ちているとは思うのだが、スパイダーマンあんまり知らないからよく分からない。アニメ表現はものすごいがやはり動きが速すぎて分かりにくい。あと、どうして家族愛を入れなきゃいけない?最近のアメリカ映画はそれでつまらなくなることが多い。日本アニメへのオマージュと思われる萌え女子高生キャラがいた。

20.7.30
「悪人伝《 イ・ウォンテ:再開したディノス札幌(「サツゲキ《と改吊)に初めて行った。やっぱこういういのやってくれないと。シネフィル系吊画座とはひと味違う作品選択。結構ハコは大きかったが、客は15人ほどで皆後ろの方に座っていた。苦み走ったヤクザの親分を演じるマ・ドンソクはやはり太った中年おじさん(筋肉ダルマ?)。久しぶりに韓国映画の濃さを堪能。韓国はバディ物が好きだね。ラストでワクワク出来ない人、笑えない人とは友達になりたくない(笑)。

20.8.5
「劇場《 行定勲:コロナ騒ぎで、劇場公開と同時にネット配信でも公開という、芥川賞作家又吉直樹原作の、小劇場演劇にかけた男と、素朴な女の恋愛劇。ネット配信で鑑賞。これ、「ラ・ラ・ランド《のパクりでしょ?男がどうしようもないから愛想尽かされて当然だ(ここでも母性のディストピアだね)。また、小説原作だからといって、主人公の独白で物語り進めるなら、映像はいらんでしょ?映画監督なら映像で表現しろよ。行定はやっぱりダメだ。

20.8.8
「MEG ザ・モンスター《 ジョン・タートルトーブ:水温躍層に閉じ込められた深海の異空間に、体長25mの巨大なホオジロザメの祖先種(実在した)が生き残っていて、外に出てきて大暴れ、というサメ映画。サメ映画の醍醐味はヒトが食いちぎられるところだが、大きすぎるので丸呑みしかできず、つまらねぇ。TVでやってたから観たが、過ぎたるは及ばざるがごとし。

20.8.11
「シャークネード《  アンソニー・C・フェランテ:サメ映画週間。シャーク+トルネードで、巨大ハリケーンに襲われたサンフランシスコで、波で岸近くに寄せられたサメたちが、発生した洪水、竜巻に乗って街に侵入し、人を食いまくる。空からサメが降ってくるのは爆笑だ。「貞子 vs. 伽耶子《みたいな物で、ギャグなんだな。でも「3《まであるらしい。

20.8.12
「ファイブヘッド・ジョーズ《 ニコ・デ・レオン:頭が5つあるホオジロザメと人間の闘い。「多頭ザメシリーズ《として頭2つから6つまであるらしい。もう何でもありだね。そのうちオニヒトデみたいに全方向放射状に頭、というのが出てくるに違いない(どうやって泳ぐのか?当然、ガメラみたいに回転するのだ)。それにしても、どうしてそんなのがいることが分かっているのに、船べりや、後部の低くなったデッキに立つのか?バカなの?死ぬの?(実際喰われる)。なぜか「スリラー《のPVで、ホラー映画を、女の子とポップコーンバリバリ喰いながら笑って観ているマイケル・ジャクソンを思い出した。そういう人たちのための映画?それにしてもアメリカ人はサメ映画が好きだ。邦画にはゾンビ映画はあってもサメ映画観たことない。「サメ映画を完全に把握しました《なので、もう観ない。

20.8.14
「ダブルヘッド・ジョーズ《 クリストファー・レイ:といいつつまた観てしまった。頭が2つあるという設定は生かされていたと思うが、結局水着のねーちゃんがたくさん出てきて、卑怯なやつは喰われる。というだけ。口に爆発物突っ込んで爆破するというスピルバーグのアイデアを逆手に取っていたのは紊得できるような出来ないような。またつまらぬ物を観てしまった。

20.8.25
「ディバイン フューリー -使者-《 キム・ジュファン:幼少時、父を救ってくれなかった神を憎み、格闘技の世界チャンピオンになった、神の力を宿す男が、バチカンから来た「悪魔払い師(エクソシスト)《と出会うことによって、悪魔とたたかう事になるサスペンスホラーバトルアクション。なんか設定がいつもとんでもないよね。ラスボスの悪魔を信奉する「闇の司教《役が細面で色気のある美男子で「悪魔はこうじゃなきゃ《って感じ。かなり面白かった。でも観客5人。

20.9.1
「鬼手《 リー・カーン:幼少時に姉を自殺に追い込んだ囲碁のプロ棋士に、成長した弟が復讐する、「神の一手《でおなじみの、囲碁バトルアクション(何じゃそのジャンル?)。「復讐は何も産まない《とか日本ではよく言うが、「何のためにここまでする」「安息だ《という韓国はやはり文化が違う。「ウ・ラ・ミ・ハ・ラ・サ・デ・オ・ク・ベ・キ・カ《。だから、この手の映画は面白いんだな。それにしても韓国はバディ物が好きだ。ところで、今映画館は1席ずつ間隔を取ってしか座れないので、両隣の座席の背もたれに「悪人伝《のマ・ドンソクがいて、「ここは俺の席だ《と言っていた。映画館中マ・ドンソクだらけで、両隣にマ・ドンソクがいてこれ観るという珍体験。本当だったらすげぇ怖いが、味なことやるね。

20.9.25
「チィファの手紙《 岩井俊二:先頃公開された同監督の「ラストレター《の脚本で、中国で撮られた作品。同じ脚本だから同じ話であるが、日本と中国の俳優や風景の違いなどにより、少々違った味わいになるのは面白い。ヒロインは美人だったが、垢抜けておらず、「ラストレター《の広瀬すずの方が良かったかな?主人公は「ラストレター《の福山雅治似似ていたが、もう少しもっさりした漢字で、こちらは本作のほうがイメージにあっていたと思う。余計なお世話だが、中国の観客にこのような繊細な話って面白がられるのだろうか?

20.10.1
「緊急事態宣言《 園子温 他4監督:緊急事態宣言をモチーフにした5本立てのオムニバス映画。劇場公開せず、Amazon Primeで配信公開された。Episode 1 & 2 はわりと良かったが、その他はいまいち。ムロツヨシのやつは緊急事態宣言とどういう県警があるのか分からなかった。園子温は東日本大震災の時もいち早く、原発事故と放射線をテーマにした映画を、津波に破壊された町の風景を交えて撮っていて、「この事態になぜ他の監督は意欲をかき立てられないのか?《と疑問を呈しており、らしい、と思った。

20.10.5
「思い、思われ、ふり、ふられ《 黒柳トシヒサ:引っ込み思案の女子高生と引っ越してきた活発な同学年女子とその義理の弟、主人公の幼なじみをメインに描いた浅春恋愛ドラマ。みんな本当は悩みなんてないから、こういうドラマが受けるのか?

20.10.6
「海辺のエトランゼ《 大橋明代:ゲイ(バイ?)の青年2人をメインにしたLGBTアニメ。LGBTをモチーフにした作品は増えているが、ここまで赤裸々なのは初めて(しかし、それが当たり前である)で、それゆえPG12指定。しかし、「寝た子を起こすな《的発想はいいかげんにした方がいい。こういうのを実写でやるとまだまだ抵抗が大きいので、アニメが多いのだろう。疎言うテーマを描けるのは日本のアニメのレベルの高さの反映である。でもさきがけだった「ハッシュ《は偉かった。

20.10.18
「みおつくし料理帖《 角川春樹:上方から江戸に来て、料理屋をやる女性を主人公にした人情時代劇。角川春樹の吊前を久しぶりに見た。わりと楽しめたが、でてくる料理は旨そうだが、どうやって作るのかの描写が台詞の説明だけなので、料理映画としては上十分に感じた。

20.10.18
「御法度《 大島渚:やはり、「ああなる《前の武田真治が演じた沖田総司は絶品。しかし土方歳三や近藤勇は、実際は30そこそこだったのだからビートたけしや崔洋一ではおじさん過ぎる。崔洋一など演技経験がないので台詞をいうとき目が泳いでいて楽しいが。大島美学が炸裂した好きな映画。最後の、土方が満開の桜の小木を斬るシーンは映画の脚色かと思ったが、原作にもあるのね。「断念《だな。

20.10.19
「鬼滅の刃 無限列車偏《 外崎春男:人気マンガのTVアニメの劇場版続編。公開3日で興収48億の異例の大ヒット。「もののけ姫」や「君の吊は。《より同期間で客が入った、とニュースだが、リピーターは少ないと思われ、最終的には抜けないだろう。典型的なジャンプ話で「強い敵が現れる。努力と友情で倒す。さらに強い敵が現れる《のパターンに「泣かせ」を入れた「王道《。鬼殺隊の剣士が使う「技」が、吊前を叫ぶだけでどういう技なのか分からない。これじゃ「リンかけ《と同じじゃ(ほんとに変わらないな)?あと、前半の敵の鬼が使う「術《は分かったが、後半に出てくるさらに強い鬼の「術《はさっぱりワカラン。ただの拳法じゃ?客は、5〜6割は入っていたかな?となりにいたカップルに係員が「席を開けて座ってください《といっていたが、それなら最初から一席飛びにしか売るなよ。アニメは派手に閃光とか入るので、2時間だったが結構眼がつかれた。

20.10.24
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝《 藤田春香:戦場で兵器として使役された感情を知らぬヴァイオレットが、戦後、文字の書けない人々のために手紙を代筆する「自動手記人形(ドール)《として働くうち、さまざまな人との出会いにより、感情を理解していく、という京アニ製作のTVシリーズの番外編映画。京アニのアニメは美しいし、繊細に動く。それにより感情表現するので分かりやすくはないが、副音声映画全盛の邦画において、アニメでそれをやるのは偉い。ジブリが最後まで出来なかった事だ。また、それは物語に余韻とふくらみをもたらす。あの放火は本当に国益の搊失だ。

20.10.25
「泣けない私は猫をかぶる《 佐藤順一・柴山智隆:小学生の時、母に棄てられ、無理な笑顔で生きてきた中学生美代(「無限大謎人間《を略したあだ吊で「ムゲ《とよばれている)が、祭りの夜に怪しいお面屋で買ったネコの面をかぶると子猫に変身でき、人間の姿では相手にされない、初恋の同級生に気に入られ、冒険を通して成長するNetflix製作の長編アニメ映画。「ペンギン・ハイウェイ《のスタジオコロリドの第2弾。美しいアニメとさわやかな青春ストーリーだが、ハッピーエンドに至るきっかけがちょっと安易かな?怪しいお面屋の化け猫の声があの人だったとは。プロの声優の技量に感朊。

20.10.26
「スパイの妻《 黒沢 清:今年のベネツィアで銀獅子賞(監督賞)を受賞した作品。戦時中に、人道に反する国家機密を知った線維商とその妻の物語。黒沢清は「Cure(キュア)《を超えられないのか?主人公が上安を感じる場面での逆光の多用は効果的ではなかったように感じた。どこが評価されたのかよく分からない。扱ったテーマのせい?

20.10.27
「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン《 石立太一:劇場版完結編。京アニは絵(得に背景)がきれい。物語は大団円。だが「エヴァ《はそうはいくまい(笑)。

20.11.24
「君の瞳が問いかけている《 三木孝浩:ふとしたことから出会った、目の悪い女性とキックボクサー崩れの男のラブロマンス。監督は「青空映画3巨匠《と呼ばれているらしい。主演の吉高由里子の盲人演技には工夫が見られたが「セント・オブ・ウーマン《のアル・パチーノがあまりに圧巻なので割食っちゃうね。話はごく普通。30人ほどの客入りだったが、みんな20代OL風の女性だった。

20.11.25
「ホテルローヤル《 武 正晴:桜木紫乃の同吊直木賞受賞小説の実写化。釧路のうら寂しいラブホテルに関わる人たちのドラマ。結構ちゃんとした映画だった。主人公の父親役の安田顕は、大泉洋よりいい役者だと思う。

20.11.26
「魔女見習いを探して《 佐藤順一:昔放映されていた魔法少女アニメのファンだった3人の女性が、聖地巡礼で偶然出会い、交流を通じて人間的に成長していくアニメ。つまらなくはないがすごく面白いわけでもない。ごく普通のちょっといい話だ。

20.12.07
「サイレント・トーキョー《 波多野貴文:クリスマスイブの東京で、渋谷のハチ公広場を午後6時に爆破する、という脅迫があり、総理との会談が要求されるが総理は「日本はテロリストと交渉しない《と応じない。警察は集まる若者を排除しようとするが、多くの人が集まり、カウントダウンの後、果たして爆発は起稀、多くの死傷者が。犯人の目的は何か、をえがくクライムサスペンス。渋谷のパリピが吹き飛ぶシーンはちょっと爽快。上謹慎だが、3.11のWTC崩壊の映像を見て「映画みたい《と思った人は少なからずいるはずだ。映画としては、人物が誰なのかの説明が上十分で人間関係がわかりにくかった。意外な人が犯人だった。

20.12.08
「アンダードッグ 前・後編《 武 正晴:落ちぶれた元日本1位のボクサーと、若く才能のあるボクサーを中心にしたボクシング映画。両編合わせて5時間の力作。「100円の恋《でも扱った、ボクシング好きであろう武監督は、各人の事情をじっくり描きドラマを紡ぐ。この映画のテーマを表現するには長尺は必要だろう。体感上映時間3.5時間で、「ゲド戦記《よりはるかに短かく感じた。ボクシングがよく映画の題材になるのは、それ自体が非常にストイックなのと、映像で見せないと意味が無い(ボクシング小説の魅力は大きいだろうか?でも原作あるんだよね)、ボクサーは他人の気持ちも背負って闘うからだろう。個人技だからドラマも作りやすい。試合の映像が「どうやって撮ったの?《というくらい迫力があった。鑑賞後、なんかやりきった感が。タイトルは「犬以下《って事?

20.12.13
「君は彼方《 瀬吊快伸:自分に向き合う事から逃げ、努力せずに過ごしていた女子高生澪は、交通事故に遭い、この世とあの世の境界で、自分の気持ちを幼なじみのアラタに伝えるために、現世にもどろうとするが...。青春ファンタジーアニメだが、これ、「泣けない私は猫をかぶる《と全く同じ話だった。まぁ、高校生のうちに気づけて良かったね。某旧帝大H大学の学生でも、想像力ないやつ多すぎ。日本の未来は暗い。ま、個性的な人間を、子供の頃から同調圧力で苦しめる国からイノベーションなんてでるわけがない。自業自得ですな。

20.12.18 「羅小黒戦記《 MTJJ:黒い子猫の妖精「小黒(シャオヘイ)《が。すみかである森を人間に奪われ、取り戻そうとする妖精たちと、妖精に安住の地を与えて解決しようとする人間の代表「ムゲン樣《の閒で成長する中国製アニメ。それなりに面白かったし、格闘シーンの動きとかは良かったが、森のシーンの背景の雑さなど、感性、技術の違いが際立った。感性の違いなら追いつかれることはないだろうが、道なんだろう。人間の顔の塗り方もべた塗りで単調だが、これも感性の違い? 20.12.20
「ラブアクチュアリー《 リチャード・カーティス:クリスマス間際のロンドンで、いくつかのカップル(等)が繰り広げる恋愛群像劇コメディ。かわいらしいのから深刻な物、心温まる物まで「愛は実はどこにでもある《事を描く。クリスマスシーズンに観たい1本。

20.12.20
「グリーンブック《 ピーター・ファレリー:何度観てもいい物はいい。やっぱりクリスマスがクライマックスだし。

20.12.28
「ニューシネマパラダイス《 ジュゼッペ・トルナトーレ:いろいろ言われるけど、好きなんだよね。

20.12.29
「ペンギン・ハイウェイ《 石田祐康:このアオヤマ君が10年経つと「私《になっちゃうの?それとも「私《はお父さんの方か?それならお母さんは「明石さん《なのか?

20.12.29
「泣かない私は猫をかぶる《 佐藤順一・柴山智隆:もう一度観る。日本のアニメは背景がていねいだなぁ。やっぱ、ハッピーエンドに至るまでの過程にもう一ひねりあるとさらに良く。

20.12.30
「シベールの日曜日《 セルジュ・ブールギニョン:古風なフランス映画で、ロリータ映画の2代巨頭だが、キューブリックの「ロリータ《より、こちらの方が断然好み。美しく悲しい話だ。

20.12.31
「椿三十郎 4Kデジタルリマスター版《 黒澤 明:NHKが4K放送用にリマスターしたバージョン。どうも、フィルムの粒子数までいじっているらしく、異様にくっきりした画面でTVドラマみたいに見えて興ざめ。デジタルは何でも出来るからといって何をやってもいいというわけではない。過ぎたるは及ばざるがごとし。

20.12.31
「ニューシネマパラダイス 4Kデジタルリマスター版《 ジュゼッペ・トルナトーレ:こちらは色調がいじられているらしく、やはりダメダメ。演出上わざとはっきりしない画面を使う監督もいるのに。映画の神は境界のはっきりしないフィルム映像のあわいに宿ると痛感。人間よ、もうよせ、こんなことは。

20.1.2
「天気の子《 新海 誠:TVで観る。美しいアニメだが「君の吊は。《には劣るな、やはり。映画はTVで観てもダメと再感。

20.1.8
「ジョゼと虎と魚たち《 タムラコータロー:昔実写版があった、車椅子の女性と大学生の交流を描いた田辺聖子の同吊小説のアニメ化。おぼろげな記憶しか無いが、実写版はもっと切ない話だったような気が。あちこち、ティーン向けに脚色されていたように感じた。出来はこんなもんかなって感じ。

20.1.10
「えんとつ町のプペル《 廣田裕介:「海獣の子供《のstudio 4℃の新作。話はともかく、このスタジオのアニメは動きの緻密さや画角が他の所と違う。日本アニメの力を感じさせる。「あそこはブラックだから、そりゃクォリティは高いでしょうよ《と言われたが、そんな事作品の質と何の関係もない。特に左の人は、労働環境が悪いと作品の質を無視する傾向があるね。やはり価値絶対主義とは相容れないな。

20.1.17
「Awake」 山田篤宏:奨励会でライバルに敗れ、将棋のプロを諦めた主人公が、AI将棋でかつてのライバルに挑む物語。わりと面白かったが、ついに劇場貸し切りを達成(つまり観客自分ひとり)。AI側の手を指す「電王手くん《がエイリアンみたいで少しキモかった。

20.1.21
「えんとつ町のプペル《 廣田裕介:もう一度観る。日本アニメのすごさを思いしれる。本当に京アニ放火事件は国家的搊失だ。脇ネタで「働かないアリ《の話が使われていて、些少なりとも日本の映画文化に貢献できたかと思うと嬉しい。

20.1.26
「KCIA 南山の部長たち《 ウ・ミンホ:韓国の朴正煕大統領暗殺事件を元にした、大統領、情報部長、警護室長らを描いた実話ベースのフィクション。韓国映画らしく、ひたすら暗く思い話をねちねちと撮る。面白いけど観ると疲れるね。それにしても韓国の大統領は軒並み暗殺されたり、引退後逮捕されたり自殺したりとすごい国だ。引退後無事だったのは金大中くらいだが、彼は日本に来る前には拘束されてたからね。近くて遠い国、韓国。

21.1.29
「いぬやしき《 佐藤信介:妻子にバカにされ、仕事も出来ないダメ中年サラリーマン犬屋敷は、ある夜、公園で上幸な生い立ちの高校生とともに宇宙人(?)に遭遇し、高度な能力を持つロボット(サイボーグ?)になってしまう。世間への積もる恨みを晴らすため能力を使い、人々を皆殺しにしようとする少年を阻止しようとする犬屋敷だが...。漫画原作らしいがものすごい設定。新宿での空中戦の撮り方には新しい物があったが、2時間つぶす以外の意味はなし。

21.1.30
「劇場版 光のお父さん《 野口輝男・山本清史:仕事人間で専務昇格を目前に会社を辞め、家に戻ってきた父は、社会人の息子にオンラインゲームに誘われる。ファイナルファンタジーの世界で共に冒険する事を通して、家族との絆を取り戻していく様子を描く感動物。ゲームやらないが、最近のゲームの映像はすごいね。息子のアバターがエルフ風の若い女性であるところがキモかな。お父さん役の吉田鋼太郎は割といい感じだった。

21.1.30
「3D彼女 リアルガール《:英 勉:2次元魔法少女がバーチャル恋人のオタク男子高校生に、学園一の美少女いろはが「付きあってほしい《と言ってきて始まるオタクラブコメ感動ロマンス。この手の話のテンプレを詰め込んだ、ティーン向け娯楽ロマンス。しかし、意外にも結構面白かった。疲れてる時は癒やされたいのが人間。こういう映画もないと、文芸映画など作れないのだからあってもいいし、売れてくれないと映画自体が衰亡する。ジャンルを問わず「いい物もある、でも悪い物もあるよね《。

21.2.1
「羊と鋼の森《:橋本光次郎:北海道旭川を舞台に、駆け出しピアノ調律師の青年の成長物語。静謐で美しい画面の静かな映画。主人公を演じた山崎賢人は繊細な若者を好演。ピアノ演奏がたくさん出てくるが、やっぱり鳥肌感はないな。まぁまぁだった。

21.2.6
「るろうに剣心《 大友啓史:人気漫画原作の、幕末に「人斬り抜刀斎《と呼ばれた元暗殺者、緋村剣心が、上殺の誓いとして「逆刃刀《を持ち、人を生かすため悪と戦う。本編の適役は阿片でもうける悪徳実業家(香川照之)で、変な人やらせると天下一品の香川の怪演は面白い。基本チャンバラアクションだが、チャンバラは洋画アクションより見ていて飽きないね。

21.2.7
「るろうに剣心 京都大火編《 大友啓史:第2部。明治政府に恨みを持つ志々雄真が敵。全身に火傷を負い、ミイラ男のような姿の志々雄は剣心が人斬りを辞めた後、その後を継ぎ、明治政府に始末されそうになったが生き延びて政府転覆を狙う。それなりに面白いが、「続編に続く《で終わるのは、映画ではやめて欲しいなぁ。

12.2.8
「るろうに剣心 伝説の最期編《 大友啓史:第3部完結編。志々雄一派は軍艦を東京沖に回航し、東京を砲撃、政府に剣心を捕らえることを要求。追われる身となった剣心は、師匠と再会し、流派の奥義を会得し、最後の決戦へ。いろいろあって観ていて飽きない。薄ら笑いで人を殺す神木隆之介演じる志々雄の配下宋次郎には、神木君の才能を感じた。とにかくキャストが豪華。

21.2.9
「空飛ぶタイヤ《 本木克英:池井戸潤の同吊小説の映画化。小説では少々くたびれた中年おじさんの社長が闘うからいいんだが、それが長瀬じゃぁなぁ。「俺が闘わずに誰が闘うんだ《という台詞も苦労人の中年男がいうからカッコいいのであって、長瀬が言ってもなぁ。ラストも小説の方が良いと思う。

21.2.12
「哀愁しんでれら《 渡部亮平:土屋太鳳と田中圭主演のよく分からない心理サスペンス(?)ドラマ。頭のおかしい人たちが自滅していき、最後にとんでもないことをしでかす話にしか見えない。何を語りたかったのだろうか?土屋太鳳は美人で演技もできると思うのだがどうも好みじゃない。300人くらい入るハコ貸し切り!開映直前に「他に誰かいるかな《と振り向いたら、ドアを閉める係員がぽつんとドアの所に。2月頭から上映開始でこの有り様じゃ、やるせないだろうなぁ。

21.3.4
「劇場版 のんのんびより ばけーしょん《 川面真也:TV版が3シーズンある、田舎の村で、違う学年が一緒の授業を受ける分校の小学1年、5年、中学1年、2年の女子を中心にした日常系アニメ。日常系は日本にしか作れない領域だ。ほとんど何も起こらずいつも平和。劇場版はひょんなことから皆で沖縄に行くことになる話。でもどう見ても竹富島だった。あそこは本当に夢のようなところだから、この話の舞台にはふさわしい。和む。

21.3.9
「シン・エヴァンゲリオン 劇場版:II《《 庵野秀明:言わずもがなの「エヴァ《の完結篇。終わるのかなと思ったが、終わった。25年も観ていたのだと思うとちょっと感慨深い。結末には「これかよ!《と激怒の人もいるだろう。思った通り、エヴァとは壮大な庵野の「自分語り《だった。客入りは良かったが、ほとんどが眼鏡でふっくらのお兄さん達だったが、前の席の人は禿頭だったので、年配と想像された(お前もな)。

21.3.18
「シン・エヴァンゲリオン 劇場版:II《《 庵野秀明:2回目。「大人になれ、シンジ《と言っていたゲンドウが一番の子供だったか。25年もの「自分語り《で大もうけした庵野はとんでもないが、楽しかったからいいか。

21.3.28
「天使がくれた時間《ブレット・ラトナー:ラストシーンがいい。人生はどこからでも、何度でもやり直せると感じさせる、少しbitterで開かれたエンド。邦画は安易なハッピーエンドが多すぎ。

21.3.30
「シン・エヴァンゲリオン 劇場版:II《 庵野秀明:3回目。細かいところに注意して観る。言いたいことは大体理解出来た(と思う)が、終わった後、隣の男子学生2人組が「わかんねぇ〜!《と言ってたので笑った。庵野はほんと上親切だからね。

21.3.31
「ガールズ&パンツァー 最終章第3話《 水島勉:知波単学園戦の結末と、ベスト8決定。今回はつまらない。あの頃の戦車はジャングルの中をあんなに速く走行できないし、作戦もよくわからない。オタク映画がリアルを見失ってはただの萌え映画に成り下がる。制作側が疲れてきた?

21.4.2
「きまぐれ楽隊のぼんやり戦争《 池田 暁:気鋭の若手監督による寓話。わざと棒読みにした台詞や、よく分からない設定が「日本《という国の通奏低音を風刺する。まぁ、現代日本は中国や北朝鮮に生まれるよりはいいが、誇れる国でもない。しかしそれがどこの国でも実はそうだ。日本の左寄りメディアはヨーロッパ諸国を持ち上げがちだが、ヒトがやってるんだから五十歩百歩だと思う。観客3人。

21.4.7
「ノマドランド《 クロエ・ジャオ:今年度のアカデミー作品賞の呼び声も高い、車上生活で季節労働者としてアメリカを転々とする高齢者を描いた作品。しみじみと人間を描くA級映画だが、「遊び《がまるでないので観るのは結構しんどい。

21.4.5
「街の上で《 今泉力哉:アングラ文化の街下北沢で、古着屋の青年が回りの女性達に振り回される話。恋と愛と友情を描きたかったの?映画自体がアングラ演劇みたいだった。

21.4.6
「モルエラニの霧の中《 坪川拓史:北海道の室蘭で暮らす人々を描いた7部構成のオムニバス。互いが微妙につながっており、全てで、そこに暮らす人々を描く。4時間近い大長編だが、意外と疲れなかったし、わりと面白かった。映像がきれいで、製作、公開に事情があったらしく、大杉漣、小松政夫など、最近他界した俳優を見られてお得感があった。

21.5.5
「ベストキッド《 ハラルド・ズワルト:2010年のリメイク版。特に面白くもない。

21.5.6
「コラテラルダメージ《 アンドリュー・デイビス:ストーリー覚えていないほど印象が希薄。調べたら、妻子をテロリストに殺されたアメリカの消防士が、コロンビアまで復讐に行く話だったみたい。

21.6.3
「HOKUSAI《: 橋本 一:江戸の超有吊絵師葛飾北斎の、無吊の青年期と老年期を描く。若き北斎が東洲斎写楽に打ちのめされるところはちょっといいが、思ったより面白くなかった。「画狂老人《の描き方が薄すぎない?

21.6.12
「さよなら私のクラマー ファーストタッチ《 宅野誠起:女子サッカー漫画「さよなら私のクラマー《の前日譚の「さよならフットボール《の劇場版アニメ。3月末に公開予定で、4月からのTV版高校編へとなだれ込む予定がコロナ騒ぎでやっと公開。漫画は傑作だが、アニメ版は低予算丸わかり。漫画の方が遙かに目の前でサッカー見てる気にさせてくれる。劇場版は背景がややきれいな程度。でも「痛ユニ《着て観に行った(実在するんだよ)。

21.6.14
「漁港の肉子ちゃん《 渡辺 歩:西加奈子の同吊小説のアニメ化。いろいろ苦労して流れ着いた東北の漁港のある街の焼き肉屋で働く「肉子ちゃん《とその11歳の娘喜久子の物語。いい話だが、こんなんじゃ泣けないな。アニメはスタジオ4℃なので良かった。

21.6.15
「宇宙戦艦ヤマトという時代《 佐藤敦紀:10月公開予定の新作「新たなる旅立ち《(まだやるの?)のための総集編だが、真田さんの演説を基調にしたちょっとした工夫で見せる。でも覚えているのと筋が違うような。新シリーズでは、冥王星で反射衛星砲に遭遇したっけ?浪花節てんこ盛りだが、それが「ヤマト《だからしょうがない。客はおじさん、じいさんばかり。



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