北海道大学大学院 農学研究院・農学院, 北海道大学 農学部

骨格筋における異種細胞間コミュニケーション機構に関する研究

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 食肉の主体は家畜や家禽の骨格筋です。私たちは、肉用家畜や家禽を様々な飼育方式で肥育することによって、筋組織を肥大化させて効率的に赤身肉を生産したり、骨格筋内に脂肪組織(筋肉内脂肪組織)を蓄積させて美味しい霜降り肉を生産したりしています。

 家畜骨格筋における筋組織や脂肪組織の発達はどのように制御されているのでしょうか。筋組織は、単核の筋芽細胞が分化・融合した多核の筋細胞(筋線維)の集合体です。これらは線維芽細胞が作り出す細胞外マトリックスからなる結合組織によって支持されています。また、筋肉内脂肪組織は、前駆脂肪細胞が分化して細胞内に脂肪滴を蓄えた脂肪細胞の集合体です。したがって、骨格筋を構築する細胞群(筋細胞や脂肪細胞、線維芽細胞など)の挙動が家畜骨格筋における筋組織と脂肪組織の発達に大きく影響し、最終産物である食肉の量と質を決定するのです。

 骨格筋に存在する各種細胞は同一空間内でそれぞれの組織を構築します。私たちは、これらの細胞がどのようにコミュニケーションをとり、互いの増殖・分化を制御しているかを追究することによって、筋肥大・脂肪蓄積のメカニズムを解明しようとしています。細胞間コミュニケーションツールとしての生理活性因子を網羅的に探索して、生理活性因子を介した細胞間コミュニケーション機構を明らかにするとともに、コミュニケーションの場としての細胞外マトリックスの役割を解明しようと研究しています。

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